【アルバム名】
GRASS ROOTS (BLUE NOTE)
【リーダー名】
ANDREW HILL (1968/4/19,8/5)
【パーソネル】
LEE MORGAN (tp) BOOKER ERVIN (ts) ANDREW HILL (p) RON CARTER (b)
FREDDIE WAITS (ds)
WOODY SHAW (tp) FRANK MITCHELL (ts) JIMMY PONDER (g)
REGGIE WORKMAN (b) IDRIS MUHAMMAD (ds)
【収 録 曲】
GRASS ROOTS / VENTURE INWARD / MIRA / SOUL SPECIAL / BAYOU RED / MC /
VENTURE INWARD / SOUL SPECIAL / BAYOU RED / LOVE NOCTURNE
【内   容】
 本日のテーマは「姉さんはミス日本」。いや、この前のサザエさんがそんなテー マだったんですけどね。“目覚めた”女性たちの間では「容姿だけで優劣を決めるなん て論外、公害、あこや貝。」と極めて評判の悪い各種ミスコンなんですが、桑名でもや っております。「桑名の殿様・御台所祭り」というよくわからん祭りで行われる“ミス へそ美人コンテスト”というの。普通、ミスコンで優勝すれば友達にも自慢できるし、 オトコにもモテモテだねっ♪という情況が期待できるわけですが、“ミスへそ美人”な んてワケのわからんものに選ばれたところで迷惑なだけなので、ミスコンなのに既婚者 もOK!という甘い応募基準にもかかわらず参加者はきわめて僅少。サザエさんレベル の“そこそこギャル”には狙い目ではないでしょうかね?で、同時に行われる“千姫折 鶴行列”では千姫役も公募しておりますので、タイ子さんレベルの美貌人妻なら、こっ ちを狙ってみるのもいいかも知れませんね。ということで本日のテーマは『郷土史に学 ぶ〜千姫の生涯』。
 
 千姫というのはですね、2代将軍・徳川秀忠の娘であります。家康にとっては孫 にあたるわけですな。7歳のとき、家康の婚姻政策により豊臣秀吉の子秀頼のもとへ嫁 ぎます。ニコニコ性教育映画「未成年の性」のヒロインはる子ちゃん(16歳)など足 元にも及ばない早熟・幼な妻ですな。秀頼のロリコン疑惑が取り沙汰される所以ですが 、この時代はこれが普通だったんでしょう。ただ秀頼には“昼間派疑惑”と“露出プレ イ好き疑惑”というのもあり、あるサイトには
 
> 昼間から大奥へ来て、障子、襖、窓等を開けたままで、千姫を抱いたりした。近 従の者達は目のやり場に困ったことがあった。
> そこへ、淀君が入って来てコーフン、いや、逆上した。
 
なんて記述がありました。見られるとコーフンするタイプなんだから、近従の者達 も目のやり場に困ったりせず、しっかり覗き行為に耽ったほうがよかったと思うんです けどねー。その点、淀殿はやっぱりオトナですねー。とまあ、そんなこんなでお盛んだ ったお二人なんですが、楽しい蜜月は長くは続きませんでした。“大坂夏の陣&冬の陣 ですね。祖父の家康VS夫の秀頼、義母の淀君、宜保の愛子との戦いの末、秀頼とそ の母淀君は自害、宜保愛子はショックのあまり痔が悪化したと伝えられております。千 姫は命からがら救出されますが、わずか19歳の若さにして未亡人になってしまいまし た。山男に惚れた娘さんも真っ青の若後家さんですな。こうなったらもう未亡人カフェ で働くしかないカナ?と覚悟を決めた千姫でありましたが、その身を案じた祖父家康は 、千姫救出に功のあった坂崎出羽守直盛という人のところへ嫁に出そうと画策するわけ です。しかし出羽守というのは五十代のオッサンで、おまけに色黒で粗暴な大男だった そうで。家康からこの話を聞かされた千姫がまったく乗り気になれなかったのもやむを 得ませんね。私だって五十代のオッサンは嫌です。五十代のオバサンでも嫌です。二十 代のネーチャンがいいです。でもジーチャンの言うことには逆らえないやぁ。。。と泣 く泣く大坂から江戸へ帰ることになるんですが、その途中に桑名まで来たところ、数日 来の大雨で“七里の渡し”が運休になっちゃってたわけです。そこで桑名城に身を寄せ たわけですが、城主の本多忠政が不在だったので名代として忠政の嫡男忠刻(忠勝の孫 )が一行を出迎えたと。そして千姫ちゃんは忠刻くんに“When I fall in love♪”
「じいちゃん、アタイ、本多の忠刻クンがいいっ♪」
かくして孫に甘いじいちゃんは千姫を本多家に嫁がせることになったわけでありま す。で、将軍の娘を嫁に貰った本多家は姫路へと国替えとなり、変わりに松平定勝クン が桑名の殿様としてやってきたというわけであります。
 
