【アルバム名】
IT’S ALL RIGHT! (VERVE)
【リーダー名】
WYNTON KELLY (1964/3/10,11,19)
【パーソネル】
KENNY BURRELL (g) WYNTON KELLY (p) PAUL CHAMBERS (b) JIMMY COBB (ds)
CANDIDO CAMERO (conga)
【収 録 曲】
IT'S ALL RIGHT / SOUTH SEAS / NOT A TEARS / PORTRAIT OF JENNIE /
KELLY ROLL / THE FALL OF LOVE / MOVING UP / ON THE TRAIL / ESCAPADE
【内   容】
 なんとか発表することができた「第1回・俳句王決定戦」。いやあ、盛況でした ねぇ。今回は「高校野球俳句」と「モンク俳句」ということで、いくつかの課題を出し てみなさんに俳句を作っていただいたんですが、塩サバ読者の発想の同レベルさには、 ほとほと感心いたしました。
 
  智弁和歌山 → 血便 わー、加山雄三(塩サバ1号)
          ウンチ、便は?加山雄三(関サバ)
  岡山城東 → おー、加山 上等(塩サバ1号)
         何んだとぉ、加山?上等!(関サバ)
 
2人して「便」2連発、「加山」4連発!しかし、こんなこといっちゃなんですが 、「ウンチ、便」はないやろ、47歳!って感じですね。それに比べ「血便」はいいで すね。正岡子規晩年の「痰」に匹敵する、人間の尊厳にまで踏み込んだ深い哲学的な思 想を感じずにはいられません。その辺りの心境を「わー」という感嘆詞に込めてみたん ですが、「雅」を解さない一般庶民からは理解されず、鰈さんから「不可」という評価 をいただいてしまいました。謙虚な47歳、関サバ師匠は自分の句を「不可」に選んで ましたね。謙虚でない私は自分の作品を棚にあげて関サバ師匠の句を「不可」に選んで おきました。「ウェル・ユー・ニードント」の句にも顕著な類似性が認められます。
 
  飢える湯に どんと飛び込む パスタかな(鰈)
  煮える湯に どんとぶち込む うどんすき(関サバ)
 
ほとんど一緒やん!ただ「パスタ」と「うどんすき」という発想に30代前半と4 0代後半の差が表れておりますね。中年は「うどんすき」が好き。という世間一般で広 く知られた社会的通念が見事に証明されたと言っていいでしょう。あと、優秀句の投票 では、自分でいいと思っている句と、皆様が選んでくれた句との間に若干のギャップが ありました。個人的には
 
  道歩き 洋子はまった どぶのなか(横浜)
 
なんかいいと思うんだけどなぁ。ドブにハマった瞬間の、なんともいえない哀愁が 淡々とした作風の中によく表れていて秀逸である。という評を期待してたんですが、誰 も選んでくれませんでした。
 
「不可王」は予想どおり鰈さんの圧勝でしたね。特に
 
  ベラとベム 挿す陰具にて ベロができ
 
の句は圧倒的な「不可」の支持を得ました。鮭師匠は「優」「不可」とも1句にし ぼって投票してくださったのですが、ここでも見事に「不可」をGETしております。 やったね鰈クン、今日からキミは「パシリ」だい!
 
