【アルバム名】
OUT OF THE BLUE (BLUENOTE)
【リーダー名】
SONNY RED (1959,1960)
【パーソネル】
SONNY RED (as) WYNTON KELLY (p) SAM JONES (b) PAUL CHAMBERS (b) ROY BROOKS (ds) JIMMY COBB (ds)
【収 録 曲】
BLUESVILLE / STAY AS SWEET AS YOU ARE / I'VE NEVER BEEN IN LOVE BEFORE / NADIA / BLUES IN THE POCKET / ALONE TOO LONG / THE LOPE / STAIRWAY TO THE STARS
【内   容】
今回はひさびさのカラーイラストです。いつもは紙に鉛筆で書いたのをデジカメで撮影しているのですが、今回はカラーザウルスに直接書きました。こういうのはペン入力が便利ですね。長文を書くのはむっちゃめんどくさいんですが。さて、下請け職人である「塩サバ2号」がラスベガスへ行ってしまいました。よってこのページはラスベガスで更新されているはずです。桑名で書かれた原稿がメールでラスベガスに送られ、かの地でアップされて、再び日本の皆様のところに届いているわけですね。塩サバは世界を駆け巡る。サバだってやる時はやるのだ。まいったか、マグロ。 さて、今回はソニー・レッドです。マイナーですね。最近CD化されたドナルド・バードの『ムスタング』や『ブラック・ジャック』に名前が見られます。本名シルヴェスター・カイナー、ホンマかいなー、そうかいなー。このドナルド・バード3部作(『スロウ・ドラッグ』にも参加)での演奏を聴くと、かなり前衛風なスタイルと見受けられます。ところが、6年ほど前に吹き込まれた初リーダー作を聴くと、実にオーソドックスなんですね。パーカー直系と言っていいスタイルです。誰に似てるかというと、ルー・ドナルドソンに一番近いかな。1曲目「ブルースヴィル」。作曲者としてシルヴェスター・カイナーの名前がクレジットされています。作曲する時はシルヴェスター・カイナー、アルトを吹く時はソニー・レッド。2つの顔を持つ男。ちなみに加山雄三は作曲する時は弾厚作になります。弾厚作って加山雄三の別名だよなあ、確か。全然自信はないので、まったく違ってるかも知れんけど。で、1曲目の「ブルースヴィル」は、実にまったく普通のブルースです。音色はパーカー的ではありませんが、フレージングはパーカーそのものです。ケリーのピアノがいい。このアルバム、もしピアノがケリーじゃなかったら、もし例えばキングギドラだったりしたら、日本ではまったく売れない1枚になっていたことでしょう。ファンキーなピアノ弾けそうにないもん、キングギドラ。 2曲目のバラード、「ステイ・アズ・スイート・アズ・ユー・アー」がいいですね。このアルバム以外ではあまり聴いたことのない曲ですが、日本人にうけそうなメロディです。ソニー・レッド、ケリー共に歌心に溢れまくっています。バラードはもう1曲、アルバム最後の「星へのきざはし」。「きざはし」というのはキザな高橋くんのことではなく、階段。最近では「星への階段」と訳される事が多いようだ。テーマの歌いかたが、ちょっとインペリアルのソニー・クリス。納豆のばしのばし的である。アドリブはそうでもないんだけど。「ナディア」「ブルース・イン・ザ・ポケット」「ザ・ロープ」はいずれもカイナー作のブルース。ロープと聞くと、どうしてもロープで縛って鞭でシバキたくなりますよね。という人は変態である。まわりの人は気をつけよう。私はブルースに対する勉強が不足しているのか、どうもこの手の曲はあまり好きではない。「アローン・トゥー・ロング」みたいな歌モノのほうがいいです。 ソニー・レッドの事をあまり知らない人でも、ケリー好きなら楽しめる1枚だと思います。発想を逆転して、ケリーのアルバム買ったら何かよく知らんアルトが入っていた、と思えばいい。アルトがキングギドラだった、という場合より遥かにマシやし。パーカー・フレーズ吹けそうにないもんな、キングギドラ。


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