【アルバム名】
IN A MINOR GROOVE (NEW JAZZ)
【リーダー名】
DOROTHY ASHBY (1958/9/19)
【パーソネル】
DOROTHY ASHBY (harp) FRANK WESS (fl) HERMAN WRIGHT (b) ROY HAYNES (ds)
【収 録 曲】
RASCALLITY / YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO /
IT'S A MINOR THING / YESTERDAYS / BOHEMIA AFTER DARK /
TABOO / AUTUMN IN ROME / ALONE TOGETHER
【内   容】
 今、私は「相模クラブ」におります。記念に写真を1枚撮ってみましょうか。怪 奇・タタミベッドですぜ。一応ベッドの形態をしてるんですが、マットをどけると下に タタミがひいてあるという。むっちゃオシャレやん!ところで今日は、新幹線の中で原 稿書こうかと思ってたんですが、なかなか書けるもんじゃございませんね。けっこう揺 れるし、ひっきりなしに「コーヒーにサンドイッチ、弁当はいかがっすかぁ。」が来る し。隣に座った25、6の人妻風のオンナに声かけられちゃ、こんな原稿書いてる場合 じゃないっすよね。
「おひとつどうですかぁ?駅の売店で買った冷凍みかんなんですが。」
「あ、ありがとうございます。今日はどちらまで?」
「ちょっと小田原まで提灯を買いに。」
「チョーチンですかぁ。いいですね。私は横浜でオフ会がありまして。」
「まあ、蛇の目で?」
「それは“お迎え”!実は私、ジャズ関係のホームページを主催してましてねぇ。 いや、たいしたことないんですよ。1日に2万アクセスもいけばいいほうでして。今度 のオフ会も387人しか集まらないんですよ。」
「まあジャズですかぁ。私もジャズ大好きなんですよぉ。バド・パウエルの“ウン ・ポコ・ローコ”なんか最高ですよねっ。」
「ほう、パウエルですかぁ。もしよろしければ今夜、ウン・ポコについて語り合い ませんか?」
「はい、よろこんで!」
という展開を期待してたんですが、世の中そんなうまいこといくワケがありません 。実際は静岡から乗り込んできた薄汚いオッチャンに声をかけられ、「岡山から静岡ま で3時間やったぁ。世の中便利になったもんやのう。」と言うような、「そんなこたぁ 、どーでもええ!」ちゅう話につきあわされておりました。おお、ウン・ポコ好きの人 妻はいずこに?
 
 @ さて、今日はハープです。ハープなどという楽器でジャズをやろうとしてい るヒトがいます。その名もドリョシー・アショビー、いや、舌がまわらんな。さっき「 月世界」でナマ中1杯飲んだからな。この店、中華料理屋なんだけど、名前もすごいが キャッチコピーもすごい。「餃子からみつ豆まで楽しめる食堂」。楽しいなぁ、みつ豆 。忘れるといけないので割り箸の袋をガメてきました。ここで酢豚定食と生ビールを楽 しんできました。この原稿が書きあがるころには少し酔いも醒めてるだろうから正しい 名前は最後に書くとして、とりあえず聴いてみましょう。あ、ちなみにこの人は女流、 すなわち、おばさんです。
 
 1曲目「ラスカリティ」はドリョシーのオリジナル。ハープなんかでジャズやっ て、いったいどういうつもりやねん。と思っていたら、これが案外悪くないんですねー 。フランク・ウエスのフルートとのコンビネーションも抜群。アルバムのタイトル通り のマイナーでグルーブな世界に、もうアナタは彼女の虜。イチロー?それは振り子。虎 ?それは張り子。300メートル?それはグリコ。さ、2曲目いきましょう。「帰って くれれば嬉しいわ」。そんなに俺がここにいるのが嫌なのか?なかなかの名演です。
 
 3曲目の「イッツ・ア・マイナー・シング」は再びアショビーのオリジナル。哀 愁のカサブランカちっくな名曲です。フルートとハープの「絡み」が最高ですね。まだ 3曲目までしか聴いてませんが、これを本アルバムのベストに認定しましょう。残りも 「いえ、すったで伊豆」「ボヘミア・アフターダーク」「タブー」と日本人好みの曲揃 い。なんか嬉しいなぁ、「タブー」。フルートで聴くタブーもいいもんです。ロイ・ヘ ンのタイコも大活躍です。「ローマの秋」は映画「終着駅」の主題曲。ねばねばする? それは粘着液。オオサンショウウオがピンチになると体の表面から出したりします。新 田にに子の漫画「おねえちゃんと一緒」にそう書いてありました。このメロディ、日本 人にはたまらんです。
 
 ラストはバラードの「アローン・トゥゲザー」。テーマ部分の演奏など「ぞぞ気 」がするくらい綺麗です。以上「だまされたと思って買え!」ですねドロシー・アシュ ビー。


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