【アルバム名】
HAROLD IN THE LAND OF JAZZ (CONTEMPORARY)
【リーダー名】
HAROLD LAND (1958/1/13,14)
【パーソネル】
ROLF ERICSON (tp) HAROLD LAND (ts) CARL PERKINS (p)
LEROY VINNEGAR (b) FRANK BUTLER (ds)
【収 録 曲】
SPEAK LOW / DELIRIUM / YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS /
NIETA / GROOVEYARD / LYDIA'S LAMENT / SMACK UP / PROMISED LAND
【内   容】
 師走ですねえ。御用聞きの挨拶ぅ?それはちわっす。ぼかあ、しわすだなあ。そ れはしあわせ。加山雄三の「君といつまでも」ですね。よく加山雄三が登場するので不 思議に思っている人もいるでしょうが、種を明かすと実は私、加山雄三なんです。うそ つけ。実は私、学生時代に長島温泉のジャンボ海水プールで監視員のアルバイトをして いたのですが、そこでは営業終了30分前になると、なぜか必ず「加山雄三ベスト」が 流れたのです。で、社会人になった時、ジャズしか聴いてないもんでカラオケの時に困 り、しかたなく加山雄三歌ったんですよ。「旅人よ」とか。さすがに「君といつまでも 」は歌えませんね、恥ずかしくて。さて、そんなわけでハロルド・ランド。なんか楽し そうな名前ですね。週末はハロルド・ランドでらんらららん、とか。あ、今のボク、ち ょっとコピーライターみたい。しかし日本では名前が楽しそうだからと言って人気が出 るといったこともないみたいで(それはそうだ)、日本での人気は今ひとつといったと ころです。ああ、ハロルド・ランドってモンクと演ってた人でしょ?と、チャーリー・ ラウズと混同されたりしています。そんなことじゃ、困るじゃ、あーりませんか。(← それはチャーリー浜。)ハロルド・ランドはですね、ブラウン=ローチ・クインテット にいた人です。考えて見れば立派な経歴ですね。『イン・コンサート』にも『クリフォ ード・ブラウン・アンド・マックス・ローチ』にも『スタディ・イン・ブラウン』にも 入ってるんだもの。個人的にはブラロー5(ブラウン=ローチ・クインテットの略称) は後任のロリンズ入りのものよりもハロルド・ランド入りのほうが好きです。ランドの 乾いたトーンがこのグループの持つスピード感にはよくマッチしてました。そこでラン ドのリーダー作を1枚。コンテンポラリー盤です。ハードバップ及びファンキー系のジ ャズと言えば、どうしてもブルーノートやプレスティッジ、リバーサイド(そういえば カラオケで井上陽水の「リバーサイド・ホテル」も歌います)などの東海岸のレーベル に目を奪われがちですが、ところがどっこい、えいやっと、あらよっと、うんしょっと 、ほらよっと、いつまで掛け声かけとるねん。ところがどっこい、コンテンポラリーに も隠れたハードバップ名盤があるんですね。西海岸の黒人ジャズというヤツですね。派 手な人気者こそいませんが、地味にこっそりと、それでいて目立たないジャズをひっそ りとやってます。ハンプトン・ホーズなんかはかなりメジャーですが、ほかにも本作の ハロルド・ランド、ピアノのカール・パーキンス、ベースのリロイ・ヴィネガーやカー ティス・カウンスなどがいます。今回紹介する『ハロルド・イン・ザ・ランド・オブ・ ジャズ』にはランド、カール・パーキンス、リロイ・ヴィネガーの3人が顔をそろえて います。そういうアルバムをわざわざ選んだんだから当然ですが。ロルフ・エリクソン という、あまりよくわからぬトランペッターも入ってます。こうしてパーソネルを見て いても、なんか地味ですね。人気がでないのもわかるような気がする。という人はこの アルバムの4曲目、「ニエタ」を聴きましょう。おでんがよく、それは煮えた。ラテン タッチの楽しい曲です。ブラロー5時代を思わせるランドのソロもいい。でもこれ、エ ルモ・ホープの曲やん。ホープって東海岸派やし、という人には5曲目のランドのオリ ジナル、「グルーヴ・ヤード」を。まさにグルーヴィー。自動車事故で夭折することに なるカール・パーキンスもいい。どうでっか?少しは西海岸の黒人ジャズに対する偏見 も薄れましたか。しかし何ですかね、ジャケットの「巨大トンガリコーン」みたいな物 体は。


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