【アルバム名】
DREAMS AND EXPLORATIONS (RIVERSIDE)
【リーダー名】
DON FRIEDMAN (1964)
【パーソネル】
ATTILA ZOLLER (g) DON FRIEDMAN (p) DICK KNISS (b) DICK BERK (ds)
【収 録 曲】
EPISODES / EXPLORATION / PARK ROW / BLIZZARD / ISRAEL /
DARN THAT DREAM / YOU STEPPED OUT OF A DREAM
【内   容】
 皆さんは小学校を卒業する時、どんな夢を持っていましたか?ここに私が小学校 時代に遺した、1冊の卒業文集がございます。題して「思い出」。なんちゅうありがち な!どーせみんな、「この6年間の思い出は重いでー。」とか書いているんでしょうな 。所詮は小学校6年生のコドモが書いたもんだからねぇ。なんて期待していたのに、そ ういうセンス溢れた児童は誰一人としておりませんでした。さて、この小学校の卒業文 集。当時、うちの学校にはA組、B組、C組の3クラスあったんですが(私はB組だっ た。)C組のページの最初のところに「ニックネーム&20年後の私」という一覧表み たいなものがあります。これを元に、当時の小学生がどんなニックネームで呼ばれ、ど んな夢を持っていたのか考察してみたいと思います。小学校6年生といえば今から18 年前。みんな、夢を実現しているかい?
 まずはニックネームから。私がコドモの頃、「イナバの白うさぎ」と呼ばれてい たという話は前にも書きましたが、やっぱり本名がらみの「あだ名」というのが多いで すね。まずは「一部抜粋型」。服部が「ハット」、藤本が「フジモ」になるような例。 わかりやすいけど、今いち面白みに欠ける。そういったタイプですね。続いて、コドモ ながらに若干の工夫が感じられるのが「フェイク型」。幸司だから「コウチン」、修二 は「修吉」というように、本名を一部フェイクしたような形式です。女の子だと「裕子 」が「ユッコ」、栗山が「クリコ」なんていうありがちなのも散見されますが、もっと 自由な発想で輝代が「てるやん」、仁美が「ひとで」、朱美が「はげみ」になったりし た例も見られますね。いいなあ、「はげみ」。彼女はきっと、この素敵なあだ名を励み にして、立派なオトナへと成長していったことでしょう。
 わけわからんのも多いなあ。「ひっさつ」とか「中華ソバ」とか「その他ソース 」とか。なんなんだよ?その他ソース。おーい、その他ソースぅ、一緒に帰ろかぁ。な んて会話が日常的におこなわれていたのかどうか、不幸にして私は彼とは同じクラスで はなかったので、寡聞にして知りません。「中華ソバ」というのも問題の多いあだ名で すね。おーい、中華ソバぁ、帰りに「いよさん」で焼きそば食ってかへん?とか。中華 ソバなら荒木屋で中華そば食えって!なんて思わず言いたくなりますな。ちなみに荒木 屋というのは近所にあった「うどん屋」さんです。コドモの頃、荒木屋で中華そばを食 べるというのは結構ステータスだったと思います。「いよさん」というのは駄菓子屋さ んですね。ちびまる子ちゃんでいうところの「みつや」みたいな存在です。お好み焼き とか焼きそばなんかも売っておりました。「いよさん」でよく、ビン入りのチェリオと か飲んだなぁ。「パシリの仕事」の定番と言えば、「オイ、チェリオ買ってこい!」で ある。という時代でありました。
 えーと、話を戻して。女の子だからと言ってカワイイ名前がつくというワケでも ありません。美知子ちゃんなんか、わりと顔はかわいかったと思うのに「くつ下」なん てあだ名ついてるしぃ。美佐ちゃんなんか、なんだかよくわからないけど「あらし山」 だしぃ。敦子ちゃん「ふけ女」かぁ。ちょっとオトナっぽい感じだったからなぁ。では 最後に「君の将来がちょっぴり心配」というあだ名を2つ紹介しておきましょう。こん なあだ名つけられて、はたして健全な育成は望めるのでありましょうか?