 さて一方、坂崎出羽守直盛。今度の嫁さん、19歳だぜっ♪ピチピチだぜっ♪若 いけど若後家さんだから経験豊富だぜっ♪なんて喜んでいたら、いつの間にやら千姫ち ゃんってば若いオトコのところに嫁いでいたわけでありまして、通信販売で買った『初 夜を迎える夫の心構え』(B5カラー判256ページ、3980円)の立場はどうなる っ!と、怒り心頭。いいトシして何を買ってる・・・という感じですが、“粗暴な大男 ”の本領を発揮し、輿入れの行列を襲って千姫と刺し違えて死のう!などと考えたそう ですが失敗に終わり、あわれコンクリ詰めにされて伊勢湾に沈められたそうです。
 
 とまあ、これほど千姫は桑名とはゆかりが深いわけでして、だから桑名で「千姫 行列」をやったとして何か文句あるのか!?と“村おこし”のためにこの企画を考えた 主催者側は申しておるわけです。こう強気に出られると「文句ない。。。」と黙ってう なだれるしかないですね。ちなみに千姫役以外に次のような人も募集しております。
 
『一般の部』:旗持ち(2名)、奴(4名)、鉄砲隊(6名)、ドラ(2名)、ホ ラ貝(2名)槍隊(5名)、篭かき(2名)、大八庫引き(2名)、腰元(6名)
『子供の部』:共侍(6名)、腰元(6名)
 
子供を腰元にしてもいいのか?という気もしますが、記念写真とお菓子をくれるそ うなので、暇な人は参加してみたらどうでしょうね?もし私が参加するとしたら“槍隊 ”というのをやってみたいですね。だって、やりたい年頃なんだモン♪
 
 @ ということでアンドリュー・ヒルの『グラス・ルーツ』。ヒルのアルバムも BN後期となると、ジャケットを見てもまるっきりピンときませんね。草むらでムラム ラしちゃった子供が2人、抱き合っております。屋外プレイに耽るロリコンホモ?しか も白黒プレイ?ま、仲良きことは美しいことです。オトナになってもこの愛、貫いてく ださいね。で、このアルバム、メンバーがいいですな。モーガンにアービン。いいです な、ブッカー・アービン。
 
  ・「ぶつか?」「あ、ビンビン♪」
 
  > ショック療法。
 
というような爽やかなジャズが展開されることが期待されますね。で、私が買った 輸入盤CDには別テイクとオマケ曲が収録されておりますが、こちらはメンバーが全面 的に替わっていてウディ・ショウとフランク・ミッチェル、それにジミー・ポンダーの ギターが入ります。こういう別テイクはいいですね。ウディ・ショウ、いいですよね。 フランク・ミッチェル、よく知りませんね。ということで、モーガン&アービンのセッ ションのほうから聴いてみましょうね。
 
