【アルバム名】
TAKIN’ CARE OF BUSINESS (JAZZLAND)
【リーダー名】
CHARLIE ROUSE (1960/5/11)
【パーソネル】
BLUE MITCHELL (tp) CHARLIE ROUSE (ts) WALTER BISHOP (p)
EARL MAY (b) ART TAYLOR (ds)
【収 録 曲】
BLUE FAROUQ / "204" / UPPTANKT / WIERDO /
PRETTY STRANGE / THEY DIDN'T BELIEVE ME
【内   容】
 今ふと、いい事を思いつきました。これを読んでくださっている皆様がですね、 この塩サバ通信のジャズのコーナーをプリントアウトするわけです。それでその紙を持 ってですね、タワーレコードへ行くわけです。HMVでもヤマギワでも石丸デンキでも シェトワ白揚でも山田屋レコードでもいいんですが。で、店員に聞くわけです。「ラウ ズの『テイキン・ケア』あるぅ?塩サバに載ってたんだけどさあ。」すると店員は、「 は?塩サバですか?」と言いますよね。そこで「え、知らないの?ネットだよネット。 あんたもさあ、こういう店で働いているんなら塩サバぐらいチェック入れときなさいよ 。」なんて言いながら塩サバのコピーを渡すわけです。余白にはちゃんとURLを書い ときましょうね。店員は家に帰ると早速アクセスし、思わず感動して貰い泣きなんかを しながら、次の日、店長に進言するわけです。「店長!うちに塩サバ・コーナーを作り ましょう!」こうして店の一画には私の書いた解説文付きで塩サバ・コーナーが設置さ れることになるのです。そして有名になった私の元へは、東芝EMIからブルーノート のCDのライナーノートの依頼が、スイングジャーナルからは連載の依頼が…。すまん 、塩サバの読者よ。もう私は君たちだけのものじゃないんだよ。もうHPなど書いてい るヒマはないんだ。そんな慢心した私のもとへ1通のメールが。「帰ってきて!私のい なばサマ!」そのひたむきで純真な心に感動した私は、金も地位も名誉も捨て、再び君 の元へ帰って来たのだ。そして2人堅くって、いつまでやっとんねん。今日の原稿、半 分ぐらい潰れたがな。そういうわけで今回はチャーリー・ラウズ。ラウズは日本ではあ まり人気がありません。ああ、チャーリー・ラウズってブラウニーやローチと演ってた 人でしょ?と、ハロルド・ランドと混同されたりしています。ただ活動拠点がニューヨ ークなので、ランドよりは地名度ありますね。ブルーノートにリーダー作あるし。『ボ サノバ・バッカナル』というの。『ボサノバ・馬鹿になる』じゃなくて。ソニー・クラ ークの『リーピン・アンド・ローピン』にも入ってるし。モンクとずーっと一緒にやっ てたし。立派なもんじゃないか。しかしラウズで原稿書こうとすると、前半の半分くら いはどうでもいい事を書かないとA4サイズ1枚は至難の技ですね。にもかかわらず、 私は無駄な話は一切なしで、ここまでラウズについて語ってきました。花のない素材で 規定の分量をこなす。これぞ物書きのプロと言えるのではないでしょうか。というわけ で、そろそろ本題に入っても大丈夫ですかね。『テイキン・ケア・オブ・ビジネス』。 ジャズランド盤です。ジャズランドはリバーサイドの傍系レーベルと言える存在で、プ ロデューサーもリバーサイドと同じオリン・キープニュースです。隠れ名盤がけっこう あるので要チェック・レーベルですね。この『テイキン・ケア〜』もラウズ、ブルー・ ミッチェル、ウォルター・ビショップと、なかなか気になるメンバーを取り揃えてます 。しかしまあ、全体的な印象は地味ですね。じっくり聴けばそれなりやけど、ぱっと聴 いた限りでは今ひとつアピールするもんがありません。これをほめるとすれば、「通好 みな作品」とでも言うのでしょうか。1曲目の「ブルー・ファロク」はよくある感じの ブルース。3曲目の「アップタンクト」はちょっと派手。4曲目の「ワイアード」はケ ニー・ドリューの曲で、リバーサイドのトリオにも入ってます。これが一般受けしそう ですね。ビショップがいい仕事してます。目に力があります。ラウズのプレイではバラ ードの「プリティ・ストレンジ」が結構泣けます。なんだ。あんがい悪くないじゃねー の。というのが今回の結論です。


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