【アルバム名】
LITTLE SUSIE (CBS)
【リーダー名】
RAY BRYANT (1959/12/10,1960/1/19)
【パーソネル】
RAY BRYANT (p) TOMMY BRYANT (b) EDDIE LOCKE (ds) GUS JOHNSON (ds)
【収 録 曲】
LITTLE SUSIE / BY MYSELF / BLUES FOR NORINE / MOON-FACED,STARRY-EYED /
BIG BUDDY / WILLOW WEEP FOR ME / GREENSLEEVES / SO IN LOVE /
IF I CAN JUST MAKE IT / MISTY
【内   容】
 夏も近づく八十八夜 野にも山にも泉谷しげる〜♪
 
ということで、八十八夜はとっくに過ぎちゃいましたが、夏が近づいてきました達 郎。やっぱ、夏は達郎だよねー。雨は夜更け過ぎに、雪へと変わるだろう♪って、それ は冬の歌。サイレン・ナーイっ、うおうおうお、ゲッハー、ホーリー・ナイ〜♪って、 いつまで歌ってる。で、夏と言えば海、川、プール、湖、沼、ドブなど、何かと水と親 しむ機会が増えますよね。で、水に親しむとなると、当然“海水パンツ着用”というこ とになります。たとえ川や湖で淡水だったとしても海水パンツ。プールだって海水パン ツ。長島スパーランドのプールは“ジャンボ海水プール”だから、もちろん海水パンツ 。海水パンツゆーたら海水パンツ。いや、あれは海水パンツじゃなくって水泳パンツな んだ。なんて言ったって駄目です。海水パンツに“海パン”という立派な略称がある限 り、今さら水泳パンツなんて言われたって修正はできません。略して、水パン?んな軟 弱なもん、30過ぎたおっさんが穿けるかっ!という感じです。だいたい水泳パンツと いうとどうしても競泳用の“もっこりタイプ♪”を連想してしまい、締めつけ感も股、 ひとしおですよね。
 
 で、海パン、あるいはスクール水着の着用時に限らず、夏になると肌の露出が増 えますよね。で、肌の露出が増えるとなると、さすがに「日々ボーボー」というわけに はいかず、むだ毛のお手入れが重要なポイントとなってまいります。みんな、むだ毛、 どうしてるぅ?例えば鼻毛だったら、抜く、切る、刈るの3タイプですかね?この中で は“抜く”というのが最も根本的な解決法で、根絶やしにされた鼻毛は2度と生えてこ ないのではないか?という期待感が大きいんですが、痛いのと、抜くときに思わずくし ゃみが出ちゃうのがネックですね。鼻毛を抜くと何故くしゃみが出るのか?そのメカニ ズムは『仮定の医学』にも書いてなかったのでよくは解らんのですが、「抜かれようと している鼻毛の最後の抵抗」ではないか?という気がしますね。鼻毛にだって意地もプ ライドもメンツもあるだろうしぃ。
 
 そこで、鼻毛のプライドを傷付けない方法として、切る、もしくは刈るという方 法が考え出されたわけです。根絶やしにするわけじゃないんですぅ。ちょっとだけ、伸 びた分だけカットさせていただければいいんですぅ。と、誠意を持って懇願すれば、鼻 毛だって分らず屋じゃないんだから、きっと許してくれるはずです。うん、僕もちょっ と伸びすぎちゃったカナ?と思ってたんだぁ。なんて鷹揚にうなずいてくれるハズです 。ちなみに“切る”というのはハサミによる処理方法で、たまに肉まで切って鼻血が出 ちゃうのがネックです。いっぽう“刈る”というのは鼻毛バリカンを用いる方法で、専 用の器具だけに安全性という点では群を抜いておりますが、「ホントに刈れてるぅ?」 という若干の心もとなさが付きまとうと共に、“鼻の穴に鼻毛バリカンを突っ込んでい る自分”という存在が自尊心を激しく傷付けるので、ナルっ気の強いルナちゃんあたり には、あまりお薦め出来ません。
 
 続いて、すね毛。“すねに傷のある男”というと世間から冷たい目で見られるこ とになりますが、最近では“すねに毛のある男”に対する風当たりも強くなっておりま す。風当たりが強いもんだから“すね毛”が風にそよそよと靡いたりして、「いや〜ん 、オケケが風になびいてるぅ。。。」と気味悪がれ、ますます風当たりが強くなって“ すね毛”はより一層激しく風に揺れ・・・と、果てしのない悪循環に陥ってしまいます 。なんとかせねばなりませんね。そこで“すね毛処理”ということになるんですが、ま ず最初に誰もが考えるのが、鼻毛のときと同じく“抜く”という方法。人間というのは 毛を見ると「とりあえず抜いてみるぅ?」という欲望に駆られるように遺伝子レベルで プログラムされている生き物なんですね。
昔、サルだった頃からその本能に突き動かされて全身の毛を抜き続け、その結果、 今日の人間の姿があるわけです。ただ、局部の周囲だけは「抜くのが痛そう。。。」と 躊躇っているうちに抜くチャンスを逃してしまったわけです。で、すね毛の濃い人とい うのは、ご先祖様が「ここも抜くのが痛そう。。。」と躊躇ってそのまま放置しちゃっ たツケがアナタに報いているわけでありまして、恨むならご先祖様を恨んでくださいね 。
 
