- 【アルバム名】
- WIND OF THE AGES (VERVE)
- 【リーダー名】
- YOSUKE YAMASHITA (1997)
- 【パーソネル】
- RAVI COLTRANE (ts) YOSUKE YAMASHITA (p)
- CECIL McBEE (b) PHEEROAN AKLAFF (ds)
- 【収 録 曲】
- FOR DAVID'S SAKE / 10TH THEME / J.G.BIRD / DOUBLE SIDES /
- FUGA DE LA LIBERATION / BRICK BUSTERS /
- MY ONE AND ONLY LOVE / MY FAVORITE THINGS
- 【内 容】
- 今回は番外編です。はーーーっ、会津番外編は宝の山よーっとくらあ。(←酔っ
ているのか?)金曜日にシェトワ白揚で仕入れてきた山下洋輔の新作です。私は基本的
に日本人物、90年代物は買わないという偏見に満ち溢れまくった、非常にグローバル
でない生活態度の持ち主なんですが、最近の山下洋輔はよく聴きます。もともとジャズ
を聴くきっかけがヨースケですからね、私の場合。と言っても音楽から入ったわけでは
なく、『ピアニストを笑え!』などのエッセイのファンになりました。ヤマシタ・ヨー
スケと言うのは、絵が上手でランニング着て放浪しているちょっと頭がピヨピヨな大将
ですね。それはキヨシです。雨は夜更け過ぎにー。それはタツロー。うりゃあ。それは
柔道のヤマシタ。ちなみに相手を投げた時の掛け声。ゲンコツや肘討ち、頭突きなどを
駆使してピアノの弦をたたき切るのを得意技とするのがヨースケです。『グガン』とか
『クレイ』とか持ってますが、まあわけのわからんこと。ほとんどイッちゃってますね
。ところが最近、年をとって人間が円くなったのか、若かりし頃のアヤマチを懺悔した
のか、随分とオーソドックスなスタイルに落ち着いてきました。セシル・マクビーやフ
ェローン・アクラフと組んだ「ニューヨーク・トリオ」のアルバムはどれもいいです。
『プレイズ・ガーシュイン』は、その名のとおりガーシュインの作品集。1曲だけハマ
ースタインの「マイ・フェイバリット・シングス」が入ってますが。その「マイ・フェ
イバリット〜」の斬新なアレンジがいい。「愛するポーギー」は泣けます。顔に似合わ
ずロマンチストなんだよな、ヨースケ。「イット・エイント・ネセサリリー・ソー」も
いい。「いつもそうとは限らない」なんて邦題もありますが、最後の「SO」が「そう
」なんでしょうか、やっぱり。『サクラ』は日本の童謡をジャズ化した作品。昔からの
ヨースケの得意技ですね。決してウケ狙いでなく、立派なジャズになってます。5−7
−5のリズムで作った「ハイク」なんてオリジナルもありますが。古池や、カワズとび
こむ水の音、ですね。この曲にあう俳句は。リー・モーガンも演奏していた「月の砂漠
」がいい。とても日本の童謡とは思えんエキゾチックな曲調であります。『クルディッ
シュ・ダンス』はゲストにテナーのジョー・ロバーノが参加。顔でかいよな、ロバーノ
って。このアルバムのタイトル曲は近年のヨースケの最高傑作でしょう。モーダルな感
じの、ちょっと新主流派っぽい曲です。「ブルックリン・エキスプレス」の徐々に盛り
上がっていく感じもいい。で、ようやく本題の『ウインド・オブ・ジ・エイジ』。ゲス
ト参加はラヴィ・コルトレーン。あのジョン・コルトレーンの息子がこんなに大きくな
ってるんだもんな。年とるはずだよなあ。って、自分はコルトレーンが死んだ翌年の生
まれやけど。これ読んだ人はもっと中年だと思っていたみたいやけど。(ギャクのセン
スが…というメールをもらいました。)さてこのアルバム、ざっと聴いた限りでは「J
.G.バード」がよかった。筒井康隆の小説「邪眼鳥」の事だと。読んでないな、それ
。「農協月へ行く」は読んだけど。「ダブル・サイド」もいい。「フーガ・デ・ラ・リ
ベレーション」ではマクビーが、「ブリック・バスターズ」ではアクラフがフィーチャ
ーされます。「ブリック〜」では先祖返りして、かなりイッちゃってます。「マイ・ワ
ン・アンド・オンリー・ラブ」は有名なスタンダード。ラヴィのテナーがコルトレーン
。そのコルトレーンゆかりの「マイ・フェイバリット〜」で、ラヴィはソプラノではな
く、あえてテナーを吹いてます。反抗したい年頃なんでしょう。
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