- 【アルバム名】
- POLY−CURRENTS (BLUE NOTE)
- 【リーダー名】
- ELVIN JONES (1969/9/26)
- 【パーソネル】
- GEORGE COLEMAN (ts) JOE FARRELL (ts,b-fl,fl,eng-h) PEPPER ADAMS (bs)
- WILBUR LITTLE (b) ELVIN JONES (ds) CANDIDO CAMERO (conga) FRED TOMPKINS (fl)
- 【収 録 曲】
- AGENDA / AGAPPE LOVE / MR.JONES / YES / WHEW
- 【内 容】
- 連載小説「ウニを煮ていたジョニー」(2)
-
- 「駄目だ。こんなものはウニなんかじゃない!」
- ジョニーは雑貨屋の店先でいまいましげにつぶやいた。そらそうや。アンタがいま手にしてるのは亀の
こダワシだもん。ジョニーはトゲトゲしてるものはなんでもウニなんじゃないかと思っていた。仕方ないよ
ね、外人さんなんだもん。
- 「亀の甲より年の功!」
- そのくせ、ヘンなことわざ知ってたりするけど。ジョニーは雑貨屋を後にして、文房具屋へと向かった
。魚屋へ行けよ!
- 「けどあれ、魚ちゃうやん。きょく皮動物・ウニ類やん。」
- しかも屁理屈こねるしぃ。
- 「生きてるウニが“海胆”。卵巣を塩漬けにした食品が“雲丹”。」
- 外人さんはそんなこと知らないでいいのっ!
- 「おっちゃん、ウニあるぅ?」
- 「ぎゃーじんさんよう。ここは文房具屋だぎゃ。ウニはよー、」
- 「ウニは?」
- 「ウニはヨー、ウニはヨ、でっかいウニはヨー♪」
- 歌っとる場合か!
- (次回に続く)
-
- @ さてエルビン。その昔、このコーナーでエルビンについて書いたところ、
- > エルビンは何年か前に長崎に住んでいましたぁ。
- というような情報をいただきました。中華料理屋(だったっけ?)かなんかをやっ
てたそうです。エルビンって日本人と結婚してたからねぇ。この『ポリ・カレンツ』と
いうアルバムのジャケットに写ってるの
がそうだと思うけど。いかにも「九州オンナ!」って顔してるから、あるいは長崎出身
なのかも知れん。名前は「ケイコ」でえす。でも店は潰れちゃって、エルビンも消息不
明。地元では「夜逃げしたのでは?」と
噂されているそうです。
-
- さて、のっけから明るい話題で気分がハッピーになったところで『ポリ・カレン
ツ』。略してポリ・カレ。エルビンらしいピアノレスの2テナー編成。ジョージ・コー
ルマンとジョー・ファレルときたか。ペ
ッパー・アダムスのバリサクも入ってますね。ばりばり豊作?いや、バリトンサックス
。キャンディドのコンガも入っております。
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- 1曲目「アジェンダ」。ファレルはこれ、イングリッシュ・ホルンかな。英語の
ホルンというと、やっぱり「アイ・アム・ア・ホルン」みたいな感じぃ?エルビンとキ
ャンディドが刻むポリリズムがとっても
ポリンキー。ペッパー・アダムスのワイルドなバリサクもいいなあ。ばりばり不作?い
や、バリトンサックス。途中からは完全にドラムスとコンガの「2人だけの世界」にな
っちゃいます。
-
- 2曲目「アガペー・ラブ」。神の愛をひしひしと感じますなぁ。ファレルはフル
ート。ジョージ・コールマンのテナーが、なんか思索的なムード。神の愛は荘厳だけど
ヒマだ。という演奏です。
-
- 「ミスター・ジョーンズ」はケイコさんの作。あ、福岡の出身だ。エルビンが「
極東ツアー」で知り合ったんだって。極道ツアーじゃなくって。「彼女はファインなク
ラシックのピアニストであると共に、クレイジーなコックでもあるんだ。」なんて記述
がありますね。曲自体はシンプルで、サックスのユニゾンで
テーマが演奏される。ソロ1番手はファレルかな。ここではテナーを吹きます。このソ
ロ、かなりイイですね。2番手はアダムスのバリサク。ばりばり二毛作?いや、バリト
ンサックス。(←しつこい。)このソロ
もイイですね。この演奏を当アルバムの一押しとしましょう。
- 「イエス」はこの曲にだけ参加しているフルートのフレッド・トンプキンスの曲
。ファレルがバス・フルートで絡みます。ラストの「ホェウ」(?)はベースのウィル
バー・リトルの曲。このテナー・ソロは
かなりイッちゃってます。ソロの順番はよくわからんけど。リトルの地味なベース・ソ
ロも地味に頑張ってますね。
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- アルバム全体を通して、やっぱりエルビンって凄い!でも中華料理屋、潰れちゃ
ったのね。夜逃げしちゃったのね。ウチの隣の家も、夜逃げしちゃったのね。20年く
らい前に。ということを思い出させる1
枚でした
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