【アルバム名】
LEE MORGAN LAST ALBUM (BLUE NOTE)
【リーダー名】
LEE MORGAN (1971/9/17,18)
【パーソネル】
LEE MORGAN (tp,flh) GRACHAN MONCUR (tb) BOBBI HUMPHREY (fl)
BILLY HARPER (ts,a-fl) HAROLD MABERN (p,el-p) JYMIE MERRITT (el-b)
REGGIE WORKMAN (b,prc) FREDDIE WAITS (ds,recoder)
【収 録 曲】
CAPRA BLACK / IN WHAT DIRECTION ARE YOU HEADED? / ANGELA /
CROQUET BALLET / INNER PASSIONS EXPELLED
【内   容】
 「クロスワードパズルを解こう」というお話です。クロスワードパズルというの は、最初のうちは「クロスワードパズルかぁ。。。」といった感じであまり気乗りがし ないものなんですが、ま、あまり気乗りはしないけど、ちょっとやってみるかぁ。どう せ暇だしぃ。。。とか思ってやってるうちに、意外とハマって夢中になっちゃうもので すよね。だからクロスワードの愛好家というのはわりと多くて、少なくとも“黒酢ウド 愛好家”よりは多いような気がするんですけどね。黒酢を用いたウドの酢味噌和えを愛 好する人々って、そんなの立川に20人もいればいいところですもんね。そんなわけで 週間誌などにもクロスワードというのはよく載っているわけなんですが、ふと入った喫 茶店に置かれていた週間誌のクロスワードパズルがすでに何者かの手によって解かれて いたりすると、なんかこう、憤りみたいなものを感じませんか?喫茶店で週間誌を手に 、絶望的な表情で、怒りのあまり肩をこまかく震わせている中年男を見かけたとしたら 、それは恐らく“かわいい僕のクロスちゃん”が何者かによって好き放題に蹂躙された ナマナマしい痕跡を目の当たりにしてしまったのではないかと思われますが、そういう ことをする男って根が粗暴で凶悪だからボールペンの跡が4ページ先まで残っていたり して、痛々しい限りなんですよね。字ィ、下手だしぃ。おまけに“横のカギ”の7番「 若い人とは○○○○○○○○ギャップを感じてしまう。」の解答が
 
  ゼネレーシヨンー
 
って、訛っているから最後に1マスあまって“ー”などという無意味な長音が出て きてしまうんや!と、ますますいらだちを強めることになってしまいます。結局この単 語がネックになってここで断念しちゃったようなんですが、最後まで面倒みれないなら 、最初っから手ェ出すなって!と文句のひとつも言いたくなってしまいますよね。でも ザウルス盤クロスワードパズルなら大丈夫。ヘンな言葉を書いちゃっても簡単に修正す ることが出来るので、人様に己のアホ具合をさらけだすこともなく、お手軽にクロスワ ードを楽しむことが出来るわけです。
 
 ということで、サンプル問題に「心に響け“音楽”クロス」というのがあったの で、それに挑戦してみたいと思うんですけどね。ほら、うちも一応は音楽カンケーのサ イトなわけだし、とはいっても音楽の中でもジャズ・オンリーで、しかも50〜60年 代の黒人で、もう死んでなきゃヤダ!というようなヒジョーに料簡の狭いサイトのウェ ブマスターなので、ぜんぜん自信はないんですけどね。ま、とりあえず“縦のカギ”か ら片付けてみましょうね。
 
「胎教にもいいと言われている音楽」 → “○○○○○○”
 
んなもん、簡単ですね。胎教には「クラシック」と相場が決まっておりまして、お なかの中の“ぼぼさ”にコルトレーンの『オム』なんぞを聴かせたら、どんなコドモが 生まれてくるかわかったもんじゃありません。ということで「クラシ・・・」まで入力 しかけて、ふとペンが止まりました。マスは6文字分あるから「クラシツク」では1文 字足りないんですよね。でも大丈夫。そうです。「クラシツクー」と最後をのばせば、 万事オッケだねっ♪
 
