【アルバム名】
SPRING (BLUE NOTE)
【リーダー名】
ANTHONY WILLIAMS (1965/8/12)
【パーソネル】
WAYNE SHORTER (ts) SAM RIVERS (ts) HERBIE HANCOCK (p)
GARY PEACOCK (b) ANTHONY WILLIAMS (ds)
【収 録 曲】
EXTRAS / ECHO / FROM BEFORE / LOVE SONG / TEE
【内   容】
 連載小説「ウニを煮ていたジョニー」(完結編)
 
 (前回までのあらすじ)文房具屋のおやじは「親父のウニ」を歌った。
 
 いや、この連載もいいかげんヤメたくなってきたなぁ。ウニ。塩漬けにしたほう は雲丹。これ、ぜったいに読めんよな。普通に考えれば「くもたん」だもん。生きてる ほうは海胆か。これは「うみたん」ですね。あ、海栗という書きかたもあるのか。こっ ちのほうがいかにも「ウニ!」って感じですよね。そうそう、前回出てきた「きょく皮 動物」というのは「棘皮」って書くようです。トゲ皮どうぶつー。
 
「ぎゃーじんさんよう。そんなにウニが食べたいんだったら長崎へ行きゃーせ。」
「え?長崎?そこへ行けば新鮮なウニが食べられるのか?」
「ウニはにゃあけどよう。カステラならたーんと売っとるで。」
全然意味ないやん!この文房具屋のおやじ、タワケちゃうんか。
「ありがとう、親父。恩にきるぜ。」
恩にきるなって!
「達者でのう。」
こうしてジョニーは長崎でちゃんぽん食べて、幸せに暮らしたというとです。
 
   (完)
 
 @ さて、アンソニー・ウイリアムス。え、これで「ジョニー」終わりなの?オ チも教訓も感動もなんにもないやん。それどころか意味なしやん。法一?それは耳なし 。耳なし法一で思い出した。「のっぺらぼう」の話。ある日、ある男が「のっぺらぼう になって道ゆく人を驚かそう。」と、大変くだらないことを考えるわけです。で、滝に うたれて修業したりして、ついに念願の「のっぺらぼう」になったわけです。で、「の っぺらぼう」になった瞬間、男はある事実に気がついて愕然として心の中で叫びます。
「あかんやん!のっぺらぼうって鼻も口もないから息が出来んやん!」
で、そのまま窒息死するという。今週の教訓、
 「のっぺらぼうになるのも命懸け」
 
 さて、トニー。この『スプリング』というアルバムのリーダー名はアンソニー・ ウイリアムスとクレジットされていますが、一般にはトニー・ウイリアムスとして知ら れています。あの60年代マイルス・黄金のクインテットで活躍したトニー。弱冠18 歳でデビューしたボストンの神童。18歳の時に少し太った豚を飼育することに強く心 を動かされたぁ?それは、若干18歳でデブになった養豚の感動。ああ、豚を育てるっ て素晴らしい!
 
 で、この『スプリング』、サイドマンが素晴らしいですね。わけのわからんサム ・リバースは置いといて、ショーターにハンコックだもん。ベースはゲイリー・ピーコ ック、略してゲリ・ピー。もう、かき氷でもトンカツでも豚の角煮でも何でもこい!み たいな感じ。で、メンバーの豪華さとジャケットのイラスト書くの簡単さに思わず買っ てしまったのだが、中身はワケわかんなくて心の底から後悔、という1枚でありました 。ダメージ少なくするために4曲目の「ラブ・ソング」から聴きましょう。「愛の歌」 。いいですねえ。ヘイみんな、心に愛を持っているかーい?このアルバムの中で唯一「 曲」らしい曲ですね。トニーのドラムとゲリ・ピーのベースをバックにショーターがソ ング・ライクなテーマを吹き、そこにハービーが絡んで、そのままショーターのソロに 突入する。かなりイッツちゃってますね、これ。ソロ2番手はハービー。「ハービーは 客演ものを狙え」という符丁があるらしいが、ここでのハービーは素晴らしく凄い。こ れを聴くだけでもこのアルバムを買う価値はある、かないかは個人の判断です。自分の ことは自分で決めようよ、みんなもうオトナなんだもん。
 
 あとの曲はワケわかりません。「エクストラス」はハービー抜きの演奏。ショー ターが「じゃ、まずエクストラスからいこうか。ハビ抜きでね。」などと注文して、ト ニーが「あいよっ。」って答えてる姿が目に浮かぶようです。ゲリ・ピーも大活躍。だ いじょうぶか?トイレいかなくても。テナーのオーダーはショーター、リバースでしょ う。2曲目の「エコー」は一人太鼓。ひとり太鼓と呼ばないで〜♪と中島みゆきも歌っ ていたな。歌ってねーよ。3曲目「フロム・ビフォー」。あ、このハービーもいい。結 論。ハービーを聴く1枚ですね、これは。


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