MONK’S MUSIC (RIVERSIDE)

 THELONIOUS MONK (1957)

MONK'S MUSIC

【解説】

 クリスマスでしたなぁ。クリスマスと言えば〜、コタツを囲んで〜、お雑煮を食べながら〜、カルタを…しねーよ。…って、今回はちょっとひねって“はっぴいえんど”の「春よ来い」のメロディに乗せてお届けしましたが、しかしなんですな。お雑煮を食べながらカルタをするのは、ヤメといたほうが無難だと思うんですけどね。そんなことをすれば、汁がこぼれます。まず確実にこぼれます。カルタの札に汁が付着して、乾いてカピカピになったりしちゃいます。“汁”が付着して、乾いてカピカピになっちゃったモノ…というのは、とかく誤解を生じやすいですからね。例えばそれが“百人一首の札”だったとすれば、お正月にカルタ取りをやったんだよね。で、勝負が白熱してくるにつれ、彼女の晴れ着の裾がめくれたりして、白いフトモモがちらっと見えたりして、コーフンして思わずガバッ!と襲い掛かっちゃったんだよね。で、コトが終わってふと周囲を見回すと、手近なところにティッシュが見当たらなかったんだよね。で、仕方がないから“百人一首”の札で拭いちゃったんだよね。…といった、とてもけしからん行為が行われた形跡ではないのか?この、“汁”が付着して、乾いてカピカピになった“百人一首の札”は。…と、人と言うのはここまで想像を逞しくして深読みしちゃう生き物なんですよね。げに、“百人一首の札”への汁物の付着には注意しなければなりませんが、もしその札が“”の札だったとすれば、これが本当の“姫始め”だねっ♪…ということになりますね。が、運悪くその札が“蝉丸”だったりすれば、新年早々、“蝉丸始め”かよぉ。…ということになって、この2人の間に、いわく言いがたい溝が生じるであろうことは想像に難くありません。始末をする札の種類にも充分に注意を払わなければなりませんね。

 …って、そんなことはどうでもよくて、『モンクス・ミュージック』です。有名ですよね。コールマン・ホーキンスやコルトレーン、さらにはソープ好きのトランペッター、レイ・コープランドなどという通好みのミュージシャンも入っていて、とっても人気の高い1枚ではないかと思われますが、個人的にはあまり好きではありません。いや、僕がまだジャズにド素人だった頃にこれを聴いて、よくわかんなくて、好きになれなかった。…というのがトラウマになっているものと思われますが、ジャケットは秀逸ですよね。いいトシこいて“REX90号”(←という字がうっすらと見えている)に乗って喜んでいるモンク。…というのは、とっても絵になります。しかし、いったい何なんですかね?“REX90号”。荷物運搬用の台車みたいなもの、もしくは子供のオモチャ。…といったあたりが有力かと思われますが、“大人のオモチャ”という説も捨て切れません。いや、これで一体どのようなプレイに励むのか、言ってる本人もよくわからんのですが、とにかくまあ、“REX90号”と大マジメで戯れている表情がとってもキュートで、意外といいヤツなのかも知れませんな、モンク。右のほうの“thelonious monk septet with…”という筆記体の文字が、モンクが手に持った棒で書かれたような感じになっているのも芸の細かいところでありまして、それにしても“REX90号”が何モノであるのか、“蝉丸始め”同様、本年最大の謎でありますなぁ。。。


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