【アルバム名】
TODAY AND TOMORROW (IMPULSE)
【リーダー名】
McCOY TYNER (1963/6/4,1964/2/4)
【パーソネル】
THAD JONDS (tp) FRANK STROZIER (as) JOHN GILMORE (ts) McCOY TYNER (p)
BUTCH WARREN (b) ELVIN JONES (ds) JIMMY GARRISON (b) ALBERT HEATH (ds)
【収 録 曲】
CONTEMPORARY FOCUS / T'N A BLUES / THREE FLOWERS / A NIGHT IN TUNISIA /
AUTUMN LEAVES / WHEN SUNNY GETS BLUE
YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO / FIVE SPOT AFTER DARK / FLAPSTICK BLUES
【内   容】
 君は超能力を信じてるかい?私はですね、ぜんぜんです。いやあ、昔はけっこう 純真なコドモだったもので、わりと信じてたりしてたんですけどね。ユリ・ゲラーがブ ームになったのが小学校3、4年くらいのことだったでしょうか。10歳くらいのガキ って、何事も簡単に信じやすい年頃なんですよね。さっそくスプーン曲げにチャレンジ したりしてました。スプーン曲げといえば高校の頃、「スプーン曲げ・梅干しの酸味説 」というのを力説していたヤツがいたなあ。なんでもスプーン曲げの人は、テレビに出 る前に梅干しのカメに1時間くらい手をつっこんでおくのだそうで。
「そうすると手に梅干しの酸が移って、スプーンが溶けるわけや。」
と、彼はこのように述べておりました。
「これはアルミの弁当箱の蓋が、梅干し入れるとこだけ穴があいたことから発見し たんや。」
と、彼は得意げに自説を展開しておりました。思えば幸せなヤツだったなぁ。
 
 さてここに1冊の「ムー」があります。私はもっぱらウインドサーフィンの風待 ち時に愛読しております。UFOや宇宙人やピラミッドやアトランティック大陸やポー ルシフトや失われたアークや泰氏や幽霊や宜保愛子など、くだらなくってつまらなくっ て、暇つぶしには最適です。惑星衝突や環境ホルモンやエボラ出血熱など、年に2回く らいはマトモな特集もあるんだけど。
 さて、いま手元にあるのは「ムー9月号」です。雑誌というのはどういうわけだ か1月前に発売されるので、この9月号も発売は8月の8日くらいですね。ということ は、ここに書かれている記事は6月くらいには仕上がったものであると思われるんです が、この本に「中国最高の予知能力者 陳林峰(ちん・りんふん)」という記事が掲載 されております。
 
 陳氏は日本地図を要求した。(中略)陳氏はそれを凝視し、数秒後、ペンで関東 地方の北東部沿岸を丸く囲んだのである。
「このへんに川がありますか?」
「そこは茨城県の水戸の近くみたいですね。確かに川があります」
「このへんに要注意。何かが起こります」
(中略)
「純然たる自然災害ではありません。人間と関係し、ある範囲で被害が出そうです 」
「いつごろのことですか?」
「8月に入って1か月ぐらいの間です」
 
ひえええ、当たってるぅ!(8月下旬、水戸市などで那珂川が氾濫。)
「純然たる自然災害ではありません。」というのがちょっと違うような気もするが 、それにしてもおそるべし、中国の予知能力者!こうなると、アレもちょっと気になり ますよね、ノストラダムスの大予言。
 
来年の今ごろの不安:降ってくるのはカメハメハ大王か、つけめん大王か!?
 
個人的には「つけめん大王」のほうが嬉しいです。
 
 @ さて、本日はマッコイ。漫画家のなりゆきわかこ先生からこんなメールをい ただきました。
 
> 塩サバさあああん。唐突ですがマッコイタイナーきらい?私すきなんですう。
 
ということで本日はマッコイ。塩サバ5号さんのハンドル名も「真鯉鯛ナー」に決 定したことだし。なりゆき先生といえば「まんがタイム」の9月号に「塩サバ定食」を 書いてくださいました。900円!出世したなぁ、塩サバも。んなわけで『トゥデイ・ アンド・トゥモロウ』。
 
  断頭台 安藤朦朧 首切れた
 
8秒くらい意識があるらしいですね、ギロチン。6枚くらいあるインパルスのマッ コイのリーダー作の中で、サド・ジョーンズ、フランクストロージャー、ジョン・ギル モアという「それほど嬉しくないな。」という感じの3管が参加したこのアルバムは、 それほど買う気をそそられるものではございませんね。日本の健全なる青少年を対象に 意識調査を実施したところ、次のような結果も出ております。
 
Q.あなたはサドが好きですか?
 
