- 【アルバム名】
- NATURALLY! (JAZZLAND)
- 【リーダー名】
- NAT ADDERLEY (1961/6/20,7/19)
- 【パーソネル】
- NAT ADDERLEY (cor) JOE ZAWINUL (p) SAM JONES (b) LOUIS HAYES (ds)
- WYNTON KELLY (p) PAUL CHAMBERS (b) PHILLY JOE JONES (ds)
- 【収 録 曲】
- NATURALLY / SEVENTH SON / LOVE LETTERS / THIS MAN'S DREAM / CHLOE /
- IMAGES / OLEO / SCOTCH AND WATER
- 【内 容】
- “reincarnation”という言葉があります。日本語だと「生まれ変わり」とか「
転生」という意味ですね。リインカネーション。「ええんか、ネーチャン?」ぢゃなく
って。なにが「ええんか?」なんだよ、という気がしますが、なぜ私がこのような単語
を知っているかというとですね、チャールス・ミンガスに“reincarnation of love bir
d”とかいう曲があったからです。「ラブ・バードの蘇生」という邦題がついておりま
したが、「ラブ・バード(←チャーリー・パーカーのこと)の生まれ変わり」のほうが
ニュアンスとしては正しいような気がします。で、なぜこの言葉を持ち出したかのとい
うと、今月の「ムー」の総力特集が“転生ネタ”だったわけです。ということで、「ム
ー」の編集部が総力を上げて取り組んでいる“転生”について私なりの意見を述べてみ
るとともに、そのどさくさに紛れて恒例の“通信販売ネタ”を書いちゃおうという、そ
ういう魂胆なのでありまして。
-
- 転生する人物(ホトケ?)として有名なのは、アレです。チベットのダライ・マ
ラ、ぢゃなくってダライ・ラマ。そういえば先日、三河人のギャルに「“そのもの”の
ことを何て言うの?」という質問したところ、「マラだらあ。」という回答が得られま
したが(←嘘ばっかり。)観音菩薩の生まれ変わりと言われているダライ・ラマは現在
で14世らしいです。で、転生するのはラマちゃんだけかと思ったらそうではなく、チ
ベットの高僧というのはたいてい生まれ変わるものなんだそうで。この問題については
もっと深く考察したいところですが、あいにく私はチベット仏教に関してはちべっとし
か知らないので、話題を転じましょう。
-
- はい、そこで通信販売。私がこの手の広告の体験談を今ひとつ信用していないの
は、とある幼児体験に起因しているんですけどね。あれは私が中学生だった頃。。。っ
て、それのどこが“幼児”や?という気もしますが、ある雑誌にちょっとした知り合い
である原液女子中生の体験談が載っておりまして。いや、いつもより量が多くて、色も
黒いんです。という告白ではなく、雑誌は極めて健全な「中一時代」、広告主もいかが
わしいところなどみじんもない某「進○ゼミ」でありました。その中で彼女は「“○研
ゼミ”のおかげでグングンと成績アップ!私は“進○ゼミ”をやってるから塾には通っ
てないのぉ♪」と、にぱっと爽やかな笑顔の写真付きで告白しておりました。で、“ち
ょっとした知り合い”というのはどういう関係であったかというと、彼女とは同じ塾に
通っていたんですけどね。「とんでもない大嘘つきやん!」とみんなから責められた彼
女は「だって、そう書けって言われたんやもん。。。」と半泣きになって弁明しており
ましたが、“進○ゼミ”をしてもこのありさま。ちなみにこの彼女、ガイジンさん相手
に“ This is a すりっぱぁ!”と叫んだ張本人でありまして、“進○ゼミ”の英語教
育の成果が如実に現れた貴重な実例と言えるでありましょう。
-
- とまあそんなわけで、体験談に関してはドラえもんの道具の「ギシンアンキー」
を飲んだように疑心暗鬼に陥っている僕なんですが、そんな僕も思わず納得してしまっ
た素晴らしい“人体実験レポート”がございました。例えば「これを身につければ、た
ちどころにオンナにモテモテだねっ♪」というペンダントの場合、「ぼくは23年間一
