【アルバム名】
BEARCAT (JAZZAND)
【リーダー名】
CLIFFORD JORDAN (1961/12/28)
【パーソネル】
CLIFFORD JORDAN (ts) CEDAR WALTON (p) TEDDY SMITH (b) J.C.MOSES (ds)
【収 録 曲】
BEARCAT / DEAR OLD CHICAGO / HOW MIDDLE OF THE BLOCK /
YOU BETTER LEAVE IT ALONE / MALICE TOWARDS NONE / OUT-HOUSE
【内   容】
 今日は「くだん(件)」についてのお話です。「レッツ・プレイステーション」 のコーナーで『せがれいじり』というゲームのレビューを書いたところ、ことのほか大 きな反響がございました。「くだん」についての書き込みが3件ほどありました。塩通 掲示板にしては奇跡的な盛り上がりようですねー。「くだん」というのはそのゲームに 登場するキャラでありまして、頭が人間で、体が牛というバケモノであります。なんで これが「くだん」なんやろ?と、私はずーっと悩んでいたわけです。この『せがれいじ り』というのは「“くっだらないこと”がいっぱい詰まって」いるゲームということで すので、くだんないから「くだん」なんだろうか?と漠然と思っていたんですが、“む にえる”鰈さまのカキコを見て、目からウロコが落ちました。ちなみに「目は人間のマ ナコである。」というのは波平さん得意のギャグの1つですね。
 
『くだんのはは』 投稿者:デヴィット・“むにえる”鰈 投稿日:06月07日(月)1 3時32分44秒
 
(略)ところで、頭は牛で体は人という“くだん”ですが、漢字では人便に、ちが った、にんべんに牛の”件”と書きます。この伝説上の動物について詳しくお知りにな りたい方は小松左京のとってもこわい短編小説「くだんのはは」をご一読することをお 薦めします。
 
うーん、ヒト偏にウシと書いて「件」っ!私は今まで31年間生きてきて、この時 ほど「知ることのヨロコビ」を感じたことはございません。「女のヨロコビ」もかくあ りなん?ってところですねー。レーザー脱毛から「くだん」まで、知識が幅広いぞ、鰈 技師っ!もっとも、ちょっとだけ間違ってますけどね。「くだん」は「頭は牛で体は人 」じゃなくって、「頭は人で体は牛」であります。「頭は牛で体は人」のほうは「ウシ あたまのヒト」です。(編集部注:プレステのページを見たら「ウシあたまのヒト。く だん。」という記述がありました。ゲームの画面に忠実に書いたんですが、ちょっと誤 解をうみやすい記述ですね。反省。)ということで本日のテーマは「“ウシあたまのヒ ト”と“くだん”、なりたいのはどっち?」
 
 世の中にはこういった「半○半○」といったものはわりとたくさんあります。「 半信半疑」とか「半農半漁」とか「半纏半額」とかそういったことではなく、「半獣半 人」とかそういった類いのものですね。たとえばケンタウロスなんてのは「半人半馬」 であります。ギリシャ神話にはミノタウロスという「ウシあたまのヒト」が登場します 。これは「半牛半人」というか「牛頭人身」といった存在ですね。こういうバケモノは いったいどのようにして生まれたのか?ケンタウロスはケンタロウがうまとやっちゃっ たから出来ちゃったのか?ナニをするんだ、ケンタロウ!というような倫理的な問題は さておいて、ただ単純に「“ウシあたまのヒト”と“ヒトあたまのウシ”ではどっちが トクか?」という点から論じてみたいと思います。それぞれ、長所と短所を考えてみま しょう。
 
「ウシあたまのヒト」の場合
 
(長所)自分の頭で牛角のはんことかつくることができる。
(短所)頭がうしだから、なんか頭悪そう。
 
「ヒトあたまのウシ」の場合
 
(長所)カラダはうしだから胃もたくさんあって、反芻だってできちゃう。
(短所)とくになし。
 
圧倒的に「ヒトあたまのウシ」のほうがいいですね!「ウシあたまのヒト」の長所 の「牛角のはんこがつくれる」なんてのは嬉しくもなんともないし。それに比べて「反 芻」はいいですな。一度食べたものを口に戻して、もう一度食べるんですもんねー。い わばゲロを食ってるようなものです。そんなこと考えただけでも気持ち悪くなって、思 わずゲロを吐いてしまいすね。で、その吐いたゲロを食べて気持ち悪くなって、またゲ ロを吐いて、その吐いたゲロを食べて気持ち悪くなって、またゲロを吐いて・・・とい う「体内エコロジー循環サイクル」が実現できます。ああ、反芻って素晴らしい!
 
