【アルバム名】
K.D.& HIS PROGRESSIVE PIANO (NORGRAN)
【リーダー名】
KENNY DREW (1953,1954/9/2)
【パーソネル】
KENNY DREW (p) GENE WRIGHT (b) SPECS WRIGHT (ds) LAWRENCE MARABLE (ds)
【収 録 曲】
BLUESVILLE / ANGIE / I CAN MAKE YOU LOVE ME / MY BEAUTIFUL LADY /
MANY MILES AWAY / FIFTY SECOND STREET THEME / I'LL REMEMBER APRIL /
FOUR AND FIVE / POLKA DOTS AND MOONBEAMS / LO FLAME / CHARTREUSE /
KENNY'S BLUES
【内   容】
 春の行楽シーズンとなりました。行楽のお供にはピンクの小粒コーラック。宿便 は宿の便所ですっきりと処分したいものですよねー。ということで、本日のテーマは「 旅と便所」。英語で言うと“ジャーニー&レストルーム”。英語というよりただの片仮 名でしたが、トイレのことを英語では“toilet”とは言わないんですね。“toilet”と いうと、文字通り「化粧室」という意味になるようです。“toilet water”は「化粧水 」。だから外人ぎゃるとねんごろになって「“toilet water”が欲しいのぉ♪」とか言 われても、便所の水をあげたりしてはいけません。ちなみに中国語では「厠所」という ようです。日本でも「厠(かわや)」といったりしますよね。「便所」という名称はあ まりにもストレートだから、情緒を重んじる大和民族としてはそれにとって変わる色々 な呼び方を考えてきたわけです。思い付くだけでも、お手洗い、化粧室、厠、せっちん 、ご不浄、うんこ部屋etc…。日本人の奥ゆかしさが伺えるエピソードですが、その 点アメリカ人はそこらあたりはドライなので、そのものずばり「オー、うんこルーム♪ 」みたいな言い方をするのかと思ったら、意外にも“公共の便所”は“rest room”な んですね。家の便所は“bathroom”らしいですが、これだとお風呂でうんこするみたい で、ちょっぴり頂けません。ちなみに“W.C.”というのは“water closet”の略で すね。奥ゆかしい言い回しです。反対にそのものずばりなのが中国語。便器のことを中 国では「便盆」というそうです。
 
 ということで「旅と便所」。旅先で使う便所といえば駅の便所(駅便)と宿の便 所(宿便)が双璧です。スーパーの便所(スーパー便)なんかを利用することもありま すけどね。車で高速道路を走る場合だと、「駅便」の変わりにサービスエリアの便所( サービス便)ということになります。ただ“うんこ”となると、下痢でもない限りは宿 の便所を利用することが多いのではないでしょうか。僕ってばとってもシャイな性格な もんで、あまり公共の場で“うんこ”するのって得意じゃないんですよね。駅のトイレ なんかでも隣の個室に誰かいると、緊張して出るものも出なくなってしまいます。とい うことで、宿の便所もホテルのような「一部屋一便所方式」が好ましいわけですが、こ れが「相部屋一便所方式」となると話は別です。例えば社員旅行なんかの場合、1部屋 に4〜5人泊まるということになりますね。こういう場合、いつ“うんこ”をするか? というのが重要な問題となります。シャイな僕としては、出来ることなら同部屋の人に 気付かれずにこっそりと用を済ませたいわけです。もし“うんこ”している姿を見られ たりしたら、後々まで「いなばくんは社員旅行でうんこした。」と陰口を叩かれ、OL さんにも「まあ、いなばくんって、そういう人だったのね。。。」と軽蔑され、肩身の 狭い思いをしなければなりません。ただでさえ、部屋に入ってすぐ「赤まむし」に手を 出したのと、女風呂を覗いたのがバレて肩身が狭いのにぃ。。。かくして私は朝の5時 頃、まだ外が暗いうちから起き出しては、こっそりと個室にこもるのでありました。
 
 さて、社員旅行となれば当然“宴会”というのがつきものです。で、宴会となれ ば当然“コンパニオンガール”というのがつきものです。清水義範クン言うところの“ 宴会の触媒”ですね。僕はシャイで無口な性格だから宴会でもOLさんやパニオンにモ テることはないんですが、一度だけパニオンぎゃるに大いにモテたことがあります。い つのことかというと、自分が幹事役になって伊豆の修善寺温泉に行ったときのことなん ですけどね。総勢20数名(うち、ぎゃる4名)の宴会で、パニオンを5人呼びました 。ぎゃるを除けば「お客様4人に1人パニオンがつきます。」という割合でありまして 、これはかなりの高濃度ですよね。臨界スレスレ?
で、この宴会でどのようにモテたかというとですね、パニオンのリーダー格らしい ぎゃるがスリスリと近寄ってきてですね、「ねぇ、幹事さぁ〜ん。」と甘い声でささや くのであります。「このあと、二次会にいくんでしょぉ?」その旅館にはクラブという かスナックみたいなのもあって、そこで二次会を開催する予定だったんですが、「私た ち二次会についてってもいいよね?ねっ?ねっ?」かくも熱心に口説かれて、誰が断る ことが出来ましょう。かくしてパニオンぎゃる5名を引き連れてにぎにぎしく二次会へ と繰り出したわけですが、後で調べると思いっきり追加料金を取られておりました。
 