度も彼女ができず、コンニャクだけがお友達でした。」という体験を語っているのがモ
デルとかホストばりのイイ男であったら、読んでいるほうは思わず「嘘つけ!」と雑誌
に向かってツッコミ入れてしまいますよね。それがたとえば、某レーザー技師に酷似し
た風貌の青年が「ぼくは生まれたときから運が悪く、ゴールデンウィークにアメリカに
行く予定だったのに腸炎でぶっ倒れるわ、それが治ったと思ったら今度は尿管に石が詰
まるわで、散々でした。ところがこのレマンコスキーのペンダントを身につけたところ
運気が急変し、先日も何気なく入ったバーではオネーサンにモテモテで、思わずウィス
キー1杯で10万円という豪遊をしちゃいました。」という体験を語っていたとしたら
、読んでいるほうとしても「それ、ぼったくりバーとちゃうか?」という疑念を抱きつ
つも、「よかったじゃないの!」と心から祝福の言葉を贈ることができ、「ぼくもレマ
ンコスキーを買おう!」という気分になること請け合い。よかったじゃないですかぁ。
- で、人体実験レポート。この実験はですね、同年代の男性を“無作為”に3人選
び、そのうちの1名だけに「ト○マリンホルダー」というのを装着させて新宿のアルタ
前に1時間立たせ、その間に何人のぎゃるに“逆ナンパ”されるかを実験しようという
ものです。で、その人選がふるっておりまして、1人はかっこいいタイプのホスト、1
人は「・・・。」というタイプの会社員、で、もう1人がかわいいタイプのモデルとな
っております。もちろん、この会社員にト○マリンホルダーを装着させるわけですね。
ではその“驚異の実験結果”をごらんくださーい。さすがに“0:3:0”では気がひ
けたのか、“1:2:0”という結果になっておりますが、2人から“逆ナン”された
高橋クンが見事トップになりましたぁ♪しかしまあ“驚異の実験結果”とか“隣のあん
な奴”とか言われて、それで満足なのか、高橋?
-
- @ ということでナット・アダレイ。この人はもっぱら“キャノンボールの弟”
という捉え方をされることが多く、決して表舞台に立つことがなかったわけですが、そ
のことでグレて不良に走ったり、兄貴を妬んで牛刀で刺したりすることもなく、生涯キ
ャノンボールを尊敬してやまなかったそうです。ああ、美しき兄弟愛。で、決して表舞
台に立つことがなかったとは言え、リバーサイドなどに何枚かのリーダー作も吹き込ん
でるし、何より「ワークソング」や「オールド・カントリー」の作曲者としてジャズの
歴史に名を残したわけだし、これもみんな“ト○マリン”のおかげだねっ♪というよう
な立派な人生を送った人であると言えましょう。スタイル的には“ファンキーなコルネ
ット奏者”という印象の強いナットですが、バラードを吹かせると意外にマイルス的だ
ったりして、この『ナチュラリー』というアルバムはワン・ホーンということもあって
、そんなナットのリリカルな一面が窺える作品として貴重な1枚であります。
-
- で、このアルバムは2つのセッションからなっていて、前半はジョー・ザビヌル
、サム・ジョーンズ、ルイス・ヘイズという、キャノンボール・クインテットなメンバ
ー。で、1曲目のタイトル曲はナットのオリジナルであります。ちょっぴりファンキー
?という感じもありますが、わりと正当的な感じの曲ですね。で、テーマのバックでサ
ム・ジョーンズがひたすら同じ音を弾いてるのがモード的ぃ?ナットのソロ・パートに
入るとファンキー・ムードがワン・ランク強くなる感じですね。ジョー・ザビヌルはこ
の頃から既に“生え際”がかなり後退しておりますが、ピアノ・スタイルは極めてオー
ソドックスです。フレージングなど、ちょっぴりケリーを彷彿させるものがあります。
はい2曲目。「セブンス・サン」はジョー・ハゲヌルの曲。“ウェザー・リポート”時
代、数々の名曲を書いたハゲなんですが、これはかなりファンキーなムードの曲ですな
。ナットはミュートで吹いております。「ナットのミュート・プレイはどこかマイルス
を連想させるところもあって、思わずモッコリ、いや、思わずニッコリである。」と、
日本語ライナーで市川ショージくんが書いておりますが、そんなことはありませんね?