 1曲目、「グラス・ルーツ」。なんつうかこの、牧歌的な感じの曲ですね。テン ポはミディアムで、モーガンとアービンの雲丹損(うにぞん)で気の抜けたようなテー マが演奏されます。が、アービンのソロになってムードは一変。テーマがどうあれ知っ たことぢゃないんだもんね、ボク。とばかりに、いつもの爽やか“あーびん節”を存分 に披露してくださいます。続くモーガンの音数を最小限に押さえたマイルス的なアプロ ーチと好対照ですね。続く蛭くんのソロも音数の少ない訥弁タイプで、血便タイプのア ービンだけがひとり浮いちゃったような感じですが、これもまた人生。で、2曲目。「 便茶陰倭亜土」。“内部への冒険”とでも言うのでしょうか。ウチの会社にはファイバ ースコープがあって、いちど「カラダの内部への冒険」を試みてみようと思ってるんで すが、あいにくモデルになってくれる人がいないので、未だ夢を果たせずにおりますが 、これはいかにも蛭くんらしい曲ですね。『ポイント・オブ・デパーチャー』にこんな 曲がありませんでしたっけ?で、ソロ先発はヒルなんですが、捕えどころのない“独特 のタイム感覚”がいかにもヒル的。続くモーガンはファンキーなようなモーダルなよう な、いかにも“60年代後期のモーガン”的なソロを披露します。で、続くアービン。 言わずもがなです。この人がいかなるソロを吹こうと、それは彼に憑依したエジプトの ナセル大統領のなせる技なので、誰も彼を止めることはできません。で、ヒルが再び登 場してソロを弾いたあと、フレディ・ウェイツの短いソロがあり、後テーマがあって、 おしまい。決して万人受けのする演奏ではありませんが担任の先生には褒められる。そ ういった演奏ではなかろうかと思われます。
 3曲目の「ミラ」は、ぎくしゃくしたラテンのリズムに乗せたナンバー。このリ ズム・パターン、どっかで聴いたことがあるような?と思ったら、「カッタ」(←ボビ ・ハチの『ダイヤローグ』収録)がこんな感じじゃなカッタ?まず最初に蛭が出て、だ んだんとヒート・アップしていく感じのモーガンのソロのあと、いつも自分のことしか 考えてないアービンがここではちゃんとテーマのイメージに即したソロを吹いていて、 やればできるんぢゃん、アービン!で、4曲目の「操売る・すぺしゃる」は「ザ・ラン プローラー」風のジャズ・ロック・ナンバー。5曲目の「バユウ・レッド」は「フリー ダム・ジャズ・ダンス」風の変則的なモーダル・ナンバー。いろいろバラエティに富ん だ曲を書きますね、ヒルくん。で、演奏内容のほうはだんだんと疲れてきたので、割愛 。特筆すべきはアービンの“あまりアービンらしくない”ソウルな吹きっぷりですね。 特に「ソウル・スペシャル」のソロがよろしい。
 
 んで、6曲目からはCDおまけナンバーで、ウディ・ショウ、フランク・ミッチ ェルというフロントに変わります。ジミー・ポンダーのギターも入ります。「MC」は 複雑なメロディのよくわからん曲。ウディ・ショウのソロは抜群にいいです。フランク ・ミッチェルのテナーはアービンに比べるとオーソドックスなイメージ。ちょっぴり“ コルトレーン入ってる”感じもします。で、「ベンチャー・インワード」「ソウル・ス ペシャル」「バヨウ・レッド」の3曲は前半のセッションと重なってますね。演奏はこ ちらのセッションのほうが先です。全体的にヒルのソロの出来が本テイクに比べると意 味不明かな?という気はしますが、サイドマンの出来は文句の付けようのない素晴らし さ。特にウディ・ショウ、絶好調。「ベンチャー・インワード」など、本テイクよりも テンポが若干速めで、演奏もはつらつとしております。逆に「ソウル・スペシャル」は 少しゆっくりめのテンポ設定で、ギターが入っているせいもあって、かなりアーシーな 出来栄え。ま、いずれにせよメンバーの異なる2つのセッションを聴き比べてみるのは 楽しいものです。ただ、ここまで聴き続けるとぐったり疲れて、もはやボケも出ません けどね。ラストの「ラブ・ノクターン」はバラード風の暗い演奏です。愛の夜想曲?『 ポイント・オブ・デパーチャー』に入っていた「デディケーション」という曲に雰囲気 が煮て鱒。ということで、おしまい。


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