【アルバム名】
FACE TO FACE (BLUE NOTE)
【リーダー名】
“BABY FACE” WILLETTE (1961/1/30)
【パーソネル】
FRED JACKSON (ts) GRANT GREEN (g) "BABY FACE" WILLETTE (org)
BEN DIXON (ds)
【収 録 曲】
SWINGIN' AT SUGAR RAY'S / GOIN' DOWN / WHATEVER LOLA WANTS /
FACE TO FACE / SOMETHIN' STRANGE / HIGH 'N LOW
【内   容】
 本日は「童顔」について考えてみたいと思います。あ、それはいい考えだ。私も そう思う。それは同感。よく世間一般では「童顔の人に悪い人はいない。」なんて言い ますね。だから童顔というだけで「いい人」と思われるという利点があります。そのか わり、童顔の人がそのままおじさんになった場合、単なる「とっつぁん坊や」になって しまう恐れがありますね。鳳啓介みたいなの。「渋いおじさん」への道は閉ざされ、お 笑いに走るより他に道はありません。幸せなんだか不幸なんだか。また、世間では「童 顔の人にフケ顔の人はいない。」なんてことも言われます。これなんか結構よく当たっ てると思いますけどね。けど、よく考えたら当たり前やん!
 
 @ というわけで“ベビー・フェイス”ウィレット。この『フェイス・トゥ・フ ェイス』というアルバムのジャケ写ではそれほどでもないけど、もう1枚のリーダー作 『ストップ・アンド・リッスン』のほうを見ると、やっぱりベビーフェイスです。重い 柵ぅ?それはヘビーフェンス。上品なおばさんが足のない爬虫類を発見?それは、蛇ざ んす。オルガン・トリオの『止まって聴け』も悪くはないんだけど、こじんまりとまと まっていて、ちょっぴり地味地味。そこでだ。フレッド・ジャクソンを追加してみまし ょう。BNの『フーティン・ン・トゥーティン』というアルバムでゾウリムシ柄のシャ ツを着て頑張っていた、たいへんお洒落なテナーマンですね。やっぱオルガン・ジャズ にはコテコテ系テナーやん、ということでこの作品、一部マニアには「たまらん」出来 ばえです。横浜?それは銀蝿。いま、あの格好してる不良とかいたら確実バカにされま すよね。お前アホちゃうか?とか言われて、いじめられたりして。ああ、ツッパリは遠 くなりにけり。ちなみに「ナメ猫」ちゅうのもありましたぁ。
 
 1曲目の「シュガー・レイでスインギン」はタイトルどおりスインギンな演奏。 最初のうちはオルガンとドラムスだけですね。ソウルというより、初期のジミー・スミ スみたいなビ・バップっぽい感じですね。さすがはビーバップ・ハイスクール卒業生、 みたいな。途中からG・グリーンが入ってちょっぴりソウルっぽくなり、とどめのフレ ・ジャクでコテコテ全開となります。
 
 2曲目の「ゴーイン・ダウン」は、これぞオルガン・ジャズちゅう感じのアーシ ー極まりない演奏。サッパリ系、都会の夜の哀愁トゥナイト派はただちに「1曲とばし 」すること。濃い系好きマニアの間では、フレ・ジャクの「ぶぁぶぁぶぁぶぁぶぁ、び ぇっ!」というフレーズがもうたまらん!と評判です。
 
 3曲目の「たとえローラが欲しくても」(←合ってるのか?この訳)は本アルバ ム唯一のスタンダード。ちょっぴりコール&レスポンスしてるテーマ部がいい感じです 。吹き出したらもうとまらん、みたいなフレ・ジャクがいいですね。特にソロ最後のと ころのフレーズ。なにかの曲の引用だと思うんだけど原曲が思いだせん。童顔ウィレッ トのソロも後半おおいに盛り上がっております。
 
 4曲目のタイトル曲は極めてシンプルなつくり。やっぱりジャクソンくん大張り 切り。G・グリーンのよく歌うソロもいい。5曲目の「なんかヘンなもの」もシンプル な曲。簡潔な善玉ウィレットと、単純だけどスインギーなベン・ディクソンのドラムは 悪くない。でもここはグリーン(源氏名みどり)ですね。よく歌っております。ラスト の「高いン低い」もシンプルな曲。フレッドくん頑張ってグリーンはよく歌ってるって 、アンタ、さっきからそればっかりやん!
 
 というわけで、BNにリーダー作を2枚残してシーンから姿を消した“ベビーフ ェイス”ウィレット。一説では、顔が急に老けてしまい、“老けフェイス”に改名した などと言われていますが、たぶんウソでしょう。だって、いかにも後からとってつけた ような話なんだもん。ネタに困って。というわけで、よし今週もこれで終わったぁ♪
オルガン編は来週いっぱいくらいまで続きます。では。


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