【アルバム名】
JULIUS WATKINS SEXTET (BLUE NOTE)
【リーダー名】
JULIUS WATKINS (1954/8/8,1955/3/20)
【パーソネル】
JULIUS WATKINS (fr-h) FRANK FOSTER (ts) PERRY LOPEZ (g)
GEORGE BUTCHER (p) OSCAR PETTIFORD (b) KENNY CLARKE (ds)
HANK MOBLEY (ts) DUKE JORDAN (p) ART BLAKEY (ds)
【収 録 曲】
LINDA DELIA / PERPETUATION / I HAVE KNOWN / LEETE / GARDEN DELIGHT / JULIE ANN / SPARKLING BURGUNDY / B AND B / JOR-DU
【内   容】
 3月10日は「山頭火の日」なのぉ♪と、ひなのちゃんが言っておりましたので 、今日は山頭火のお話です。いや、ホントかどうか知りませんが。思いつきで書いただ けだから、たぶん嘘だと思うのぉ♪と本人も言ってましたしぃ。で、いろいろ調べてみ たところ、本当に「山頭火の日」というのはあったらしいです。いつかというと、平成 10年10月10日なんだそうです。何故かというと「10日(とうか)が3つで、さ ん10日(さんとうか)だねっ♪」ということらしいです。あ、そっかぁ。これ「さん とうか」って読むんだぁ。「やまあたまび」かと思ってたのぉ♪と、ひなのちゃんは言 っておりましたが、ならば何故、3月10日を「山頭火の日」に設定した?といった感 じですが、女子高生に理論は通用しません。理論が通用しないといえば「10日(とう か)が3つで、さん10日(さんとうか)だねっ♪」というのも、あまり理論的ではあ りませんな。10年10月10日なら、10年がひとつ、10月がひとつ、10日がひ とつやん!という気がするんですが、主催者が「10日が3つで、さんとうかっ!」と 強引に主張している限り、第3者としてはどうしようもないわけでありまして。女子高 生と強引な主催者に理論は通用しないのぉ。。。と、人生の諦観に涙しながら、そうだ ね。10日が3つで“さんとうか”だねっ。と、不本意ながらも自分を納得させるしか 手だてがないわけです。とまあそんなわけで、今日は山頭火の句を鑑賞してみましょう 。
 
  ・おとはしぐれか
 
うん、いい句ですな。朝、目が覚めると、なにやら雨音が聞こえてくるわけです。 ん?雨ぇ?不安が心をよぎります。不安が心をよぎるあまり思わず、連れて逃げてよぉ 〜、ついておいでよぉ〜♪と「よぎりの渡し」を歌ってしまいます。歌ったあと、それ は「矢切の渡し」やん!と、自分で自分にツッコミを入れる遠足の朝。そういう経験は 関西人ならきっとあるはずですが、楽しみにしていた遠足の日朝、寝床で聞いた雨音に そっと涙を流したという経験は三河人でもあるでしょう。で、泣きながら起き出して窓 から外を見てみれば、空には雲ひとつない五月晴れ。あれぇ?と思って台所にいってみ ると、母親がエビフライを揚げていて、そっかぁ。今のは雨の音じゃなくってエビフラ イの音だったんだぁ♪と、コトの真相が判明したときの喜びは何事にも換えられません 。一度、絶望を味わったあとの幸福は、そうでない場合の幸福感に比べるとカメとスッ ポンだねっ♪という、人生における貴重な体験を学ぶわけでありまして、ツヨシ、強く 生きるのよ!という願いを込めて、母は遠足の日の朝、明けても暮れてもエビフライを 揚げるわけです。だから、たまにはイカリングフライにせえっちゅうねん!などと文句 を言ってはいけません。子を思う母のココロがわからないのっ!ぴしぴしぴしっ!と折 檻されることになります。遠足の日、手の甲に「根性焼き」の跡も鮮やかに集合場所に やってきた児童というのは親の心に歯向かった“とってもイケナイ児童”であるに違い ないので、この児童が「おやつ300えんぶん」の一環として持ってきた明治のアポロ チョコレートを日なたに放置するなどして、社会的制裁を加えて遊びましょう。
 
 そういうことをしてはいけないっ!と、山頭火はこの句で主張しているわけです 。音は時雨か?エビフライか?それともイカリングフライか?この3者を聞きわけるの はフライ業界のプロでもなければ非常に困難だから、児童よ、大いにイカリングフライ を主張しなさい。山頭火はこのように自立の精神に目覚めた児童にエールを送っている わけです。違うかも知れませんけどね。はい、次の句です。
 
