- 【アルバム名】
- SPRING FEVER (RIVERSIDE)
- 【リーダー名】
- THE JAZZ BROTHERS (1961/11/28)
- 【パーソネル】
- CHUCK MANGIONE (tp) SAL NISTICO (ts) GAP MANGIONE (p)
- FRANK PULLARA (b) VINNIE RUGGIERI (ds)
- 【収 録 曲】
- FIRST WALTZ / WHAT'S NEW? / SPRING FEVER / BROOKS' BROTHERS /
- SOFTLY , AS IN A MORNING SUNRISE / NOT TOO SERIOUS
- 【内 容】
- 2週間に及ぶ藤枝バイパス原トンネルでの工事も、ようやく終了しました。終わ
ってみての感想を3つほどあげると
-
- 1.富士山が見えなかった。
- 2.鮭地獄だった。
- 3.チャーハン男は最後までウザかった。
-
- ということになりまして、全体的に労働環境は極めて劣悪にして粗悪、チャーハン
男の性格は極めて狡猾にしてハムカツであると言わざるを天ざる。いや、藤枝シティホ
テルの周囲は食堂事情が今ひとつ充実してなかったんですよね。うらびれた地方都市の
商店街といった感じのロケーションだったんですが、歩いていける範囲にあるのは定食
屋と蕎麦屋と鰻屋の3件。うち、鰻屋の店構えは老舗にして鯔背(いなせ)にしてヤナ
セ。といった感じで、やっぱりこういう店には地元の金持ちがベンツで乗りつけたりす
るんでしょうな。だって鰻丼の特上は4000円もするんだもん。便器には座れてもベ
ンツのシートには一生座れそうもない僕は「鰻たま丼」(1500円)というので我慢
しましたが、それでも昼食代と夕食代を合わせて1300円しか出ない塩サバ物産(仮
名)の日当では大きく持ち出しだし、お正月によく食べるのは餅だし、使って楽しいの
は鞭だしぃ。結果、2週間の滞在中で鰻屋のお世話になったのは1度だけで、もっぱら
定食屋でフライ定食だの、野菜いため定食だの、カツとじ定食だの、エビ丼というのが
あったので何かと思って注文したら、エビフライを卵でとじて丼にしたものだったんで
すが、昨日はカツとじ、今日はエビ丼で、これでは“卵とじの多い店のランチ”と何ら
変わりばえがしないではないか!と思っているうちに金曜日を迎えると、その日は定休
日だったんですけどね。
-
- 定食屋は定休、ウナギは高いとなると、残された選択肢は蕎麦屋だけになっちゃ
うわけですが、この蕎麦屋は前に一度入って天丼を注文したところ、ほかに誰も客がい
ないにもかかわらず30分も待たされて、あげく出された天丼がむっちゃ辛くて今ひと
つだったので、あまり気は進まなかったんですが、「腹が減っては戦は出来ぬ」という
言葉もありますしね。いや別に食後に「一戦、頑張ってみるぅ?」といった予定があっ
たわけではなくてですね、そういう予定があるのなら多少の出費は覚悟の上でウナギ(
並)程度は奮発するところなんですが、その夜はとりあえず空腹さえ満たせればそれで
よかったわけでありまして。で、蕎麦屋の店先のサンプルをじっと眺めてメニューの検
討をした結果、むっちゃ辛くって今ひとつな天丼は論外として、カツ丼はプリン体の摂
取という観点から問題があるし、ま、後日、どうしても我慢できなくて定食屋でカツと
じ定食を食べちゃったわけなんですが、その日の気分は「天ザルにあらざるザルは、た
だのザル蕎麦。ザル蕎麦に海苔あらざるは、ただの盛り蕎麦。」といった感じでありま
して、ちょうどチャーハン男に虐められて「うまいもん食ってやるぅ!」というヤケ気
味な気分だったので、ちょっと贅沢して「天ざる食ってやるぅ!」と、意気盛んに蕎麦
屋の引き戸を開けたのでありました。
-
- 「すいませーん。」
- 「・・・」
- 「こんにちはー。」
- 「・・・」
-
- 店内には誰もおりません。返事もありません。前に来た時から、今ひとつやる気
の感じられん店やなぁ。。。とは思っていたんですが、今回は完全黙殺ですかぁ。仕方
がないので派手に椅子の音をたてて席に座り、誰かが登場するのを待つことにしたんで
すが、腰を降ろして3秒後に、このまま15分くらい放置されたあげく、「お客さん、
