【アルバム名】
CARL PERKINS MEMORIAL (FRESH SOUND)
【リーダー名】
CARL PERKINS (1956/11/12,1957/7/7,10/21)
【パーソネル】
RICHIE KAMUCA (ts) CARL PERKINS (p) LEROY VINNEGAR (b) TONY BAZLEY (ds)
HERBIE MANN (fl) BILL DOUGLAS (ds)
JACK SHELDON (tp) HAROLD LAND (ts) CURTIS COUNCE (b) FRANK BUTLER (ds)
【収 録 曲】
TOO CLOSE FOR COMFORT / WHAT'S NEW / JUST FRIENDS / ADAMS THEME /
OUR LOVE IS HERE TO STAY / SONG FOR RUTH / LOVE WALKED IN /
SOPHISTICATED LADY / A FIFTH FOR FRANK
【内   容】
 これを書いている6月29日は今年の株主総会の集中日なんだそうです。集中日 にどれくらいの総会が集中しているのかというと、平成10年のデータによると3月期 決算の東証株式市場の上場企業のうち、実に92.5%にあたる1412社が同じ日に 総会を開いているんだそうでありまして。この数字は「いよー、1日2回、お盛んねっ ♪」と語呂合わせで覚えるといいと思いますが、こんな数字を覚えたところで何か役に たつことがあるとも思えないので無理して記憶する必要はありません。で、こんなに同 じ日にばかり総会を開かれては、複数の会社の株主になっている人が「全部の総会に出 席できないぢゃないか!」と文句をブーたれるのもごもっともな話で、集中率は年々減 少する傾向にあるんですが、そもそもどうしてこんな事態になっちゃったかというと「 総会屋対策」。この一言に尽きます。どの会社にも多かれ少なかれ人につつかれると痛 い“イボ痔”のような部分があるわけでありまして、株主総会の場で総会屋のお兄さん に“イボ痔”をチクチクとつつかれたりするのはマゾにとっては快感でも、一般人にと っては迷惑千万。会社側としては総会屋に“利益提供”することで、「異議なし、賛成 !ぱちぱちぱち。」と、5分ほどで平穏に株主総会を終わらせたいところでありますな 。
 
 翻って、世の中に総会屋と呼ばれる職業の人がどれくらい存在するかというと、 商法の改正で取り締まりが厳しくなったため最盛期に比べてその数は半減し、現在では 約400人と言われております。東証株式市場の上場企業が約1500社であるのに対 し、総会屋の数が400名。この数の違いが「みんなと同じ日に総会を開けば、総会屋 にタカられる確率が低くなるよねっ♪」という発想を生むわけなんですが、それほど株 主総会の開催責任者は総会屋の存在を恐れているわけでありますな。ある関西系の企業 の担当者は取材者である私に対して、「総会屋のいない株主総会は爽快や。」と語って くれましたが、ひねりがなさ過ぎて、つまらなさ過ぎぃ。。。という感じですね。「お もろないおっちゃん」として、OLのウケもよくないと思われますが、どうせなら“ひ ねり”を効かせて「総会屋のいない株主総会は大きなニュースがあったときに発行され る新聞?それは号外やがな。」とか。ま、どっちにしろつまらないので、「おもろない 上に、ワケわからんおっちゃん」として、OLのウケはやはりよくないと思われます。
 
 で、株主総会をみんなと一緒にして、これで今年も安泰だねっ♪なんてすっかり 安心していた総会の開催担当責任者なんですが、思わぬところから伏兵が現れてまいり ました。「インターネット総会屋」。一般消費者や顧客を小馬鹿にし、その一方総会屋 や政治家に諂(へつら)う大企業に一般市民がインターネットと言う公開の場で発言を 求めるというページでございます。これだったらその会社の株を持ってなくても好き勝 手に発言できるし、365日いつだって開かれているので、上場企業すべての総会に参 加するという野望だって夢ではありません。一方、会社側にとっては思わぬ強敵の出現 ということになりましょう。では総会のようすを、そーっと覗いてみましょうね。
 
 結論から申し上げましょう。ほとんど非難と中傷の渦巻く“大企業・大悪口大会 ”みたいな様相を呈しております。塩通の「黒う○こ女事件」も真っ青の、ほとんど営 業妨害ちゃうか?という書き込みも多数。
 
−−−−−−−−−−−−−−−
 
(編集部注)「黒う○こ女事件」とは
 
「怪しい通信販売・通信講座」(『小説延髄』収録)に“美○宝”というダイエッ ト食品の広告の話を書いたところ、「営業妨害に相当します。」という抗議のメールが 来て、街頭箇所の削除を余儀なくされた事件。
“美○宝”を服用したOLさんの「トイレにいったら、いつもより量が多いんです 。色だって黒いんです。」という告白を紹介しただけなんですけどねぇ。。。
 
