【アルバム名】
STRAIGHT AHEAD (XANADO)
【リーダー名】
J.R.MONTEROSE (1959/11/24)
【パーソネル】
J.R.MONTEROSE (ts) TOMMY FLANAGAN (p) JIMMY GARRISON (b)
PETE LA ROCA (ds)
【収 録 曲】
STRAIGHT AHEAD / VIOLETS FOR YOUR FURS / CHAFIC /
I REMEMBER CLIFFORD / GREEN STREET SCENE / YOU KNOW THAT / SHORT BRIDGE
【内   容】
 マイナーな人でも日本人のジャズ・ファンに認知される方法、というのがありま す。その1。ブルーノートからリーダー作を出すこと。東芝EMIが問答無用でCD化 してくれます。そしてまた、全然知らん人のアルバムでも「BN盤やから」というだけ の理由で買っていく人がいるんですね。サイドマンにリー・モーガンとかソニー・クラ ークなどの人気者を入れておけば効果倍増です。その2として、反対に有名なアルバム にサイドマンとして参加するのも有効です。なんか知らん人が入っとるけど、まあええ かあ。と、CDを買ってもらえます。つまらないHPをみんなに見てもらう方法、とい うのもないもんですかねえ。その1、ありとあらゆる検索エンジンに登録する。その2 、モノでつる。塩サバ通信はすでに第2段階まで来てますね。最後の手段はスケベ物に 走るしかない。「走るスケベ通信」とか。
 さて、健全なる塩サバ通信が今回お届けするのはJ.R.モンテローズ。この人 はさっき書いた2つの条件を見事にクリアしてます。いや、スケベに走るほうではなく 、ブルーノートのリーダー作と有名盤のサイドマンのほう。それはまあ、長い人生の間 にはスケベに走ったこともあるでしょうが。まずはBN盤。その名もそのまんまな『J .R.モンテローズ』というアルバムがあります。1500番台です。安心です。さす がの東芝EMIも4200番台以降はアンケートとっていたもんな。ホレス・シルバー やフィリー・ジョーも参加していて、これでもう老後まで安心です。続いて有名盤のサ イドマン参加。これはもう、チャールス・ミンガスの『直立猿人』で決まりです。ピテ カントロプス・エレクトゥス。シナントロプス・ペキネンシス(北京原人)のほうが笑 いがとれますが、まあよしとしましょう。三ヶ日人よりはマシやし。この作品のおかげ でモンテローズはメジャーになれたと言えるでしょう。さて、J.R.モンテローズ。 日本名、旧国鉄・門手薔薇。それにしても国鉄がJRになった時、なんじゃこの名前は 、と思いましたが、今ではすっかり違和感がなくなりました。同様に「E電」も完全に 国民の間に溶け込みましたよね。中年と老年の間の実年なんてのもあったなあ。ジャズ の用語では新伝承派とか。そんなわけで『ストレート・アヘッド』。モンテローズの代 表作と言えばこれをあげる人が多いですね。私の持っているCDでは寺島のヤッくんが ライナー書いてます。「取りたての魚を包丁で輪切りにしてゆくようなブツブツと短く 切れるフレーズ」なんて書いてます。さすがヤッくん。素晴らしい比喩です。こういう 人がいる限り、日本のジャズ喫茶のオヤジ界は安泰です。自分なら思いついても、せい ぜい「茹ですぎたウドンのようにブツブツと短く切れるフレーズ」だもんな。全体的に はロリンズの影響が強いんだろうけど、確かにフレーズがぶつ切りです。特にタイトル 曲などテーマ自体がぶつ切りだ。アドリブに入るとそうでもないんだけど。後半はテナ ーとドラムスの8小節交換→4小節交換→2小節交換→1小節交換。最後の1小節交換 なんか、ぺれれー、どんどんどん、ぺれれれ、どどどどん、という世界だもんな。斬新 だけど、わけわかんねー。こういう変態曲の後には、しみじみとバラードいきましょう 。「コートにすみれを」。コルトレーンの演奏が有名だが、ここでのモンテローズも悪 くない。しみじみ。3曲目の「チャフィック」はワルツ曲。チャフィックというのはモ ンテローズが飼っていた犬の名前だと。センス悪すぎ。犬の名前ならラッシーかパトラ ッシュだろ、普通。というわけで、(次回に続く)


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