【アルバム名】
A SWINGIN’ AFFAIR (BLUE NOTE)
【リーダー名】
DEXTER GORDON (1962/8/29)
【パーソネル】
DEXTER GORDON (ts) SONNY CLARK (p) BUTCH WARREN (b) BILLY HIGGINS (ds)
【収 録 曲】
SOY CALIFA / DON'T EXPLAIN / YOU STEPPED OUT OF A DREAM /
THE BACKBONE / UNTIL THE REAL THING COMES ALONG / McSPLIVENS
【内   容】
(前回から続いている)いいアルバムです。終わり。あ、いかん。前回番外編を入 れたら話が続かなくなっている。(続く)で終わった『ストレート・アヘッド』の続き でした。さて健康診断の結果、これ以上尿酸値が増えると痛風になるぞ、と言われまし た。痛風。むっちゃオシャレや。若々しいし。病弱な薄幸の美少年ちゅう感じやな。も し痛風になったとしたら、このホームページも「痛風通信」と改名しましょうね。さて 、今回はデクスター・ゴードン。通称デックス。またの名をロング・トール・デクスタ ー。日本語に訳すとノッポさんデクスター。ゴンタくんの相方か。デックスと言えば映 画『ラウンド・ミッドナイト』での名演技が印象深いですね。ハービー・ハンコック、 ボビー・ハッチャーソンなんかも生出演していて、ジャズ・ファンは必見です。この映 画でデックスはアル中でヘロヘロのジャズ・テナー奏者に扮していますが、地もこんな もんだったそうです。テナー吹いてなけりゃ、ただの人生捨てたオッサン。ひとつ間違 えば若宮大通りの「冒険とりで」ですね。話題が古くて、しかもローカルなので名古屋 人以外はわからんと思いますが。しかし彼にはテナーがあった。パーカーとも共演した ことがあるという、モダン・テナーの開祖とでも言うべき存在です。が、日本ではロリ ンズやコルトレーンに比べると評価が低いですね。50年代にクスリのカジり過ぎで、 ほとんど死にかけていたからなあ。トローチをなめていると我慢できなくなって、思わ ず途中で噛みくだいてしまうタイプだな、きっと。そんで、もう一粒なめようとして、 お母さんに叱られるんだよな、必ず。デックスの子供時代が目に浮かぶようです。幼稚 園の頃に飲んでいたカンユ・ドロップもうまかったなあ。糖衣錠も好きだった。甘くて おいしいのでそのままなめていたら、いきなりものすごーく苦くなって、子供心にもせ つない思いをしたものです。そんなわけでデックス。よく名盤ガイドに登場するのが『 アワ・マン・イン・パリ』。ヨーロッパに活動拠点を移したデックスが、パリで活動し ていたバド・パウエルと共演した再会セッションです。映画『ラウンド・ミッドナイト 』は、パリ時代のパウエルをモデルにしたものです。ただピアニストが主人公では地味 なので、テナー奏者ということにしたそうです。で、この『アワ・マン・イン・パリ』 。デックスらしからぬ緊張感の漂った演奏になっています。個人的には『ゴー』のほう が好きですね。このアルバムの冒頭「チーズ・ケイク」を聴いて、私はいっぺんにデッ クスのファンになりました。で、この『ア・スインギン・アフェア』は『ゴー』の2日 後に同じメンバーで吹き込まれたものです。ソニー・クラークの参加が嬉しいですね。 1曲目の「ソイ・キャリファ」は、いきなり「そえー、かぁりーふぁーっ」という脳天 気な声ではじまります。「まん、てーかっ」といい、「うなー、まぁーすっ」(ケニー ・ドーハム)といい、人はどうしてラテン曲というと叫んでしまうのでしょうか。まぬ けな曲調がとってもデックスらしいです。2曲目の「ドント・エクスプレイン」がこの アルバムのハイライト。私、サックスの音に弱いの。という人はこの演奏を聴いて下さ い。聴いてメロメロになってください。やっぱ、楽器で口説くならテナーやね。と思っ てしまいます。いよーっ、ぽん。ぽんぽんぽんぽんぽん。鼓で口説けるか?この2曲が ベストで、残りは普通。トータルの出来はやっぱり『ゴー』ですかねえ。しかし「ドン ト・エクスプレイン」だけでも聴く価値はあるアルバムだと思います。


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