【アルバム名】
BLUES IN TRINITY (BLUE NOTE)
【リーダー名】
DIZZY REECE (1958/8/24)
【パーソネル】
DIZZY REECE (tp) DONALD BYRD (tp) TUBBY HAYES (ts) TERRY SHANNON (b)
LLOYD THOMPSON (b)
【収 録 曲】
BLUES IN TRINITY / I HAD THE CRAZIEST DREAM / CLOSE-UP /
SHEPHERD'S SERENADE / COLOR BLIND / 'ROUND ABOUT MIDNIGHT / EBOO /
JUST A PENNY
【内   容】
 みんな、お正月にはタコをあげたかい?おいしいよね、タコのてんぷら!という ようなベタなネタは“ソフィスティケイティッド・サイト”塩通にはふさわしくありま せんね。厳に慎まなければなりません。凧というと前にも書いたことがありますが、ア メリカからゲイラカイトが上陸したのは私の多感な少年時代のことでございました。「 ヒューストンからやって来た」というヤツですね。「ヒューストンからやって来たタコ やから、ひゅー、すとんと落ちる!」というシャレは当時多感な少年時代を過ごした人 なら必ず一度は口にしたことがあるハズです。多感な少年というのは得てしてアホなも のなんですよね。アホが半ズボンはいて、そこらを走りまわっているようなものです。 アホでなけりゃ、クソ寒い真冬に半ズボンで外を走りまわれるワケがありません。アホ だから風邪もひかずに元気に走りまわっていられるわけです。
 
 そんなわけで、30にしてセンシティブな少年の心を失っていない私は行ってま いりました、正月にタコあげ。正月で塩サバ2号んところのガキが来ておりましたので 、そいつをダシにして。ガキというのは概してダシにされやすい生き物でもあるわけで す。まず元旦から営業しているディスカウント・ショップへ赴き「ポケモンカイト」と 「スポーツカイト」を買ってまいりました。いやあ、いっぺんやってみたかったんです よねぇ、スポーツカイトちゅうの。2本のヒモを操ってターンとか旋回とかさせるヤツ 。はたしてズブの素人でもだいじょうぶなのか?というガッツ一抹の不安もあったんで すが、4850円くらいのスポ・カイには「対象年齢8才以上」と書いてあったしぃ。 ケチな塩サバ2号が購入に反対したので3850円くらいのほうにしたんですけどね。 自分が金を出すわけでもないのに、うっとおしぃ中年男性ですな。一方「ポケモンカイ ト」のほうは580円くらいでしたか。これは「バッタモンゲイラ」のようなものでご ざいまして、「ホンモンゲイラ」より100円くらい安い価格設定となっておりました 。バッタモンでも一応はアメリカ製なんですけどね。私としては是非、コドモにもホン モノを味を教えてあげたいところだったんですが、シオ2・Jrが「ぼく、ぽけもんが いい!」とホザいたもんで。
 
 さ、タコも買ったし、いよいよタコあげ挙行でございます。桑名でタコあげとい えば昔から「ていぼう」と相場が決まっております。揖斐長良川の揖斐川側の堤防へや ってまいりました。ちょうど長島温泉の対岸ですな。ちょうどいま、第2名神の橋げた の工事をしているあたりです。推定風速10メートル。ウインドサーフィンなら体力の 限界を超越するほどの強風でありまして、タコあげには絶好のコンディションではない かと思われます。案の定、塩サバ2号の操作するポケモンカイトは瞬く間に上空20メ ートル付近まで上昇しました。この調子なら80メートル(凧糸1巻分)も楽勝やん! のペースです。用意周到である我々はそういう事態を予測して、スペアの凧糸をあと2 巻買ってきております。めざせ240メートル!ところがシオ2・Jr。こやつがまた 、おそるべき根性なしでございまして「電車でGO!」をやってても70キロくらいス ピードを出すと「はやすぎるよぉ!」と言って半泣きになるという、“はやいのね”昆 布くんの相手をつとめる女子高生ひなのちゃんを彷彿させるような幼児なのでございま して。案の定、もうちょっとタコを高くあげようとしたら「くもにかくれちゃうよぉ! 」とか言って半泣きになる始末。結局、20メートル程度の高度を維持せざるを得ない 情況に追い込まれたわけでございます。
 
 一方、スポーツカイト。これは、はっきり言って至難のワザです。すぐにクルク ルクルクルと錐揉み状に回転して墜落という、「原チャリの免許しか持ってないオバチ ャンが操縦するミグ25」状態。タコあげているより、絡みあった2本の凧糸をほぐし ている時間のほうが遥かに長く、たちどころに挫折しました。
後で説明書をみたら「風速8メートルを越えると極端に難しくなる」と書いてあり ましたので、所詮、ド素人には無理なコンディションであったわけです。で、ポケモン のほう。シオ2・Jrはすぐに飽きてしまって(←もともと、あまりヤル気なし。ダシ に連れてきただけ。)塩サバ2号が操作することになったんですが、コドモの忠告にも かかわらず「えーい!」とばかり糸を伸ばしにかかりました。その瞬間、凧は「ひゅー すとん!」と急降下、そのまま地面に激突、全身打撲の内臓破裂。ビニールびりびりの 即死でございました。コドモは泣き出して塩サバ2号、大顰蹙!!
 