 で、“すね毛抜き”なんですが、すね毛というのは鼻毛に比べると、はるかに毛 の数が多いですよね。一本一本、毛抜きで丁寧に抜いているうちにだんだん面倒になっ てきてストレスがたまり、しまいにはスネにガムテープを貼って、気合もろとも“剥が して、あ〜ん♪”という荒業に出ちゃうこと必至。で、この方法って、痛いわりには効 果が今ひとつなんですよねー。剥がしたテープをしみじみと眺め、抜けた毛の少なさに 唖然として、茫然、愕然、悄然。やはりガムテープの粘着力ではスネ毛を脱毛するには 今ひとつ力不足なんですよね。いっそのこと1本も抜けなければいいようなものの、な まじっか2本や3本は抜けちゃうもんだから、たいして抜けないだろうな。。。と頭の 中ではわかっていても、ついついスネに貼っては、ぴっ!と剥がしちゃうわけです。剥 がしたら血ィ出るだろうな。治るのも遅くなっちゃうだろな。と頭の中ではわかってい ても、ついつい“かさぶた”を剥がしちゃうのと同じようなものですかね?人間という のは貼りついてるものを見ると「とりあえず剥がしてみるぅ?」という欲望に駆られる よう遺伝子レベルでプログラムされている生き物なんですね。で、毛を見ると「とりあ えず酒に浮かべて飲んでみるぅ?」という欲望に駆られるよう遺伝子レベルでプログラ ムされている生き物でもあります。この「人はなぜ毛を飲むのか?」という問題を遺伝 子レベルで解析しようという計画は今や全世界で進められておりまして、そのプロジェ クト名を新聞・雑誌等で目にしたことがある人も多いでしょう。名付けて、『人毛飲む (ヒトゲノム)計画っ!!』
 
 ワカメ酒の謎が解明されるのは、そう遠い未来のことではありません。
 
 @ ということで、レイ・ブライアント。とりあえず1句詠んでみましょうかね ?
 
  ・桜木ルイ 「裏いや〜ん」と モザイク付き
 
  > ルイちゃん、わがまま。
 
いつも「ブラいや〜ん♪」なので、ちょっと捻ってみたんですけどね。「桜」とい う季語も入ってますしね。いや、もう1句
 
  ・背後霊 「ブラいや〜ん♪」と 脱衣中
 
  > じゃ、下も脱いでみようかぁ。
 
というのも考えたんですけどね。足がない幽霊の下半身って、いったいどこまで完 備されているのか?というのは非常に興味深いテーマではありますが、今日のレビュー は『リトル・スージー』。ブラちゃんが娘のスージーに捧げたオリジナルが標題になっ ておりますが、ではここでもう1句。
 
  ・煮とるスジ 父さん、今夜は おでんだねっ♪
 
父娘の名古屋かな金のシャチホコが、いや、なごやかな食事風景が浮かんでくるよ うで秀逸でありますが、小さかったスージーちゃんも今ではおそらく50近く、孫だっ て大きくなって、お爺ちゃんのシモの世話だってバンバンこなせることでありましょう 。
 
  ・「看取るっす、爺!」 いつボケたって だいじゃうぶ
 
老後は安心だねっ♪という感じですが、『みとるっ・すじー』のジャケには、まだ ボケてない頃のブラちゃんと、まだ小さかった頃のスージーちゃんが仲良く写っており ます。しかしこの親娘、DNA鑑定をするまでもなく、間違いなく実の親娘であるっ! と断言できるほどクリソツですな。クリクリっとしたおめめ、エラのはり具合、笑った ときの前歯の露出の度合いなど、まさにパーフェクト。ヒトゲノム計画もびっくりとい った感じの“遺伝子の芸術品”でございますな。ということで、んじゃ1曲目のタイト ル曲から聴いてみようね。
 