−−−−−−−−−−−−−−−
 
例えば私が愛用している某“ペ○カン便”の日本○運も、激しい攻撃の矢面にさら されております。「ペリカンも怒るぞ」というハンドル名の(一般消費者・利用者)に 、荷物の破損問題について厳しい追及を受けております。よくあるんですよねぇ、“わ れもの破損問題”。子供の頃、お中元に送られてきた「カルピス4本セット」はよく割 れておりました。割れていたのが4本セットのうちの2本を占めている“白いカルピス ”だった場合には「人間のやることだもの。たまにはそういう失敗もあるよね。」と、 わりあい鷹揚な気分でいられるんですが、貴重な“フルーツ・カルピス”が割れていた となると、そうはいきません。お中元に送られてきた“フルーツ・カルピス”が割れて いたのが原因で、グレてやるぅ!と叫んで不良に走っちゃった少年を私はこの目で何度 も目撃しております。最近ではさすがにそういった問題は少なくなりましたが、それで も昆布青年の軽井沢土産の「くりジャム」は運送途中に割れちゃったみたいです。この ときは運送会社(佐川だっけ?)が軽井沢まで連絡して、同じものを取り寄せて送って くれたんですが、たかが「くりジャム」に、そこまで。。。と、かえってこちらが恐縮 してしまいました。要はトラブルが発生しちゃうのはやむを得ないとして、「トラブル が発生したときの誠意ある態度」が問題なんですよね。ということでこの話は次回に続 きますが、ちなみに「くりジャム」は、割れちゃったままでよかったかも。。。という シロモノでありました。
 
 @ ということで、本日はカール・パーキンス。人のお土産にケチをつけちゃい かん!とは思いますが、だってホントに栗の味がしちゃうんだもん。。。いや、親はよ ろこんでましたけどね。アポロチョコのくり味も、ホントに栗の味がして不愉快。。。 といった感じだったので、くりというのは意外と汎用性のない食べ物なのかも知れませ んが、それにつけてもおやつはカール・パーキンス。今回はジャケ絵を先に書いてみた んですが、そう言えば昨日の原稿に「駅弁マーク」を添付するのを忘れていたような気 がします。ま、どうでもいいですね。で、カール・パーキンスなんですが、ジャケット を見てもらうとわかるように左手が不自由なんですよね。恐らく子供の頃、ソロモン囲 炉裏に落ちて火傷をしたのが原因ではないかと思われるんですが、左手が曲がってしま ったため、ピアノの鍵盤に対して水平になるような形で置かれることになります。この 演奏法が独特のグルーヴ感を生んでおりまして、身体的なハンディを克服してピアニス トとして成功した様は“西海岸のホレス・パーラン”として、広く称賛ミコナゾールさ れております。が、“不幸の星の元に生まれた星飛雄馬は、死ぬまで大リーグボール養 成ギブス”ということわざが示すように(←どういう意味や?)、彼もまた1958年 の3月、交通事故のため、わずか29歳でこの世を去っております。彼の正式なリーダ ー作というと、ドゥトゥーンという超マイナー・レーベルに吹き込まれた『イントロデ ューシング』が1枚あるだけなんですが、この『メモリアル』というアルバムは急に彼 が死んじゃったもんだから、あわてたレコード会社がテキトーな音源を寄せ集めて、と りあえず1枚でっちあげてみたのぉ♪という作品でありまして、ま、マニア向けの内容 なんですけどね。とりあえず最初のセッションから聴いてみましょうね。
 
 最初の3曲は57年10月の録音で、リロイ・ヴィネガー・カルテットの演奏と なっております。テナーの立地・髪結いかをフィーチャーしたセッションですね。で、 1曲目は「トゥ・クローズ・フォー・コンフォート」。
 
  ・人殺す 不法こん棒 鳥羽一郎
 
  > 「兄弟船」殺人事件。
 
やはり親父の形見分けで揉めたのが原因でしょうか?頭を殴られて、かわいそうな 豊。。。で、“なんとなくウエスト・コースト”というイメージのあるこの曲なんです が、リッチ・カミューカの振動なしテナーがウエストっぽいムードを醸し出しておりま す。
パーキンスのコンピングは繊細というよりも元気ハツラツといった感じで、聴く人 によってはうるさい!と感じるかもしれませんが、左手が不自由なんだからそのへんの ことは大目に見てあげてくださいね。で、テーマに続いてヴィネガーのピチカート・ソ ロになるんですが、それが終わってカル・パーのピアノがパーッと出てくる瞬間がよろ しいですね。ソロ自体も餅味を十分に発揮したものだと言えるでしょう。続いてカミュ ーカのソロがあって、テーマがあって、拍手ぅ、ぱちぱちぱちぃ♪あ、これ裸慰撫なん ですかね?だとすれば恐らく私家録音なんでしょうが、そのわりには音は悪くありませ ん。決して褒められたものでもないですけどね。ライブにしては演奏時間が短くてちょ っぴり物足りないんですが、ま、よしとしておきましょう。2曲目は個人的お気に入り の名スタンダード、「ホワッツ乳」。AABA形式の“A”の部分をカミューカが吹い たあと、“B”の部分はトリオ演奏になって、いよいよ“C”までいっちゃうのぉ♪と 思ったら、また“A”に戻ったりして、今ひとつ進展しないペヤング。。。といった感 じなんですが、歌物の形式というのは概してそういうものです。ちなみにAABAの最 後の“A”のパートは半分アドリブがかったようなトリオ演奏となり、そのあとカミュ ーカのソロにバトン・タッチ。レスター・ぺやんぐ派らしいクールなテナーが満喫でき ます。そのあとはヴィネガーのピチカートですな。これが出ないとリロイ・ヴィネガー ・カルテットという気がしません。最後のテーマはカミューカが“AA”の部分だけ吹 いて“B”に突入することなく、終焉を迎えます、このペヤングの行く末が気になると ころですね。
 
