- 【アルバム名】
- BOOKER LITTLE AND FRIEND (BETHLEHAM)
- 【リーダー名】
- BOOKER LITTLE (1961)
- 【パーソネル】
- BOOKER LITTLE (tp) JULIAN PRIESTER (tb) GEORGE COLEMAN (ts)
- DON FRIEDMAN (p) REGGIE WORKMAN (b) PETE LaROCCA (ds)
- 【収 録 曲】
- VICTORY AND SORROW / FORWARD FLIGHT / LOOKING AHEAD /
- IF I SHOULD LOSE YOU / CALLING SOFTLY / BOOKER’S BLUES / MATILDE
- 【内 容】
- 前回は「ど根性ガエル」を取りあげましたので、今回は「トムとジェリー」いき
ましょう。(←そういうコーナーちゃうやろ。)古いバージョンと新しいのがあります
が、断然、まったく比べ物にならないほど古いほうがおもしろい。ビデオでも出ている
が、あれはナレーションが少ない。ビデオ版のほうが原作に忠実なのだろうが、「きょ
うもトムくんはお散歩にやってきました。おやおやぁ。ひゅるるるるるーぅ。(効果音
)」という感じでないと、どうもいかん。カムバック、テレビ版。ついでに「花の子ル
ンルン」も。すんげえ悩天気な名前やな。るんるん。悩み事とかあるのか?五月病にか
かったりするのか?るんるん。
- さてブッカー・リトル。エリック・ドルフィーと組んだ双頭コンボによる「ファ
イブ・スポット」でのライブが有名ですね。双頭コンボ。なんか頭が2つあるウルトラ
怪獣みたいやな。これはかなりダシのよく出る海藻ですねえ。それは相当昆布。ワイル
ドピッチをする森永の牛乳。それは暴投ホモ。たしかホモ牛乳ってありましたよね。明
治だったかも知れませんけど。さてブッカー・リトル。この人は早死にしたことで知ら
れています。享年23歳。尿毒症で死んだそうです。うちの猫も腎臓に石がたまってボ
ーコー炎になり、尿毒症を起こして頭に毒がまわりそうになりましたが早めの手当が幸
いして一命をとりとめました。ブッカー・リトルも早くコイデ動物病院へ行っておけば
助かったのに。残念なことです。この人のスタイルはそんなバックグラウンドのせいか
、「薄幸」のイメージがあります。この人の書く曲も暗いですね。顔色も青白かったり
したんでしょう。黒人ですけど。ブラウニー派なんだろうけどファンキーさは希薄で、
ハードバップから新主流派への橋渡し的な存在ですね。
- 『ブッカー・リトル・アンド・フレンズ』は彼の遺作にあたる1枚。暗いです。
ちなみに友達はジュリアン・プリースター、ジョージ・コールマン、ドン・フリードマ
ン、レジー・ワークマン、ピー・ラ・ロカ。わりと友達が多かったみたいで3管のセク
ステットとなっている。もしこれが友達のいない人だったらトランペットのソロアルバ
ムという、聴きたくないものになっていたであろう。友達は大切にしよう。
- 1曲目、「ビクトリー・アンド・ソロウ」。勝利と哀しみ。病室の窓から、落ち
ていく枯れ葉を見ながらこんなことを考えていたんですね、彼は。マイナーで陰気な感
じがリトルらしい。アルバムジャケットも暗い。ベツレヘムってセンス暗いよな。極め
つけは「イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー」。もうじき死ぬ人じゃなきゃ、このサ
ウンドは出せないよな。諦観といったものも感じさせ、慰める言葉もみつからない。火
葬場で骨をひろうときのBGMによさそう。友達もさすがに声をかけそびれたのか、リ
トルのワンホーンとなっている。ラストの「マティルダ」も暗い。3管のハーモニーが
暗い。これは葬式の出棺のBGMだな。世の中でこれほど「遺作」だといって納得のい
く作品も珍しい。鬱病の人に聴かせるといいかも知れない。鬱病の人に明るい歌を聴か
せると、「この人はこんなに明るいのに、私は暗い。死のう。」とか思ってよけいに落
ち込むらしいから。このアルバムなら元気が出るかも知れない。それにしても鬱病に罹
ったりするのか?るんるん。
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