【アルバム名】
OUT FRONT (PRESTIGE)
【リーダー名】
JAKI BYARD (1961/3/14,1964/5/21,28)
【パーソネル】
JAKI BYARD (p,as) BOB CRANSHAW (b) WALTER PERKINS (ds) BOOKER ERVIN (ts)
RICHARD WILLIAMS (tp) RON CARTER (b) ROY HAYNES (ds)
【収 録 曲】
OUT FRONT / TWO DIFFERENT WORLDS / SEARCHLIGHT / EUROPEAN EPISODE /
LUSH LIFE / WHEN SUNNY GETS BLUE / I LIKE TO LEAD WHEN I DANCE /
AFTER THE LIGHTS GO DOWN LOW
【内   容】
 波平、オトナゲないぞ!というのが本日のテーマです。いやあ、新たなジャンル を開拓しましたな「サザエさんネタ」。前にも何度か書いたことはあるんですけどね。 「ワカメちゃんのパンチラが青少年に与える害悪に関する考察」とかなんとか。ま、結 局は「パンツねた」でもあったわけですが。本日はもっと社会的に「波平の人間性」に ついてスポットをあててみましょう。なんか、アタマでむっちゃ反射しそうですが・・ ・。
 
 コトの発端はサザエさん一家がハワイ旅行に行くことになった、というところか ら始まっております。だいたい、この「サザエさん一家」という呼び方からして問題あ りですよね。一家の家長は波平であるはずなのに、ああ、それなのに「サザエさん一家 」。頭に毛がないというだけで不当に差別されているのでないか?という問題は
「でも、磯野家という言いかたもするやんん。」
という一言ですべて解決しました。さて、サザエさん一家のハワイ問題。カレー食 べながらぼーっと見てただけなので、あまり詳しい事はわからなかったんですが、どう やらサザエさん一家がハワイへ行くことになったと。私がその話を耳にして、まず最初 に思ったことは
「サザエさんのくせに生意気だ!」
なんでも波平さんが勤続30周年とかで、「ハワイにペアでご招待」ということに なったそうです。(←物語のディティール違ってたらゴメンね。)しかし波平、ハワイ にペアで招待するに値するほど会社に貢献しているのだろうか?君は波平が会社でバリ バリ働いているところを見たことがあるかい?会社での波平クンはいつでもマツゲの長 い同僚(ちょっとカマっぽい。)とダベっているだけで、業務に真剣に取り組む態度に 著しく欠如していると言わねばなりません。あんなことでは中間管理職として部下に示 しがつきません。きっと同じ課の若手である山下雅樹くん(28歳)と井上明くん(2 4歳)あたりは(←そんな社員いるのか?)
「あのハゲ、ろくに働きもせんとってハワイやて。」
「やってられまへんなぁ。」
なんてボヤきながら会社の裏でヤサグレて煙草を吸っていることでしょう。ああ、 波平。それでも君はハワイに行くのか?
 
 もっとも本人は今回のハワイ旅行に関してはあまり乗り気でなかったようです。 行く前から
「ワシは鄙びた温泉のほうがよかったのに・・・」
飛行機に乗っても
「ワシは鄙びた温泉のほうが・・・」
ハワイについても
「ワシは鄙びた温泉のほうが・・・」
ホテルの冷蔵庫に何も入ってないのを発見しては
「だからワシは鄙びた温泉のほうが・・・」
やかましいぞ、波平!もっとオトナになれよ、波平!
その点、フネさんはやっぱりオトナでした。きちんとハワイの生活に同化して、し っかりと楽しんで、あのトシでアロハまで着て、けなげにもフラダンスまで披露してく ださいました。
 
本日の再認識:惚れなおしたぜ、フネ!
 
