- 【アルバム名】
- SERENADE TO A BUS SEAT (RIVERSIDE)
- 【リーダー名】
- CLARK TERRY
- 【パーソネル】
- CLARK TERRY (tp) JOHNNY GRIFFIN (ts) WYNTON KELLY (p)
- PAUL CHAMBERS (b) PHILLY JOE JONES (ds)
- 【収 録 曲】
- DONNA LEE / BOARDWALK / BOOMERANG / DIGITS / SERENADE TO A BUS SEAT /
- STARDUST / CRUISING / THAT OLD BLACK MAGIC
- 【内 容】
- 君は地下タンクを知っているかい?地下に埋まっているタンクのことで、略称「
地下タン」。略してもあんまりかわらんやん!なんてツッコミを入れるのはシロートの
やることでありまして、「地下タンクぅ」と言うより、短く「地下タンっ!」と言いき
ったほうが格段に「粋」であるということは、土木建築業界ではもはや常識となってお
ります。さ、君も「地下タンっ!」でギョーカイ人になろう!1年程前に地下タンクの
据付工事の現場監督(←名前だけ)をやったことがあるんですが、ただ工事を眺めてい
るだけでございました。ほう、地下タンクとはこういうふうに作るのかぁ。なんて、ほ
とんど社会見学のノリでして。まず土を掘って地下室を作ると。地下室。いいですねぇ
。コドモも頃から、大きくなったら地下室を掘って、卓球台を置くんだいっ!なんて夢
見ておりました。卓球全盛時代、卓球をしないものはピン球を茹でない、とまで言われ
た時代ですからねぇ。市の公民館(木造のぼろっちいところ)にも卓球台が置いてあり
ましたし、新しく出来た体育館にも「卓球室」というのがございました。自転車置き場
に卓球台が置いてない学習塾は潰れる、というような感じでございました。そうよ私は
卓球部!いや、マジで。小学生の頃ですけどね。中学の時は軟式テニスやっておりまし
た。いや、そんなことはどうでもよくて、風邪をひいて寝込んでいたら中学のテニス部
の後輩のはる子ちゃんが見舞いにきたとか、そういうこともどうでもよくて地下タンク
の話。
-
- 地下室を作って、そこにカプセル型のタンクを設置するわけです。なんのタンク
かというと、軽油とかA重油とかを入れておくタンクですね。ガソリンスタンドには必
ず埋まっているはずです。で、コンクリで固めた地下室に地下タンクを据え付けて、そ
の後どうするのかと思ったら「焼き砂」というので埋めるんですね。「焼き砂」という
のは文字どおり焼いた砂で、焼いて水分を蒸発させてカラカラにしておくわけです。ダ
ンプに積んできた焼き砂をぶちゃまけるとモウモウと湯気が立ち込めるほどの高温にな
っております。空気中の水分が蒸発するんですね、きっと。で、この焼き砂、熱いまま
タンクの周囲にぶちまけると熱でタンクが傷んでしまうので、何度かになるまで冷まさ
ないといけないらしいのです。なんせ、やる気のない現場監督でしたから何度だったか
忘れちゃいましたが、確か40度とか50度とか。持ってきた焼き砂は温度計で計ると
80度くらいあって、「わーい、砂風呂だぁ。」とか言って遊んでいるとたちまち全身
火傷になってしまいます。で、この焼き砂がまた、全然冷めないんでよね。面倒だった
から65度くらいになったところで「えーい!」と埋めちゃいました。だって、早く帰
りたかったんだもん!
