【アルバム名】
LEEWAY (BLUE NOTE)
【リーダー名】
LEE MORGAN (1960/4/28)
【パーソネル】
LEE MORGAN (tp) JACKIE McLEAN (as) BOBBY TIMMONS (p)
PAUL CHAMBERS (b) ART BLAKEY (ds)
【収 録 曲】
THESE ARE SOULFUL DAYS / THE LION AND THE WOLFF /
MIDTOWN BLUES / NAKATINI SUITE
【内   容】
 ジャズマンらしい死にかたというのがあります。その死に様が不幸で悲惨で内臓 はみだしで脳ミソぐちゃぐちゃな程、その評価は高いですね。年齢も若ければ若い程い い。40歳で死んだコルトレーンを上限とします。乗っていた車が猛スピードで土手に 激突して即死したクリフォード・ブラウン、ピストル自殺したソニー・クリス、ニュー ヨークのイーストリバーで謎の変死体で発見されたアルバート・アイラーなんかがカッ コいいですね。(←なんて不謹慎な。抗議のメール殺到。)ホテルの2階の窓から落ち て死んだチェット・ベイカーなんか最悪。ジジイじゃねえんだから。正月に餅を喉につ まらせたとか。クラブ「スラッグス」のカウンタで14歳年上の愛人にピストルで射殺 され、34歳で散ったリー・モーガンなど最もヒップな死にかたであると言えるだろう 。なかなか真似の出来る事ではない。14歳年上の愛人をつくるなんざ。モーガンがも し今でも生きていたら、豆腐屋になってラッパで「さいどわいんだー」を吹いている事 でしょう。(←ラズウェル細木のマンガかっつーの。)
 さて、モーガンの代表作と言えばまずは『ザ・サイドワインダー』。J.M.の 初来日の時には豆腐売りのオッサンまでがラッパで「さいどわいんだー」を吹いたとい う伝説があります。(←ないない。)「クリフォードの思い出」で名高い『VOL.3 』(「ドミンゴ」も最高)や、ワンホーンの傑作『キャンディ』もいい。後期の作品で は『ザ・ジゴロ』や『カリスマ』の人気が高いですね。若死にしたわりには結構アルバ ムあるんだよな。今回はわりと初期の作品で『リーウェイ』を選んでみました。メンバ ーが最高。モーガン、マクリーン、ティモンズ、チェンバース、ブレイキーだもんな。 いえーい。漢字で書けば遺影。(←縁起悪すぎ。)この面子でアルバム作って駄作やっ たらそりゃウソや、というくらいの豪華な布陣ですね。全4曲。1曲平均約10分。こ れを少しも長いと感じさせない充実した演奏が繰り広げられる。東海道中繰り広げ。そ れは膝栗毛やがな。
 というわけで、1曲目「ジーズ・アー・ソウルフル・デイズ」。知る人ぞ知る、 知らない人ぞ知らない、これやこの、行くも帰るもカル・マッセイの曲。テーマの後、 いきなりのベースソロが渋い。続くティモンズのソロの(いい)こと。(かっこいい、 と読む。(笑)に続いてみんなではやらせよう。←はやるか。)
 モーガンのソロは2曲目の『ライオンとウルフ』が最高。ブルーノートの創始者 、アルフレッド・ライオンとフランシス・ウルフに捧げられた曲です。ここでのモーガ ンはクリフォード・ブラウンを思い起こさせますね。マクリーンを聴くなら「ミッドタ ウン・ブルース」。「ナカティニ組曲」はパーカーの「ヤードバード組曲」と同様、ど こが組曲なのかわからない組曲。あまり細かい事を気にしてはいかん。1曲目と同様、 これやこのカル・マッセイの曲である。ナカティニというのは佐藤孝行問題で有名にな った大勲位先生ではなく(そういえば昔、中曾根をみんなで泣かそーね、というのを見 た覚えがあるな)、ではなんのことかと言うと、よくわからん。ナカティニ康弘。だか ら違うって。というわけで、年上の愛人はくれぐれも大切にしましょう。


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