【アルバム名】
CHARLIE PARKER JAM SESSION (VERVE)
【リーダー名】
CHARLIE PARKER
【パーソネル】
CHARLIE SHAVERS (tp) BENNY CARTER (as) CHARLIE PARKER (as)
JOHNNY HODGES (as) FLIP PHILLIPS (ts) BEN WEBSTER (ts)
OSCAR PETERSON (p) BERNER KESSEL (g) RAY BROWN (b) J.C.HEART (ds)
【収 録 曲】
JAM BLUES / WHAT IS THIS THING CALLED LOVE /
ALL THE THINGS YOU ARE ~ DEARLY BELOVED ~ THE NEARNESS OF YOU ~
I'LL GET BY ~ EVERYTHING HAPPENS TO ME ~ THE MAN I LOVE ~ WHAT'S NEW /
SOMEONE TO WATCH OVER ME ~ ISN'T IT ROMANTIC? / FUNKY BLUES
【内   容】
 健康診断が終わったと思ったら下痢、続いて風邪と、まったく健康的でない生活 を送っておりますが、いやあ、今回の風邪は進行が早いですなぁ。連休初日の文化の日 、僕はぼーっとしながら無為な時間を過ごしていたわけなんですが、午後になると喉が 痛くなってまいりました。僕が風邪をひく時のパターンとしては、まず最初に鼻にきて 、鼻水の滴下を防ぐために鼻の穴に鼻紙を詰めているうちに行き場所を失った鼻水が食 道を伝って咽喉部に転移するというのが常でありましたが、今回はいきなり喉にきまし た。鼻水のほうとしても、どうせ最終的には喉のほうに行くんやから。。。と気をきか せて咽喉部に直行してくれたんでしょうが、おかげで風邪の進行もいつもより早くなっ ております。喉が痛くなった翌日には病状がピークに達し、その翌日にあたる今日は喉 の痛みもやわらいで、鼻水も黄色いドロドロ状の“長島温泉ホテル鼻水黄”に変わりつ つあるわけなんですが、まだちょっぴり微熱があるんですけどね。ということで本日は 『微熱なバナナ』について考えてみたいと思います。
 
 僕が愛用しているザウルスのザウ子ちゃんというのはとても便利な器具でござい まして、最近ではインターネットを通じていろいろなサービスが提供されております。 このたびはザウルス電子文庫に『おとなの本屋・さん』というのがオープンしまして、 僕が敬愛しているウノ先生の著書も『男あそび』『人形あそび』『濡れて騎(の)る』 の3冊がラインアップされておりましたが、ティッシュ堀内著『性風俗射○マニュアル 』という、もう本のタイトルと著者の名前を見るだけでもけしからんっ!というのもご ざいました。青少年の健全育成という見地からも、このようなお下劣な読み物はネット 上から追放されてしかるべきであると思われますが、どうしようかな?と悩んでいるう ちに販売禁止になったりすると悔しいので、とりあえず押さえるだけ押さえておきまし たけどね。よって、のんびりと原稿など書いている場合ではないんですが、電子文庫の ほかにも『ザウルス電子まんが』というサービスがありまして。これは何かというと、 ザウルスの画面で4コマ漫画を1コマずつ見れるようになってるんですけどね。で、画 面上をくりくりっ♪とくりっくすると次のコマが見れるようになっております。4コマ 漫画が20数個入っていて100えん♪だから1コマあたり約1円と、けっこうお買い 得カナ?という感じなんですが、いざ始まってみるとすぐに終わってしまって、ちょっ ぴり物足りないのぉ。。。という気がしないでもないんですけどね。
 
 で、そのザウルス電子まんがのシリーズにあるんですよねー、伊藤理佐の『微熱 なバナナ』。けっこう人気のある作品ではないかと思うんですが、バナナだけで100 円取るのはどういうものか。。。と危惧されたのでありましょうか、岡田がるの『OL 狂奏曲』、朝倉世界一の『フラン県』と抱き合わせのセット販売になっております。朝 倉世界一の『フラン県』というのは「ち○こくらぶ」というのが登場したりする実にけ しからん漫画なんですが、『微熱なバナナ』はいいですなぁ。僕はこの漫画によって“ 微熱”の魅力に取りつかれたといってもいいんですが、人間、熱があるときは何もした くなくなるのが本筋ですよね?にもかかわらず、教育映画『未成年の性』において、風 邪をひいて自宅の床に臥せていた主人公の“のぶ男”は、お見舞いにきたテニス部の後 輩はる子ちゃんにガバっと襲いかかってしまいました。思わず「そんな元気があるなら ガッコ行けよ!」とツッコミを入れてしまいましたが、このとき、のぶ男が“微熱”と いう極めて微妙な状態に置かれていたのであろうということは用意に推察できます。
だって人間、39度も熱がありゃ、さすがに“そんな気”もおこらないでしょうが 。。。だいたい、はる子ちゃん(←の役をやった女の子)って、ブサイクとまではいい ませんが“十人並み”といった程度でありまして、どう頑張っても37.5度が限度ぉ ?って感じでしたもんね。いや、わりとスレてなさそうな感じが新鮮で、のぶ男がガバ っといっちゃった気持ちもワカランでもないんですが、彼がもし平熱か、もしくは38 度以上の高熱であったなら、はる子ちゃんの貞操はどうなっていたでしょう?微熱とい うのは一種の“軽度らりらり状態♪”でありまして、今回のケースはそれが故に起きて しまった悲劇ではなかったかと思うんですが、そもそも人間とは何度までの発熱に耐え て、ムラムラできるものなのでありましょうか?いろいろ調べてみたところ、ここに興 味深いデータを得ることが出来ました。この実験は健全なる成人男子40人を対象に、 うち10人は健全なままの状態で、残り30人には生ワクチンを注射して人工的に微熱 の状態を作りだし、そのうちの20人は水風呂に浸けたあとで戸外に放置し、さらにそ のうちの10人にはスッポンエキスを飲ませることによって
 
