【アルバム名】
SONNY CLARK QUINTETS (BLUE NOTE)
【リーダー名】
SONNY CLARK (1957/12/8,1958/1/5)
【パーソネル】
ART FARMER (tp) JACKIE McLEAN (as) SONNY CLARK (p) PAUL CHAMBERS (b)
PHILLY JOE JONES (ds)
CLIFFORD JORDAN (ts) KENNY BURRELL (g) PETE LA ROCA (ds)
【収 録 曲】
ROYAL FLUSH / LOVER / MINOR MEETING / EASTERN INCIDENT / LITTLE SONNY
【内   容】
 “書評deポン♪”のコーナーで取りあげている『おもしろくても理科』の続編 で、『どうころんでも社会科』という本が出ておりまして、そこに「昆布ロード」とい う、たいへん興味深い話が書いてありました。日本で一番“昆布”を食べるのはどの都 道府県だと思いますか?やっぱり羅臼昆布の産地の北海道ぉ?と思いきや、さにあらず 。昆布の消費量日本一は富山なんだそうです。で、2位が沖縄。不思議だと思いません か?思いますね、思いますね、思いますねぇ?「別にぃ。。。」なんて気のない返事を されると今後の展開が厳しくなるので、「そういえば、とっても不思議なのぉ♪」とい う、ひなのちゃんの声を日本人の総意とみなしますが、東北以北でしか採れない昆布が 、なぜ富山や沖縄でバカバカと食われておるのか?そもそも昆布などバカバカと食うほ どうまいのか?という疑問がムクムクと沸き上がってまいります。で、その謎は「富山 藩と薩摩藩が超ウルトラ貧民だった。」ということに起因しているらしいのです。つま り、えーと、富山藩はとってもビンボーだから薬を売って歩くことになったと。ついで に船で北海道へ行って、お土産に木彫りのクマと昆布を買ってきたと。その昆布が日本 海を通って若狭湾あたりに上陸し、陸路で京・大坂にもたらされたと。そこから琉球へ と渡っていくには薩摩藩がカラんでくるんですが、それはさておき、こういうルートで 昆布は関西に上陸したわけです。北海道と地理的に近い関東が“カツオだし”、遠い関 西が“昆布だし”になったのは、ひとえに富山藩がビンボーだったからなんですね。ま さに「エジプトはナイルの賜物」といった感じですなぁ。
 
 昆布はわかった。では何故、カツオが関東地方で普及したのか?カツオなんての はフツー、高知とかの西の海でとれるではないか?という疑問が沸き上がってまいりま すが、その点についてはこの本にはなーんも書いてなかったので、わっかりませ〜ん。 恐らく「今日はちょっと遠泳してみたい気分?」とか言って、銚子沖あたりまで泳いで いったんでしょう。ときどき、無性に遠泳してみたくなるコトってあるよね?で、銚子 の地においてカツオブシはキッコーマン醤油との運命的な邂逅を果たし、「オカカにシ ョーユをたらして温かいゴハンにのっけて食べると、とってもオイシイねっ♪」という ことになって、この地で急速に広まったのではないかと。「コンブにショーユをたらし て温かいゴハンにのっけて食べて、うまいかぁ?」とオカカがコンブにインネンを吹っ かけたことから、この2者の間に遺恨が生じたと言われております。そしてついに「オ カカに負けたら引退する!」と昆布が宣言するという事態にまで発展したわけでありま す。なんだか「小川直也VS橋本真也」のドーム決戦の様相を呈してまいりましたね。 この勝負、いったいどうなるのか?胸がワクワクしますなぁ。
 
 ということで“西の昆布”VS“東の鰹節”。これは「世界の2大うま味成分」 であるイノシン酸VSグルタミン酸の代理戦争と見ることも出来るわけですが、では“ イノぴょん”と“グルっち”ではどちらがうまいか?というと、個人的にはカレー味が 好きっ♪はい、両者リングアウト。期待が大きかったわりには「アリVS猪木」並みの 凡戦でしたね。“カツブシ”と“昆布”という日本の東西代表が、突如乱入したインド 代表の“カレー”によってコテンパンにやっつけられたという感じですが、まさに“カ レー”というのは食品界のタイガー・ジェット・シンなんですなぁ。で、鰹節と昆布と いえば言わずと知れた“うどんの汁”問題。関東の汁は黒くて下品、関西の汁は薄くて 味がない。と両者は互いにその主張を譲らず、いつも激しい論議を巻き起こしておりま す。日清の「どん兵衛」なんかでも東日本ヴァージョンと西日本ヴァージョンがありま すよね。
某・水産ぎゃるの情報によれば「味の分け目は天下分け目」ということでしたが、 果たして関ヶ原より少しだけ東側にあるウチの近くのスーパーで売られていた「どん兵 衛・きつねうどん」は“EASTどん兵衛”でありました。どんぶりのどっかに(E) か(W)の識別記号があるんですよね。ないのもありますけど。ウチの近所は関西弁使 用圏内であるにもかかわらず“EASTどん兵衛”を販売とは、日清食品と宗猛に猛省 を促す次第であります。あと、本郷猛も。
 
