- 【アルバム名】
- THREE WAVES (FLYING DUTCHMAN)
- 【リーダー名】
- STEVE KUHN (1966)
- 【パーソネル】
- STEVE KURN (p) STEVE SWALLOW (b) PETE LA ROCA (ds)
- 【収 録 曲】
- IDA LUPINO / AH-MOORE / TODAY I AM MAN / MEMORY / WHY DID I CHOOSE YOU? /
- THREE WAVES / NEVER LET ME GO / BITS AND PIECES / KODPIECE
- 【内 容】
- 本日のテーマは「都市伝説とジンクスとちんかす」です。いや“ちんかす”はあ
まり関係ありませんでしたね。ちなみにジンクス(jinx)というのは“縁起の悪いもの
”とか“不吉な”という意味らしいので、「佐川急便のトラックの飛脚の絵の赤いフン
ドシをさわると幸せになれる。」なんてのはジンクスとは言わないんですね。こういう
のは何と言うんでしょうね?で、古来より人間というのは「幸せ」という幻を捜し求め
ている生き物でございまして、例えば“幸せの青い鳥”とか“四つ葉のクローバー”と
か。花の子ルンルンの主人公ルンルンも、ルンルンなどという悩みも苦しみもストレス
も、なーんも関係なさそうなネーミングでありながら、「幸せをもたらすと言われてる
、どこかでひっそり咲いている、花を探して〜、花を探していますぅ♪」という人生の
目的を持って、今日もどこかを旅をしているのであります。ルンルンにとっての“幸せ
をもたらす花”が、現在人にとっては“赤いフンドシ”であるわけでございまして、“
ルンルンの花”がどこに咲いているのか解らない幻の存在であるのに対し、“赤いフン
ドシ”はどこでも見ることが出来ますよね。つまり現在の日本人にとって「幸せ」とは
決して目に見えないものではなく、目の前にありながら、なかなか手の届かないもの。
。。という存在であることを「佐川の飛脚」が寓意的に示しているのではないかと、か
ように私は思うんですけどね。佐川急便のトラックをじっくりと眺めてみたことはない
んですが、恐らく飛脚のフンドシは、手が届きそうで届かないのぉ。。。という、微妙
な位置に描いてあるのではないでしょうか?
-
- 「幸せは歩いてこない。」と喝破したのはチータ水前寺でありますが、成る程、
至言ですね。かくして人間は少しでも幸せを自分のほうに引き寄せるため、数々の“縁
起担ぎ”を考えてきたわけですが、例えばイカを干したのを“アタリメ”と言ったりす
るのもそうですね。だいたい、イカを干してペッタンコにしたものを他の名前で呼ぼう
という発想自体が日本人的でありまして、おそらくアメリカ人ならイカを干すという行
為から“ドライいか”、イカが干されてペッタンコになっている形状から“いかシート
”なんて言葉を作るのが関の山でしょう。イタリア人なら「イカノホシターノ」とか。
つまり言語学的に見ても極めて合理的な欧米人に対し、不条理極まりない「干したイカ
→スルメ」という発想。こういう発想をするのは恐らく中国人が元祖なんでしょうが、
スルメというのは漢字では“鯣”と書きますよね。字面からして宗教的な意味合いが感
じられます。日本語には「腹を割る」という言葉がありますが、まさしくスルメという
のは「腹を割ったイカ」の状態であります。“アジのひらき”なんかもそうです。つま
り東洋人にとっては「腹を割る+干す=神への絶対服従」という“ひらきの法則”とで
も言うべき精神が宿っているわけでありまして、伊勢神宮に奉納する熨斗鮑(のしあわ
び)なんてのも、まさしくそういう発想なんだモン♪もっとも海産物なんてものは、と
りあえず開いて干してでもおかないとすぐに腐っちゃうので、必要に駆られての措置だ
ったのかも知れませんけどね。お供えのナマ牡蛎を食べてアタったりしたら、目もあて
