- 【アルバム名】
- VERY TALL (VERVE)
- 【リーダー名】
- OSCAR PETERSON (1961/9/15,18)
- 【パーソネル】
- MILT JACKSON (vib) OSCAR PETERSON (p) RAY BROWN (b) ED THIGPEN (ds)
- 【収 録 曲】
- ON GREEN DOLPHIN STREET / HEARTSTRINGS / THE WORK SONG /
- JOHN BROWN'S BODY / A WONDERFUL GUY / REUNION BLUES
- 【内 容】
- 鰻。その生態は謎につつまれております。どこで生まれて、どこで育つのか?な
ぜ裂くのに3年、串を打つのに7年もかかるのか?ヤツメウナギは目が8つもあって何
のメリットがあるのか?“電気ウナギ”と“しびれフグ”ではどちらが気持ちいいのか
?etc...。その実態についてはほとんど何も知られていないと断言してもいいで
しょう。いや、私が知らないだけかも知れませんけどね。ということで、本日のテーマ
は「水産系すぺしゃる・鰻の謎にせまる」。
-
- 鰻はムチやローソクと並んで、よくSMの小道具に用いられます。その名も「う
なぎ」というタイトルのSMビデオだってあるし、「ぬるぬる」というタイトルの本も
あります。なぜこのような、ウナギにとっては傍迷惑としか思えないような用途に用い
られるかというと、ニョロニョロしていてヌルヌルしているという、持って生まれた体
質がもたらした悲劇としかいいようがありません。もしウナギがヌルヌルしてなくてザ
ラザラしていたら、決して「ぬるぬる」というタイトルの本が作られることはなく「ざ
らざら」という本になっていただろうと思うと、ウナギとしてもヌルヌルしている我が
身を恨むしかありませんよね。
-
- ではなぜウナギがヌルヌルしているかというと、恐らく身を守るためにウナギが
ウナギなりに考えた結果なんでしょうが、その努力が裏目に出ちゃったわけで、そのこ
とがより一層ウナギの悲劇性を強めております。なるほど、捕まりにくくするために体
の表面をヌルヌルにしたというのは、アイデアとしてはよかったと思います。ヌルヌル
したウナギのつかみどころのなさは“ウナギのつかみどり”にチャレンジしたことがあ
る人なら、実感としてよくわかると思います。“100円玉のつかみどり”の場合は、
ついつい欲張ってたくさんの100円玉をつかもうとして穴から手が抜けなくなるもの
なんですが、“ウナギのつかみどり”の場合は、贅沢は言わない。たった1匹だけでい
いんだ。という、とっても謙虚なココロで臨んでも、うまく捕まえられません。なぜか
というと、ウナギがヌルヌルしているからです。捕まりそうになってヌルヌルっとその
手から逃れ、危うくカバ焼きにされる危機を免れたウナギは「ヌルヌルしててよかった
!」と、安堵の溜め息を漏らしたことでしょう。ウナギのつかみどり屋のオッサンも「
ウナギがヌルヌルしててくれて、よかった!」と、ほっと胸を撫で下ろしたことでしょ
う。
-
- しかし世の中、なかなか思い通りにはならないもので、例えば“ネズミとり”。
警察が「スピード違反を捕まえるんだもんねー。」と言って“自動速度違反取締装置を
設置”すれば、スピード違反で捕まりたくない人が“自動速度違反取締装置感知装置”
というのを作り、“自動速度違反取締装置”を感知されて面白くない警察が“自動速度
違反取締装置感知装置では感知されない自動速度違反取締装置”というのを開発すれば
、捕まりたくない人は“自動速度違反取締装置感知装置では感知されない自動速度違反
取締装置だって感知しちゃう装置”を作ったりして、キリがありません。いわゆる“イ
タチごっこ”というやつですね。自然界でもこういう現象があって、たとえば蟻。蟻は
ですね、自分の身を守る手段として「食べるとまずい。」という方法を考え出しました
。松阪牛や鹿児島黒豚がなまじっか“おいしい”ばっかりに串焼きにされたり生姜焼き
にされたりしている惨状を目の当たりにして、頭のいい蟻は「だったら、まずくなろう
。」と考えたわけです。そして自分の体の中に“蟻酸”という成分を作り、これは食べ