A群:体温36.2〜36.6度
B群:体温36.7〜37.4度
C群:体温37.5〜39.0度
D群:体温39.0度以上
 
という4つのグループを作っておいて、それぞれに『マル秘女子高生・ブルマ生着 替え♪』というビデオを鑑賞させ、いったい何人が鼻血を出すかについて調べてみたと ころ、
 
A群:0人
B群:0人
C群:0人
D群:1人
 
という結果が出て、人間、ちょっとコーフンしたぐらいで鼻血を出したりすること はないんだなぁ。。。という貴重なデータが得られたわけなんですが、それでも一人が 鼻血を出したとは、さすがに“高熱にスッポン”はキツすぎましたかね?
 
 以上、この実験からは“発熱とムラムラの関係”についてなんら得られるものは ありませんでした。というお話でした。
 
 @ さて本日はパーカー。“じゃず・じゃいあんと”初登場であります。パーカ ーなんてのは熱があるときでもないと聴く気になれないので、この機会に片付けておき ましょうね。で、パーカーの演奏というとその小難しさもさることながら、録音の古さ からくる音質の悪さも初心者にはネックですよね。動物は初心者でもバックですけどね 。…って、そんなことはどうでもよくて、パーカー入門には録音がまだマシな50年代 のヴァーブ盤がイイというのは、わりとよく聞く話ですよね。中でも『ナウズ・ザ・タ イム』あたりがオススメなんですが、ありきたりで面白くないので『チャーリー・パー カー・ジャム・セッション』。これに参りましょう。ちなみにこのアルバムは『ノーマ ン・グランツ・ジャム・セッション』というのが原タイトルで、別段パーカーをフィー チャーした内容ではないんですが、『チャーリー・パーカー・ジャム・セッション』に したほうが売れるかな?という思惑が働いてこのようなCDタイトルになったんでしょ う。オトナの考えることって汚いですよねー。オトナのすることってスケベですしねー 。ということが『おとなの本屋・さん』を読んだら判明したわけなんですが、いかにも ノーマン・グランツらしく、メンバーはスイング派を中心とした大モノぞろいとなって おります。アルトだけを見てもベニー・カーターとジョニー・ホッジスの両巨頭(←頭 でかいの?)が顔を揃えていて、これら大先輩を向こうにまわし、やんぐなパーカーが どのようなプレイを繰り広げているのか大いに興味がもたれるところでございます。と いうことで、では1曲目から聴いてみましょう。
 
 「ジャム・ブルース」。ほとんど何にも考えないで作ったとしか思えないチョー 単純なリフ・ナンバーなんですが、“ジャムる”にはこういう単純なのがイイんだよね 。と、ジャムおじさんも言っておりました。(←旧石器の発掘並みの捏造。)ソロ先発 はフリップ・フィリップスで、この人は白人ながらわりと黒っぽいソロを聴かせてくだ さいます。通称フリフリ♪ソロ後半にはホーン陣の“景気付け”もあって、大いに盛り 上がっております。で、続くベニー・カーターのソロがあまりにもモダンなのには驚か されますな。
普段モダン以降の演奏しか耳にしない人は、パーカーのスタイルが突然変位的に誕 生したかのような印象を持ちがちなんですが、実はこのような立派な先達がいてのこと だったんだね。という認識を新たにすることでありましょう。で、続く3番手のピータ ーソンがこれまた見事でありまして、普段ピーちゃんのことを馬鹿にしていた人は直ち に反省してくださいね。その次がいよいよパーカーの登場なんですが、彼が出た瞬間、 大袈裟じゃなく“空気”が変わります。パーカー、やっぱりエラかったんですなぁ。。 。続くバーニー・毛ェ剃るも、彼なりに頑張ってはいるんですが、やはりパーカーの後 では印象薄なのは否めませんな。が、その次に出てくるベン・ウェブスターはスタイル こそ古めかしくはありますが、堂々たる存在感を示しており“大ベン”の面目躍如とい ったどころ。どこの病院に検便として提出しても恥ずかしくない出来であります。残っ たホッジスも頑張ってるし、ラストのシェイヴァースの健闘しているし、ノーマン・グ ランツってあまり好きじゃないんだけど、このジャム企画はけだし成功であったと認め ざるを得ません。
 
