- 【アルバム名】
- THAT’S HIM! (RIVERSIDE)
- 【リーダー名】
- ABBEY LINCOLN (1957/10/28)
- 【パーソネル】
- ABBEY LINCOLN (vo) KENNY DORHAM (tp) SONNY ROLLINS (ts)
- WYNTON KELLY (p) PAUL CHAMBERS (b) MAX ROACH (ds)
- 【収 録 曲】
- STRONG MAN / HAPPINESS IS JUST A THING CALLED JOE /
- MY MAN / TENDER AS A ROSE / THAT'S HIM / I MUST HAVE THAT MAN /
- PORGY / WHEN A WOMAN LOVES A MAN / CAN'T HELP LOVIN' DAT MAN /
- DON'T EXPLAIN
- 【内 容】
- 横浜オフ会ご報告の続き。第2回塩サバ・オフ会は、第1回と同じく約2名(う
ち1人は自分)という、数えきれないほどの読者の皆様に参加していただきました。ワ
ン、ツー、ワン、ツー。水前寺清子でも数えきれてるやん!さて不肖わたくしは手土産
に塩サバ原画と「塩鯖チップ」を何枚か持っていっただけなんですが、関サバ師匠は多
大なる「お宝」を下賜してくださいました。中でも最たるものがこのパンフレットでし
ょう。最初見た時には何だかよくわからず、なんやしらん、汚ねーパンフレットやなー
、なんて思いつつ眺めておりました。ところがこれ、「メッセンジャーズ初来日の時の
パンフレットである。」と聞いてびっくり。思わず「ホンモノですかぁ?」とバカな質
問をして師匠の失笑をかったほどです。「30万円くらいするかも?」なんておっしゃ
っておられましたが、もしかしたら結構「凄いモノ」なのかも?30万はともかく、3
00円くらいはするかも知れません。いやいや、貴重なモノいただきまして、本当にあ
りがとうございましたぁ♪
-
- ところでこのパンフ、中に「演奏するかもしんない曲」のリストがあるんですが
、これが笑えます。
- 「カムレインオアカムシャイン/降っても照っても」
- これはまあいいでしょう。最近では「降っても晴れても」と訳しますけどね。
- 「ペーパームーン/紙の月」
- ま、まちがってはいないけどね。ジャズ・オリジナルだって安心してはおれません
。問答無用で日本語に訳されちゃいます。まずはベニー・ゴルソン。
- 「アーユーリアル/本当かい」
- 「アロンケームベティー/ベティーがいっしょに」
- 続いてモブレー。
- 「エムアンドエム/MとM」
- わざわざ訳さなくたって!「キック・アンド・キック/蹴りそして蹴り」じゃない
んだから。ティモンズだって安泰ではいられません。
- 「ソータイアード/ああ疲れた」
- ヤル気あんのか!?最後は極め付け、レイ・ブライアントの曲です。
- 「チックアンドダンプリングス/鳥肉と団子!」
-
- @ それはさておきボーカル編。「女性ボーカルなんてカッタルイもん聴いてら
れっかよ。けっ。」という辛口の人がハウスのカレーを買う場合、やはりジャワカレー
あたりに落ち着くんじゃないかと思われます。そんな熱血硬派なヒトが何かの拍子で女
性ジャズボーカルを聴かなければならないハメに陥った場合、いったい何を聴けばいい
のか。とりあえず思いつくのはビリー・ホリデイの「奇妙な果実」ですね。リンチされ
た黒人の死体がポプラの木にぶら下がっている様を詠んだ、たいへんハッピーな歌です
。「社会派」ということではアビー・リンカーンなんかも好ましいのではないでしょう
か。
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- 「白人、金髪、美人」というキーワードで見た場合、アビーは最初の2つには該
当しません。美人かと言われると好みの問題ですが、「濃い系」の美人であることは確
かです。この『ザッツ・ヒム』というアルバムのジャケなんて、肩紐が片方はずれてる
し。黒人マニアにはたまんないですね。社会派・こむずかし系と目される彼女ですが、
本作ではロリンズ、ドーハム、ケリーといった超大物を従え、音楽的にも鑑賞に堪えう
る出来に仕上がっております。
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- 1曲目「ストロング・マン」。のっけからロリンズのず太いトーンが聴けて嬉し
くなります。ちなみにドーハム、ロリンズのソロを聴くなら6曲目の「アイ・マスト・
ハヴ・ザット・マン」が最高ですね。アビーの豪快な歌いっぷりもよろしいです。7曲
目の「ポーギー」は一転してスローなバラード。オトナの歌唱ですね。「カマトト」好
きには喜ばれないでしょう。10曲目の「ドント・エクスプレイン」はベースのソロで
始まりますが、なんとこれケリーが弾いてるらしいっす。おかげでピアノレスとなって
、ちょっと暗い出来になりました。60年代になるとアビーは「僕たち反抗しちゃうん
だもんね」になっちゃいます。楽しむなら今のうちだよん、というアルバムでした。
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