られませんもんね。ちなみにお中元などにつける「熨斗」というのは、熨斗た海産物の
かわりに紙を熨斗たもので代替したものだと考えてよいと思いますが、お中元にはフル
ーツカルピス希望。
-
- えーと、何の話でしたか。スルメは「金をする」に通じるから縁起が悪い。。。
とか言って強引に「アタリメ」という名称に変えちゃったという話でしたね。それもこ
れも「幸せ」になりたいが為のことなんですが、「アタリメ」という名称には“縁起問
題”の他に“粋問題”も絡んでいるような気がします。だって、江戸っ子だし。ま、個
人的には「スルメをアタリメと読み替えてまで、幸せになりたイカ?」という気がしま
すけどね。
- スルメはスルメ、アワビやアジや、ましてや女にはははほほほふふはほ〜♪最後の
とこ、歌詞忘れましたが「かもめはかもめ」の節で歌ってねっ♪
-
- ということで、オチもなんにもないけど、おしまい。
-
- @ さ、今日は時間がありません。真面目に仕事をしてると、なかなかHPなん
か更新出来るもんじゃありませんね。ということで、後半部分も手短に。で、本日はス
ティーブ・キューンでございます。スティーブの読み替えとなると、かれい俳句の「さ
らす恥部」を越えるフレーズを思い付かないので、ちょっと拝借させていただきますが
、
-
- ・さらす恥部 キュンと高鳴る あたしの胸
-
- > さらして、キュン♪
-
- で、フライング・ダッチマンというレーベルの『スリー・ウェイブス』というアル
バムを紹介したいと思うんですが、何なんでしょうね?空とぶダッチマン。南極2号の
女性向けバージョンみたいなものなんですかね?ダッチマン。北極2号とかぁ・・・っ
て、何てひねりのないネーミング。で、日曜日のうちにジャケ絵を書いておいたのが救
いなんですが、3人が3人とも「誰?」という感じになってしまいました。ちなみに一
番右がステ・キュン、左がスティーブ・スワロウで、後ろがピート・ラ・ロカ。
-
- ・さらす恥部 「座ろうか?」「うんっ♪」
-
- > 次は座位。
-
- ・平太ら 廊下で 鑑賞中
-
- > ほう、次は座位かぁ。
-
- この3人、ラ・ロカの『バスラ』でもリズム隊を務めていた、おなじみ3人組です
よね。ファンキーとは対極にあるスタイルのステ・キュンなんですが、エバンスとかド
ン・フリードマンみたいなスタイルが好きな人だったら、それなりに楽しめるんじゃな
いでしょうかね?おこめ師匠は、あんまりタイプじゃないみたいですけど。じゃ、とり
あえず1曲目から聴いてみましょうね。ステ・キュンによる詩の朗読で始まる「アイダ
・ルピノ」はカーラ・ブレイの曲。
-
- ・カラーブラ、いい♪
-
- > 白では味気ない。
-
- いや、私の趣向ではありませんが、気持ちは解らんでもないです。曲自体はとって
も単純ですね。キューンのピアノは知的の一言。スイングするとかしないとか、軽快な
タッチとか、ボインにタッチ!いや〜ん、まいっちぐ〜♪とか、そういう通俗的な世界
から掛け離れたところで自己を表現しております。ラ・ロカの斬新なドラミングと、座
ろうのベースとの絡みは・・・とか書いてるうちに終了。2曲目の「アー・ムーア」は
アル・コーンの曲です。最近このコーナーでレビューしたアルバムにも入ってたような
気がするんですが、何でしたっけね?あ、ありました。ジョイス・コリンズの『少女は
いかしたピアノを弾く』ですな。歌モノっぽい、とっても綺麗なメロディの曲でありま
して、キューンのプレイはエバンスを彷彿させます。1曲目で、ワケわかんねーアルバ
ム買っちまったなぁ。。。と後悔しちゃった君も、もう安心だね。恐らく君はステ・キ
ュンにこういうプレイを求めていたんじゃないかな?始まりはバラード風ですが、次第
に盛り上がっていく様はラ・ロカの貢献度大。知的にスイングするって感じですかね?
