- 【アルバム名】
- EASY LIVING (BLUE NOTE)
- 【リーダー名】
- IKE QUEBEC (1962/1/20)
- 【パーソネル】
- BENNIE GREEN (tb) IKE QUEBEC (ts) STANLEY TURRENTINE (ts)
- SONNY CLARK (p) MILT HINTON (b) ART BLAKEY (ds)
- 【収 録 曲】
- SEE SEE RIDER / CONGO LAMENT / QUE'S PILL / I'VE GOT A CRUSH ON YOU /
- NANCY / EASY LIVING
- 【内 容】
- 最初に断っておきますが、私はラーメンにはちょっぴりうるさいのです。あーん
、ラーメン、ラーメン、ラーメン、ラーメン、ラーメン、ラーメンっ!食べる、食べる
、食べる、食べる、食べるぅ!えーい、うるさいっ!というくらい、うるさいのであり
ます。ついでにいうと、私の評論は極めて辛口であることで知られております。辛口イ
ワシぃ?それを言うならカタクチイワシやがな。ばしっ!というぐらいに激烈なる論評
には、あの辛口で知られる某寺島のヤックンが、おさかなくわえたドラ猫を追いかけて
ハダシで逃げ出したなどと、巷でまことしやかに囁かれているほどなのでございます。
もぉ、インドのタージマハルも近所の田島ハル(83歳)もタジタジといったところ。
そんなラーメンにうるさくて激辛でならした私がラーメンの名店に赴き、その虚偽と欺
瞞に満ちた実態を暴こうというのだから、いったいどんな修羅場が展開されるのか、ア
シュラ男爵にもわかるめぇ。といった感じなんですが、男爵イモというのはおいしいも
のですねぇ。
-  
- さて今回、私の毒牙のえじきになるのは、ひじき漁一筋80年。ひじきのことな
ら知らないことはない、通称「ひじき婆さん」こと日地木義男(73歳)。計算合わん
し、男やし、しかも関係ないし。えーと、今回、私の毒牙のえじきになるのは横浜は新
杉田駅前に店を構える「吉村家」、その店なのであります。いわゆるヨコハマの「家系
ラーメン」のひとつなんですが、この店について語る前に私のラーメン遍歴について簡
単に述べておきましょう。私が生まれて初めて「おいしいなっ♪凄いなっ♪高級っぽい
なっ♪」という感慨を抱いたラーメンは「中華三昧」でございました。ちょっと見たと
ころ「中華三味(さんあじ)」かな?と思わせておきながら、よく見たら「味」の字の
「口」の中の横棒が一本多いやん!ということに気づかせる仕組みになっているこのイ
ンスタントラーメンは、当時「出前一丁」と「サッポロ一番塩ラーメン」しか食べたこ
とがなかった純情少年に少なからぬカルチャーショックを与えたものでございます。ま
ず、インスタントラーメンなのに100円以上もする!というその価格設定が衝撃的で
した。はっきりとは覚えてないんですが、おそらく普通のインスタントラーメンの2倍
近い値段であったのではないかと。2倍高いということは、単純に考えて「2倍うまい
んちゃう?」という期待感を抱かせますよね。貧しかった日本国民はついに、今までよ
り2倍高くてもいいからうまいラーメンを食べたいというワガママを言ってもお母ちゃ
んに叱られなくてすむ、といった贅沢三昧な生活を送ることが出来るようになったわけ
です。しかし、ただやみくもに高けりゃええっちゅうもんでもなく、その証拠に同じ明
星が「中華三昧」の少し前に出した「むっちゃ高いラーメン(仮名)」というのはほと
んど売れなかったようで、すぐに姿を消してしまいました。これはチャーシューとかメ
ンマとかの「具」がレトルトで添付されており、コドモ心にも贅沢三昧やなー、という
感じだったんですが、250円以上という価格設定がネックとなったようです。たいが
いにせえよ。という庶民の反発をかったのだと思います。その点「中華三昧」は、ちょ
っと高いけど手が出ないほどじゃないしぃ、これくらいの贅沢しても別にバチは当たら
んやろ。という、絶妙の価格設定だったんですね。250円のインスタントラーメンは
いくらなんでもバチが当たるというわけでありまして、「バチ問題」を軽視した論外の
商品だったわけです。
-  
- さて、「中華三昧」はどこが画期的であったか。まず「中国4000年」ですね
。この「4000年」というのが絶妙でした。これがもし「中国2年」だったらぜんぜ
ん歴史の重みを感じさせないし、「中国3783年」ではハンパやし。西暦が2000
年弱なんだから、あの中国ならその2倍くらいはあるやろうということで、実に納得の
いく数字でございました。
- 続いて麺を茹でる時間。従来の低級お下劣ラーメンの「標準茹で時間」が3分だっ
たのに対し、高級健全中華三昧は「茹で時間5〜6分」という路線を打ち出してきまし
た。麺を茹でる時間が長ければ長いほど、「麺に気合が入ってる」(ような気がする)
ものでありまして、「麺に力を入れている」というメーカー側の主張がひしひしと伝わ
ってきたものであります。値段が2倍するんだから、茹でる時間も2倍というのは、実
に理に適ってますよね。続いてスープ。こちらも「値段が2倍ならなんでも2倍の精神
」を遺憾なく発揮して、粉末スープと液体スープの豪華2本立てで攻めてまいりました