 「ウシあたまのヒト」と「ヒトあたまのウシ」問題とよく似たのものに「人魚の 恋人問題」というのがありますね。
「“上半身が人間で下半身が魚の人魚”と“上半身が魚で下半身が人の人魚”、カ ノジョにするならどっち?」
食べるなら断然「上半身が人間で下半身が魚の人魚」です。「上半身が魚で下半身 が人の人魚」の場合、その魚というのがマグロであるという条件がつけば「兜焼き」に するというテもありますが、そうでなければ「下半身が魚」のほうが無難です。刺身、 塩焼き、照り焼き、煮付け、ムニエル・・・お好きなように召し上がってくださいね。 でも「カノジョにする」となると難しいですな。ぱっと見た目は「上半身が人間」なん ですが、「いざ」という時は「上半身が魚」のほうが・・・
 
 @ 実にどうでもいい話でした。気を取り直してクリフォード・ジョーダンいっ てみましょう。日本の一般的なジャズ・ファンにとって、クリフ・ジョーダンというの はどういう存在でしょう?別にいてもいなくってもどっちでもいいんだけど、たまーに サイドマンとして参加していたりするので、しかたなく付き合っている。と言った感じ のかかわり方をしている人が多いのではないでしょうか。サイドマンとして参加してい るものとして思い出されるのは、モーガンの『ヒア・イズ』と『エクスプービデント』 、それにホレス・シルバーの『ファーザー・エクスプロレイションズ』といったところ ですな。いずれも、クリフ・ジョーダンが参加しているから嬉しい、とかそういったこ とはまったくなく、むしろ「迷惑である。」というイメージを抱いた人が多いのではな かろうかと思われます。どっせ俺なんかその程度の存在なんだ。顔だってアントニオ猪 木なんだ。なんて、思わずジョーダン、「いじけモード」に突入。という程度の評価し か受けておりません。そんなジョーダンにもっと光りを!ということでジャズランド盤 の『ベアキャット』。私的には、このジャズランドというレーベルがヒジョーに好きな んです。ソー〇ランドの次くらいに好きっ♪リバーサードの傍系レーベルなんですが( プロデューサーはオリン・キープニュース)、RS盤よりワンランクほどマイナーな作 品が多く、それでいて内容的にはRS盤に勝るとも劣らないという。そういうアルバム がけっこうあります。この『ベアキャット』というのも悪くありませんぜ。ベースとド ラムスがあんまりよくわからん人なんですが、ピアノがシダー・ウォルトンなんですね 。個人的にはこのシダーというのも結構好きなのであります。そんな僕の事を「地味好 みのさばっち」って呼んでねっ♪
 
 さ、1曲目。タイトル曲の「ベアキャット」ですな。“BEAR”は「熊」だか ら「クマった猫」とか、そういう意味なんでしょうか。熊猫?ジョーダンのオリジナル なんですが、ハード・バピッシュで、そこはかとなくファンキーな香りもある、なかな かの名曲です。クリフ・ジョーダンのソロもなかなかよく歌っております。「無愛想な ソニー・ロリンズ」なんていう形容もあるみたいなんですが、僕だって愛想ないしさぁ 。女の子は愛想があるほうがカワイイんですけどね。んで、2曲目は「懐かしのシカゴ 」ですね。クリフ・ジョーダンはシカゴ出身なんですよね。同じ高校にジョン・ギルモ ア、ジョニー・グルフィン、ジョン・ジェンキンスがいたのは有名な話です。音楽界の PL学園のようなところだったんですね。シカゴといえば独特のブルース・フィーリン グに溢れた町として知られておりますが、この「懐かしのシカゴ」っちゅう曲にはそん なムードが溢れておりますね。イントロ部のちょっぴりミステリアスなムードもよろし い。ワルツ・タイムの佳曲でございます。J.C.モーゼスくんのドラミングが光りま す。よく知らない人だって、やれば出来るんや!という明るい希望を我々に与えてくだ さいます。ちょっとうるさいけどね。シダーの地味なソロがなかなか。ソニー・クラー クをちょっぴりモーダルにしたって感じですかね?テディ・スミスくんのベース・ソロ も聴けます。
 
 3曲目はスタンダードの「ハウ・ディープ・イズ・ジ・オーシャン」。ミディア ム・ファストで料理しとります。4曲目の「ザ・ミドル・オブ・ザ・ブロック」は急速 調のバップ風のナンバー。ジョーダン、頑張ってますねー。って、だんだん書くことが なくなってきました。
5曲目は「ユー・ベター・リーブ・イット・アローン」。ジョーダンのオリジナル なんですが、どっかで聴いたことあるようなメロディですな。アーシーなムードの南部 風のナンバー。南部といえば風鈴と鉄瓶ですねー。って、本格的に書くことがなくなっ てきました。6曲目は「マリス・タワーズ・ノーン」。トロンボーン奏者であるトム・ マッキントッシュの曲らしいです。マッキントッシュと言えばキットカットですね。私 はわりと好きでした。あと、森永のエンゼルパイとか。この前スーパーで買ってきて食 べたらむっちゃ甘ったるかったですけどね、エンゼルパイ。そういえば私がコドモの頃 から通っている床屋では、いまだに森永のチョコボールをくれます。物心ついてから、 かれこれ20年ほどチョコボールを食べ続けているわけなんですが、いまだに「金のエ ンゼル」を見たことがありません。って、そんなことはどうでもいいですね。ラストの 「アウト・ハウス」は、明るく陽気なヤンキー風のナンバーです。ぱらららぱらららと ヤンキーホーンを鳴らしながら深夜の伊勢湾岸道路を暴走すると、けっこう快感なんで はないでしょうか?ということを感じさせます。以上、全体的にみれば「まあまあやん 。」といった感じの一枚でした。んじゃ、またね。


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