 では続いて「お雑煮」問題。お雑煮というのは関東と関西で、というか、各地方 によってぜんぜん違うみたいですね。餅は角餅か丸餅か?汁はすまし仕立てか、味噌仕 立てか、カレー味か、キムチ風味か?ウチのほうは“角餅のすまし仕立て”なんですが 、香川の高松ではアンコ入りの丸餅を入れるそうです。名古屋では餅のかわりに切った “ういろう”を入れます。“白、黒、抹茶、あずき、コーヒー、ゆず、さくら”と、彩 りも華やかです。ただ「どえりゃーまじぃでかんわー。」と、地元での評判は今ひとつ です。だったらおとなしく餅を入れておけばいいと思うんですけどね。ということで、 オチはないけどこれでおしまい。
 
 @ はい、ソニー・クラーク。あ、そうそう。関東ではお盆の日に茄子や胡瓜で 馬や牛を作って、お供えするそうですね。御先祖さまがその馬や牛に乗って帰ってくる らしいですが、いいトシした御先祖さまが茄子の馬にまたがったりして、嬉しいんでし ょうかね?茄子好きの若妻・ひろ子ならともかく。とまあ、それはともかくソニー・ク ラーク。手持ちコレを調べてみたんですが、これといった“隠し玉”も“きんかくし” もないので『ソニー・クラーク・クインテット』でも紹介してみましょう。ジャケット 、字ぃばっかりだしぃ。いわゆる“幻の名盤”として知られる1枚ですね。幻、いいで すねぇ。人類は“幻”という言葉に限りないロマンを駆り立てられます。幻の大陸“ア トランティス”、幻の爬虫類“ツチノコ”、幻の猿人“バーゴン”、幻の中華風浪士“ マーボー浪士”などなど。「幻の名盤、幻でなければただの駄盤」というコトバもあり ますが、幻の猿人バーゴンも、捕まえてみればただのどっかの原住民のオッサンだった しぃ。では『ソニクラ・5』の真価やいかに?
 
 このアルバムは2つのセッションからなっておりますが、前半の2曲は超有名盤 『クール・ストラッティン』と同一のセッションです。そのため「もうひとつの“クー ・スト”」と騒がれたようですが、この2曲は『クール・ストラッティン』のCDにオ マケで入っていたので、個人的には新鮮味ゼロです。今日はどんなお話しかな?と期待 に胸をときめかせてアクセスしたら、またしても“女子高生のぱんつネタ”かい!とい うときの落胆にも煮て鱒が、いや、もはや期待に胸をときめかせてアクセスする人など いないと思いますけど。パンツか茄子かどっちかですからね、最近。で、1曲目の「ロ イヤル・フラッシュ」なんですが、これはタイム盤『ソニー・クラーク・トリオ』に収 録されていた「ニカ」と異名同曲です。トリオ版がクラークらしい哀感に溢れたマイナ ー調の演奏だったのに対し、このクインテット版はテンポも速めで、ムードも派手目で す。クラークの餅鯵が烏賊されているとは井伊鉦鱒。2曲目の「ラバー」もアップ・テ ンポですね。四拍子と三拍子が交錯するテーマに工夫はみられるものの、『クー・スト 』でボツになったのもやむなしといったところですね。
 
 じゃ、後半。メンバーがころっと替わって、クリフ・ジョーダンのテナーにケニ ー・バレルのギターという変則クインテットになります。ソウル・ジャズ風の編成です が、演奏はあくまでもハード・バップの範疇、らんちゅう、天気予報。「マイナー・ミ ィーテング」がいいです。これは1曲目と同じく、タイム盤の『ソニー・クラーク・ト リオ』に入っていたナンバーですな。栗嬢とバレルのユニゾンでマイナー調のテーマが 演奏されたあと、クラークが「あたし、クラークそのものなんです。」といった感じの ソロを披露します。クリシェすれすれなんですが、聴いていて充分に納得のいく演奏で あります。続いてはケニー・バレル。ギターですなぁ。ま、いいですけど。ソロ3番手 はクリフォード・ジョーダン。個人的には結構好きなんですよね、栗嬢。
「個性のないロリンズ」なんて言われてますけど。で、ここで再びクラークが出て きて、後テーマになって、おしまい。ファーマー&マクリーンのフロントで聴いてみた かったかな?なんていう気もしますが、それは“無いものねだり”というものです。無 いものをねだっているより、「そのもの」をねぶろうねっ♪
 
 4曲目の「東洋の出来事」は、日本語ライナーで原田クンが「情事しありんぐ・ クインテットを意識したような」と書いているように、情事しありんぐ・クインテット を意識したような演奏となっております。凝っているのは評価するけど、その試みは失 敗だったね。。。という気がしないでもないですけどね。5曲目の「ソニー・ボーイ」 のほうが単純明解でよろしいかと。ま、あまりクラークらしい曲ではありませんが。と いうことで、全体を総括すると“まあまあ”。そんなとこですかね?じゃ。


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