。個人的にはインスタントラーメンの粉末スープというのはとっても大好きでありまし
て、よくそのまま嘗めて喜んでいたもんですけどねー。一度、あったかいご飯にふりか
けて食べてみようかと思ってたくらい。しかし、世間一般では「粉末よりも液体のほう
がエラい。」ということになっておりまして、それが証拠に粉である「ワタナベのジュ
ースのもと」や「シトロンソーダ」に比べて、液体の「カルピス」のほうが高級イメー
ジがあります。その「液体」をインスタントラーメン史上はじめて導入したのが「中華
三昧」でありました。特に「麺を茹でている湯に直接スープを投入する」という下品極
まりない方式を排し、「あらかじめ丼の中に入れておく」という手法をとったのは革命
的でした。この方式により「なんか、ホンモノのラーメン屋のラーメンみたい〜♪」と
いう高級感を勝ち取ることが出来たのであります。あくまでも「代用品」、「まがいも
の」の感を拭い去ることが出来なかったインスタントラーメンが「ホンモノ」に肉薄し
た歴史的な瞬間でありました。
-  
- さて「中華三昧」の成功に気をよくした明星食品は、今度は日本人のナショナリ
ズムに訴えよう!という戦略のもとに和風ラーメンシリーズ「らーめん紀行」というの
を出しましたが、これはまるっきり売れなかったようですね。一方、他社は「人妻と関
西人との邂逅」を標榜して「マダムヤン」なんていうのを出したりしましたが、所詮、
非在敵中国四千年。ということで、これくらいラーメンにうるさい私が吉村家のラーメ
ンを食べた話は、また今度ですぅ。
-  
- @ さ、アイク・ケベックです。一度、掲示板に書き込みをしてくれた、あ〜、
イクぅ〜♪ケベックさんとやらは元気でしょうかね。まるで昆布青年並のお下劣なカキ
コだったんですが、そんなことはどうでもよく、すでに後半部分の半分くらいのスペー
スを中華三昧に侵略されているのであります。先を急ぎましょう。最初の「あーん、ラ
ーメン、ラーメン、ラーメン、ラーメン、ラーメン、ラーメンっ!食べる、食べる、食
べる、食べる、食べるぅ!」で文字数を稼いでみたんですが、その必要がないほどいっ
ぱい書いてしまいました。で、『イージー・リビング』。ブルーノートっぽくしてみた
つもりなんだけど、リード・マイルスとは似て非なるジャケで明らかなように、録音当
時はオクラ入りだったアルバムです。オクラ。あんまりおいしくないっすよねー。ねば
ねばしてるだけで。なんか、青臭いって言うかぁ。同様にモロヘイヤというのもあまり
好きではありませんが、モロヘアというのは悪くないです。トウモロコシというのもお
いしいものです。てんぷらうどんの上にのっかっているてんぷらのコロモが汁でふやけ
て「もろもろ」になっているのもおいしいですよね。そんな僕のことを「モロ好きのさ
ばぴょん」って呼んでねっ♪いかん。残りスペースがなくなりました。このアルバムは
2つのセッションからなっておりますね。前半はベニーグリーンとスタ・タレの入った
3Pせっしょん。べにー・ぐりーんとけべっくの昼間派風の演奏が、あ〜ん、昼間っか
らぁ♪という感じにかなりディープです。スタ・タレのプレイはほかの2人に比べると
かなりモダンなフィーリングに溢れていて良好ですが、なんと言ってもソニー・クラー
クの参加が嬉しいですね。1曲目「シー・シー・ライダー」でのレイジーなプレイがな
んとも言えねえっす。2曲目の「コンゴ・ラメント」はベニー・グリーンのオリジナル
。このアルバムの前半3曲を含むセッションがBNLTシリーズとして発表された時は
この曲がアルバム・タイトルとなっておりました。哀愁に満ちたエキゾチックな、なか
なかの佳曲でございます。
- 2テナーにトロンボーンという変則的な3管のハーモニーがうまく生かされていま
す。同じ3Pでも1匹うまとかをいれると、ぐんと刺激的になりますもんね。いや、試
したことはありませんが。ここでのケベックは1曲目に比べるとかなりモダンな感じの
プレイを聴かせてくださいます。ベニー・グリーンのほのぼのボントロもいい味出して
るし、クラークのコンピングがこれまた冴えております。スタ・タレのケレン味のない
吹きっぷりもよろしい。中間派のスタイルはどうも・・・。という人にも十分にご満足
いただけるハード・バピッシュでファンキーな薫りの1曲でありました。3曲目の「キ
ューズ・パル」はいかにもスタ・タレの作らしいブルース・ナンバー。各人のソロはこ
こでも良好であります。
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- レコードでいうB面はケベックのワン・ホーンとなります。一転してこちらは有
名スタンダードばかりのバラード演奏が3曲続きます。ベン・ウエブスターばりのヴィ
ブラートを駆使したケベックのバラード演奏を愛聴している人は多いでしょう。ブルー
ジーなクラークのピアノとサトルなブレイキーのサポートを受け、エモーショナルなケ
ベック流のバラードが堪能できます。ちなみにケベックとクラークが相次いでこの世を
去ったのはこのセッションのほぼ1年後のことでありました。以上、今日はとっても暑
くて頭がぜんぜん稼働しないので後半部分はボケなしでした。んじゃ、またね。
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