【アルバム名】
EAST! (PRESTIGE)
【リーダー名】
PAT MARTINO (1968/1/8)
【パーソネル】
PAT MARTINO (g) EDDIE GREEN (p) BEN TUCKER (b)
TYRONE BROWN (b) LENNY McBROWNE (ds)
【収 録 曲】
EAST / TRICK / CLOSE YOUR EYES /
PARK AVENUE PETITE / LAZY BIRD
【内   容】
 このHPでは今のところピアニストのリーダー作を紹介しています。1回だけ、 たいした意味もなくドン・チェリーの『永遠のリズム』が出ましたが、今回も脱線編で す。前回の解説で「涅槃」という言葉を使ったため、このアルバムを思い出しました。 パット・サイデリア、いや、パット・マルティーノの『イースト』。
 レコードの場合、内容もさることながら、ぱっとサイデリア、いや、ぱっと見た 目の印象も大切です。日本で人気の『クール・ストラッティン』『グルービー』『ワル ツ・フォー・デビー』などは素晴らしいジャケットが売上の約28%増に寄与している ことでしょう。一方、『イースト』。このジャケットの仏像のおかげで一体、何人の人 が買うのをやめたことでしょう。今回は特別にイラストをカラーにしてみました。やっ てみたらえらくめんどくさかったので、色つきイラストは今回限りとさせて頂きます。 なお毎回載せているイラストは、紙に鉛筆で描いたものをカラーザウルスのデジカメで 撮影しています。そいうえば1回だけ、ワニの持つグラスの中身を黄色くしたことがあ りましたね。さて『イースト』。このジャケットほど仏像な演奏ではないのでご安心を 。逆に「おっ、仏像やん。やりい。」と思って買った人には物足りないかも。私の描い た仏像はわりと和風な顔になってしまいましたが、実物はもう少しインド顔です。アメ リカ人にとって「イースト」というのはインドなんだろな。日本は「ファー・イースト (極東)」だもんな。トレーンの「アフリカ」風のベースのイントロで始まり、そうい えば少しインド風かな、という程度にイーストなテーマがゆっくりしたテンポで演奏さ れます。それを3分10秒ほど我慢するとテンポが速くなり、演奏は俄然盛り上がりま す。マルチーズ、それは犬やがな。マルティーノのソロはシングル・トーンで始まり、 やがてウエス風のオクターブ奏法へと移っていきます。この曲だけベン・タッカーはベ ースを弾かずにタンバリン叩いてますね。死後の世界はあーる。それは丹波哲郎。タン バだけやがな、あっとるのは。
 気を取り直して2曲目いきましょう。「トリック」。マルティーノのオリジナル ですね。これはもうウエスそのもの。ただのボロ布の分際で、店で買うと結構高いんだ よな。けど、たまに看護婦さんの制服の切れ端が入っていたりして、マニアにはたまら ないんだよな。某エンジン屋が持ってくるのはなぜか子供のパンツが多いんだよな。と いうウエスではなくてウエス・モンゴメリー。オクターブ奏法といえばウエスですね。
 「クローズ・ユア・アイズ」はスタンダード、「パーク・アベニュー・ペティー ト」はゴルソン、「レイジー・バード」はコルトレーンの曲。うん、これでジャケット が仏像でなければもっと売れると思うのだが。


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