 
  ・逢うてチャンポン食べきれない
 
うん、いい句ですな。朝、目が覚めると、なにやら雨音が聞こえてくるわけです。 ん?雨ぇ?不安が心をよぎります。が、子供もアホではありません。雨音に驚いて起き てみれば、なーんだぁ、エビフライの音かぁ♪という経験を5、6回もつめば、いくら アホな子でもちょっとは学習するものであります。問題はこの話をいかにチャンポンま で持っていくか?ということなんですが、だいじゃぶです。名古屋のコドモが遠足に必 ずエビフライを持っていくように、長崎のコドモは遠足に必ずチャンポンを持っていく わけです。チャンポンは「みろくや」の冷凍ちゃんぽんをそのまま鍋で温めればイイの で、長崎の家庭では遠足の日の朝に台所から「雨音」が聞こえてくることはないわけで す。すなわち、長崎のコドモが寝床で雨音を聞いたとしたら、それはホントに雨が降っ ていることを示しているわけでありまして、その悲痛な児童期の体験が、内山田洋とク ールファイブをして「長崎は今日も雨だった」を歌わしめたのであろう。と、山頭火は この句を通して主張しているわけです。雨といってもそれほどの大雨ではなく、中止か な?小雨決行かな?と、母親が「けっこう仮面」(実写版)を見ながら作ったチャンポ ンは、結局のところ遠足は中止と決まって朝食に流用されるわけですが、そのときのコ ドモの無念さは考えただけで胸がしめつけられる思いがいたしますな。食欲だって減退 しちゃうよね。。。という山頭火の優しい眼差しが「食べきれない」という結句に如実 に表現されていて、秀逸です。いやあ、奥が深いなぁ、山頭火。
 
 @ さ、ジュリアス・ワトキンスです。
 
  ・ジュリー、明日 わーっと“ちんすこう”を食う
 
  > 沢田研二、明日は沖縄だねっ♪
 
勝手に食いやがれ。って感じなんですが、お土産はやっぱりゴーヤがいいなっ♪豚 足のゼラチン質も捨て難いですけどね。で、ジュリアス・ワトキンスの持ち楽器はフレ ンチホルンでございます。とってもスケベで貞操観念の欠如した花の子ぉ?それは破廉 恥ルンルン。個人的にはビスカス高林が好きでしたけどね、花の子ルンルン。で、フレ ンチホルンという楽器は、ジャケ絵を見てもらえばわかるように右手をラッパの中につ っこんで演奏します。そんなの常識ぢゃん?小学生でも知ってるぢゃん?と、私は長ら く思っていたんですが、実はそうではなかったということが最近になって判明しました 。いや、先日「天才クイズ」を視聴したところ、ちょうどフレンチホルンに関する問題 をやっていたんですけどね。フレンチホルンの写真が出てきてですね、博士が「これは オーケストラでよく使われるフレンチホルンという楽器だね。このフレンチホルンは、 ちょっと変わった演奏の仕方をするんだ。」というようなことを述べるわけです。「で は、ここで問題。フレンチホルンはラッパの部分に手をつっこんで演奏するっ?」この 問題が出題された瞬間、ボーイズチーム、ガールズチーム双方からざわめきが涌きおこ りました。そんなの常識ぢゃん?さばぴょんでも知ってるぢゃん?といったところです ね。ところがいざ、「かぶりましょう!」ということになったら、全員が見事に「ノー !」の帽子をかぶったもんだから、おじさんびっくらこいてしまいました。おかげで、 番組はまだ始まったばかりだというのに全滅しちゃって、盛り上がらないこと甚だしく 、この問題を考えた出題者は始末書の1枚も書かされたことでしょう。ああ、出題前に この原稿がUPされていたら。。。
 
 ということで『ジュリアス・ワトキンス・セクステット』。ブルーノートの50 00番台で出された第1集・第2集の2枚の10インチ盤をカップリングしてCD化さ れておりました。CDは第2集のジャケットのほうがオモテとなっておりましたが、ウ ラ好きのさばぴょんは第1集のほうを採用したのぉ♪ではまず、その第1集のほうから 聴いてみましょう。フランク・フォスターのテナーと、ペリー・ロペスという人のギタ ーが入っていて、ピアノは情事ブッチャー(肉屋ぷれい?)という、あまりよく知らん 人でございます。で、1曲目の「リンダ・デリア」は、この肉屋のオリジナルなんです が、マイナー調の通俗的ここに極まるメロディが涙を誘います。まんま“ムード歌謡” って感じぃ?思わず歌詞をつけて歌いたくなってしまいますね。
 