 @ さ、今日はジャキ・バイアード。昆布青年の「屋上バレー」の話、また書く スペースがなくなりました。このままズルズルと先送りになって自然に話は立ち消えに なってしまうことでしょう。さて、悪い考えの邪気バイアード。あんたヘビや、オニや の蛇鬼バイアード。顔面に「爽やかさ」が欠如しているのが災いしてか、日本ではあま り人気がないような気がする、そんな気の毒なピアニストであります。テイタムからセ シル・テイラーまでどんなんでもいけまっせぇ。というバーサイタルな
「ウチのひと、誰かいたぁ?」
「うん、年寄りの女の人がいたぁ。」
それは、婆さんいたぁ。なスタイルが「キワモノ」として裏目に出たのかも知れま せん。しかしまあ、たまには蛇鬼くんの演奏にも耳を傾けてあげようではありませんか 。 邪気のアルバムと言えば『ハイ・フライ』あたりが有名だと思いますが、今回はプ レスティッジ盤の『アウト・フロント』いってみましょう。ブッカー・アービンとリチ ャード・ウイリアムスが入ってるんですね。
 1曲目。タイトル曲の「アウト・フロント」はジャキ・バイアードの牛肉の干し たのは欲しくないです。それはビーフ・ジャーキーはいらんど、のオリジナル。わかり にくいボケですね。全曲ホーン入りかと思っていたら、いきなりトリオ演奏でありまし た。ミディアム・ファストなんかちょっと変わった感じの曲ですね。原文ライナーを見 ると故ハービー・ニコルスに捧げられた曲のようです。だからヘンな曲なんですな。故 人もヘンな曲を捧げられてさぞや迷惑していることでしょう。ジャキくんのピアノ自体 もハビ・ニコを意識したものなんでしょうか。よくわからん。2曲目「トゥ・ディファ レント・ワールズ」。実にしみじみとした感涙モノの名バラードでございます。バーの 片すみなんかでこういうのを生演奏していたら、おもわずうっとりしてピアニストのほ うを見ちゃいますよね。で、そこにジャキ・バイアードが座っているのを発見し、何も 見なかったことにしておこう・・・。「ジャズは顔じゃないんだ!」ということを再認 識させられる綺麗な演奏でございました。いや、ジャキ・バイアード、顔はごっついけ れど根はいい人だと思います。
 
 3曲目、再びバイアードのオリジナルの「サーチライト」。これはコテコテのス ローブルース。原文ライナーを見ても「“サーチライト”はブルースだ。」と断言して おります。英語で Serchlight is the blues って。おっと、ここでお待ちかね、ブッ カー・アービン登場!「クド系テナー」のホープです。うーん、アーシーっす。嫌いな 人にはトリハダもんでしょうが、好きな人にとってはサメハダもんです。途中からちょ っとテンポが速くなり、アービンのテナーが咆哮いたします。ここで再びスローになっ てリチャード・ウイリアムスのソロ。全然うまくないけど味だけで勝負!という、塩サ バ・イラストみたいな持ち味の人ですね。でも塩サバ・イラストは太刀魚母に才能認め られたみたいだしぃ。そうやねん。才能あるねん、僕。テナーとペットが短く絡むコテ コテのエンディングも涙です。
 
 「ヨーロッパ・エピソード」はジャキの手による6つのパートからなるダンス組 曲らしいです。「彼自身もダンサーである」というような恐ろしいことが書いてありま すね。最初のパートは「ブリュッセルへの旅」(だと思う)。ラグタイム風にブギウギ した曲で、なんじゃこのヘンなのは?と思っているうちにすぐ終わってしまいます。一 転してバラード風の「ワン・ステップ」(だと思う)。どれがどのパートなんだか、よ くわからんようになってきました。ポピュラーなダンスの名前だとか、ヨーロッパの小 さなギャラリーがどうたらこうたらとか書いてあります。ジャキの綺麗なピアノのメロ ディに、かぶさるようにテナーとミュート・トランペットが入ってくる瞬間がイイです ね。マイルス・デイビス・クインテットうんぬんと書いてあるのがこのあたりなのかも 知れん。ウィリアムスのソロもマイルス風です。そこから独特のリズム感を持ったトリ オ演奏になって、なるほどなるほど。なんて聴きほれていると突然アービンのソロが炸 裂!と思ったら急に静かになってミュート・トランペット。続いてラグタイム風ピアノ 。忙しいなあ、もう。最後はミラノ、リオン、その他ということでヨーロッパのエピソ ードは完了しました。12分くらいのクソ長い演奏でしたが最後はフェイドアウトして いるので、実際はもっと長い演奏だったのかも。録音していたヴァン・ゲルダーも嫌ン なって、「えーい、フェイドアウトしてしまえい!」
 
 「ラッシュ・ライフ」はミディアム・テンポのトリオ演奏。ちょっぴりヘンだけ ど、まあバイアードだしぃ。「ホエン・サニー・ゲッツ・ブルー」は管入りの演奏。ピ アノレスのワンホーンで、なんか全然アービンらしくないなぁと思っていたら、バイア ードがアルト吹いているのでした。ルーツはパーカーなんでしょうが、ところどころ「 ぎこちない」のはご愛嬌。でもお遊びではなく、バイアードは立派なマルチ・インスト ゥルメンタル・プレイヤーなのでありました。残り2曲はCDおまけだから無視。本日 は以上です。じゃ。


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