ると苦くってまずいもんだから誰も蟻を食べなくなって、アリはボクシングの世界チャ
ンピオンにまで昇りつめたわけですね。よかったじゃないですかぁ。
-
- しかし、ここで話が終わらないのが自然界のオキテ。まずくって誰も食べない蟻
をエサにすれば、競争相手がいなくって食いっぱぐれないんじゃないか?と考える動物
が出てくるわけです。オオアリクイですね。多少まずいのさえ我慢すれば、たとえ他の
動物から「お前、よくそんなまずいの食えるなぁ。。。」と呆れられても、エサ不足に
悩む心配はなくなるわけです。かわいい娘は競争率が高いから、最初っからブサイクな
娘ばっかりに声をかけるようなタイプですかね?かくして、せっかく味をまずくした蟻
も、決して安泰ではいられなくなったわけでございます。
-
- コブラしかり。僕は身を守る武器として“毒”を手に入れたから、将来は安泰だ
ねっ♪なんてすっかり安心してたら、「コブラは唇がぴりぴりするくらいがおいしい。
」なんていうマングースみたいな動物が出てきて、結局は食べられちゃうわけです。世
の中、なかなか思い通りにはいかないものですな。ただイタチが属している動物の世界
では人間界で見られるような“イタチごっこ”が繰り広げられることはなく、“逆転”
が一度起こった時点でおしまいになってしまいます。まずくっても全然OK!なんてい
うオオアリクイが登場しちゃったから今度は蟻がその裏をかいて、まったりとおいしく
してみたのぉ♪ということにはなりません。そんなことをすれば他のグルメな動物に食
われちゃうだけですからね。“天敵”が登場した時点で動物は「自然の節理には逆らえ
ないやぁ。。。」という諦めの境地に達して、人間みたいにじたばたと醜い悪あがきを
することはありません。動物は人間よりも「人間が出来ている」と言わざるを得ません
ね。
-
- ではウナギはどうか?身を守るためにヌルヌルになったウナギが、「そのヌルヌ
ルがいいのぉ♪」という人類の出現によって諦観の域に達し、“まな板の上の鯉”のよ
うにおとなしくなったのか?というと、決してそんなことはありません。動物の中でも
“人間が出来てない”ウナギは捕まっても相変わらずヌルヌル、ニョロニョロと暴れま
くり、おかげで“裂く”修業だけで3年もかかっちゃうんだねっ♪ということで、ウナ
ギのお話はおしまい。
-
- @ さ、オスカー・ピーターソンです。
-
- ・ぐおーすかぴー 板さん、板場で 爆睡中
-
- という蕪村の句がありますが(←嘘つけ)、日本料理屋でウナギを裂いている板さ
んも、思わずうとうとしちゃうような春の昼下がり。春はいいですなぁ。心が大らかに
なって、例えば“肝吸い”なんかを作っていて、ウナギの肝と間違えてフグの肝を入れ
ちゃったりしても、「ま、いっかぁ♪」なんて思ってしまいますよね。思うなって。で
、ピーターソン。この人、体重はとっても重いんだけど日本では軽く見られがちな風潮
があり、未開の部族・村などのかしら?←それは酋長。ピーターソンが好きだっていう
と馬鹿にされるような傾向があって、ニワトリの口ぃ?←それは鶏口。って、話が進ま
ん。野尻湖にいた象?それはナウマン。で、「ピーターソンは別にどーでもいいんだけ
どさぁ。ちょっとバグスを聴いてみたくってさぁ。」という逃げ道を作っておいて、ミ
ルト・ジャクソンとの共演盤『ベリー・徹(とおる)』なんてのはどうですかね?選曲
がなかなかいいし、タイトル、ちょっぴり“由利徹”に似てるしぃ。ということで、ん
じゃ、1曲目から聴いてみようね。
-
- 「グリーン・ドルフィン・ストリート」。映画『鈴木大地は踊る〜炎のバサロキ
ック〜』の主題歌でしたっけ?マイルスをはじめ、エバンス、ケリーなど数多くの名バ
ージョンがありますが、このピーちゃん、ミルちゃんの演奏も秀逸です。ゆったりとし
たテンポ設定で、ミルちゃんがグルーヴィーに奏でるテーマのバックで“じゃら〜ん♪
”という音を出しているピーちゃんに注目。ギターともハープともヴァイブとも違うこ
の音色はピアノの弦を指で鳴らしているんだそうでして。そういえば『プリーズ・リク
エスト』の「コルコヴァード」の冒頭でも、似たような音を出してませんでしたっけ?