  好き→2%  嫌い→97%  どちらかというとマゾ→1%
 
ただし3管の参加はレコードでいうA面のみ。B面はトリオの演奏になっておりま す。CDでは別テイクでないオマケが3曲入っていて、これがなかなかいい選曲。発想 を転換して、トリオのアルバムを買ったらサド入りのオマケが3曲ついてきたがな。と いうふうに考えてみてもいいと思います。では期待薄の1曲目からいってみましょう。 「コンテンポラリー・フォーカス」。おっと、ええやんこれ。ただしコルトレーンとか 好きな人に限りますけどね。塩サバ読者ってあんまりモード・ジャズ聴かないみたいだ し。エルビンのポリリズム的ドラミングにブッチウォーレンがからみ、そこにマッコイ が入ってくるイントロは今にもコルトレーンが出てきそう。そしてサド・ジョーンズを メインに、(as)と(ts)がハーモニーをつける形でモーダルなテーマが演奏されます。ソ ロ1番手はサド。ちょっと古臭いスタイルの持ち主で、ムチ打ち上手な人かと思ってい たら意外にモーダルやん。知らんと聴いたらウディ・ショウかと思っちゃいます。ギル モア、ストロージャーも好演。ま、この手の演奏キライという人には全然でしょうが。 これぞ60年代ジャズという感じに仕上がっております。
 
 2曲目の「ティーン・ア・ブルース」はサド曲。3曲目の「スリー・フラワーズ 」は1曲目に続くマッコイの曲。演奏はいずれもまずまずです。以上。4曲目からはト リオ演奏。ベースとドラムスがそれぞれジミー・ギャリソン、アルバート・ヒースにか わります。「チュニジアの夜」みたいなラテン&バップな曲が、いかにもマッコイやな ぁ、という感じに料理されています。5曲目、「枯葉」。この顔で「枯葉」弾くかぁ、 という感じです。イントロ部分がいかにもマッコイ。これは相当ヘンな「枯葉」やろな あ、と覚悟を決めたんですが、テーマの処理はわりとオーソドックスでした。ソロに入 るとやっぱりマッコイ。エルビンとは一味違うアルバート・ヒースのシンプルなドラム がかえって新鮮です。ギャリソンのウォーキング・ソロが協力。って、力を合わせてど うする。強力ですね。実は私、ギャリソン好きだったりします。最後までトレーンと行 動したのも「薩摩武士」って感じがしますね。鹿児島出身かどうか知りませんが。
 
 6曲目はバラードでしみじみ。「ホエン・サニー・ゲッツ・ブルー」。コルトレ ーンの『バラード』に通ずる世界です。ピアノは顔じゃない、ということを考えさせら れる演奏です。で、ここからはCD追加曲。悪いことは言わん。追加曲入りのCDを買 いなさい。オマケ1、「帰ってくれれば嬉しいわ」。この曲、実は「帰っていけたら嬉 しいぴょん」(だったっけ?)である事が塩サバ掲示板で明らかになったんですが、ま あどっちでもいいや。この小粋な歌いっぷりはいいです。ラストのギャリソンの「ワン ・ノート弾き」もイケてます。やっぱモード奏法なんだろな、コレ。よくわからんが。
 
 イメージ的に今ひとつピンとこないのが「ファンキーなピアノを弾くマッコイ」 。オマケ2の「ファイブ・スポット・アフター・ダーク」のテーマ部の演奏にその片鱗 が伺えます。ま、ソロになるともろモードなんだけど。ラストはマッコイ作の小品「フ ラップスティック・ブルース」。テーマのブレイクが印象的なあまりアーシーでないブ ルースです。でもやっぱりブルースはブルース。ズロースではありません。ということ で3曲オマケ、お得だったなぁ。じゃ、今からジャケット描きます。あのマッコイ特有 の「恐い顔」になるかどうか、ちょっぴり心配。意外と紳士らしいけどね。
 
本日の結論:人は見かけよらない。


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