「順番を決めて、後から後から順番に歌う」 → “○○○○○”
 
これも楽勝です。
 
かえるの歌が〜♪ 聞こえてくるよ〜♪
         かえるの歌が〜♪ 聞こえてくるよ〜♪
 
というやつですね。ちなみにこの歌は宴会のときの隠し芸にも活用できまして、ど うするのかと言うと、最後の「げろげろげろげろ、ぐわっぐわっぐわっ♪」のところで グワッ!とゲロを吐けばいいだけなんですが、3人並んで順番にやれば宴は大いに盛り 上がること必至。ちなみにこういう唱法のことは“輪唱(りんしょう)”というのであ ります。
今度は文字数もぴったりで「リンシヨウー」とかしなくても大丈夫ですね。では続 いて“横のカギ”にいこうと思うんですが、まず最初は
 
「音が出ない、という歌がある楽器」 → “○○○○○○”
 
これも簡単だよね。「ぱっけまらーど」だよね。ということで早速入力しようとし て、今度は「ぱっけまらーど」では1文字余ってしまうという事実を突き付けられてし まいます。でも大丈夫。長音をなくして「ぱっけまらど」としちゃえば全然問題ないわ けです。さっきは意味もなく「クラシツクー」と長音をつけちゃったので、今度は長音 をなくして、これでちょうど“おあいこ”なわけです。で、「ぱつけまらど」と入力し ようとしてふと気付いたんですが、すでに縦のカギで2文字分が埋まっているんですよ ね。それによると、どうやら「ク○リ○○○」というのが正解らしいのです。
 
  パツケマラド
  ク○リ○○○
 
あかんやん!2戦2敗やん!ここにきて新たに「ク○リ○○○」という言葉を見付 けなければならなくなってしまったわけですが、うーん、「ク○リ○○○」ねぇ・・・ 。「クリ○リ○」だったらすぐにわかるんですけどねぇ。。。などと悩むまでもなく、 「クラリネツト」で正解でありましょう。…と、ここまでは図を見てもらってもわかる ように辻褄があっていたんですが、問題はその後ですな。
 
「最近のカラオケは、○○○○カラオケ」 → “シ○シ○”
 
これはまあいいでしょう。「失神カラオケ」。最近ではそういうのが流行っている んでしょう。
 
「郵便局の○○○箱に送ってください」 → “ツ○ヨ”
 
うーん、これは難題ですなぁ。。。でも大丈夫。月夜(つきよ)箱。月夜の晩に郵 便局に設置される、とっても風流な箱でございます。が、さすがの私の“冴えた頭脳” も、続く
 
「○○の大掃除で昔のレコードが見つかった」 → “ー○”
 
で、完全に思考停止に陥ったのでありました。侮れないですなぁ、クロスワード。 。。
 
 @ ということで本日はリー・モーガンです。おこめ師匠がダブり買いして“横 濱かめのあたまオフ”の際に、かれい技師の手に渡ったという謂れのある『ラスト・ア ルバム』でも紹介してみましょう。あ、そうそう。先程のクロスワードなんですが、横 のカギを埋めてから類推したところ、胎教にいいのは「クラシツクー」じゃなくて「ク ラツシツク」が正解であることが判明しましたが、それにしても先行して書いたジャケ ・イラストのモーガンがどう見ても井上ひさしになってしまい、まことに申しわけなく は思っておりますが、書き直すのもメンドーなのでこのまま押し通したいと思います。 元々、スーツの色とかネクタイのセンスにちょっぴり問題のあるジャケットですしね。 ちなみに、このアルバムは通称“ラスト・アルバム”と呼ばれる作品だが(中略)この 時点ではまだモーガンは存命中だったと推測される。オリジナルのアルバム・タイトル は『リー・モーガン』とシンプルこのうえない。と、日本語ライナーに原田和典クンが 書いているとおり、このアルバムが発売された段階ではモーガン本人も、まさか5ヶ月 に14歳年上の愛人ヘレンちゃんに撃たれるとは思ってもみなかったようでありまして 。。。げに“ぎゃる系”は大切にしなければならないわけでありますが、モーガンの享 年33年間の人生を代表的なアルバムで振り返ってみると、だいたいこんな感じになっ ております。
 