 はい、「リトル・スージー」。曲自体はシンプルなブルースなんですが、シャッ フル・リズムがとってもブギブギでウギウギでノリノリって感じぃ?先日、仕事で南濃 町の北部水源というところへ行ったらそのすぐ隣が公民館で、オバチャンたちが「36 5歩のマーチ」に合わせて元気に踊っておりましたが、水前寺チータに負けず劣らずの ダンサブルなナンバーですね。
「泳げタイヤキくん」と「サザエさん」でも踊ってましたけどね。何でもありか? 南濃町ダンス・サークル。で、「リトル・スージー」。ブラちゃんと言えば“モダン版 テディ・ウィルソン”の異名をとる趣味のよいスタイルが身上ですが、この手の黒っぽ い演奏もおてのもの。ラムゼイ・ルイスやジュニア・マンスに通ずる大衆的な体臭がと っても加瀬大周。リラックスしたムードのブラちゃんソロで演奏は進行し、実兄トミー ・ブライアントのウォーキング・ベースを半分フィーチャーしたようなパートを挟み、 だんだん盛り上がってきたなー。と思っていると、最後は“大ハッピー大会”になりま す。大向こうから「いぇー!」なんて掛け声が聞こえてきそうですね。で、最後は“お 決まりブルース・エンデイング”で、キメ。たまにはこういう“毛穴全開お気楽ジャズ ”もイイもんですねぇ。
 
 はい2曲目、「バイ・マイセルフ」。ミディアム・テンポの軽快な演奏で、正に “モダン版テディ・ウィルソン”の面目躍如で白蟻駆除。日本語ライナーで岡崎正通ク ンを指摘しておりますが、モダン派の中では両手のバランスが抜群ですね。で、柔らか いタッチもブラちゃんならでは。ブラちゃんにタッチして柔らかくなかったら、ちょっ と寂しいですもんね。3曲目の「ブルース・フォー・ノリーン」はブライアントのオリ ジナル。ノリーンでノリノリって感じぃ?はい、だんだん書くことがなくなってきたと ころで4曲目。「ムーン・フェイスド・スタリー・アイズ」。月に直面、星のように注 視。クルト・ワイル作曲のミュージカル・ナンバーですが、マイナー・キーの美しいメ ロディは、あたかも彼の為に書かれたかのような印象さえ受ける。という正通クンの意 見には全面的に賛成、歓声、イカクンはイカの燻製。ホントに綺麗な曲で、またホント にブライアントのスタイルにぴったり。こういう曲を聴いてると、アメリカ人も捨てた もんじゃないな、と思ってしまいます。ブライアントはシングルトーン中心に、コロコ ロと綺麗なタッチで弾いてます。「ゴールデン・イヤリング」好きなら、絶対お気に入 りになれる1曲でしょう。
 
 5曲目、「ビッグ・バディ」は3つめのオリジナル。やっぱりシンプルなブルー スで、テンポはけっこう速め。ガス・ジョンソンの軽快なドラムに乗せて、ブライアン トが軽快なタッチを聴かせます。はい、書くことがだんだん定型化してまいりました。 6曲目、「柳よ泣いておくれ」。この曲が出てくるたびに書いてるような気がするんで すが、なんで柳にそんなこと頼まなあかん?「ウナギよ泣いておくれ」なら、まだなん となく理解できるんですけどね。悲しい失恋の歌らしいですが、この情緒纏綿たるメロ ディは個人的にはあまり好きでありません。ここでのブライアントはミディアム・スロ オでグルウビイに料理していて、悪くないですけどね。7曲目の「グリーンスリーブス 」はおなじみのイギリス民謡です。「緑色不細工三人娘」の邦題でも知られており、ジ ャズの世界ではコルトレーンやケニー・バレルも取りあげてますね。ここでのブライア ントは無伴奏ソロで演奏しており、アドリブというより“テーマのヴァリエーション” といった感じで進められていきます。全体に漂う格調は、まさに“格調の湖”といった 感じです。
 
 はい、残るところあと3曲。「ソー・イン・ラブ」はテーマの弾きっぷりや、ア ドリブ・パートも悪くないんですが、イントロが絶品ですな。あ、でもやっぱりアドリ ブもいいです。はい、9曲目。「イフ・アイ・キャン・ジャスト・メイク・イット」。 トラディショナル・ナンバーです。ゴスペル・ライクです。タンバリン叩いてます。カ ラオケ・バーなんかに行くと、よくいますよね、タンバリン担当のチーママとか。ああ いうノリノリのタンバリンじゃなく、わりと淡々としたタンバリンです。略して淡々バ リン?とか言ってるうちに終わっちゃいましたね。2分12秒、とっても短いです。で 、ラストはおなじみ「ミスティ」。ブライアントのオハコと言えるナンバーですね。“ 十八番”と書いて“オハコ”。“お墓”と書いて“オハカ”。普通じゃん。シグニチャ ー盤でも取りあげているので、聞き比べてみるのも御一考。
 
 ということで、やっぱりブラちゃんっていいな♪と再認識した1枚でありました 。あ、かれいさま、病苦に負けず、頑張ってくださいね。じゃ。


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