2000年2月



東京巧者メイショウワカシオ、強敵を撃破して3連勝!!
 (2/5・東京8R 春麗JS)


着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手性・歳タイム着差人気
1着メイショウワカシオ60嘉堂 信雄牡・73:39.8
2着11ゴーカイ60横山 義行牡・83:39.9  クビ
3着ノーザンレインボー63田中 剛牡・113:40.9
4着ジュピテリアン60成田 均牡・63:41.0  3/4
5着チアズニューパワー60三浦 堅治牡・63:41.21. 1/4
6着サンデーメイト60鈴木 寿牡・83:41.2  クビ
7着12ホッカイマーカム60瀬古 正明牡・63:41.3  1/212
8着メジロファラオ63大江原 隆牡・83:41.4  クビ
9着ケイティタイガー63マジョルクリック牡・123:41.71. 3/410
10着10キングスロード60江田 勇亮牡・73:41.7  クビ11
11着ダブルサンキュー60田口大二郎牡・73:41.8  クビ
12着13メイショウデンセツ59白浜 雄造セ・53:42.22. 1/2
中止カミノリファード60穂苅 寿彦牡・9落 馬13
単 (8) 540     複 (8) 170 (11) 120 (3) 340
枠 6−7  520     馬 8−11  570晴・良
ワ 8−11  290    3−8  1250    3−11  670
(レース)
 ここ2走と違い、ノーザンレインボーが積極策に出た。続いてメジロファラオ、ケイティタイガーと3kg増の実績馬が前々でレースを引っ張った。正面スタンド前に出ると、逃げるノーザンレインボーとそれに並びかけたケイティタイガーの2頭が競り合うように巧い飛越を見せて後続にぐんぐん差を付けた。 スタート地点の1角過ぎでは3番手以下に10馬身以上の差をつけていた。11歳馬と12歳馬、ともに高齢でありながら中山大障害馬の意地が見て受け取れた。向正面では徐々に差が詰まってきたが、4角の最終障害でケイティタイガーが2馬身抜けて先頭、ノーザンレインボーが2番手で直線に向いた。 後続が一気に押し寄せ、ダートコースの内外をめいいっぱい使った叩き合いを繰り広げる中、外から一気に抜けた2頭の脚色がずば抜けていた。ゴーカイとメイショウワカシオだ。 最後は完全に2頭のマッチレースとなったが、外のメイショウワカシオがゴール前でグイッとひと伸び、クビ差叩き合いを制した。ゴーカイは中山大障害に続き差のない2着に敗れた。

