【アルバム名】
ALL KINDS OF WEATHER (PRESTIGE)
【リーダー名】
RED GARLAND (1958/11/27)
【パーソネル】
RED GARLAND (p) PAUL CHAMBERS (b) ART TAYLOR (ds)
【収 録 曲】
RAIN / SUMMERTIME / STOMY WEATHER / SPRING WILL BE A LITTLE LATE THIS YEAR / WINTER WONDERLAND / 'TIS AUTUMN
【内   容】
 病み上がりで頭が働きませんので、本日のテーマは「病み上がりと逆あがり」。 これでいきたいと思います。私は逆あがりの苦手な少年でありました。というか、鉄棒 というものにまったく興味の持てない少年でありました。鉄の棒より肉の棒だぜ、兄貴 ぃ!という人生を貫いてきたわけですが、ということで本日は「電話こども悩み相談室 」です。こどもの日も近いしぃ。
 
「もしもーし。」
「はい、もしもしー。お名前と学年を教えてくださーい。」
「山田祐太、小学3年生ですっ。」
「はーい、祐太くんだねー。君はどんなことで悩んでいるのかなぁ?」
「僕はてつぼうが苦手ですっ。どうしたら上手になれますかぁ?」
「はい、祐太くんは鉄棒が苦手なんだねー。前回りが出来ないのかなぁ?」
「えっとぉ、前まわりはできるんだけどぉ・・・」
「そっかぁ。じゃ、逆あがりが出来ないんだねー。おじさんも子供の頃は苦手だっ たんだよー。でもね、おじさん、毎日毎日、いっしょうけんめい練習してね・・・」
「えっとぉ・・・、逆あがりも出来るんだけどぉ・・・」
「じゃ、祐太くん、何が出来ないのぉ?」
「えっとぉ、伸身トカチェフからぁ、連続コバチをはさんで、懸垂前振りから前方 開脚宙返り飛び越し懸垂とつなげてぇ、後方二回宙返り一回ひねり降りで着地するとい う流れがぁ・・・」
ガチャン。
 
「はーい、次のかた、どうぞぉ。」
「もしもし。」
「はーい。お名前と学年を教えてくださーい。」
「佐藤さちこ、1ねんせいでーす。」
「はーい、さっちゃんだね。さっちゃんはどういうことで悩んでいるのかなぁ?」
「えーっとね、さっちゃんはね、さちこて言うんだ、ほんとはね。」
「はい、さちこちゃんだねぇ。」
「だけどちっちゃいから、じぶんのことさっちゃんて言うんだよ。」
「おかしいね、さっちゃん。で、どういうお悩みかなぁ?」
「さっちゃんはね、ばななが大好き、ほんとだよぉ。」
「はい、バナナが大好きなんだね。で、おじさん、さっちゃんの悩みがわかっちゃ ったなぁ。さっちゃんはきっと、バナナが半分しか食べられなくって悩んでいるんだね 。」
「えっとぉ、そうじゃなくってぇ。。。」
「えっ、違うのかぁ。じゃ、どういう悩みなのかなぁ?」
「うーんとね、さっちゃんはね、ばななが大好きなんだけどぉ、だからね、しんせ きのおじちゃんがね、さっちゃんにばななのおもちゃを買ってくれたのぉ。」
「さっちゃんにおもちゃを買ってきてくれたんだぁ。いいおじさんなんだねっ。」
「いいおじちゃんなんだけど、見た目がちょっとあやしいのぉ。だからね、あめり かの大使館でね、門の守衛さんに怪しまれ、建物の入り口の守衛さんには荷物を引っか き回され、ついでに入り口のドアを開け閉めするMPに英語で責めたてられ、この時か らおじちゃんの人生は責められる事にカイカンを覚えるように仕向けられ・・・」
「はい、おじさんのことはいいから、さっちゃんのお悩みを聞かせてねっ。で、バ ナナのおもちゃがどうしたのかなぁ?」
「このばななのおもちゃ、どうやってあそぶんですかぁ?」
「どうやってと言われてもなぁ・・・。さっちゃん、そのばななのおもちゃ、どう いう形をしてるのかなぁ?」
「えーっとね、ばななのかたちぃ。」
「それはそうだよね。でね、そのおもちゃには電池とかを入れるのかなぁ?」
「うんっ。ばななからねっ、“せん”が出ててねっ、その“せん”のさきにねっ、 でんちをいれる“はこ”があって・・・」
「その箱にスイッチがついているんだね。」
「うんっ。すいっちをいれると、うい〜ん♪って・・・」
「さっちゃん、それはね、もう少し大きくなってから使ったほうが・・・」
「さっちゃん、まえにもらった“なす”のおもちゃのほうが好きなんだけど・・・ 」
ガチャン。
 