 3曲目、「ジャスト・フレンズ」。あぶないと思っていたらやっぱり「私達、た だの友達でいましょうね。。。」という関係になっちゃった模様です。軽快なピアノの イントロに続いてカミューカが割合さばさばとテーマを歌いあげ、そのままソロに突入 します。ハード・バピッシュで悪くないです。続くパーキンスのソロもとってもよい出 来です。お約束の“リロイ・ウォーク”があって、ベースとドラムスの4バースがあっ て、カミューカがテーマを吹いて、おしまい。以上3曲、これといった特徴はないんで すが、“ジャズマンの日常”を感じさせる貴重なセッションと言えるのではないでしょ うか。
 
 はい、ここからはハービー・マンのカルテット。ベースはここでもリロイ・ヴィ ネガーです。4曲目の「アダムのテーマ」はハビ・ハンのオリジナル。個人的にはフル ートのワン・ホーンって、サウンド的にどうか?という懸念があったんですが、わりか しストレートな吹きっぷりで悪くありません。ちなみにこのセッションもライブですね 。続く「我が恋はここに」はアップ・テンポの演奏。ハビ・マン、フルート上手です。 パーキンスのソロも、短いながらも生き生きとしております。フルートとドラムスの4 バースがあって、またまた“リロイ・ウォーク”があって、おしまい。はい、このセッ ションはあと1曲です。「ソング・フォー・ルース」はハビ・マンのオリジナルですが 、まるでスタンダードのような美しいメロディを持ったバラードでありますな。ルース ちゃん、おそらくプリティな“ぎゃる”なんでしょう。趣味は俳句で、なんて知性的な んでしょうね。で、ウォームなトーンでハビ・マンが“愛”を優しく歌いあげ、パーキ ンスの出番はあまりありませんでした。ピアノのイントロ、よかったですけどね。
 
 はい、では最後のセッションです、この演奏が一番古く、録音は1956年。リ ロイ・ヴィネガーと並ぶ西海岸屈指のベーシスト、カーティス・カウンスのクインテッ トで、ジャック・シェルドンのトランペットとハロルド・ランドのテナーが入ります。 典型的な“西海岸ハード・バップ”と言えるでありましょう。で、これまたライブ録音 ですね。まずはガーシュインの「ラブ・ウォークト・イン」。
 
  ・ラバを食うと インキンがなおる
 
  > 遊牧民の生活の知恵。
 
いや、医学的根拠はまったくないんですが、録音の関係か、テーマ部のホーンの音 がちょっと聞こえにくいですね。テンポはミディアム・ファストです。
ソロ先発はシェルドンで、マイクの位置を変えたのか、ここでようやくクリアな音 が・・・とか書いてるうちにランド、パーキンス、カウンスとソロが進んで、後テーマ が演奏されて、演奏が終わりました。ライブの分際でどうも演奏時間が短いのがちょっ ぴりネックですね。続く「ソフィスティケイティッド・レディ」は、みんな、ちゃんと 正しくローマ字カナ変換できたかなぁ?カーティス・カウンスを大フィーチャーした演 奏でありまして、その間に聴こえるパーキンスのピアノが綺麗です。ホーン陣は最後の テーマのところになってようやく登場し、ラブリィなハーモニーを奏でております。最 後にもういちどカウンスが頑張って、無伴奏ピチカート・ソロになって、エンディング はホーンが入って、じゃじゃじゃじゃーん♪実に型通りのアレンジで、嬉しくなっちゃ います。ラストの「ア・フィフス・フォー・フランク」はジェラルド・ウィギンスとカ ル・ジェイダーの共作。明るく楽しいハード・バピッシュなナンバーです。腐乱食う罵 倒らも大活躍。
 
 ということで、ま、悪くはないんだけど、やっぱりマニア向けかなぁ。。。とい う1枚でありました。では皆様、よい臭沫を♪


| Previous | | Up | Next |