(結果分析)
 メイショウワカシオは道中じっくりと後方待機。4角でもまだ後ろから5頭目ほどの位置どりだったが直線で大外に持ち出すと一気に伸びてきた。すぐ内にいたゴーカイをゴール前で交わし、未勝利、オープン、そしてこの春麗JSと3連勝を飾った。 東京コースで3連勝、いずれも後方からの差し切り勝ちで勝ちパターンが確立しているのも良い。さすがは騎手時代に障害で活躍していた池添師の管理馬、この馬で次は重賞制覇と行きたいところだ。ゴーカイは前走の中山大障害2着と実績で上回っている上に60kgの斤量は恵まれた。 それを利して余裕を持っての追走から直線での抜け出しを図ったが、今回は相手が一枚上だった。今回のレースを見る限り、大敗続きの夏のイメージは完全に払拭されたと言えよう。直線が芝になれば更に良い馬で、目標はまだ先。今回の走りから、今後も関東のトップとして期待できそうだ。 ノーザンレインボーは前2頭とは水をあけられたが、前に行った馬がほとんど崩れていただけに積極的なレースをしながらの3着は頑張った方である。4角でやや後退してからの盛り返しは、一昨年の東京障害特別(秋)を制したレースぶりを思わせた。 全盛期よりはやや衰えは見えるが、まだまだ健在をアピールした。3kg差があっての頑張りというのも見逃せない。ジュピテリアンは相変わらず安定したレースを見せている。相手に恵まれればいずれはチャンスはあるように思うが、詰めが甘く相手なりに走る馬で勝ち切るまでは難しいかも。 チアズニューパワーは初の東京コースで追走に戸惑っていた。最後はそれなりに伸びているが、5着までが精一杯だった。初の強敵相手だけに今回だけで見限るのは早いだろう。しかしレースを見る限りはゆったりと行ける中山向きの馬かと思えるが。 サンデーメイトは3番手集団の先頭にいたメジロファラオをマークする形。平地力があるわりには伸び切れなかったが、昇級初戦としては上々。ホッカイマーカムは最後鋭く伸びたが遅すぎたか。メジロファラオはもう少し積極的なレースをと言いたいところだが、前のペースに巻き込まれていたらもっと負けていたように思う。 やはり直線のダートは不向きで、距離ももう少しほしいところだ。ケイティタイガーは気分よくスイスイと飛越していた。飛越だけならばまだまだ十分通用するが、最後の平地で一杯になったようにスタミナと平地力に衰えが見えてきた。しかし、4角までの各飛越は低いながらも実に安定していた。 まだまだこれからも頑張ってほしい馬だ。キングスロードは本調子にないのか、末脚に切れがなかった。ダブルサンキューは平地力でやや見劣るので、直線の追い比べでは苦しい。メイショウデンセツは京都HJの落馬後はその影響からか成績がさっぱり。 リフレッシュさせる意味で間を開けた方がいいように思うが。まだ5歳と若く、将来性もあるので・・・。

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田中剛騎手障害1000回騎乗達成!!

 田中剛騎手は2月6日の東京・障害未勝利でナカハマスキーに騎乗し、このレースで障害通算1000回騎乗を達成した。嘉堂信雄騎手、星野忍騎手(現調教師)、長池辰三騎手に次いで史上4人目の快挙である。 田中剛騎手は一昨年夏に障害&平地W100勝を達成し、昨夏の福島で障害150勝を達成するなど、障害騎手のトップとして君臨している。ちなみに最多騎乗数は嘉堂騎手の1442回(2000年2月6日現在)。


中山グランドジャンプに外国馬の89頭が登録!

 2月10日、JRAより中山グランドジャンプ競走(G l )における外国馬の予備登録馬についての発表があった。英国(イギリス)馬21頭、愛国(アイルランド)馬16頭、仏国(フランス)馬17頭、 米国(アメリカ)馬3頭、豪州(オーストラリア馬)11頭、新国(ニュージーランド)馬21頭の合計89頭の登録馬があった。この中から招待馬と補欠馬については2月下旬に決定する見込みであるとのこと。


ファンドリロバリー逃げ切り勝ちで障害3勝目!!
 (2/12・京都8R 淀ジャンプS)


着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手性・歳タイム着差人気
1着ファンドリロバリー61出津 孝一牡・83:34.6
2着10スプリングマーチ60高橋 康之牡・83:35.6
3着メジロライデン59藤井 正輝セ・53:35.9
4着エイシンワンサイド63熊沢 重文牡・63:36.2
5着エイシンコンウェー59西谷 誠牡・53:36.3  3/4
6着11ショウザンスカイ59今村 康成牡・53:36.4  1/212
7着13ヨイドレテンシ60マジョルクリック牡・73:36.4  クビ
8着イブキハイシーザー60林 満明牡・93:36.5  クビ
9着ドングリ59嘉堂 信雄牡・83:37.2
10着12マキシマムプレイズ61高田 潤セ・63:37.410
11着タガノゲール60植野 貴也牡・83:37.5  1/214
12着ローズコンテッサ58白浜 雄造牝・63:38.211
13着14ナリタハヤテ59酒井 浩牡・63:38.62. 1/2
14着シャンパンファイト62小林 徹弥牡・103:39.713
単 (1) 850     複 (1) 290 (10) 360 (8) 240
枠 1−6  6410     馬 1−10  5710晴・良(ダ稍重)
ワ 1−10  1670    1−8  1170    8−10  1290
(レース)
 序盤からファンドリロバリーが積極的に逃げ、スプリングマーチが2番手を追走する形。人気上位馬が3番手集団を形成してレースは進んだ。隊列が落ち着いた1周目の1コーナーからほとんど順位の変動なく2周目に入り、向正面でファンドリロバリーが2番手以降を引き離す。スプリングマーチは2番手で頑張り、 メジロライデンが3番手に上がって最終障害を迎える。最終障害を飛越し直線に入るとファンドリロバリーがもうひと伸び。2番手以降を再び突き離して6馬身の差をつける快勝劇を演じた。2着にはスプリングマーチが3番手以下の追い込み勢を封じて粘り込んだ。