健吾くん:うんこボーイ
環ちゃん:たまきん
恨むなら親を恨め、たまきちゃん!たまきちゃんの将来はいかに?「20年後の夢 」は明日紹介いたします。
 @ さて、本日はドン・フリードマン。ドン・フリちゃんと言えば『サークル・ ワルツ』。いいなあ、サクワル。
   さよなら貴方 悔しいけれど
   悪い女よ 留美、行くわ
男の元から立ち去る女、川端留美(73歳)。悪い女というより、トシとりすぎや ん!で、フリちゃんの『サークル・ワルツ』。エバンスの『エクスプロレイションズ』 にも匹敵する、白人ピアノ・トリオの傑作でございますな。耽美的な世界は、藤山ぁ? それは寛美。そのフリードマンのリバーサイド盤で、その名も『ドリームズ・アンド・ エクスプロレイションズ』。これは買わねばなりません。アッティラ・ゾラーのギター が、あの人達のアタマ、ちょっと不自然ちゃう?それは「あんたら、ヅラ?」本人達の 目の前で直接そんなことを聞いてはいけません。で、アッティラ・ゾラーのギターが入 っているというのがどうか?という気がしないでもないんですが(個人的には、ピアニ ストのリーダー作にギター入っているのはどうも・・・)やっぱり買わねばなりません よね。で、買いました、聴きました。結果、なんじゃこりゃ〜。1曲目、フリードマン のオリジナルの「エピソデス」。フリードマンのアンソウルフルな硬質ピアノと、これ また無機質なゾラーのピアノにディック・ニスのベースが暗く絡む、超前衛じゃん!と いうような演奏。印象としては君にステ・キュンこと、スティーブ・キューン的ですね 。うーん、思ってたのと随分イメージが違うなぁ、鱒。後半はドラムも入って、それな りに盛り上がりはしますが、とりあえず次いきましょう。2曲目、今度はゾラーのオリ ジナルで「エクスプロレイション」。これまた不思議な曲調。ちょっぴりモード的な味 わいもあります。短いテーマに続くゾラーのソロはまずまず。リズミックなだけ、1曲 目よりはマシですね。でもこれで、貴方のことを許したわけじゃないのよっ。次の曲も 聴いてみないとまだ安心できないわっ。
 3曲目、「パーク・ロウ」。ほら、やっぱりヘンな曲やん。モンクみたいな、ド ルフィーみたいな。妙なタイム感覚はアンドリュー・ヒルのようでもあります。インテ ンポになってベースがビートを刻みはじめると、ちょっぴりマシになりますね。やっぱ 、ビートは大切じゃん。4曲目、「ブリザード」。またしても不思議な曲調。僕、こん なのやだぁ。とダダとこねる人には、5曲目から聴き始めることをお薦めいたします。 レコードでは多分、ここからB面になるんだと思いますが、ここからムードががらっと 変わります。まず、エバンスの『エクスプロレイションズ』にも入っていたジョン・カ リシ作の「イスラエル」。ピアノとギターのユニゾンでおなじみのテーマが演奏されま す。ソロ先発はフリードマン。不思議なことにあまりエバンスっぽく聞こえません。タ ッチこそ白人的であるものの、フレージングはむしろパウエル派といってもいいでしょ う。いいなあ、こういう「わけ知り」風の解説。続くゾラーのソロもコムツカシイとこ ろはみじんもなく、流麗なフレーズを聴かせてくれます。ディック・ニスのベース・ソ ロもいいです。最初っからこういう演奏しろよ!次、「ダーン・ザット・ドリーム」。 ギターとベースのデュオで静かに演奏は幕を開けます。こういうの聴くと、ギターも悪 くないなぁと思ってしまいますね。型どおり、セカンド・フレーズ(たぶんね)からド ラムが入ってインテンポになり、幾分メロディをフェイクしながらのテーマ演奏が続き ます。そのメロウなムードのままフリードマンのピアノ・ソロに引き継がれ、そしてゾ ラーのソロ。いいなあ。ここへきて、初めてわかりました。このアルバム、A面が「エ クスプロレイションズ(探究)」で、B面が「ドリーム」だったんですね。ラストもス タンダードでしっとりと「ユー・ステップド・アウト・オブ・ア・ドリーム(夢から醒 めて)」。バラード風で始まり、やがてテンポが速くなってゾラーがテーマを演奏し始 めます。そのままゾラーのソロへ。よく歌っております。続くフリードマンのソロもい いです。うーん、よかった。買って損はなかったですね。「探究」は余計でしたけどね 。さあ、みんな。明るい明日に向かって探究しよう!


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