 ちなみにOLさんというのはコンパニオンガールに反感を持ってるようでありま して、パニオンをたくさん呼びすぎると、そんでまたパニオンと“いちゃいちゃ”しす ぎると、途端にOLさんの機嫌が悪くなるのが手に取るようにわかります。お酒の相手 をするだけで私達よりイイお給料をもらってぇ。。。なんて思ってるんでしょうね。確 かにOLさんはタダでお酌を強要されて、すけべなおっさんにサワられるわけですもん ね。で、旅行が終わって旅行の収支報告をまとめたところ「コンパニオン代」が支出の 中でかなりのパーセンテージを占めていることが明らかになり、不肖の幹事塩サバくん (当時27歳くらい)は、「コンパニオンって高いねぇ。。。」「5人は多すぎたねぇ 。。。」「4人でよかったねぇ。。。」「追加料金は余分やったねぇ。。。」と、OL さんからさんざん責められ続けたのでありました。
 
幹事の苦悩:OLか?パニオンか?
 
 @ ということでケニー・ドリュー。“ぎゃるにウケる”ジャズ・ピアノと言え ばドリューですね。やっぱ『パリ北駅着、印象』?といった感じですが、ぎゃる系ファ ンをGETするためにミーハー路線に走った彼をどうして責めることができましょう? ということで『ケニー・ドリューと彼の進歩的なピアノ』。硬派ですな。1953年の セッションは詳しい録音年月日が不明なんですが、場合によっては初リーダー作とされ る“BN盤トリオ”よりも前かも?といったところに位置しているノーグラン盤です。 ノーグランというのはノーマン・グランツがやっていたレーベルで、ノーマン・グラン ツだから略してノーグラン。須磨珠美ちゃんだから略して“すまた”というのと同じで すね。個人的にはノーマン・グランツってあんまり好きじゃないんですけどね。ノーパ ン・ブラちゃんは好きですけど。が、このノーグラン盤は悪くなかったです。53年録 音のわりにはえらく音がいいしぃ。ということで、では1曲目から聴いてみましょう。
 
 「ブルースヴィル」はドリューのオリジナル・ブルース。モンクっぽいイントロ に続き、即興で作られたようなテーマが演奏されます。テンポはミディアム。ブルース といってもドリューの場合、なんかそれほどアーシー?って言うんじゃなくってぇ、な んか都会的フィーリングぅ?って感じぃ?するじゃん?はい、しますじゃん。なんちゅ うか、言葉では説明しにくいんですが、とにかくとってもイイです。聴けば聴くほどイ イです。後年よりもタッチが粘っこいですかね?若さゆえですかね?BN盤のトリオが “もろパウエル”という感じだったのに対し、こっちのほうはかなりドリューらしさが 出ていると思います。ジーン・ライトのピチカート・ソロがあって、スペックス・ライ トとドリューの4小節交換があって、おしまい。エンディングはちょっぴりパウエルで すね。以上、解説が真面目になってしまって、すまん。だって、テメエットリ師匠いわ く、ジョーダン通じない人って便秘なんですね、やっぱり。そういう人って、けっこう 大杉マス73歳高知県出身職業寡婦身長5尺1寸スリーサイズはヒッ・ミッ・ツッ☆ら しいしぃ。で、2曲目、「アンジー」。ドリューのオリジナル・バラードです。タイト ルのアンジーというのはゼンジー北京の義妹とかじゃなく、
  ・「血が出ちゃったの?」「あ〜ん、痔ぃ。。。」
 
