【アルバム名】
THE TWO SIDES OF JACK WILSON (ATLANTIC)
【リーダー名】
JACK WILSON (1964/5/13)
【パーソネル】
JACK WILSON (p) LEROY VINNEGAR (b) PHILLY JOE JONES (ds)
【収 録 曲】
THE SCENE IS CLEAN / GLASS ENCLOSURE / GOOD TIME JOE /
KINTA / ONCE UPON A SUMMERTIME / SOMETIME AGO /
THE GOOD LIFE / THE END OF A LOVE AFFAIR
【内   容】
 会社の車が不調になりまして、ひさしぶりに電車通勤をいたしました。最近では 「弱冷房車」というのも目立つようになりましたね。もっとも私はギンギンに冷えてな いとダメなタイプなので、普通の冷房車に乗りましたが。そこで提案。お客様の多様な ニーズに答えるため、いろいろな車輌を作ってみたらどうでしょうか。コートを着てい ないとトリハダがたつような「超強冷房車」、ワタシ熱くないと燃えないの、という人 のための「夏でも暖房車」、ワタシ頭の皿が濡れてないと調子がでないの、という河童 のためにスプリンクラーで雨を降らしている「いつでも夕立ち車」。たまたまこの車輌 に乗ってしまった一般人は合羽を着て乗ることになりますね。
 
 マニア用に「OL痴漢電車」というのも欲しいですね。ここにはアルバイトの「 OLさん」をあらかじめ配置しておくわけです。で、お客さんからは特別料金をいただ くわけです。松・竹・梅の3タイプがあって、梅:5千円、竹:1万円、松:2万円。 梅だと1車輌に1人、竹で3人、松で8人(←根拠なし)のOLが仕込んであるわけで す。でも、1車輌に1人は辛いなぁ。要領の悪いおじさんだと47分の通勤時間中に「 ひとさわり」も出来なかったりします。小学校の時、サッカーの試合をしたんだけど結 局1回もボールにさわれんかったやないかぁ。というコドモがそのままオッサンになっ たようなタイプの人は悪いことは言わん、せめて「竹」にしなさい。
 なんてことを考えながら電車に乗っておりました。
 
 @ さて、ひさしぶりに電車で帰ったおかげで名古屋のレコード屋に寄ることが できました。いや、桑名のレコード屋ってあんまり「ええもん」売ってないもんで。ア イス饅頭屋は充実してるんですですけどね。ということでようやくアトランティック盤 のCDを何枚か手に入れたので、今日から3回シリーズでピアニストのリーダー・アル バムを紹介したいと思います。第1回はジャック・ウィルソン。ウィルソンと言えば6 0年代にBNに3枚(だったっけ?)のアルバムを残しております。うち1枚の『サム シング・パーソナル』は塩サバでも紹介しておりますね。試しにさっき覗いてみたら「 水前寺清子=チータ問題」が話題になっておりました。最近、掲示板に「水前寺清子・ 長島温泉1ヶ月出演問題」というのを書いたんですが、同じネタが『サムシング・パー ソナル』のところにも書いてありました。いや、計らずも手持ちのネタの少なさが露呈 されてしまいましたね。
 
 で、そのアルバムを聴いた限り、ウィルソンちゅうのは新しいタイプのピアニス トなんかいなと思ってたんですが(ハービーみたいな感じ)、この『ザ・トゥ・サイド ・オブ〜』というアルバムではジャクソンの違った一面、というか本性、というかルー ツのようなものを発見することが出来ます。シンプルなトリオ編成で、リロイ・ヴィネ ガーとフィリーというメンバーがいいですね。で、アルバムタイトルどおり、ウィルソ ンの2つの面にスポットをあてております。まずは「速い面」と題されたLPでいうA 面から聴いてみましょう。1曲目「ザ・シーン・イズ・クリーン」は勃○時不能論こと タッド・ダメロンの曲。油井正一センセーのご冥福をお祈りします。いかにもダメロン らしいメロディアスな曲ですね。ウィルソンのピアノもピアニスティックな魅力に溢れ ています。なんちゅうか、学究肌のケリーみたいな感じ。フィリーのドラムも素晴らし い出来です。
 
 2曲目はパウエルの「グラス・エンクロージャー」。パウエルの諸作の中でも難 曲2号として知られております。4つのパートからなる格調高い曲を本家ほどの「厳し さ」はなく、わりと「まあまあ」に弾いております。「グッド・タイム・ジョー」は自 作のブルース。音色にそれほど黒っぽさはないんだけど、ファンキーな味があります。 ヴィネガーのベースソロ、ピアノとドラムスの4バース(かな?)もビシっと決まって 、タイトルどおり「グッド・タイムだじょー。」という仕上がりになっております。4 曲目の「キンタ」もウィルソンのオリジナル。タイトルからして、つボイノリオの「キ ンタの大冒険」にインスパイアされて書いた作品であることは間違いないでしょう。で も、曲というよりは最初からアドリブでとばしているような感じで、最後はフェイドア ウトして終わっちゃいました。ちょっぴり疲れました。
 
 疲れたところで「ゆっくり面」へいきましょう。こちらはウィルソンのバラード プレイに焦点をあてています。まずはルグランの「ワンス・アポン・ア・サマータイム 」。あまりジャズ的でないイントロから始まり、50年代ジャズ的にテーマを弾き、ソ ロに入るとBN盤で聴かれたような60年代的なホリゾンタルなソロも聴かせ、ンでロ マンチックに終わります。「サムタイム・アゴー」はワルツタイムの可憐な曲。いいで す。続いて「ザ・グッド・ライフ」。これぞロマン、栗はマロン。つまんないこと書く なって。いやいや、なかなかです。最後は山本譲二に捧げられた名バラード「情事の終 わり」。イントロはパウエル風ですね。「情事」という、いやらしい響きの言葉に反し て、美しくも哀しい曲です。あまりにも山本譲二のイメージに反しているので、もしか したら山本譲二に捧げられたというのはウソではないかと。以上、よかったです。


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