 はい、いくらネタぎれとはいえ、ひどい悩み相談でありましたが、ま、病み上が りなので大目に見てくださいね。で、病み上がりといえば先日、ラジオでヘルス系の電 話相談を聞いていたんですけどね。いや、ヘルス系といってもファッション系じゃなく 純粋な健康系なんですが、その日のテーマが「糖尿病と食事」。相談者の相談に栄養士 の先生(おばさん)が答えるという形式でありました。毎日、1200キロカロリーと いう食事療法をきちんと守っているのに、1ヶ月で体重が3〜4キロしか減らないのぉ 。。。というおっさんの相談なんですけどね、1ヶ月で3〜4キロかぁ。まあまあやん 。なんて思いながら聞いていると、
「おかしいですねぇ。あなたの身長と体重でそのカロリーなら、2週間で5キロく らいは減るはずなんですが・・・」。
「きちんと1200キロカロリーを守ってるんですけどねぇ。。。」
「う〜ん・・・」
栄養士のおばさん、すっかり考え込んでしまったんですけどね。すると、おっさん がぼそりと一言。
「おやつが駄目なんですかねぇ。。。」
「はぁ?」
栄養士のおばさん、悪い夢でも見てるかのように一瞬言葉につまったんですが、や がて気を取り直して、
「おやつを召し上がってるんですかぁ?えーと、どのようなものを・・・」
「えーと、甘いアンコの入った饅頭とかですねぇ・・・」
「問題外ですっ!」
その後、栄養士のおばさんは物覚えの悪いコドモに噛んで聞かせるように「正しい 食事制限について」おっさんにレクチャーしておりましたが、本当ならガチャンと電話 を切ってやりたい気分ではなかったでしょうか。
 
「もしもーし。」
「はい、もしもしー。お名前とお年を教えてくださーい。」
「上田早苗、43歳でーす。栄養士をやってまーす。」
「はい、さなえちゃんだねぇ。どういうお悩みかなぁ?」
「えっとねっ、糖尿病の患者さんがねっ、饅頭食べるんですっ!」
 
「健康相談の相談員のための悩み相談室」でも作ってもらわんと、やりきれんわ、 ホンマ・・・。ラジオの収録が終わって、上田早苗(43歳)は溜め息をつきながら饅 頭と羊羹とパンダ焼きをヤケ食いするのでありました。ああ、また太ってまうわ。。。
 
 @ ということでガーランド。連休前で、まるっきりやる気がおこりませんが、 『オール・カインド・オブ・ウェザー』。天気に関することすべて。日本人というのは 四季の移り変わりや天候に関しては実に繊細で濃やかでセンシティヴでありまして、た とえば“雨”ひとつをとってみても実にたくさんの言葉がありますよね。大雨、小雨、 春雨、五月雨、驟雨、霧雨、小糠雨、氷雨、村雨、俄雨、時雨ハマグリ…。ところが外 人というのはこういう点に関してはたいへん大ざっぱなので、“天気に関することすべ て”といっても全部で3パターンくらいしかないのではないでしょうか?「Oh!アメ〜 」「Ah!クモ〜リ〜」「yeah!ハレ〜」とか。実際、このガーランド盤でも天気に関する タイトルの曲は「雨」と「嵐」(←というのがあったか。)の2曲だけで、残りは“天 気モノ”というより“季節モノ”でごまかしております。探せばもっとあると思うんで すけどね、天気モノの曲。「降っても晴れても」とか「遣らずの雨」とか「永谷園のマ ーボー春雨ぇ♪」とか。ま、深く考えずにとりあえず1曲目からいってみましょう。「 レイン」。こんな、そのものずばりの歌があったんですね。雨関係では「雨に歌えば」 とか「9月の雨」とか、ありますけどね。で、この「雨」という曲、とってもプリティ です。雨は雨でも、うざったい雨ではなく、からりと晴れた陽性の雨。そんな雰囲気で あります。少なくとも梅雨のジメジメとした、食パンに黴が生えて、今日のトースト、 ちょっぴり苦味ばしってオイシイねっ♪(←食うな!)というイメージはないですね。 テーマ部はブロック・コードで演奏し、アドリブになってシングル・トーンに転じます 。スーパーレインXを塗布した車のフロントガラスにコロコロと転がる水玉のような軽 快なタッチがよろしいですな。アート・テイラーの職人的なスティック・ワークも必聴 モンです。スティックを握らせたら天下一品ですよね、テイラー。寿司を握らせたらど うか知りませんけど。
ガーランドのソロあと、待ってました!とばかりにチェンバースが弓を片手にニコ ニコしながら登場しても不思議でない雰囲気なんですが、さいわいにも棒チェンくん、 ここでは器具に頼らず自分の指で勝負しております。いい心がけです。そのあとガーラ ンド、アート寺、棒チェンの順番で4バースがあって、最後にブロック・コードによる テーマ演奏があって、おしまい。3人トリオの結束は固く、雲は流れる、西、東。そう いえば先日、雨上がりの長良川に綺麗な虹が懸かってました。ということをふと思い出 しました。
 