 2曲目「恋とは何でしょう?」。有名なコール・ポーターのナンバーなんですが 、ぼーっと聴いていると「恋何?」であるとは気付かないほどラフな仕上がりとなって おります。ま、ジャムだからしょうがないよね?イントロからしばらくトリオの演奏が 続くんですが、よーく聴くとピーターソンがテーマ・メロディの断片を弾いてますね。 面倒になってきたので大和明クンの日本語ライナーを丸写しすると、まず冒頭のピータ ーソンからして、このうえなくスインギーに海苔膜っている。。。って、さすがは水産 系のザウ子ちゃん。何という変換をしてくれるんでしょうか。「乗りまくっている」が 正解ですね。続くウェブスターの豪放無比な激しさ、トリッキーに技巧の限りを示すシ ェイヴァース、とありますが、この豪華メンバーの中では、はっきり言ってネーム・バ リューの見劣りのするシェイヴァース(tp)くん、演奏自体は決して見劣りすることなく 、概して大健闘と言えるでありましょう。で、あでやかに瑞瑞しく歌いあげるホッジス 、フレッシュなケッセル、華麗に輝くカーター、これでもかと迫るフィリップス…って 、さすが本職ともなるといろんな形容詞を持ち出してくるものですなぁ。で、各人のソ ロもそれなりに悪くはないんですが、やはりパーカーが抜群の存在感を示しているんで すよね。オトナが思わず『チャーリー・パーカー・ジャム・セッション』と名付けてし まったのも、うべなるかな。。。といった感じです。ちなみに「朝日のようにさわやか に」のフレーズをちらっと引用したりして、余裕綽々で憎いばかり。。。
 
 さしもの熱狂的なジャム・セッションも、似たような“ソロ合戦”が続くと、い ささかうんざりするんだよねぇ。とイササカ先生も言っておりましたが(←またしても 捏造。)そこがノーマン・グランツの偉いところ。各自が得意なスタンダードをメドレ ーで演奏する「バラード・メドレー」を間に挟むことによって、見事なまでの緩急バラ ンスを演出しております。すかんけど、そのプロモータとしての実力は認めざるを天ざ る。もう、このパターンは今日を限りにやめます。ここで聴かれるバラード・メドレー は「オール・ザ・シングス・ユー・アー」(ケッセル)→「ディアリー・ビラヴド」( パーカー)→「ザ・ニアネス・オブ・ユー」(ウェブスター)→「アイル・ゲット・バ イ」(ホッジス)→「エブリシング・ハプンズ・トゥ・ミー」(ピーターソン)→「ザ ・マン・アイ・ラブ」(レイ・ブラウン)→「ホワッツ・ニュー」(フリフリ)→「や さしき伴侶を」(シェイヴァース)→「ロマンチックじゃない?」(ベニー・カーター )の順。ほとんどアドリブらしきパートもなく、次々とおなじみのメロディが出てくる んだから、スタンダード好きの初心者にはこれほどありがたい企画はないですな。ただ ストレートにテーマを演奏しているだけなのに、そこにはプレイヤーの個性が濃厚に現 れておりまして、中でもパーカーの「ディアリー・ビラヴド」は、彼が残したバラード の中でもベストの出来でありましょうとかく超絶技巧が先行して、まるで「超絶技巧ド ール・さち子ちゃん♪」を抱いてるようだと評されるパーカーなんですが、ここでは人 間的な、あまりにも人間的なパーカーの“肉声”を聴くことができます。で、ラスト。 「ファンキー・ブルース」は、ファンキーというよりもアーシーなムードのスロー・ブ ルース。ヤマトくんも書いているように、最初にアルトの3巨星による揃い踏みが聴か れます。すなわち、12小節テーマ(アンサンブル8小節、ホッジス4小節)のあと、 ホッジス、パーカー、カーターの順でソロがとられるそうです。いやあ、ヤマトくんっ て味カレーを作っているだけかと思ったら、ジャズにも造詣が深かったんですねー。尊 敬しちゃいます。で、パーカーのソロはまさにブルースそのものであるそうですが、こ こでいう“そのもの”というのはウノ先生いうところの“そのもの”とは、あまり関係 がないものと思われます。
 
 ということで、以上、パーカーのリーダー作を聴くより、ずっとかパーカーが好 きになってしまった1枚でありました。


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