カポジ水痘様発疹症

作成 たらお皮膚科
カポジ水痘様発疹症は、普通は単純ヘルペスウイルスというウイルスによる感染症です。
普通の単純疱疹(ヘルペス)は、熱の吹き出しとか、かぜの吹き出しともいわれている様に、体調が悪い時に、口唇や陰部などに数個の水疱ができる病気です。

ところが、アトピー性皮膚炎の方は、同じ単純ヘルペスウイルスであるにもかかわらず、顔、首、胸、背など広い範囲に小さい水疱ができ、リンパ腺がはれたり、熱も38度以上の高熱がでることが多く、時には脳炎をおこすこともあり、入院して治療する必要のあることもあります。これをカポジ水痘様発疹症と言います。

ステロイドの影響を敏感に受けやすい病気ですので、ヘルペスウイルスを持っている方は、こういう理由からもステロイドは使用しない方が良いと考えます。ただし、ステロイドの使用を急に中止した場合も発生し易い傾向があります。 また、母親が単純疱疹にかかっていると、まもなく、子供にカポジ水痘様発疹症がでることがよくありますので、母親は軽くても、子供にうつす前になるべく早く抗ウイルス剤を飲んで治して下さい。