(結果分析)
 ファンドリロバリーは今回のような積極的なレースをした方がいい。快勝した障害初戦もそうだが、単騎で気分よく行ければ持ち味であるスピードが存分に生かせる。馬体が絞れて軽快に動けたのも今回の快勝につながった。 飛越でスピードが落ちず平地力もあるので今後も楽しみだが、障害の際に外へ外へと斜飛する傾向にあるのでその辺りが今後の課題点であろう。スプリングマーチは除外で1週開いたのが終わってみれば好結果のように思う。前と後から離れた2番手を単騎追走できた展開の恵みがあったとはいえ、 3番手以降の馬が追い込みを封じて2番手を死守したのは力のある証拠である。前走同様勝ち馬には突き離されたが、今回も2着に粘り連対率は依然10割。今後も安定したレースができそうだが、勝ち馬以上に外への斜飛が目立った。経験を積んでうまく改善できれば更なる活躍が期待できる。 メジロライデンは3番手集団で終始レースを進め、2周目の向正面で単独3番手に上がったが前との差が大きく、前の馬を交わすまでに至らなかった。最後は平地力の差も出た感はある。飛越は全体的に安定しているが、この馬の平地力を考えるともうひと押しが足りない。 とは言え今回は昇級戦であったことを考えれば好内容で、キャリアを積んでいけば血統的にもこれからの成長が期待できる。エイシンワンサイドは完全に太め残り。勝負どころでモタついたのもその影響が大きい。しかし最後の伸び脚はさすが重賞ウイナーと思わせるものであり、ここを叩かれて次以降が楽しみになった。 この状態で63kgを背負ったことを考えれば復帰戦は上々と言えるだろう。このレース内容ならば斤量的に楽になりそうな重賞戦線でも十分勝負になるはずだ。エイシンコンウェーは昇級緒戦を考えればまずまずの内容か。最後の直線で前走のような豪脚は発揮できなかったが追走が幾分楽になったように感じた。 しかし、この馬は前走のように末脚勝負に徹した方が持ち味が生きるような気はする。どちらにせよ今回は展開が向かなかったが。ショウザンスカイは前走同様最後差を詰めてきたが6着まで。ヨイドレテンシも最後の直線での脚は目立っていたが、この距離では追走手一杯。 鞍上がフランスの一流騎手とは言え今回はやや過剰人気だったように思う。イブキハイシーザーは前走で復調の兆しは見えたが、今回は最後詰めが甘くなり8着。混戦模様のこのレースで1番人気に押し出されたが期待に応えられなかった。年齢的にも上積みは疑問なだけに今後も勝ち切るには苦しいか。 ドングリは飛越が巧いとは言えないタイプで、障害数の多い京都コースは不向き。中山での巻き返しに期待する。マキシマムプレイズは前走のように前に行けず後方から。斤量増もあり苦しいレースとなった。次走はどんなレースをするのだろうか? タガノゲールは前走よりははるかにまともなレースができたが・・・。 ローズコンテッサは相変わらずスタートと飛越は抜群だが、今回は休み明けで太め残り。最後息切れしたのは仕方のないところか。前回の休み明けのように一変がある馬だけに次走は注目。ナリタハヤテは前走が好内容だっただけに敗因が見当たらない。2走目のポカという見方が妥当なのか、これが本当の力かは分からない。 シャンパンファイトは休み明けで太め残り、しかも苦手の京都。この結果は仕方ない。