  夜のぉぉ酒場でぇぇぇ 豚足カジればぁぁぁ (わわわー♪)
  君の唇ぅぅぅぅぅ ゼラチンまみれぇぇぇ
  今宵ぜーららちんちん 元気にぜーららちんちん
  二人語ろう、熱く ちんすこうの夢 ららららららららん♪
  今宵ぜーららちんちん 切なくぜーららちんちん
  踊りあかそう ゴーヤの木の下で!
 
切々とテーマを歌い上げたあと、ギター・ソロとなります。ラテンのリズムと“泣 きのギター”がベスト・マッチですな。続くワトキンスのソロは破廉恥ホルンらしい哀 感に溢れております。音色的にはトロンボーンをもっと息苦しくした感じですな。ソロ 3番手はフランク・フォスター。よく歌うストレートな吹きっぷりが、とってもすがす がスガシカオ。中間部にはホーンのアンサンブルもあったりして、アレンジも凝ってま すな。続く“ちゃらららららららららら♪”というピアノのフレーズもいいですね。こ こで再び哀愁のムード歌謡に戻るんですが、「君の唇ぅぅぅぅぅ ゼラチンまみれぇぇ ぇ♪」まで来たところでドラム・ソロになり、再び「夜のぉぉ酒場でぇぇぇ♪」に戻っ てエンディング。1954年の時点で完璧なまでに“ハードバップ”してる素晴らしい 演奏でございます。以上、本アルバムの最大のハイライトでございました。後はテキト ー。
 
 2曲目の「パーペチュエイション」はワトキンスのオリジナル。アップ・テンポ で明るいムードのニコニコ健全ナンバーでございます。フォスター、ワトキンス、以下 割愛と続くソロはいずれも良好。3曲目の「アイ・ハブ・ノウン」はワトキンスとG. モーガンという人の共作のようです。暗いバラードで、こういう暗い演奏にはフレンチ ホルンという暗い楽器がお似合いですね。切々とテーマ吹くワトキンスに、小粋なロペ スのギターが絡み、そのままギター・ソロに流れていきます。続くフランク・フォスタ ーの歌心に溢れた吹きっぷりもよろしかろうと。ワトキンスのソロは息苦しそうですな 。はい、4曲目。「リーティ」。これもワトキンスのオリジナル。この人、作編曲にも なかなか秀でているように思われます。よく練られたサウンドですな。
 
 はい、5曲目。ここから第2集となりまして、メンバーにも若干のチェンジがご ざいます。テナーがモブレイになって、ピアノがヂューク・ジョーダンになって、ドラ ムスがブレイキーとなります。メンバー的にはこっちのほうがハードバップ的ですね。 5曲目の「ガーデン・ディライツ」もワトキンスのオリジナルで、とっても暗い曲です な。陰気なピアノをバックにフレンチホルンが陰々滅々とした吹奏を・・・と書いてる うちにインテンポになって、ちょっぴり明るいムードへと変化を遂げました。なかなか 洒落た感じの佳曲ですな。複雑なハーモニーが山川ハモ的な知性を感じさせます。ジョ ーダンのピアノもいい味を出しております。はい、6曲目。なんせ今日は「今宵ぜーら らちんちん♪」で枚数を使いすぎたため、先が急がれるのであります。「ジュリー・ア ン」は3曲目の「アイ・ハブ・ノウン」と同じくワトキンスとG.モーガンお共作であ ります。曲の感じもほとんど同じですな。陰鬱極まりない、僕ってば、落ち込んぢゃう んだもんね。。。といった感じの作品でございます。モブレーのソロになると、ちょっ とだけ“救い”が見えてきますけどね。が、全体的には聴いていると気分が落ち込むの で7曲目の「スパークリング・バーガンディ」にまいりましょう。ワトキンスのオリジ ナルで、ハード・バピッシュな佳曲といったところでしょう。8曲目はベニー・ハリス のペンによる「B&B」。もみじまんじゅう!はい、ラストです。ヂューク・ヂョーダ ンのオリジナル、「ヂョードゥ」。知ってる曲が出てくるとほっとするよねっ♪
 
 以上、後半はえらく手抜きでしたが、やっぱり「ちんすこうの夢」の1曲に尽き るよねっ♪という1枚でした。おしまい。


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