【アルバム名】
MISTERIOSO (RIVERSIDE)
【リーダー名】
THELONIOUS MONK (1958/8/7)
【パーソネル】
JOHNNY GRIFFIN (ts) THELONIOUS MONK (p) AHMED ABDUL MALIK (b)
ROY HAYNES (ds)
【収 録 曲】
NUTTY / BLUES FIVE SPOT / LET'S COOL ONE /
IN WALKED BUD / JUST A GIGOLO / MISTERIOSO 
【内   容】
 ピアノを弾きたいが、なかなかうまく弾けないという人にとってモンクは希望の 星である。こんなヘタでもプロとしてやっていけるのか、という生きる希望が涌いてく る。 わざとヘタに弾いているのか、それとも本当に心の底からヘタなのかサダカではない。ああ、エジプトの大統領?それはサダトですね。
 さて、ジャズファンという立場でモンクを聴いた場合、神と崇める人もいれば、 「モンクを聴いてると腸捻転おこしそーになる」という人もいる。私の場合、歴然たる 腸捻転派ですね。モンクの最高傑作と言われる『ブリリアント・コーナーズ』はワケわ からんし、ソロピアノは必ずと言っていいほど1曲目の2分37秒程で睡魔に襲われる 。ああ、川俣軍司?それは通り魔。
 そんな私がお薦めするモンクの「この1枚」は『ミステリオーソ』で決まり。ジ ョニー・グリフィンの参加したカルテットでのライブ盤である。『セロニアス・イン・ アクション』の姉妹盤(注:「兄弟舟」ではない)ですね。 『イン・アクション』の選曲が「リズマニング」「エピストロフィー」「ブルー・モン ク」「エビデンス」と有名モンク・オリジナルのオンパレードなのに対し、『ミステリ 』の選曲は究極の地味地味。でもいいんだ。キリコの「予言者」というケッタイな絵を 用いたジャケットが素晴らしいし。
 演奏はライブということもあって、くつろいだ雰囲気がよい。グリフィンのテナ ーもいいな。曲ではやっぱりタイトル曲。「ドーはドーナツのドー、レーはレモンのレ ー」という歌を思いっきり音痴の人がアップテンポで歌唱しているような曲調が哀愁を そそる。
 モンクのアルバムの中では、わりと普通のハードバップ風に楽しめる1枚であり ます。



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