 @ さて、本日はウイントン・ケリー。いいですねぇ、ケリー。私が初めて買っ たモダンジャズのアルバムは『ケリー・ブルー』でした。これは初めて買ったモダンジ ャズのアルバムは『加山雄三ベスト』でした。という人と比較してずいぶん「正統的」 だと思います。ジャズとちゃうもんなぁ、雄三。たまにカラオケで歌うけどね、「旅人 よ」とか。もう、盛り上がらないのなんの。若者よ、加山はやめよう!さて、この『イ ッツ・オール・ライト』というアルバム、ポップ・アート引っ越しセンター調のジャケ からもわかるように、かなりポップな仕上がりとなっております。ギターにコンガまで 入って、1曲目のタイトル曲が始まった瞬間「あ、こりゃハズレやな。」という気分に なります。必ずなります。もともとケリーという人はパウエル派のピアニストの中でも それほどシリアスなスタイルの人ではないんですが、それにしても軽すぎます。コンガ 、お前が悪い。と、ぶつくさ文句を書いてるうちに2曲目になりました。同時進行は忙 しいのです。「サウス・シーズ」。これもコンガがイントロから「こんぽ、かぽかぽ、 ここんこ、かかぽんこ」(←かなりテキトー)と頑張っているんですが、意外と悪くな いです。ジャマイカの血が騒ぎます。この曲の作曲者のスチーブンソンというのは誰な んでしょうか。確か『フル・ビュー』にも何曲かオリジナルを提供していたような。サ ビのメロディが印象的な佳曲だと思います。転がるようなタッチの「ケリー節」も健在 。明るく楽しい中にも、そこはかとない哀感が。いいなぁ、ケリーは。
 
 3曲目の「ノット・ア・ティアー」もスチーブンソンの曲。しみじみとしたバラ ードかと思ってしみじみと聴いていると、途中からラテンリズムを導入したアップテン ポの演奏に変貌を遂げます。いやあ、盛り上がるなぁ。盛り上がるけど、特に書くこと はないなぁ。だから次へいくしかないなぁ。4曲目、「ジョニーの肖像」。しみじみと したバラードかと思ってしみじみと聴いていると、最後までしみじみとしたバラードだ った、という演奏です。ギターとコンガは休み。このアルバムの中ではもっともオーソ ドックスな仕上がりなので、砒素かに、いや、密かに愛聴している人も多いのではない でしょうか。和歌山の毒カレー事件、いよいよ犯人逮捕も間近って感じですね。新潟の ほうはアジ化ナトリウムですか。
 
  絶妙なる味かな トリ生む卵の黄身の滋味
 
「からざ」が苦手な30歳、すき焼きには卵をつけない派です。あ、「からざ」っ てラテン語だったんですね。てっきり「殻座」という日本語かと思っていました。バレ ル作の「ケリー・ロール」はコール&レスポンスなゴスペル調のナンバー。その昔、「 ベリーロール」というのはロールキャベツのようなものだと思っていました。走り高跳 びの跳びかただったんですね。関係ない話でした。賑やかな演奏です。6曲目の「フォ ール・オブ・ラブ」は映画「ローマ帝国の滅亡」の中の音楽らしいです。ゲストとして トミー・レイのキャリブ・スティール・バンドというのが加わっているらしいですが、 この人達は全員パーカッション担当のようです。彼らによってエキゾチックなサンバ風 のリズムが提供されますが、1分58秒。あっという間に終わっちゃいますが、なかな かいい感じの演奏であります。次いきましょう。ケリーの自作「ムーヴィング・アップ 」。ケリーお得意のフレーズをそのままテーマにしたような感じの曲。アドリブも快調 です。続いて「山道を徃く」。ファーディ・グローフェの組曲「大峡谷」でいちばん親 しまれている曲らしいですが、確かにどっかで聴いたことあるメロディです。バレルが テーマ・メロディを弾いて、ケリーのソロがそれに続きます。う〜ん、ケリー節全開。 バレルのソロもよく歌っています。
 
 「エスカペード」は「はめをはずす」という意味らしいケリーのオリジナル。楽 しくてファンキーな演奏です。もうリズムうきうき、心わくわく。いいなぁ、ケリー。 たまにはこういう「刹那的な快楽」みたいな演奏もいいもんですね。ヘルメットなくし て落ち込んでいるキミもケリーを聴いて元気をだそうよ!そうそう、明日も金山南ビル でお仕事です。冷却水の配管を直すので、入れた水を捨てろ!だって。いったいあの苦 労は何だったの?明日の今ごろ、私はグレてるかも知れませんのでヨロシク。


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