ちなみにピーターソンでいちばんポピュラーなこのアルバム、正式には『ウィ・ゲット
・リクエスト』というタイトルですよね。
-
- ・うぃ〜 ゲェ〜っと えーと、あとが続かん。。。
-
- 酔っ払いがゲロを吐いてるさまを詠もうとしたんですが、失敗に終わりました。で
、「グリ・ドリ」。今、丸の内のオフィスだからさぁ、記憶だけを頼りに書いてるんだ
けどさぁ、ミルトのソウルなフィーリングとさぁ、オス・ピーの酢インキン(←インキ
ン治療には酢がいちばん?)なピアノがさぁ、ベターにマッチしてて、とっても「グル
ーヴィー・ドルフィン・ストリート」って感じぃ?はい、次。ミルト・ジャクソンのオ
リジナル「ハート・酢とリンゴっす」。インキン治療には酢がいちばん?という問い掛
けに対して、酢とリンゴの併用がいいよぉ♪という回答が得られたわけですが、しみじ
みと心の琴線に響くバラードですな。はい、3曲目。「ザ・ワーク・ソング」。頭に“
ザ”がついておりますが、紛うことなきナット・アダレイの「ワーク・ソング」でござ
います。テーマはコール&レスポンスで来るかな?と思って、
-
- ・凍る安藤 で、すっぽんぽん
-
- > 寒くっても頑張る。
-
- いくら寒いからと言って、露出的破廉恥行為につきもののトレンチコート(通称“
破廉恥コート”)の下にジャージなんか穿いていたら台なしですもんね。寒さに負けな
い努力の人、安藤クンには頭が下がる思いであります。というコメントまで用意してお
いたのに、コール&レスポンスは聴かれませんでしたね。テーマはわりとさらっと演奏
しております。が、アドリブに入ってからはもう、ノリノリだ、ポップン10分。(後
に“ノリノリだ、ポップン15分”と番組名変更。って、話題がローカルでごめんね。
)特に後半のヴァイブとピーちゃんの激しいカラミには、安藤クンも思わず露出するの
を忘れてコーフンして聴き入ってしまいましたよぉ、さばさん。と、しみじみと述懐し
てくれました。
-
- はい、4曲目「ジョン・ブラウンのカラダ」。賛美歌です。「リパブリック賛歌
」という名前で知られております。というより、「おーたまじゃくしはカエルの子ぉ〜
♪」という歌ですね。と説明したほうがわかりやすいですね。私は今までずっと、オタ
マジャクシというのはナマズの孫だとばかり思っていたので、この歌をはじめて聞いた
ときはとってもカルチャー・ショックでしたが、イササカ先生の奥さんが平手横打ち?
それは“オカルさん・チョップ”。ぜんぜん痛そうじゃありませんね。で、演奏のほう
はいかにも南部っぽい、特産品は鉄瓶?といった感じのディープな演奏が堪能できます
。はい5曲目、「ワンダフル・ガイ」。『南太平洋』だか『東シナ海』だか、なんだか
そんなタイトルの映画の主題歌であります。というような話が日本語ライナーに書いて
あったような気がするんですが、もしかしたら全然違ったかも知れません。ワルツ・タ
イムの綺麗な曲だったような気がします。はい、ラスト。ミルトのオリジナルの「李雲
丹御古巣」。ブルースです。
-
- 以上、とっても健全で楽しい1枚でありましたー。
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