おったの?」とか言われたら嫌やな。僕ってシャイで無口で存在感がないもんやからよ
く忘れ去られて、あげく「あれ、おったん?」とか言われて、ナイーブなハートを傷付
けられたことが今までに何回もあったもんなぁ。。。と、辛かった過去のことを思い出
して切なくなり、目にうっすらと涙を浮かべながらそっと席を立ち、そして今度はなる
べく音をたてないようにしてその店を後にしたのでありました。
- 天ざるとチャーハン。この2つが僕の心の中でトラウマになったのは言うまでもあ
りません。
-
- こうなったらホカ弁でカラアゲ弁当を買って食ってやるぅ!と、ホテルの近くの
弁当屋へ行ったらそこも休みでありまして、もう、金曜日だというのにまったくヤル気
の感じられない街なんですな、藤枝って。仕方がないのでコンビニで弁当を買って食べ
ました。ちょっぴり涙の味がしました。
-
- と、ここまで書いたら下痢になったので布団かぶって寝ちゃったわけなんですが
、夜中に地震で起こされちゃいましった。地面の揺れが腸の蠕動運動に悪影響を与え、
下痢が悪化するのではないか?と懸念されたんですが、朝になったらすっかり治ってい
たので何より。朝ごはんを食べて元気に出社したわけでありますが、ようやく“鮭地獄
”から解放されたなぁ。。。という感じですね。前にも書いたように藤枝シティホテル
の朝食(700えん)は明けても暮れても「鮭・豆腐の味噌汁・生卵+1品」というメ
ニューでありまして、2週間で11切れも鮭を食べました。鮭率7割8部6厘!ちなみ
に生卵はあまり好みでないので2日連続で残したところ、3日目からは目玉焼きになり
ました。9日目からは卵を2個使った“サニー・サイドアップ”に進化しました。その
変わり、“ほうれんそうのお浸し”だったり“ポテトサラダ”だったりした「+1品」
が9日目からは昆布の佃煮ばかりになりましたけどね。ということで、しばらくは鮭師
匠や昆布クンの顔は見たくないと思っておりますが、明日は「静岡の女子高生事情」に
ついてレポートしてみたいと思います。んじゃ。
-
- @ さ、“ザ・じゃず兄弟”です。ジャズ界で兄弟と言えばキャノンボールとナ
ットのアダレイ兄弟、ハンク、サド、エルビンのジョーンズ3兄弟、柔道の中村3兄弟
、ぴんから兄弟などが有名ですが、兄弟デュオの“狩人”なんかもいいですよね。で、
この“ザ・ジャズ・ブラザース”というのはチャックとギャップのマンジョーネ兄弟が
中心となって結成されたコンボなんですが、ギャップ君のほうは全然目立たずに、チャ
ック君だけが後にフュージョンの世界でとてもメジャーになっちゃいましたね。そのイ
メージが強いもんだから、とかく辛口ファンからは見落とされがちなんですが、リバー
サイドに残された彼らの諸アルバムはどれも純正ハードバップと言ってよい内容で、“
死んじゃった系の黒人好き♪”の僕でも、十分に楽しめる内容となっております。で、
今回は『スプリング・フィーバー』というアルバムを紹介したいと思うんですが、ジャ
ケットにはマンジョーネ兄弟の他にサル・ニスティコという人の名前もクレジットされ
ております。このテナー奏者は他のジャズ・ブラザーズ名義のアルバムにも名を連ねて
おりますので、兄弟分、もしくは「兄貴ぃ!」「サルぅ!」と呼び合うような仲だった
のではないかと思われます。このサルくんとマンジョーネ兄弟のユニットは後にウィリ
ー・ボボを加えて『サル・ボボ・マンジョーネ』という飛騨高山土産みたいなコンボへ
と発展していくわけでありますが、とりあえず『春のひーばー』を聴いてみましょうね
。
-
- 1曲目「最初のワルツ」はベーシストとして参加しているフランク・プラーラと
いう人のオリジナルです。ベースのピチカートが単一フレーズを繰り返すイントロ部か
ら、なかなかいいムードでありますな。そこにドラムスとピアノが入って、やがてチャ
ックの吹くテーマになるんですが、マイナーでミステリアスなムードの、なかなかの佳
曲でございます。その後、ドラムをフィーチャーしたパートが少しだけあってサルくん
のソロになるわけですが、サルもさる者、ちょっとロリンズを思わせるような力強い吹
奏を披露してくださいます。続くギャップ君のソロは、ちょっとモンクを思わせるフレ
