【アルバム名】
STICK−UP! (BLUE NOTE)
【リーダー名】
BOBBY HUTCHERSON (1966/7/14)
【パーソネル】
JOE HENDERSON (ts) BOBBY HUTCHERSON (vib) McCOY TYNER (p)
HERBIE LEWIS (b) BILLY HIGGINS (ds)
【収 録 曲】
UNA MUY BONITA / 8/4 BEAT / SUMMER NIGHTS / BLACK CIRCLE /
VERSE / BLUES MIND MATTER
【内   容】
 長崎の「ごんあじ」さんからのメールの続き。そうそう、思い出した。前に書い たエルビンの話ねぇ、
 
> 中華料理屋じゃないですよぅ、JAZZのお店ですよぅ!
 
だそうです。ゴメンね。
 
> いましがた思い出したのですが、私が大学の1−2年の頃「鍋の会」をやったん です。そんで、「お魚買ってきてちょーだい!。」と、参加者の1人に頼んだところ、 ・・・鍋に入れるお魚ですよ・・・
> そやつが買ってきたのは、塩サバでした。かわいそうに罪の無い塩サバは、そや つとともに非難GO!GO!いやぁ、塩サバさんも苦労がたえませんねぇ。
 
 @ というわけでヴァイブ編。今日はボビ・ハチです。60年代ブルーノート新 主流派の御三家と言えばハービー、フレディ、ショーターでしょう。それに対し、ボビ ・ハチとジョー・ヘンは60年代ブルーノート新主流派の裏御三家と言えますね。2人 しかおらへんやん。裏御二家やん。えーとえーと、そうだ、ジェームス・スポルディン グを入れよう。ボビ・ハチとジョー・ヘンとジェー・スポね。というわけで、ハービー 入りで「処女航海」をやっている『ハプニングス』が表名盤だとすれば、ジョー・ヘン 入りの『スティック・アップ』はまさに裏名盤と言えるでしょう。もう「もろ!」みた いなぁ。「処女」に「裏」に「もろ!」。このページがヘンな検索にひっかからなけれ ばいいんですが。ああ、「ヴァイブ」までぇ。
 
 1曲目の「ウナ・ムイ・ボニータ」はオーネット・コールマンの曲。スペイン 語で「very pretty one」の事らしいです。私はスペイン語に堪能なんですが、ウナ・ ムイ・ボニータは知らんかった。知ってるの、エルニーニョとヘッススだけだし。ドー ハムの「ウナ・マス」が「one more time」だから、「ウナ」が「one」でしょう。とい うことは「うな丼いっちょう」は「ウナ、うな丼」か。この曲、BNのコンピに入って たんだけど、最初に聴いた時はなんちゅうヘンな曲やと。オーネットらしいと言えばら しいんだけど。でも何回か聴いてるうちに病みつきになっちゃいました。イントロの「 べんべけべんべけべんべべん」もいいナァ。とかくクールになりがちなボビ・ハチが、 心底楽しそうにヴァイブを叩いているのが嬉しいっす。ジョー・ヘンもノリノリです。
 
 2曲目以降はすべてボビ・ハチのオリジナル。「8/4ビート」は典型的な新主 流派サウンド。ジョー・ヘンの「うねうね」テナーがマニアにはたまらん。ボビ・ハチ とマッコイのモーダルなソロもいいですね。3曲目の「サマー・ナイツ」は、いかにも ボビ・ハチらしい「美しくて哀しい」バラード。『ハプニングス』の「ホエン・ユー・ アー・ニア」に匹敵する心にしみる「小品」ですね。と思って原文ライナー見たら、同 じようなことが書いてありました。ぎゃーじんさんも考えることは同じだでよう、みた いな。この曲はジョー・ヘン抜きだけど、それで正解ですね。
 
 4曲目の「ブラック・サークル」は、かなり斬新且つ前衛且つヒレカツ且つカツ カレー。生きた鰈は活カレイ。聴いてるだけで疲れます。5曲目の「ヴァース」はちょ っと凝ったつくりの曲。荘厳な感じのヴァースで始まり、一転してゆっくりしたテンポ のワルツになります。軽快にスイングするボビ・ハチと、途中から入ってくるジョー・ ヘンの「おさえめ」な感じのソロがいいです。全体的にハービー・ルイスのベースがい い隠し味になってますね。ラストの「ブルース・マインド・マター」はヘンな曲。それ こそオーネットあたりが書きそうな感じ。ぎくしゃくしたリズムが面白い。ソロになる と急にスムーズになるしぃ。これまた慣れると何故だかクセになりそうですね。
 
 ということで、アルバム全体を通して一本調子じゃないのがイイです。脳天気あ り、新主流派風あり、しんみりバラードあり、活カレイありだもん。ラズウェルの漫画 に出てくる新主流派好きのお釈迦様じゃないけど、「やっぱりボビ・ハチはええのう。 」という1枚でした。


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