という俳句とも関係なく“Angel”の別称らしいです。出だしは無伴奏ソロ。途中 からリズムが入ってミディアム・スローになります。特に無伴奏ソロのパートはパウエ ル色が強く、イン・テンポになってからも展開が平坦で、ちょっぴり退屈。
全部で12曲も入っているというのに、1〜2曲目がこんなに長くってもいいのか ?と、人事ながら心配になってきますが、人事だからどうでもいいです。気の短い人は CDを“1曲とばし”しちゃいましょう。3曲目、「アイ・キャン・メイク・ユー・ラ ヴ・ミー」。僕は君とメイク・ラブ出来るんだぁ♪という喜びに溢れたバラードです。 が、無伴奏ソロで2曲目とほとんどムードが同じ。こういうところに気をつかわない人 なんですよねー、ノーパン・ブラちゃん。ま、パンツを穿いてない点は評価できますけ どね。気の短い人は再び“1曲とばし”しちゃいましょう。4曲目、「マイ・ビューテ ィフル・レディ」。そのタイトルからして、またバラードちゃうか?と疑心暗鬼にとら われますが、これはミディアム・テンポです。メロディ自体は“いかにも歌モノ”って 感じですけどね。こういった“ミディアム・テンポでブルース・フィーリングに溢れた 歌モノを演奏するドリュー”、略して“ミディュー”というのは略しすぎてなんのこと だかわかんないうえに、とっても発音しにくいですね。ちなみにこれ、「ザ・キス・ワ ルツ」というタイトルでも知られているそうです。私は知りませんけどね、そんな歌。 ワルツといってもこの演奏を聴く限り4ビートですけどね。テーマ部はなんだかわから んリズムですけどね。ちなみにこれ、『ザ・ピンク・レディ』という“すけべミュージ カル”で使われたナンバーだそうです。このミュージカルからは他にも「UFO」「ペ ッパー警部」「透明人間」などなど、多くのスタンダードが生まれております。
 
 はい、5曲目。「メニー・マイルズ・アウェイ」はドリューのオリジナル。日本 語ライナーで後藤のマコちゃんが「アフロ・キューバン風のドラミングは、ブレイキー を思わせるが・・・」か書いてますが、ちっとも思わせませんね。ま、確かにアフロ・ キューバンですけどね。ブレイキーというより「ウン・ポ・コローコ」の出だしのリズ ムに近いですかね?で、アフロ・キューバンとオーソドックスな4ビートが交錯するテ ーマ部のリズムが楽しいです。アドリブ・パートに入るとずっと4ビートですね。ドリ ューのキュートな一面がよく現れたナンバーであると言えましょう。6曲目の「52丁 目のテーマ」は、おなじみセロニアス・モンクの曲。52丁目、52丁目、ワオー!と 志村けんが歌っていたあのナンバーです。アップ・テンポでドリューが弾きまくるナン バー。この曲はドラムスがローレンス・マラブルに変わります(←54年のセッション )。
 
  ・老練っす マラ、ブルマー
 
品がない上に、意味不明。パウエルの影響をモロにみせるドリューがなんともスリ リングだ。と、後藤のマコちゃんもちょっぴり興奮気味。はい、次。「四月の思い出」 。パウエルに極め付けの名演がありますが、このドリュー版はそれを大いに意識したも のとなっております。仕方ないよね、パウエル派なんだモン♪ラテン風と4ビートが交 錯するテーマ部がよろしいです。で、端正なパウエル版と比してこちらは若干“荒削り ”な感じがしますが、仕方ないよね、若いんだモン♪老練なテクとは一味違う、若さゆ えの勢いを感じさせます。立派です。で、この曲だけ53年のセッションに戻って、以 下5曲は54年のセッション。「フォア・アンド・ファイブ」はドリューのオリジナル 。ちょっぴりモンク風の変わったメロディですが、よく歌うソロはとってもよく歌って おります。2コーラス目からギア・チェンジして加速する感じですね。いよいよノッて きたねっ♪というところで4バースになるのがちょっぴり残念。もう少しじっくり聴き たかった気もしますが、とりあえず、次。「ポルカ・ドッツ・アンド・ムーンビームス 」。無伴奏ソロです。とってもパウエルです。次、「ロー・フレイム」。ドリューのオ リジナル。なんてことはない、典型的なバップ・チューンで、骨っぽいタッチのピアノ が圧巻だ。と、マコちゃんも手抜きモードに突入。ま、ライナーノートの曲解説なんて こんな程度ですよね。で、聴いてみると確かに典型的なバップ・チューンで、骨っぽい タッチのピアノが圧巻でした。
 
 はい、あと2曲。「シャトルルーズ」。これもドリューのオリジナルで、バラー ドですね。同じバラードでも伴奏が入るとわりかし聴けますね。伴奏陣のサポートが単 純で、はっきりいって退屈気味のバラードだか・・・とか書かれてますが、ま、確かに ね。バラードに関していえば、後年のほうがはるかに情感に溢れた演奏をするようにな りましたね、ドリュー。若い頃はブルースで勝負。ということで、アルバムの最後を飾 るのは「ケニーズ・ブルース」。そのまんまですね。なんか、ブルースというよりカリ プソっぽいナンバーですけどね。ブルージーなソロはさすがです。ということで、以上 です。


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