【アルバム名】
SONNY STITT (ARGO)
【リーダー名】
SONNY STITT (1958)
【パーソネル】
SONNY STITT (as,ts) BARRY HARRIS (p) WILLIAM AUSTIN (b) FRANK GANT (ds)
【収 録 曲】
PROPAPAGOON / THIS IS ALWAYS / JACK SPRATT / JUST YOU,JUST ME /
COOL BLUES / MR.SUN / DANCING ON THE CEILING / EVERYONE DOES /
TILL THE END OF TIME
【内   容】
 2月9日はフグの日だねっ。フグの本場である下関ではフグのことを「フク」と 呼ぶそうです。ということで、水産系@ごんあじさま提供の「ふぐポスター」なんです けどね。ただいま会社でおさぼり執筆中だもんで、机の上にポスターをひろげることが できません。うちの会社は塩サバ物産(仮名)という名前でありながら水産物を扱って ないんですよねー。エンジン焼くけどサカナは焼かない。そういう会社なのでございま す。よって、フグの写真が17匹ほど載っているポスターなどを広げているとOLさん の激しい不審の視線にさらされることになっちゃうわけです。ただでさえ、今年はバレ ンタインの義理チョコさえくれなかったというのに・・・。(後日談:15日の夕方に なって、会社のOLのケイコちゃんがそっとチョコを渡してくださいました。ケイコち ゃん、推定年齢50ウン歳。あ、あと某漫画家のセンセーにも戴きましたぁ。んもぉ、 サバさんったら年上キラー!)
 
 ということで本日は「姨捨山」について考えてみたいと思います。長野自動車道 だか上信越自動車道だかを走っているとあるんですよねぇ、「姨捨サービスエリア」。 いや、始末に困った婆さんを捨ててくれるようなサービスをやってるわけではないんで すけどね。姨と叔母と伯母と乳母とカバとサバ、山に捨ててもいいのはどれ?カバを捨 てるような子は太田君が許しませんからねっ!さて、その姨捨サービスエリアなんです が、下り線のトイレでは何故だかビル・エバンスの『サンデー・アット・ザ・ビレッジ ・バンガード』が流れておりました。しかしどうでもいいけど「くだり線のトイレ」っ て、なんだか逼迫した雰囲気がありますね。私もぉ、我慢できないのぉ!みたいな。で 、その姨捨サービスエリアに掲示板みたいなのがあったので何かと思って見にいくと、 俳句を書いた紙が3つ貼ってありました。定食屋にある張り紙の「カキフライはじめま した」みたいな感じのやつですな。で、その掲示板の横には投稿ポストのようなものが 立っておりました。何かと思ってのぞいてみると、箱の中には「投句用紙」というのが 入っておりました。
 
『お気軽にご投句ください!』
 
(前略)
 
“月の都”姨捨。多くの文人や歌人に愛された名月の里で、あなたも遠い昔を想い ながら、ここを訪れた思い出に俳句を詠んでみませんか!
 
投句/雑詠2句(未発表作に限る)
開箱/1年に1回
選者/信州の知名俳人
入選/信州姨捨観月祭「全国俳句大会」席上で発表
   入選句をサービスエリア掲示板に掲示
   「全国俳句大会入選句集」と粗品を贈呈
 
いや、これを見て創作意欲がムラムラと沸き上がってまいりましたね。いっちょや ったるかぁ!みたいな。(筆者注:いっぱつやりてぇ!みたいなムラムラではございま せん。)いや、創作意欲がムラムラと沸き上がったわりにはスキー帰りで疲れていて、 眠たかったのでぜんぜんアタマは働かなかったんですけどね。しかたないから「第2回 俳句王決定戦」から昆布くんと鰈さんの優秀作を拝借して投句させていただきました。
 
  ・ あーんダメぇ 今9時よ〜ん そんなことぉ♪
 
  ・ 室内に あきたらやろう 放置プレイ
 
 いや、俳句界で最も権威のある「塩サバ通信・俳句王決定戦」の最優秀句と準優 秀句ですんで、「未発表作に限る」というところがちょっと引っかかるかも知れません が、「雑詠2句」というのはぴったりですね。世の中にこれほど雑念のカタマリで詠ま れた句というのも、めったにあるものじゃございません。それはそうと「信州姨捨観月 祭」ですか。「観月祭」なんていうのはおそらく、室内に飽きた人達が群れ集って、屋 外でヤルものなんでしょうな。夜になるのが待ちきれなくて、朝の9時から集まったり して。
「な、いいだろ、いいだろ?」
「あ〜ん、まだ早すぎるのぉ♪」
とか言ったりして。そんな不健全なペヤング共は、月にかわっておしおきよっ!ぴ しぴしっ!
 
