- 【アルバム名】
- MY CONCEPTION (BLUE NOTE)
- 【リーダー名】
- SONNY CLARK (1957/12/8,1959/3/29)
- 【パーソネル】
- DONALD BYRD (tp) HANK MOBLEY (ts) SONNY CLARK (p) PAUL CHAMBERS (b)
- ART BLAKEY (ds)
- CLIFFORD JORDAN (ts) KENNY BURRELL (g) PETE LA ROCA (ds)
- 【収 録 曲】
- JUNKA / BLUES BLUE / MINOR MEETING (2nd ver.) / ROYAL FLUSH (2nd ver.) /
- SOME CLARK BARS / MY CONCEPTION / MINOR MEETING / EASTERN INCIDENT /
- LITTLE SONNY
- 【内 容】
- 5月3日、憲法記念日。みんな、憲法について真面目に考えたことはあるかな?
少林寺〜、少林寺〜、あいやはらほれひれほれはれ〜♪って、それは拳法だし、歌詞む
っちゃテキトーだしぃ。高校生のとき、学校の映画鑑賞会で見ましたけどね、『少林寺
三十六房』。寅さんとか原爆モノとか、わけわかんないんですよね、うちの高校の映画
鑑賞会。で、憲法なんですが、普段の生活において憲法というものについて考えてみる
機会というのはほとんどないですよね。法治国家としてこのような現実を放置してもい
いのか?そんなことで報知新聞は許してくれるのか?火災報知機作ってるホーチキとい
う会社だって黙っていないのではないか?ということで、年に1度の憲法記念日くらい
、じっくりと憲法について考えてみてもいいのではないかと思うのですが、桑名の住民
は5月3日をあまり正しく「憲法記念日だねっ♪」とは認識しておりません。「金魚ま
つりの日だねっ♪」と思っております。コドモはたいてい、金魚まつりだからガッコが
お休みなんだねっ♪という認識の仕方をしております。ちなみに5月5日は「多度の上
げ馬の日」だからガッコが休みになるわけです。で、金魚まつりが始まると町中に氾濫
し始めるのが(図1)のようなマーク。各家は軒先にこのマークの入ったチョーチンを
ぶら下げてお祭り気分を盛り上げることになっております。家に配られる落雁にもこの
マークが入っていたから、ずっと私は「これは“らくがんのマーク”なんだ。」と信じ
たまま大きくなったわけですが、ふとしたことでこれが実は松平家の家門であることが
判明しました。宇宙人が麦畑を踏みつぶして作るミステリーサークルにも出てきそうな
このマーク、実はそんな歴史のある物件だったんですね。ということで本日のテーマは
ちょっぴり真面目に『郷土史に学ぶ〜桑名藩と本多家・松平家』。
-
- 桑名の殿様、しぐれで茶臼、ヨ〜イトナ〜♪
-
- 桑名の殿様がいかにテクニシャンであったかということを示す俗謡でありますが、
フツー、なかなかそこまでは試してみませんよね、時雨茶臼。ちなみにこの歌、しぐれ
蛤の知名度アップと販売促進のために作られた日本で最初のコマーシャルソングとでも
いうべきものらしいですが、この場合の“桑名の殿様”というのは松平ナントカという
殿様のことだと思われます。金魚まつりが行われる鎮国守国神社に祀られているのも松
平定綱公(鎮国公)と松平定信公(守国公)でございます。だから“らくがんマーク”
のチョーチンをぶらさけるわけですな。ちなみに神社の本殿にもチョーチンが恭しくぶ
ら下げられておりますが、そのマークは片側が“らくがんマーク”で、反対側にはおな
じみの“三ツ葉葵”(図2参照)がついております。このへんの事情は、興味のある人
なら
-
- http://www.asahi-net.or.jp/~ME4K-SKRI/han/kinki/kuwana.html
-
- というサイトを見てみるといいと思いますが、興味のない人とか、どちらかという
とパンツ関係に興味がある人は見ても面白くないと思います。ま、三ツ葉葵の紋を許さ
れた殿様だったということは、ホテイアオイの紋の殿様よりも立派なんだね。というこ
とさえ理解していただければ結構です。で、このサイトを見ていただくと解るように、
桑名藩の初代藩主は松平家ではなく、本多家です。徳川四天王の一人、本多忠勝という