1956年11月 『リー・モーガン・インディード』
1957年 3月 『リー・モーガン・VOL.3』
1957年11月 『キャンディ』
1960年 2月 『ヒアズ・リー・モーガン』
1960年 4月 『リー・ウェイ』
1963年12月 『ザ・サイドワインダー』
1965年 9月 『コーンブレッド』
1966年 9月 『カリズマ』
1968年 5月 『カランバ』
1970年 7月 『ライブ・アット・ザ・ライトハウス』
1971年 9月 『ラスト・アルバム』
 
ちなみに68年録音の『カランバ』にはヘレンちゃんに捧げられた「ヘレンズ・リ チュアル」という曲が入っておりまして、この頃が2人にとって最も“らぶらぶ♪”だ った時期ではないかと思われます。それからきっかり“3年目の浮気”が原因で命を落 とすことになっちゃうわけですが、音楽的に見ると63年の『ザ・サイドワインダー』 を境に、前期と後期にわけることが出来ますよね。で、後期のモーガンの演奏はジャズ ・ロックあり、ハード・バップあり、ファンキーあり、新主流派風あり、フリー系あり の、とにかく“何でもあり”のバラエティに富んだ演奏が特徴なんですが、その中では 再晩年(といっても32〜33歳)にあたる『ライブ・アット・ザ・ライトハウス』と 『ラスト・アルバム』では先鋭的で鬼気迫るプレイが展開されておりまして、結果的に 見ると「死期を悟った劇団四季」といった感じになっているんですけどね。ということ で、とりあえずまあ1曲目から聴いてみましょう。
 
 「カプラ・ブラック」はこのアルバムにテナー奏者として参加しているビリー・ ハーパーのオリジナルです。昔ありましたよねぇ、音響カプラ。塩サバ物産(仮名)謹 製「3Pシステム」の“移動監視装置”も、ごく初期のものは通信手段として音響カプ ラを用いておりました。白い音響カプラだったので、いわば“カプラ・ホワイト”とい うようなものであったわけですが、「カプラ・ブラック」というのは何のことだかよく 解りません。恐らく黒人万歳!みたいな意味合いがあるのではないかと思われますが、 演奏はまずホーンの分厚いアンサンブルで幕を開けます。そのあと短いベースのピチカ ートが聴かれるんですが、このあたりは幾分“アフリカ的”でありますな。続いて登場 するテーマ・メロディはショーターあたりが書きそうな感じですね。全体的に“真摯な モード・ジャズ”の雰囲気が濃厚でございます。で、ソロ先発は作曲者のビリー・ハー パー。いきなり激情がほとばしっております。演奏自体もかなりショーターに似た感じ ですね。ソロの最初と最後に絡むホーン・アンサンブルも無気味なムードを醸し出して おります。モード好きにはいいかも知れませんが、モード嫌いにはどーも。。。といっ た感がなきにしもあらずで、いや、個人的には嫌いじゃないんですけどね、こういうの 。で、ソロ2番手はブラちゃん揉もうか、賛成。新主流派のトロンボーン奏者と言えば この人なんですが、今ひとつよくわかんないのが欠点ですね。続くモーガンのソロは最 初のうちバックのアンサンブルが気になってあまり目立たないんですが、いかにも彼ら しいブリリアントなソロが展開されているのではなかろうかと。で、次のハロルド・メ イバーンのソロはまるっきりマッコイ、略して“まるマッコイ”ですなぁ。ハービーに 聞こえる瞬間もありますけど。ということで、演奏が真面目なのでボケも思い付きませ んでした。
 
