【アルバム名】
SONNY ROLLINS PLUS FOUR (PRESTIGE)
【リーダー名】
SONNY ROLLINS (1956/3/22)
【パーソネル】
CLIFFORD BROWN (tp) SONNY ROLLINS (ts) RICHIE POWELL (p)
GEORGE MORROW (b) MAX ROACH (ds)
【収 録 曲】
VALSE HOT / KISS AND RUN / I FEEL A SONG COMIN' ON /
COUNT YOUR BLESSINGS / PENT-UP HOUSE
【内   容】
 ただ今、「塩サバ2号」のアメリカ土産のビーフジャーキーを齧りながら本項を 執筆しております。その名も「ヤンキー・ジャック」。噛みしめるとしみじみヤンキー の味がしますね。さて、今回からテナー編。こんなペースで果たして150回まで持つ のでしょうか。大丈夫です。一巡したらまたピアニストに戻る予定になっています。き っとなんとかなるでしょう。
 さて、テナー編の記念すべきトップ・バッターはソニー・ロリンズ。無難ですね 。ロリンズと言えば『サキソフォン・コロッサス』という事で世間の評価は一致してい ます。試しに、infoseekで検索してみたら「SAXOPONE COLOSSUS」 は34件あ りました。ちなみに「MOANIN'」 は21件、「SOMETHIN' ELSE」は100件もありまし た。関係ないのもかなり混ざってますが。(大西順子関連が多かった。)「フィジーに おいで」も3件ありました。加山雄三のオフィシャル・ホームページだって。思わず見 てしまいました。誰が見るんだ、こんなの。(俺か。)さて、この「jazz gia nt」というコーナーを開設するにあたって最初に考えたのは、「サキ・コロが出てく るようなガイドにするのはやめよう。」という事でした。名盤・名演ガイドの類いに出 てくるアルバムってたいてい決まってるもん。そこで、ちょっとひねったアルバムを選 ぶよう、日々精進しているわけです。食べるのも毎日精進料理ばかりですし。(ビーフ ジャーキーは精進料理か?)そこで私が選んだロリンズの1枚はこれです。『ソニー・ ロリンズ・プラス・フォー』。能のないタイトル、なんも考えてないジャケット、これ ぞ地味なロリンズ(略してジミンズ)の極みです。しかし、メンバーに着目してみまし ょう。そうです。これはロリンズ名義になってますが、「ブラウン=ローチ・クインテ ット」そのままなのです。ついでに録音年月日にも着目してみましょう。1956年3 月22日。イクゴロサンニィニの日?なんの日や、それは。ブラウニーが事故死する3 ヶ月ほど前ですね。正式な録音としてはブラウン=ローチの最終作にあたるわけです。 個人的にはブラウン=ローチはロリンズ入りよりも前任のハロルド・ランド入りのほう が好きなんですが、本作のデキは悪くないっすね。1曲目「ヴァルス・ホット」、日本 名「熱いワルツ」。普通のジャズはズンチャズンチャの4ビート(4/4拍子)なんで すが、ズンチャッチャのワルツ(3/4拍子)でもスイング出来ることを世に知らしめ たロリンズのオリジナルです。ロリンズ豪快、ブラウン軽快、こりゃまた瀬戸内海。ブ ラウニーのソロってミディアム・テンポが一番おいしいですよね。2曲目の「キス・ア ンド・ラン」はミディアム・ファストの演奏。ブラウニーのソロってミディアム・ファ ストが一番おいしいですよね。ロリンズのソロもドライブ感があっていい。リッチー・ パウエルは兄のバドに似ず、訥々の訥弁スタイル。これを「味がある」とみるか、「た だのヘタ」とみるか、評価の別れるところです。この評価によってリッチー君の今後の 将来が変わってきますからね。まあ、この3ヶ月に事故で死ぬんですけど。ロリンズ聴 くなら「眠れぬ夜は」。眠れぬ夜は羊の数を数えたりラリハイを齧ったりするといいで す。この曲だけブラウニー抜きでロリンズの歌心が満喫できます。ラストの「ペント・ アップ・ハウス」もいい。ブラウニーのソロが歌いまくり。ロリンズも25歳にして既 に若年寄の貫禄があります。ちなみに『サキ・コロ』吹き込みはこの3ヶ月後、ブラウ ニー事故死の4日前のことであります。


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