人です。プレステ2用の「決戦」というゲームでも大活躍するようなので知っている人
も多いと思いますが、この本多平八郎忠勝(通称:本多のかっちゃん)という人、なか
なかに強くて立派な人であったようでありまして、いくつかのエピソードが知られてお
ります。それをちょっと記してみると、
-
- (その1)五十度をこす合戦で、かすり傷ひとつ負わなかった(らしい)。
- (その2)“蜻蛉切り”という槍で、やり投げの日本新記録を出した(らしい)。
-
- えーと、主なところでこの2点です。「かすり傷ひとつ負わなかった」というのは
ちょっぴり誇張気味で、おそらく川原を走りまわっていて石につまずいてコケて、膝を
すりむいてヨードチンキを塗って、「あ〜ん、しみるだらぁ。」(←本多くんは三河人
)と言って泣いた。。。という経験ぐらいはあると思いますが、とにかく強かったのは
確かみたいです。一言坂(ひとことざか)の戦いで家康くんは武田の信ちゃんにこてん
ぱんにやられちゃうわけですが、このとき本多のかっちゃんは殿軍を務めて大いに活躍
したそうです。信玄の近習小杉左近も「家康に過ぎたるものが二つあり、唐の頭(から
のあたま)に本多平八」との落書を残し、忠勝の働きを称えたと伝わっている。と、某
サイトにも書いてありました。“からの頭”というのは頭がからっぽということではな
く、チベット産のヤクというウシ科哺乳類の尻尾の毛を飾りにつけた兜とことでござい
ます。そういえば岐阜県には“尻毛”(しっけ)という地名がありますが、みんな、ち
ゃんとお手入れしてるぅ?で、もうひとつ「やり投げの日本記録」のお話、これはおそ
らく口から出まかせでしょう。書いた本人が言ってるんだから間違いありません。だい
たい槍というのは元来は投げたりして遊ぶものではなく、そんなことをすれば自ら武器
を放棄するようなものですよね。負けそうになって捨て鉢になった時にはヤケになって
槍を投げちゃったりもしたでしょうが(←“投げやり”という言葉の語源?)、かすり
傷ひとつ負わなかった本多のかっちゃんはそういうこともなかったと思います。で、そ
の愛用の槍の“蜻蛉切り”という名称ですが、これは休憩しようと思ってその槍の刃に
とまった蜻蛉が真っぷたつに切れちゃったという、ぜったいに嘘に違いない“伝説”か
ら名付けられたものであります。おそらくは、2匹つながって飛んでいる貞操観念の著
しく欠如した蜻蛉を見かけ、けしからんっ!と槍を振り回したところ、その蜻蛉が真っ
ぷたつに切れちゃった。なんていうのが事の真相ではないですかね?本多のかっちゃん
ならずとも、そういうことはウチの中でやれっ!とか思っちゃいますもんね。あるいは
、とってもよく切れることを示すデモンストレーションとして、飛んでいる蜻蛉を切っ
てみたとか。今でいう「穴あき包丁の電線切り」ですな。
-
- とまあ、そんなこんなで“蜻蛉切り”を振り回して大活躍した本多のかっちゃん
、関ヶ原の合戦のあと、大多喜から桑名十万石に国替えとなったのでした。千石イエス
より100倍偉い?ということで『郷土史に学ぶ』シリーズ、明日は最終回の「千姫と
へそ美人コンテスト」でーす。
-
- @ さ、今週から2回シリーズで「先日買ってきたCDシリーズ」をお届けする
わけですが、あ、本多のかっちゃんは63歳で没し、町屋川の川原で荼毘に付されたそ
うです。子供の頃、親戚のうちに遊びにいったら「町屋川で泳ごう!」ということにな
って、でも、海水パンツ持ってないしぃ。。。とためらっていると、そんなん普通のパ
ンツでエエやん!と強引に押し切られ、仕方なくグンゼのブリーフで泳いでいたら見ず
知らずのガキに指をさされ、「あー、普通のパンツやー!」と馬鹿にされた、あの思い
出の町屋川。最近ではバーベキューで肉を焼いたりしているのをよく見かけるあの川原
で、昔は人を焼いたりしてたんですなぁ。ということでソニ・クラの『マイ・コンセプ
ション』。“conception”には“妊娠”という意味もあるそうですが、ここでは「妊娠
しちゃったの」というウラ本のタイトルみたいなのじゃなく、「私の概念」という意味
でいいと思います。それにしてもウラ本のタイトルって、時としてコンセプトがよくわ
からんのがありますな。それはともかく、3ヶ月ぶりぐらいにCD屋をのぞいてみたん
ですが、いつに間にかこんなのがCD化されていたんですね。国内盤でも出ております