ーズを交え、地味は地味なりに健闘しておりますね。白人らしく、タッチはかなりクリ
アです。で、チャックくんはさしたる出番がないままテーマに戻り、そのままエンディ
ング。この頃はまだ、軽く見られていたんですなぁ、チャッくん。で、2曲目はスタン
ダードの「ホワッツ・ニュー」。ギャップくんのちょっとガーランドを思わせるイント
ロに続き、チャッくんがちょっとマイルスを思わせるトーンでおなじみのテーマを歌い
上げます。
- しばらく吹いたあと今度はサルくんが出てきて、テーマ・メロディをフェイクする
感じでソロを構築してまいります。最後に再びチャッくんが出てきてテーマを吹いて、
エンディング。うーん、「まあまあ」ってところですかね?ちょっぴり、ため池的な深
みに欠ける嫌いが無きにしもあらずといったところですが、だんだん書くことがなくな
ってきたので3曲目のタイトル曲「スプリング・フィーバー」へとまいりましょう。チ
ャック・マンジョーネのオリジナルでありまして、ファンキーな薫り漂うヤンキー娘。
といった感じの名曲でございます。ヤンキーってよくウンコ座りしてるから、検便なん
か得意ぃ?という気がしますが、よくウンコ座りをしているからと言って、検便の得手
・不得手にはあまり関係ないような気がしないでもありません。ソロはサル→チャック
→ギャップの順で、サルくんのプレイはちょっぴりJ.R.モンテローズを思わせると
ころもありますね。チャックのソロは誰に似ているかというと、強いて言えばやはり5
0年代のマイルスでしょうか?意外とフレディ・ハバードあたりを感じさせる気がしな
いでもないんですけどね。ギャップは地味です。わりとブロック・コードをよく使って
いて、クールなタッチはピアソンを限りなく地味にした感じと言えなくもありません。
サル→太鼓→チャック→太鼓の4バースがあって、後テーマがあって、エンディング。
以上、ハード・バップの薫り漂う小品といってもよろしいかと。
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- はい4曲目。「ブルックス兄弟」もチャックのオリジナル。ラテンのリズムと明
るいムードのハード・バピッシュなナンバーです。そんだけ。5曲目はスタンダードの
「朝日のように爽やかに」。「ホワッツ・ニュー」同様、極めて日本人好みのナンバー
でありまして、この2曲が本アルバムを“ソソられる”ものとしているわけであります
が、「朝さわ」はペットとテナーのユニゾンによるイントロで幕を開けます。AABA
形式のテーマはAのパートがチャックの担当、Bのパートがサルの担当で、このアレン
ジはわりとよく聴かれるパターンですよね。ただ、チャックがミュートを用いているの
が他のバージョンにない味を醸し出しておりますが、ミュートだからモロにマイルスな
のかと思ったら、ソロパートは意外にもモーガン風でありました。続くサルのソロは、
ヤックン言うところを「新鮮な魚をブツブツと包丁で切るような」フレージングが、や
はりJRモンテを思わせますね。後半は割と流麗ですけどね。ギャップは地味です。…
って、そればっか。『ザ・プロレス』という1500円のプレステ用のゲームで、極め
て地味な風貌のオリジナル・レスラーを作り、“地味レスラー”と命名して「根っから
地味」というキャッチフレーズを付けたことがあるんですが、ぜんぜん関係のない話な
ので6曲目にまいりましょう。「それほどシリアスではない」という曲はベーシストの
プラーラくんのオリジナルです。ちょっとスタンダードの何とかという曲を思わせるメ
ロディでありまして、「それほどシリアスではない」と言うわりには、それほど不真面
目な曲でもありません。そんだけ。
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- 以上、白人モノだからって毛嫌いして「毛はいらん!」とか言い切っちゃう前に
、騙されたと思って一度聴いてみてくださいね。「最後は手に戻る」ということが実感
できると思います。ということで、明日はひさしぶりに“気まスタ”のコーナーを復活
させる予定です。よろしく〜☆
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