 
 では、最後に1句。
 
  ・ 姨捨で 老女マニアが 放置プレイ
 
 果たして、放置された老女の運命やいかに?以下次号へ・・・続かず。
 
 @ さ、今日からアルト編です。アルト編を記念して、アルトサックス俳句を1 句詠んでみましょう。
 
  欲しいものがあるとさっ くすねる私は 万引き犯
 
今回もパーカーは登場しません。長島温泉のバイト代で買った『オン・サヴォイ〜 完全盤』の「マーマデューク」テイク1〜テイク12の恨みは今でも忘れやしないぜ。 いや、有名な『ジャズ・アット・ザ・マッセイホール』で1本書こうかとも思ったんで すけどね。パーカーが「チャーリー・チャン」なんていう、1本でちゃんとリンスして くれるシャンプーみたいな変名で参加してるヤツ。このアルバムの「そると・ぴーなっ 、そると・ぴーなっ!」に続くパーカーのソロって凄いよね。しかし、なんだかジャケ 絵を書くのがむっちゃ面倒くさそうだったのでメゲました。よってソニー・スティット です。スティットはテナーも吹きますが、細かいことは気にするな。スティットのアル バムはどの年代のものでも当たり外れが少ないですね。いつの時代でも平均以上のレベ ルを維持しております。だからどのアルバムを選ぶかは、好きな曲が入っているか?ジ ャケ絵を書くのがラクか?といった点に委ねられると言っていいのではないでしょうか 。いつの時代でも平均レベルとはいえ、やはりスティットが熱く燃えていたのは50年 後半ですな。そんなわけでアーゴ盤の、その名も『ソニー・スティット』というアルバ ムを選んでみました。シカゴのレーベルなのでサイドマンには地元のローカル・ミュー ジシャンが参加しておりますが、まだ無名だった頃のバリー・ハリスが聴けるのは嬉し いですね。
 
 スティットのアルバムはだいたい構成が決まっていて、自作のシンプルなブルー スが半分くらい+バップ曲&歌モノといった感じになっております。このアルバムもオ リジナル・ブルースの「プロパパグーン」で膜を、いや、幕を開けます。ブルージーな 味わいのスローブルースです。スティットはアルトを吹いております。ケレン味のない エモーショナルな歌いっぷりが素晴らしいです。ハリスのソロもいいですね。2曲目は パーカーの愛奏曲でもあった「ジス・イズ・オールウェイズ」。バラードなんですが、 スティットは細かいフレーズを駆使して超絶的なソロを聴かせてくださいます。途中か らはテンポが速くなって、これまた凄いですね。いやいや、立派だなあ、スティット。 ボケる暇もないですね。
 
 3曲目の「ジャック・スプラット」は自作ブルース。ここでのスティットはテナ ーを吹いております。典型的な「レスター・ヤングのフレーズをコールマン・ホーキン スの音色で吹き、パーカーの影響をふりかけた」タイプですね。あ、塩通掲示板に書き 込みしてくれたレスター・ペヤングさん、お元気ですかぁ?品はなかったけど「血便ネ タ」なつかしかったっす。で、4曲目の「ジャスト・ユー・ジャスト・ミー」はそのレ スター・ペヤング(大盛り)の十八番だったらしいです。これはモロチン、いや、モチ ロンのことテナーで演奏されます。5曲目の「クール・ブルース」はパーカーの曲だか らアルトですな。スティットのテナーは悪くないけど、個人的にはやっぱりアルトで吹 きまくるスティットがタイプなのぉ♪ちょっぴりゆっくりめのテンポでスタートして、 アドリブが進むにつれてフレージングが細かくなって、だんだんノリノリになっていく 過程を鑑賞するのが私は好きです。
 
 6曲目の「ミスター・サン」は自作ブルース。あ、こういうくつろいだテナーの 吹奏も悪くないっすね。7曲目の「ダンシング・オン・ザ・シーリング」はロジャース =ハートの曲。これもテナーでゆったりと。一転して「エヴリワン・ダズ」は急速調の アルト吹きまくり。このコントラストがいいですな。最後の「ティル・ジ・エンド・オ ブ・タイム」はCDおまけ曲。歌モノのくつろぎテナーです。はい、以上。全編通して アルト、テナー共に極めて快調でございました。
 
 ところで今日は会社に車を置いて電車で帰ってまいりました。タワーに寄ったら 何枚か欲しいものがあるとさっ、くすねてきたわけなんですけどね。そんなわけでアル ト編はちょっとお休みして、明日からしばらく「本日仕入れてきたCD」シリーズにし てみようと思います。
アルト編、なんだか始めたと思ったらすぐに中断してしまって、「夜更けにかかっ てきた無粋な電話」みたいなやりきれない気持ちになってしまいますが、そこんとこよ ろしくねっ!


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