どっちかというとモーガンがミュートを吹いてる感じに近いような気がします。もっと
明確にマイルスを感じさせるのは3曲目の「ラヴ・レター」。いやあ、泣きましたなぁ
、浅田痔瘻くんの「鉄道員(ぽっぽや)」。読んだことないですけどね。これもミュー
トで吹いているんですが、これこそマイルスを連想させるところがあって、思わずモッ
コリ、いや、思わずニッコリです。マイルスで2回もモッコリしてる場合か?という気
もしますが、金冷パンツはモッコリしないんでしょうかね?
-
- 4曲目の「ジス・マンズ・ドリーム」はガレスピー、あるいはレッド・ガーラン
ドのアルバムでおなじみのドラマー、スペックス・ライトのオリジナルで、一転キャノ
ンボール・バンドを連想させるファンキーな演奏。まさに普段着の演奏だ。と、市川く
んが書いております。私もまったく同感です。マイナー調のいかにも日本人ウケしそう
な曲ですが、コルネットのワン・ホーンだとちょっぴり物足りない感じが無きにしもあ
らず。ま、哀感が漂っていて、これはこれで悪くないですけどね。で、アドリブに入っ
てからのナットのハツラツとした吹きっぷりがよろしいです。はい、5曲目。ここから
が後半のセッションで、ケリー、チェンバース、フィリー・ジョーというマイルス・デ
イビス・クインテットなリズム隊に変わります。いや、この3人が揃ってマイルスの元
で演奏したことはないんですけどね。(←ケリー加入後のドラマーは地味昆布。)で、
5曲目の「クロウ」は20年代に作られた古典的なナンバーらしいです。確かに、いか
にも古典古典した歌物ナンバーですね。ケリーの弾くイントロが面白いです。がははは
ははははは。と、大笑いするほどは面白くないですけどね。ナットはミュートで吹いて
おります。フィリーの変幻自在なブラッシュ・ワークが絶妙ですな。アドリブ・パート
に入るとスティックに持ち替えてソロイストをプッシュしておりますが、ところで“プ
ッシュG軟膏”ってやっぱり癖になるんですかね?一度試してみたいと思っているんで
すが、なかなか実行に踏み切れない、ちょっぴり優柔不断で駄目なボク。。。で、ケリ
ー、ナットのソロに続いてチェンバースのピチカート・ソロも聴けます。「小品」って
感じの仕上がりですね。
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- 6曲目の「イメージズ」はアルト奏者ソニー・レッドのオリジナルで「スピーク
・ロウ」を思わせる雰囲気の曲。と市川くんが書いておりますが、確かに似てまね。モ
ーダルな「スピーク・ロウ」って感じぃ?で、ケリーのソロが群を抜いて抜群です。続
くナットのソロも色が出て出色の出来です。モーダルな曲調のためか、かなりマイルス
っぽい感じがしますね。もうモッコリしたりはしませんけど。ポール・チェンバースの
力強いベースは絶好調。と、市川くんも褒めております。モッコリしたりはしないけど
、ポールが元気でなにより。。。さ、あと2曲目です。「オレオ」はおなじみ、ソニー
・ロリンズのオリジナル。フィリーくん、大張り切り。ナットの吹くミュートも面白い
効果を出しております。はい、ラストはザビヌルのオリジナル「スコッチ・アンド・ウ
ォーター」。どこかで聴いたことのある曲ですね。ていうか、とってもよく耳にする曲
ですね。キャノンボールのバンドも『セクステット・イン・ニューヨーク』で録音して
いるようですが、果たしてスコッチ1杯とウォーターだけで10万円もぼられてしまっ
た某レーザー技師似の青年に明日はあるのか?ということで、今日の原稿はおしまい♪
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