 2曲目「サマータイム」。“夏代表”は何のひねりもなく、この曲で来ましたか ぁ。個人的には「去年の夏子」のほうがよかったんですが、ま、「サマータイム」で悪 かろうはずはありません。ガーランドにしてはちょっぴりディープな雰囲気の演奏で、 「夏っ!」という壮快感はあまりありません。どっちかというと“けだるい”系。
 
  ・毛だ、ルイちゃん 見えてるよっ!
 
  > 桜木ルイ、前貼り未使用。
 
けっこう好きでしたけどね、桜木ルイ。とか書いてるうちに次の曲が始まりました 。「ストーミー・ウェザー」。これまた“けだるい”系のナンバーですね。テンポはゆ ったりで、あまり「嵐ぃ〜、嵐ぃ〜♪」という雰囲気はありません。どっちかというと 荒勢?(←元相撲取り、現温泉レポーター。)荒勢はどーでもいいからネーチャンを出 せ!と思いながら見てましたけどね、入浴シーン。ガーランドの“甘さ”が感じられる バラードで、悪くはないんですが10分34秒はちょっと長すぎぃ。。。途中でダレま す。はい、4曲目。“春代表”は「スプリング・ウィル・ビー・ア・リトル・レイト・ ディス・イア」。あまりよく知らん曲ですが、とってもプリティな曲です。ブロックコ ードを多様するガーランドが、とっても日永カヨー。いや、四日市にあるジャスコのシ ョッピング・センターですが。岡田屋の地元だけあって、ジャスコがたくさん。ダイエ ーとイトーヨーカ堂は1件もありませんね、三重県。ガーランドのソロのあとチェンバ ースのピチカート・ソロになるんですが、どうもこのアルバムはこのパターンばっかり でちょっぴりマンネリ気味。こうなってくると棒チェンくんのボーイング・ソロがなつ かしくなってきます。で、チェンバースのソロのあとは4バースがあって、後テーマが あって、おしまい。じゃ、次の曲にいきましょう。「ウインター・ワンダーランド」は とってもプリティな曲。このアルバム、「プリティな曲をガーランドがブロック・コー ドで甘く語る。(チェンバースのピチカート・ソロ&4バース付き♪)」というコンセ プトなんですかね?予定調和という感じで、これはこれで悪くないんですけどね。とか 書いていたら、お股せ!ここでチェンバースのボーイング・ソロっ!あ、やっぱりピチ カートのほうがいいですね。余計なことをしてくれたな、チェンバース。。。で、締め はやっぱり4バースでした。キュートなエンディングは悪くないです。
 
 はい、ラスト。“秋代表”は「ティス・オータム」ですね。安易に「オータム・ リーブス」とか「オータム・イン・ニューヨーク」を持って来なかった選曲は立派です ね。ちょっぴり「プレリュード・トゥ・ア・キス」に似たこのバラードをガーランドは 格調高く演奏しております。シングル・トーンとブロック・コードのバランスもこれく らいがベストではないですかね?と、井手須カネさん(73歳)も言っておりました。 カネさんの見事な鑑賞眼には頭も玉も下がる思いですが、今週はこれでおしまい。じゃ 、皆様、よい黄金週間を“黄金プレイ”等で有意義にお過ごしくだされ。


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