-
- えーと、この話もどうでもよくてですね。昨日(24日)の夕方に、全然違う現
場の地下タンクにA重油を投入する仕事をしにいったわけです。ほら、金山南ビルとい
う、以前私が「塗り立て」の生コンに思いっきり足をつっこんで、そのまま逃げてきた
31階建てのビル。生コン足つっこみ事件も、地下タンク65度焼き砂投入事件もいま
だなんのお咎めもなく、こうしてまた仕事の話が舞い込んできたというわけなんですね
。ちょうど地下タンクの給油口ボックスのところで、またしても生コン打設作業をして
おりまして、よく見ると明らかに「ずぼっと足をつっこんだな!」という足跡が。誰や
?ここ歩いたのは!と大騒ぎになっており、「犯人探しの靴底チェック」などもおこな
われて、ナイーブな僕のハートはちょっぴりドキドキ。いかん、洞性頻脈の発作が!い
や、わざわざ書くほどのことでもなかったですね。
-
- @ さ、今日はクラーク・テリーです。リバーサイドには何枚かクラ・テリのリ
ーダー作があるんですが、なんとなくあまり買う気がいたしません。リバーサイド・ホ
テルを熱唱し、おじさんから「英語の発音も完璧やったな!」と褒められた私ですらあ
まり買う気にならないんだから、ただの通りすがりの鳥羽一郎好きとかだったら、まず
手にとることはないでしょう。なんとなく中間派というイメージがあって、ヘルメット
かぶってゲバ棒振り回す?それは中核派。そういえば高校時代、ドラえもんが書いてあ
る年賀状をもらったことがありました。「中核ヘルメットぉ!これをかぶれば誰でも中
核派になれるんだ!」なんてドラえもんがしゃべっておりました。新年そうそう何が言
いたかったんだ、出口直文!というようなイメージしかもっていなかったテリーなんで
すが、この『セレナーデ・トゥ・ア・バス・シート』というアルバムはサイドマンに痺
れました。グリフィンのテナーが入って、リズム隊はケリー、チェンバースにフィリー
・ジョー。完璧やん!クラーク・テリーのリーダー作では売上に若干の不安が。と、製
作担当者も危惧、お願い使ってぇ♪を抱いたのでしょうか、日本盤CDでは「クラーク
・テリー&ジョニー・グリフィン」なんてクレジットされております。さ、なにはとも
あれ聴いてみましょうね。
-
- 1曲目「ドナ・リー」。おなじみパーカー・ナンバーですね。一聴してフィリー
とわかるタイコのイントロではじまり、テリーとグリフィンのユニゾンでテーマが演奏
されます。あ、そういえば昆布青年の「ヴァイブ論・その4」が無事に発表されました
ね。今回はわりと真面目な内容だったんですが、実はその真面目部分はあまり真剣に読
んでおらず、もっぱらスケベねたの部分を喜んで読んでおりました。この「ジャズ・ジ
ャイアント」の後半部分はどうでもいい!という読者さまの気持ち、ちょっぴりわかっ
たような気がいたします。で、テーマに続いてグリフィンの熱っぽいソロに突入。やっぱりいいなぁ、グリちゃん。一方、テリーのほうはちょっぴりコミカルなトーンで余裕
たっぷりにカマしております。2曲目から5曲目までテリーのオリジナルが続きます。
まずは「ボードウォーク」。ファンキーなムードの横溢したミディアム・スローのバラ
ードです。ソロ先発はテリー。ちょっぴりコミカルなトーンで余裕たっぷりにカマして
おります。使える「複写」はなるだけ活用しましょうね。続くグリフィンは例の独特の
トーンがいいですな。こういうブルース吹かせると味わいはまた格別です。後半はテリ
ーとグリフィンの4バースが展開され、途中からダブルテンポになったりして演奏はク
ライマックスを向井千秋。続くケリーのソロもいいなぁ。
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- 「ブーメラン」はブルー・ミッチェルがリーダー作で演っていたような。あ、あ
りました。『アウト・オブ・ザ・ブルー』に入ってます。そういえばミッチェルってク
ラーク・テリーにかなり影響受けてそうな感じがありますね。ほのぼの系のハードバピ
ッシュな佳曲であります。ほのぼのテリーと、いけいけグリフィンの対比がおもろいで
す。「ディグイット」はキュートなメロディがいとおしいです。ハッピー&ブルー?そ
れは敏いとう。「セレナーデ・トゥ・ア・ブルース」は全然セレナーデっぽくなくて、
アップテンポの快活な演奏です。いかにもハードバップ、という感じですね。グリフィ
ンのソロはどれ聴いても一緒やん!なんですが、それでもいいんだもんねー。愛があれ
ばなんでもOKさ。と毛沢東も言っておりました。テリーのソロも達者でなにより。ケ
リーのソロもスインギーでなにより。フィリーのタイコもキレてるなぁ。
-
- 6曲目はおなじみ「スターダスト」、通称スタさんですね。バースをテリーとグ
リフィンが交替で吹くんですが、グリフィンの吹きっぷり、痺れるなぁ。テーマに入っ
てからはテリーが余裕の歌いっぷり。ベテランの味ですなぁ。グリフィンの「臭い」バ
ラードプレイも秀逸でございます。「クルージング」は再びテリーのオリジナル。ファ
ンキーなムードです。ラストはラテンなタッチの「ザット・オールド・ブラック・マジ
ック」。カンカ、コッコ、カンカ、コッコのパーカッションが郷愁をそそります。ほの
ぼのとした楽しい演奏だと思います。はい、今週もこれにておしまい。じゃ、また来週
!
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