【アルバム名】
RELAXED PIANO MOODS (DEBUT)
【リーダー名】
HAZEL SCOTT (1955/1/21)
【パーソネル】
HAZEL SCOTT (p) CHARLES MINGUS (b) MAX ROACH (ds)
【収 録 曲】
LIKE SOMEONE IN LOVE / PEACE OF MIND / LAMENT /
THE JEEP IS JUMPIN' / GIT UP FROM THERE /
A FOGGY DAY / MOUNTAIN GREENERY
【内   容】
 ちょっと前、掲示板で話題になっていた「どざえもん」問題。よかったなぁ、レ スがついて。ザウルスの辞書で調べたら“土左衛門=the body of a drowned person” と出ておりました。溺れた人の肉体、といったところでしょうか。友紀子の肉体は愛欲 に溺れ・・・。関係ないですね。「ニコニコ健全サイト」でこういう話題はよくありま せん。愛欲、インキン、マ○痒イッ!こういう言葉は厳に謹まなければなりません。と いうことで今回は「溺れる」ということについて考えてみましょう。題して「ナガシマ ・ジャンボ海水プールで溺れる人々」。
 
その1:「スパイラル・スライダーで溺れる女」
昨日、このコーナーで書いたスパイラル・スライダー。これは滑っているうちに顔 に水がかかったりしてパニックになりがちです。最終的には1メートルくらいのプール に「ばちゃーん!」と落ちることになるんですが、落ちてもしばらくは自分が置かれた 情況に気がつかず、そのままプールの底に沈んでいるヒトというのは結構います。とく にオバサンがよく沈んでいます。こういう「沈んでいるオバサン」は、しばらくはじー っと沈んだままなんですが、5秒くらいして息苦しくなると急にアバレはじめるので、 それを契機に救出作業を実施しましょう。
 一度、わりと若いネーチャンが沈みました。20秒くらいたってもじっと沈んだ ままだったので、監視員だった私は「ギャグでもしとるんやろか?」と思って眺めてお りました。すると遠くから社員の人が走ってきて、あわてて沈んでいた女の人を救出! いやあ、死にかけてました。危ない、危ない。
 
その2:明日以降、ネタがない時に書きます。
 
 こういう「溺れている人々」というのは、そのまま放置しておくと溺死したりす るので注意が必要です。
 
今週の教訓:溺れる者は久しからず。
 
 @ さて、本日はヘイゼル・スコット。
 
へえ、いいぜ 留守、こっそり入る 空き巣かな
 
空き巣は「こっそり」が原則です。「ドロボウひげ」と「唐草模様の風呂敷の覆面 」はヤメたほうがいいです。一目で怪しまれます。あと、座敷に上がる時には靴は脱い だほうがいいですね。家の人に見つかったとき、「いやあゴメン。留守だったので勝手 に上がっちゃったよ、山田ぁ。」と言いきれば、山田さんは「知り合いだったかなぁ? 」と疑問に思いつつもヨーカンの一切れも出してくれるはずです。で、ヘイゼル・スコ ット。この人は『サンジェルマンのジャズ・メッセンジャーズ』の「モーニン」で、思 わず叫んでしまった人として広くジャズファンの間では知られております。すなわち観 客席に居合わせたヘイゼルは「モーニン」におけるティモンズのソロの最中、感きわま って「Oh Lord have mercy!」(おお神様、あわれみを!)と叫んだと。その声がレコ ードにしっかり入ってると。よってこのアルバムには「モーニン・ウィズ・ヘイゼル」 とクレジットされていると。もっぱらこのエピソードだけで知られているジャズ界の「 一発屋」ならぬ「一声女」であります。この演奏を聴いてると最初から最後まで何か騒 いでる女がいるけど、ヘイゼル、お前か?
 
 そんな女ですが、ちゃんとレコードも作ってたんですね。この『リラックスド・ ピアノ・ムーズ』というのは彼女がデビュー・レコードに吹き込んだ1枚であります。 デビューと言えばミンガスが作ったレコード会社ですね。本作もミンガス、ローチとい う恐るべきトリオとなっております。で、演奏のほうはと言うと、「リラックスしたピ アノの気分」というアルバムタイトルのとおり、たいへんリラックスしたピアノの気分 が味わえます。1曲目、「ライク・サムワン・イン・ラブ」。前半は無伴奏ソロ、後半 になってベースとドラムも入りますが、いたっておだやかです。全体的に「おしとやか なお嬢様」ムード。サンジェルマンで騒いでたのとはえらい違いや。2曲目の「ピース ・オブ・マインド」はヘイゼルのオリジナル。まるで歌物のような綺麗なメロディです 。むかついてるヒトも思わず穏やかになるような・・・。パウエル的な部分もあります が、後年のエバンスに通ずるような耽美的な1面もあります。3曲目のJ.J.の名曲「 ラメント」も以下同文。以上3曲、ヘイゼルの「猫かぶり」サイドでした。
 
 後半になると「ライブで騒ぐ女」の本性が次第に明らかになります。4曲目、「 ザ・ジープ・イズ・ジャンピン」はエリントンとホッジスの曲。アップテンポのジャン ピーなナンバー。いやあ、バップの香りがぷんぷんとしますね。スーッとする?それは シップの香り。ミンガスのベースが唸り、ローチのドラミングが冴える。ヘイゼルはパ ウエルばりの強いタッチでがんがんと弾きまくります。うーん、圧巻。ミンガスのウォ ーキング・ベースで始まる「ギット・アップ・フロム・ゼア」はヘイゼルのオリジナル 。モンク風に弾いてみました、という時のバリー・ハリスみたいな感じの演奏ですね。 ミンガスのソロの後、思わずヘイゼルは「いぇーい!」と叫んでしまっています。続く 「霧深き日」では「やぁやぁやぁ、うぅうぅうぅ」とヘイゼル節全開。ピアノのほうも なかなか面白いフレーズを使って快調にとばしております。CDでは「マウンテン・グ リーンリ」と別テイクが2曲オマケです。以上。
 
結論:騒いでいるだけのオンナではなかった。ピアノも弾けます。いやあ立派。明 日はちょっとワケがあって、一転して「超有名盤」です。お楽しみに。


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