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マキシマムプレイズ快勝、これで障害3勝目!!
 (2/26・阪神5R オープン)


着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手性・歳タイム着差人気
1着マキシマムプレイズ58▲高田 潤セ・63:30.7
2着ショウザンスカイ59嘉堂 信雄牡・53:31.0
3着サンキングラッド59北沢 伸也牡・53:31.21. 1/4
4着サンダルウッド58熊沢 重文牝・63:31.5
5着ナリタハヤテ59酒井 浩牡・63:31.92. 1/2
6着エイシンコンウェー59西谷 誠牡・53:32.4
7着シャンパンファイト62小林 徹弥牡・103:32.71. 3/4
8着タガノゲール60林 満明牡・83:32.7  クビ
中止シンワタイクーン59植野 貴也牡・5落 馬
単 (1) 900     複 (1) 350 (8) 240 (3) 200
枠 1−3  2920     馬 1−3  2940曇・良
ワ 1−3  770    1−9  680    3−9  680
(レース)
 サンダルウッドが前走同様逃げたが、前走のような行きっぷりはなく、2周目向正面で手応えが悪くなる。逆に2番手を追走していたマキシマムプレイズは手応え十分で先頭に躍り出ると最終障害後も余力十分。残り200mで突き離して最後は2馬身差を付ける快勝だった。 2着には外から追ってきたサンキングラッドを内からねじ伏せたショウザンスカイが抜けてきた。

(結果分析)
 マキシマムプレイズは楽に先行できたのが大きかった。逃げたサンダルウッドをマークする形で進み、早目先頭から押し切る競馬で前々走の再現を果たした。前走はメンバーが強く、61kgの斤量が響いて惨敗したが、今回は前々走同様に好走の要因は揃っていた。 年を明けてからオープンを2勝し、これで3勝目。今後も相手と斤量次第では好走はできそうだが、重賞で通用するかは疑問である。ショウザンスカイは最近、確実に末脚が伸ばせるようになった。今回のレースでも直線で中を割って鋭く伸びた最後の脚は光っていた。 こちらも相手次第だが、オープンでもソコソコ戦っていけそうな感はある。サンキングラッドは道中の飛越は雑だったが、最後は確実に差を詰めてきた。+12kgと太めが残っていなければもっとやれていただろう。前走は中山コースが合わなかっただけで、阪神コースならばこれぐらいはやれても不思議ではないだろう。 次走さらに期待したい。サンダルウッドも間隔が少し開いた影響で+10kgの太め残り。いつもの軽快な飛越を見せてはいたものの、2周目の向正面で息切れ。絞れれば変わり身は十分ある。ナリタハヤテは掴み辛い馬だが、時計がかかるレースの方が良く、重馬場になった時に要注意。 エイシンコンウェーは未勝利戦で見せた末脚がここ2走不発。さすがに未勝利とオープンではペースも違い、前も止まらない。展開の味方がほしいところだ。シャンパンファイト、タガノゲールはほとんど見せ場がなかった。

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1枠1番の連勝は4でストップ!

 関西の障害競走で続いていた1枠1番の馬の連勝記録が4でストップした。2/12・淀JSのファンドリロバリー(6人気)、2/13・未勝利のシンワタイクーン(5人気)、2/20・未勝利のブレーブテンダー(1人気)、 そして2/26・オープンのマキシマムプレイズ(4人気)。内枠有利ということもあるが、距離的に見てもさほど影響はないわけで珍しいことである。ちなみに、4連勝の前のレースの2/5・未勝利ではマジックシンガー(1人気)が2着になっており、 5連続連対ということになっていた。
 また、1・2月に関西では全部で12レース組まれていたが、1枠1番の馬がそのうち半分の6勝を挙げている。 昨年秋のように頭数が少ない時になら何ら不思議ではないが、すべてのレースが9頭以上で、しかもフルゲートが半数以上あることからも1枠1番の馬の好調ぶりがうかがえる。


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