略して知ング。続くキューンのオリジナル「今日は僕は男」で、その傾向はより一層強
くなります。モーダルなテーマから一気果敢にアドリブに突入する様は、とっても立派
です。
-
- はい、そろそろ書くことがなくなってきましたね。4曲の「メモリー」もキュー
ンのオリジナルで、座ろうの弓弾きと、ストップ・タイムが印象的な知的バラードです
。略して知ード。とりあえず書くことがなくなると、略してみるのが常套手段。テーマ
部あたりはしみじみと泣ける演奏だったのに、演奏が進むにつれてワケわかんなくなっ
ちゃうのがキューンのいい所でもあり、欠点でもあり、モハメド・アリ。5曲目の「何
故、私はあなたを選んだの?」って、そんなこと私に聞かれても知らん。作曲者にレオ
ナルドという名前がクレジットされているのでスタンダードなのかも知れませんが、ボ
ッサのリズムがとってもオシャレ1号@サイバラ先生のガイガー・カウンタの愛称、わ
からん人は「書評deポン♪」参照。あのコーナー、読んでる人がいるのか今ひとつ心
もとない毛利元就。。。という感じですが、あ、とりあえず「殿様俳句」、いくつか作
ってみたんですけどね。戦国武将の名前をお題にして。
-
- (浅井長政)
-
- ・浅い中 まさこは溺れて 死んじゃった
-
- > まさこさま、受難。
-
- (今川義元)
-
- ・「切ってるのは、いま皮よ。」洲本君は手術中
-
- > 局部麻酔にて。
-
- (上杉謙信)
-
- ・「上過ぎけぇ?」「ん〜、芯にぴったり♪」
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- > 上つき気味。
-
- とか。いや、自分で作っていて、ひねりがなさ過ぎで、企画自体から失敗だったな
。。。というのが明らかになったわけですが、「キングス編」はもうちょっと何とかな
るでしょうか?で、綺麗なタッチの5曲目が、本アルバムの中でも最も一般受けするん
じゃないかと思われますが、6曲目のタイトル曲「スリー・ウェイブズ」はちょっと激
し過ぎますなぁ。
-
- ・あだだだだ 農夫なかなか 激しいのぉ
-
- > もっと、優しく。。。
-
- といった感じですね。お題は織田信長・・・って、言われなきゃわからんような作
品は、基本的に失敗だと思います。で、ラ・ロカのパルス・ビートに触発されてキュー
ンが弾きまくるこの「スリー・ウェイブズ」はアルゼンチンの子供セルジオ・ミハノヴ
ィッチの作品らしいです。
-
- ・愛せる痔よ 身は伸び縮みして ある全珍のイカの姿フライ
-
- > 痔は愛しい。
-
- 欲張ってアルゼンチンまで詠み込もうとして失敗した例ですね。最後に「全珍」と
いうイカの姿フライの製造メーカー名を持ってきたため、リズム感を著しく疎外するほ
どの字余りに陥り、あげく意味がよくわからないのでコメントが投げやりになっており
ます。紙上で発表するにあたわぬ駄句でありますが、演奏のほうはいつの間にか7曲目
。「ネバー・レット・ミー・ゴウ」。スタンダードなバラードです。戦士恥部なラ・ロ
カのブラッシュ・ワークが光通信株価大暴落。35歳くらいで大金持なんかになるもん
でバチが当たるんだって、重田。便茶企業って、なんかうんこ臭い、じゃなくって、な
んかうさん臭いんですよねー。で、8曲目の「ビッツ・アンド・ピーセス」は原文ライ
ナーに、威勢のいい、モーダルな「ビッツ・アンド・ピーセス」・・・と書いてあると
おり、威勢がよくってモーダルです。ラストの「コドピース」は、じゃじゃじゃじゃー
ん♪と21秒で終わっちゃって、とっても早いです。とうてい満足出来ません。
-
- ということで、エグみのある知性派ピアニスト、ステ・キュンのこのアルバム、
半分くらいの曲がまあまあ聴けるので、個人的には合格点、ただし小難しいのが嫌いな
人はパスでしょう。おしまい。
-
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