が私が買ったのは輸入盤で、オマケとして入っている栗嬢&毛にバレの3曲は、つい最
近レビューした『ソニー・クラーク・クインテット』のB面とまったく同じセッション
です。よってこのCDの聴きものは前半の6曲でありまして、モブレイ、バード、チェ
ンバース、ブレイキーという、いかにもBN的なメンバーにも期待が持てますね。とい
うことで、では1曲目から聴いてみましょう。
-
- 1曲目「ジャンカ」。あ、これ“タイム盤トリオ”に入ってた曲じゃんか。ちゃ
ん、ちゃん、ちゃんかちゃんかちゃん♪それは「ジェンカ」じゃんか。ということにす
ぐ気がつくと思いますが、このアルバムは全曲がクラークのオリジナルで占められてお
ります。で、その大半が“タイム盤トリオ”と重複しております。穿った見方をすれば
、これらのセッションをボツにされたクラークが「いいもんねー。ぼく、グレちゃうん
だもんねー。麻薬だって射っちゃうんだもんねー。」とかいいつつ、タイムにトリオで
吹き込みをしたのかも知れませんね。で、「ジャンカ」。アップ・テンポながらガッツ
一抹の哀感を湛えていたトリオ版と違ってこのクインテット演奏は元気そのもの。バー
ドやブレイキーは、クラークのスタイルとはちょっぴりミスマッチ?という気がしない
でもないですが、繰り返して聴いてるとこれはこれで“まずまず”かな?という気もし
てきます。クラークのリーダー作だと思うから駄目なのであって、これはバードのアル
バムなんだ。と自分に言い聞かせて聴いてみてくださいね。そうすれば必ず活路は開け
ます。はい2曲目。「ブルース・ブルー」。タイム盤トリオにも同じ名前の曲があって
、ずいぶんイメージは違いますが同じ曲なんすかね?モブレーやバードのバックでコン
ピングに励むクラークの出来がちょっぴり今ひとつ。“クラーク不調”が喧伝される『
ジャッキーズ・バッグ』A面のセッションと録音日が近いので、この頃のクラークは体
調不良なんでしょうかね?自らのソロも今ひとつ元気がありません。赤まむし等で活路
を見いだしていただきたいところでございます。
-
- 3曲目の「マイナー・ミーティング」は後半の栗嬢&毛にバレのセッションでも
演奏されているナンバー。タイム盤トリオでも冒頭に演奏されていた名曲でございます
。ブレイキーのラテン風ドラムのイントロに煽られて、ここでもバードとモブレイは元
気一杯。“栗嬢ばーじょん”よりも速いテンポで演奏されます。フロント陣のソロを聴
いていたら、なんとなくJMの「マイナーズ・ホリデイ」が浮かんでまいりました。と
っても強力わかもとなハード・バピッシュな快演で、ここまで3曲の中では最大の聴き
ものでしょう。続く「ロイヤル・フラッシュ」は『ソニー・クラーク・クインテット』
のA面(マクリーン&ファーマー)でも演奏されていた曲。タイム盤トリオでは「ニカ
」という名前で演奏されておりました。Jマック&ファーマーのヴァージョンよりテン
ポはゆっくりめで、よりアーシーなムードに仕上がっております。ちなみにここでのク
ラークのソロはタイム盤トリオの演奏にそっくり。おそらくこのクインテット・セッシ
ョンでのプレイが我ながら気に入っちゃって、トリオの演奏のときにも流用したんでし
ょう。全体的にぎこちない感じがしますが、トリオ盤へのウォーミング・アップだと思
って聴いてみるとなかなか興味深いものがございます。“勢いだけ”の感じだったバー
ドも、ここらあたりで落ち着いてきた感じです。
-
- 5曲目の「サム・クラーク・バーズ」はタイム盤には入ってなかった曲。どっか
で聴いたことがあるような気もするんですけどね。メロディ自体はわりと単純でモブレ
イあたりが書きそうな感じです。クラークのコンピングはやっぱり本調子ではありませ
んが、ソロはまずまずです。で、ラストの「マイ・コンセプション」。タイム盤トリオ
にも入っていたバラードですね。トリオのほうは“もろパウエル”といった感じでした
が、ここではモブレイがウォームなプレイを披露しております。クラークのしみじみと
した悪くないソロを挟んで、後半はバードのプレイとなります。泣けます、鮭鱒、サツ
キマス。ということで、後半の3曲は割愛。全体的な印象では“オクラ入りもやむなし
?”といった感じもしますが、随所にクラークらしさも感じられ、ま、そういった1枚
でございました。
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