【アルバム名】
FONTESSA (ATLANTIC)
【リーダー名】
M.J.Q. (1956/1/22,2/14)
【パーソネル】
MILT JACKSON (vib) JOHN LEWIS (p) PERCY HEATH (b) CONNIE KAY (ds)
【収 録 曲】
VERSAILLES / ANGEL EYES / FONTESSA / OVER THE RAINBOW /
BLUESOLOGY / WILLOW WEEP FOR ME / WOODYN YOU
【内   容】
 このたび、会社で席替えが行われました。懐かしいなあ席替え。コドモ時代には人生を左右しかねな い重大な行事でしたね。ぼく目が悪いから前のほうがいいの、とか、あんた足臭いからアッチ行きなさいよ 、とか。最大の関心事はなんと言っても「好きなコの隣になれるかどうか」。エカチェリーナの隣の席を巡 って、贈賄、収賄、恫喝、懐柔、恐竜、宇宙人、河童など、ありとあらゆる権謀術数が渦巻きます。小学校 時代、クラスに必ず一人はいたよな、エカチェリーナという名前の女と夏休みが終わったら突然ケバくなっ ていたオンナと月曜日に登校してきたら性転換してオンナになっていた男と教え子を殺して逮捕されちゃた 担任。どんな学校なんだよ。で、会社の席替え。今まで、前と左斜め前と左にパソコンが置いてある吹き溜 まりみたいな「パソ際族」みたいな席だったんですよね。ところが今度は、右、右斜め前、左斜め前、右が おっさんで、目の前にコワいネーチャンというとんでもない席になってもーた。ンもう、サボリにくいじゃ ないのよー。
 
 @ ということで、しかたなく家に帰ってから書いてるこの原稿、今日から「ヴァイブ」編です。ヴ ァイブラフォンという、小学校の音楽室にあった鉄琴のような楽器です。脚がついていて、下に金属の筒の ようなのが伸びているヤツ。あの筒部分に電気仕掛けで回転する金属片が入っていて、音色に独特のヴィブ ラートがかかるようになっているんですな。ああ、薬飲む時に使うって、それはオブラート。ポンカン飴の 表面に巻いてあったりもします。で、この鉄琴。音楽会なんかではクラスの中でもわりと音楽的センスに長 けたコドモが担当する花形楽器でした。私のような音楽的センスに極めて恵まれない生徒はカスタネットと かトライアングルとかタンバリンとか鈴などという、基本的に「たたくだけー。」みたいな楽器ね。見てい るほうからも「あいつ、ただたたいとるだけやん。」という極めて低い評価しか得ることができません。一 度でいいから4本のマレットを駆使してソウルフルなソロをかまし、満場の拍手を浴びてみたかったなぁ。 片手1本でしか叩けんヤツが何を言うか。
 
 さて、「M.J.Q.」日本名「まじキュー」の略ではなくてモダン・ジャズ・カルテット。あまり ジャズに詳しくない人がこのグループの名前を見たら「どえりゃあモダン・ジャズのグループらしい名前だ ぎゃー。」と思う事でしょう。モダン・ジャズ・4人組。そのまんまやん。ところがどっこい、この「M. J.Q.」ジャズ界でもかなりクラシック色の強い、あまりジャズらしくないジャズをやるグループとして 有名なんです。そんなん詐欺やん。クラシック色が強いんなら、「T.K.S.T.K.」(Tyotto Kurasik ku Syokuno Tuyoi Karutetto)と名乗れよ!(←クラシックとカルテットは英語で書けよ!)と文句の1つ も言いたくなるが、文句も言わずにじっと耐え忍ぶ日本のオンナ、涙こらえて「未練」を編んでたりするん だよな。
 
 さて「M.J.Q.」ヴァイブ編のトップに持ってきたのはいいが、ピアノのジョン・ルイス色の強 いグループです。でもまあ、ミルト・ジャクソン聴くならまずはMJQだし。というわけで、『フォンテッ サ』。1曲目の「ヴェルサイユ」はルイスのヨーロッパ趣味がモロに出た演奏。よくわからんので直ちに2 曲目の「エンジェル・アイズ」へ行きましょう。いいなあ、これ。こういうのを「趣味がいい」って言うん だろうな。3曲目のタイトル曲はルイスのクラシックかぶれとミルトのウルシかぶれが見事に溶け合った、 いかにもMJQらしい演奏。哀しくも美しい薄幸の美少女・白血病編みたいな。同じ病気でも、痛風に苦し む肉好きのおっさん47歳とは随分イメージが違うなぁ。途中からはちょっとクラシックっぽくなって、薄 幸の美少女というより、昼下がりの有閑マダム風。夕方、新聞の配達が遅れてる?それは「夕刊まだかぁ? 」ミルトを聴くなら「ブルーソロジー」がいい。日本名「ブルース学」。日系2世か?ブルース・まなぶ。 ビスカス高林みたいな。という事を思わせる演奏です。以上。


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