【アルバム名】
ANOTHER OPUS (PRESTIGE)
【リーダー名】
LEM WINCHESTER (1960/6/4)
【パーソネル】
FRANK WESS (fl) LEM WINCHESTER (vib) HANK JONES (p)
EDDIE JONES (b) GUS JOHNSON (ds)
【収 録 曲】
ANOTHER OPUS / BLUES PRAYER / THE MEETIN' /
LIKE SOMEONE IN LOVE / BOTH BARRELS
【内   容】
 我が社の創立50周年記念オーストラリア旅行まであと2ヶ月となりました。い やあ、エンジン焼いたのもなんのその、うちの会社も太っ腹ですなあ。倒産寸前でヤケ になってるのかも知れんけど。さて、この件に関しまして一通の質問メールが届いてお ります。
 
> そういえば、オーストラリアって観光がメインですか?まさか、地元の金髪コン パニオンなんて呼ばないですよねぇ?
 
金髪のコンパニオン、略して「金パニオン」かぁ。うちの会社、おじさん多いから なぁ。あーんど酒癖悪いからなぁ。
「金髪呼べ、金髪!」
とか言いかねないなー。じゃ、リクエストにお答えしてお呼びましょう。
「こんばんは、武田鉄矢でーす!」
「タワケ!誰が“金八”呼べて言うた!」
 
 @ さて、レム・ウインチェスター。今日の余談は短いんです。だって近頃の僕 、真面目なんだもん。プレスティッジに何枚かリーダー作を残しているヴァイブ奏者な んだけど、今回は『アナザー・オパス』でいってみましょう。だって、ジャケットのイ ラスト書くの簡単そうなんだもん。リード・マイルスっぽいデザインですよね。いま気 がついたんだけど、これヴァイブの「バチでたたく部分」を抽象化したモンですね。こ の『アナザー・オパス』というアルバム、タイトルからもわかるように、ミルト“ただ のチョッキ着たおっさん”ジャクソンの代表作『オパス・デ・ジャズ』に挑戦したもの と言えるでしょう。フランク・ウエス、ハンク・ジョーンズ、エディ・ジョーンズとサ イドマンも3人まで同じで、むこうがチョッキならこっちは「どてら」だい!というよ うな強いライバル意識が伺われます。こういった「もうひとつのオパス」という作品を 作って、もし演奏が今ひとつだったりしたら必ず関西人にはこう言われます。
「もうひとつでおますなぁ。」
さて本作は「もうひとつのオパス」か、はたまた「もうひとつでおます。」か。結 論から申し上げます。ぼちぼちです。
 
 1曲目の「アナザー・オパス」は明らかに「オパス・デ・ファンク」を意識した 曲。ヴァイブとフルートのコンビネーションって、どうにも「ほえほえ」していて今ひ とつクールじゃないですね。どうあがいても脳天気になります。本家に比べて演奏時間 がそれほど長くないせいか、「こじんまり」とまとまった感じの演奏になっております 。2曲目の「ブルース・プレイヤー」はごっつうディープな感じのブルース。でもウイ ンチェスターのヴァイブはかなり「あっさり」とした感じ。ここらあたりが「ミルトと ボビ・ハチの橋渡し」たる所以でしょう。濁ったトーンのウエスのフルートがアーシー です。
 
 「ザ・ミーティン」はオリバー・ネルソン作の典型的なゴスペルやん、ちゅう曲 。コテコテやん、みたいな。「ライク・サムワン〜」はスタンダード、ラストの曲はウ インチェスターのオリジナルです。どの曲もボチボチでぇす。そうそう、思い出した。 レム・ウインチェスターね、この人ロシアン・ルーレットで死んじゃったそうです。そ こで考えた新しい飲み会の遊び。名付けて「牛タン・ルーレット」。牛タンゲームの「 ぎゅう」「ぱん」で手をたたくかわりにピストルを自分の頭に向けて撃つわけです。弾 を1発だけ入れたピストルを回しながらね。
A:(頭にピストルを向けながら)「ぎゅう」
B:(引き金を引く)カチッ(セーフ!)
C:「ぎゅう」
D: カチッ
E:「ぎゅう」
F: カチッ
G: ぱきゅーん!
 
2人でやると後攻は辛いですね。
「ぎゅう」「カチ」「ぎゅう」「カチ」「ぎゅう」「カチって、俺、撃つほうばっ かやん!」
でもだいじょうぶ。牛タン牛タン牛タンタン、牛タン牛タン・・・だから3発撃っ てセーフなら後はずっと先攻が撃つ番。でも「牛タンタン」の所で勢いあまって2発続 けて撃っちゃいますね、たぶん。で、それが「大当たり」で死んじゃうんです。そんな もんや、人生って。というわけで「悲劇のヴァイブ奏者」と呼ばれるわりには、ずいぶ ん脳天気な1枚でした。イラスト書いてみたら意外と面倒くさかったし。世の中、なか なかうまくいかないなぁ。


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