今週の教訓:コドモの言うことは素直に聞こう!
 
ポケモンカイト、わずか30分程の短い命でございました。
(塩サバ1号満足度:☆☆☆)
(シオ2Jr満足度:××××××××・・・・)
 
この心的外傷がシオ2・Jrの将来に深い陰を落としたことは想像に難くありませ ん。やったぜパパ、明日は不良少年だい!
 
 @ さ、ディジー・リースですね。あ、ドラマで「青年は荒野をめざす」やって ますなぁ。「ウニを煮ていたジョニー」と並ぶ五木寛之のジャズ小説なんですよね。し かしなんじゃ、この「世界・不思議発見!」みたいな作りは。原作、全然関係ないやん !わざわざ見るまでもありませんね。さ、ディジー・リース聴こうっと。リースのBN 盤といえば、なんと言ってもモブレイ、ケリー、チェンバース、アート・テイラーとい う豪華メンバーが集結した『スター・ブライド』が有名ですね。しかしこのところ、わ りと有名なアルバムが続いたので本日はちょっぴり地味に迫ってみましょう。『ブルー ス・イン・トリニティ』。一応はブルーノート盤ということになっておりますが、録音 はロンドンだし、プロデューサはトニー・ホールとかいう人だし、カバーフォトはビル ・ペニーとかいう人だし、おそらくイギリスのレコード会社が作ったアルバムの権利を BNが買ったのではないかと。ドナルド・バードが参加して2トランペットになってい るのが面白いですね。ドラムスはアート・テイラー。テナーがタビー・ヘイズというの がマニアですな。ピアノはテリー・シャノン、ベースはロイド・トンプソンという人で 、これは2人ともわしゃ知らん。ま、とにかく聴いてみましょう。
 
 1曲目のアルバム・タイトル曲「ブルース・イン・トリ煮ていい?」はリースの オリジナル。トリでもウニでも、なんでもお好きなように煮てくださいね。そういえば 「ひなの系ゲーマー」のマユゲーさんは出張で名古屋に来て「トリ鍋」食べたとか言っ てましたな。アタマの「ぱぱぱぱぱっぱぱー♪」というところがなんとなくヘンな曲で すね。あまり日本人ウケしそうもない感じでございます。ソロ1番手はリースでしょう 。「ばりばり吹く」というより、ブルー・ミッチェルやアイドリュース・シュリーマン などに通ずる「味だけで勝負!」のタイプですね。ソロ2番手はタビー・ヘイズ。これ がなかなかハード・ドライビングで素晴らしいっす。続いてテリー・シャノンのピアノ 。白人なのか黒人なのか知りませんが、名前からして中国人でないのは確か。わりとフ ァンキーな味があります。その後、再びトランペットの短いソロとテナーのちょっぴり 長めのフレーズを経てエンディング・テーマへ。曲はヘンだけど演奏は結構よろしいん でないかと。2曲目は歌物バラードの「アイ・ハッド・ザ・クレイジェスト・ドリーム 」。彼と“メイク・ラブ”する夢を見た、というような内容の歌らしいです。メイク・ ラブするというのは、有り体に言うと「エッチする」ということですね。いいですねぇ 、エッチ。やっぱり固めのほうがいいですよね、マークシート用の鉛筆は。リースの「 味だけで勝負」のペットをフィーチャーした小品でございます。
 
 3曲目の「クローズ・アップ」が本アルバムのハイライトでしょうか。いかにも ハードバップという感じのピアノのイントロに続いて、ファンキーな香りのあるテーマ が。この曲にドン・バードがゲスト参加してるんですねぇ。最初のトランペット・ソロ はリースでしょう。よく歌うタビー・ヘイズのテナーが続いて、その後にドン・バード が登場、だと思う。いや、違うかなぁ。よくわからんので次いきましょう。「シェファ ーズ・セレナーデ」。楽しくポップな感じのメロディが嬉しいですね。ソロ一番手はや っぱりリースかなぁ。
よくわからんので次いきましょう。「カラー・ブラインド」。これも明るい系のメ ロディですな。こういう影のない作風が特徴みたいですね、この人。モンクの「ラウン ド・アバウト・ミッドナイト」はタビー・ヘイズの吹くテーマがよろしい。というより 、タビー・ヘイズをフィーチャーしたナンバーなんですね。(リース、出てこーへん。 )なかなかやりますなぁ、タビー。だてにタビックスはいてないぞ!みたいな。タビと ソックスの合いの子で、親指と人指し指の間がわかれてるんですよね、タビックス。ル ーズの次はタビックスだと女子高生の間ではささやかれているらしいですが、残念なが ら今のところブレイクする気配はございません。原文ライナーはここで終わっているの で、残りの「エボー(?)」と「ジャスト・ア・ペニー」はCDおまけ曲なんですかね ?じゃ、書かなくっていいやぁ。ということで、あまり有名でないだけに、何となく地 味な1枚でありました。じゃ、また来週!


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