 2曲目「イン・ホワット・ディレクション・アー・ユー・ヘッデッド?」はハロ ルド・メイバーンのオリジナルです。あなたの頭はどっちの方向を向いてるの?という いうな意味なんでしょうかね?北枕だと縁起が悪いので、それはかなり重大な問題では ないかと思われますが、演奏は1曲目から一転して“エレピ&エレベ”の、いかにも7 0年代風なサウンドに仕上がっております。“ぎゃる系”であるボビ・ハンフリーのフ ルートがポップな味を醸し出しておりますが、テーマに続くモーガンのソロ自体の出来 は悪くありません。続くボビ・ハンフリーもソロでは真摯なプレイを展開しておりまし て、ハンフリーって言ったって“半分フリチン”の略なんかじゃないわよ!という気概 を感じさせてくださいます。
で、グラちゃんの地味なソロがあって、ビリー・ハーパーの激情的なソロがあって 、バックで聞かれるエレピの音色とは裏腹にはらほれひれほれ…って、ラリってる場合 じゃありません。で、そのエレピのソロは「この時代はこんなのがイケてると思われて いたんだねぇ。。。」ということで大目に見てあげてくださいね。ということで2曲目 もあまりボケが出ませんでした。今日の僕はちょっぴりスランプなので、お茶うけに、 レジャーのお供に?って、それは酢コンブ。『スタートレック』にも登場しましたよね 、ミスター酢コンブ。で、3曲目の「アンジェラ」は黒人かいほう運動家として知られ るアンジェラ・デイヴィスに捧げられたジミー・メリットのオリジナルです。黒人をみ んな“海鵬”にしようと頑張ったんですよねぇ、アンジェラ・デイヴィス。…って、そ んな地味な相撲取りにしてどうする気だったんでしょうね?ベースとパーカッションに よる地味な導入部に続いて、この曲でもメイバーンはエレピを弾いているんですが、モ ーダルなテーマ自体は悪くありません。モーガンはトランペットじゃなくてフリューゲ ルですかね?フルートを交えた流れるようなハーモニーが印象的であります。アンサン ブルをバックにしたモーガンのソロ、というより、コレク恥部淫風呂ヴィゼーション風 に演奏は進められ、このアルバムでは最も短い6分23秒でおしまい。他の4曲はみん な10分以上ですからねぇ。で、4曲目はハーパーのオリジナル「クロケット・バレエ 」。
 
  ・今夜のおかずは コロッケと馬鈴薯ね
 
  > 同じようなものばっかりぃ。。。
 
極めつけにベタな名曲でありまして、特にキメの“ぱっぱっ、ぱっぱっ、ぱっぱっ 、ぴゃ〜♪”がよろしいですなぁ。エレピじゃなくてアコースティックなので、こんな 通俗的なメロディでもけっこう真摯な感じがしますなぁ。ソロ先発はビリー・ハーパー 。この人、モーガンよりも目立ってるような気がするほど、大いに気を吐いて、血を吐 いて、ゲロも吐いております。もぉ、結核なのに大酒を飲むからぁ。。。それまでの“ ショーターっぽさ”から海鵬されて、ちょっぴりオリジナリティな意味不明ソロを展開 しております。ハーパーに触発されたのか、グラちゃんがかなり起伏に富んだフレーズ で迫り、半分フリチンちゃんがそれに続き、そしてモーガンが本アルバムでもベストで あろうソロを展開しております。ちなみに『完全ブルーノート・ブック』で岡島クン( ←誰?)は、「この録音から半年後にこの世を去るモーガンの白鳥の歌として“クロケ ット・バレット”が響いてしまう。」と書いておりますが、“BALLET”は“ばれ え”と読んでくださいね。はい、ラスト。「インナー・パッションズ・エクスペリド」 はドラマーであるフレディ・ウェイツのオリジナル。「内なる情熱の追放」とでも訳す のでしょうか、その固いタイトルからもわかるように、かなり意味不明のフリー風のナ ンバーです。「クロケット・バレェ」でヤメといたほうが無難でしょう。
 
 以上、5曲しかないのに70分近くもあって、LPでは2枚組だったんですかね ?ま、いずれにせよ撃ち殺される前にこのような硬派な作品を残すことが出来、なによ りだったと思います。でもこれ、かれい技師が聞いて、楽しめたんでしょうか???


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