2000年1月



ティエリー・マジョルクリック騎手短期免許取得!

 フランスのティエリー・マジョルクリック騎手がH12年1月11日〜H12年4月10日の間、短期免許を取得した。同騎手は初の障害競走での短期騎乗免許取得となる。27歳。昨年のフランスの障害リーディング3位(50勝)、G l 2勝と実績は言うことなし。 本場のトップジョッキーの腕を日本の競馬ファンに存分に見せ付けてもらいたい。


10歳馬ホーマンランドオー、オープン連勝!!
 (1/8、牛若丸ジャンプS)


着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手性・歳タイム着差人気
1着ホーマンランドオー60熊沢 重文セ・103:33.3
2着ゴッドスピード63西谷 誠牡・73:33.93. 1/2
3着ジュピテリアン60成田 均牡・63:34.21. 3/4
4着10サンダルウッド58北沢 伸也牝・63:34.41. 1/4
5着11ヨイドレテンシ60山本 康志牡・73:34.61. 1/2
6着イブキハイシーザー60林 満明牡・93:34.7  クビ
7着ショウザンスカイ59嘉堂 信雄牡・53:35.12. 1/2
8着マキシマムプレイズ60藤井 正輝セ・63:35.6
9着メイショウデンセツ59白浜 雄造セ・53:35.8
10着ケイティタイガー63田中 剛牡・123:36.610
11着シートラスト60常石 勝義牡・63:37.311
単 (6) 310     複 (6) 130 (8) 130 (7) 240
枠 6−7  290     馬 6−8  370曇・良
ワ 6−8  210    6−7  570    7−8  520
(レース)
 序盤からサンダルウッドが単騎で引き離す逃げを打ち、ややハイペースでレースが進んだ。2番手にはメイショウデンセツ、以下離れて3番手集団が一団で、ゴッドスピードはその集団の後ろに付けていた。 2周目に入り、向正面ではメイショウデンセツが集団に吸収され失速、ややスピードが落ちてきたサンダルウッドを3角から一気に捕らえに行ったホーマンランドオーが最終障害飛越後に突き放した。 直線ではホーマンランドオーが完全と抜け出してそのまま快勝。2番手争いが激戦となったが、内で粘っていたサンダルウッドをジュピテリアンが捕らえ一瞬2番手に上がったが、 4角で7番手にいたゴッドスピードが平地の脚を利して大外から豪快に伸びて2着まで押し上げた。

(結果分析)
 ホーマンランドオーは前走同様、2周目の向正面から進出して4角先頭からの押し切り勝ち。自分から動けるようになったのは強み。10歳馬とは言え、平地オープン馬の脚はここでも上位。 この2戦を見る限り、これからもまだまだ楽しめそうな馬である。少し先の話だが、重賞では直線の芝がカギを握りそうだ。ここ2走の4角先頭のレースぶりから見て十分戦えるとは思うが。 ゴッドスピードは休み明け2戦が長丁場であり、今回はハイペースとなったため追走に苦しんでいた様子。エンジンがかかったのは最終障害飛越後で、これではあまりにも遅すぎた。 斤量差もあったが、ややズブくなってきたと見受けられる。とは言え、それでも2着を確保したのは地力の差であろう。中山大障害後いくぶん中間楽をさせたのか、+14kgの馬体は太め残り。 ジュピテリアンは常に安定した成績を残しているが、最後の決め手で見劣り詰めの甘さが露呈される。飛越自体は巧いので、展開と相手次第で勝ち負けも可能だ。サンダルウッドはやや飛ばし過ぎの感。 気分良く行っていたように思えたが、2周目に入りやや危ない飛越が2ヵ所あった。それも影響してか最後は一杯。それでも4着に頑張ったのは前半の貯金が生きたからであろう。 もう少し抑えを利かせられれば、さらに上位が狙える馬であろう。ヨイドレテンシは直線に賭けたが、序盤で離され過ぎ。追走にてこずっていた。イブキハイシーザーはホーマンランドオーとともに上がっていったが、 2番手集団に上がったまでで最後は一杯になった。ショウザンスカイ、マキシマムプレイズは最後伸びたが、追走手一杯だった。メイショウデンセツは2番手追走までで、勝負どころで失速。 ケイティタイガーもうまく流れに乗っていたが、勝負どころでやや一杯になった。シートラストはリズムが悪く、終始後方でレースを終えた。

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1999年の最優秀障害馬はゴッドスピード!!

 1999年度の最優秀障害馬はゴッドスピードに決定した。重賞は中山大障害(G l )の1勝だけだが、淀ジャンプS、春麗ジャンプSのオープン特別2勝を含めて3勝を挙げたことが受賞の要因となったようだ。1999年の障害競走戦線は入れ替わりが激しく、 10ある重賞の勝ち馬がすべて異なる結果に終わったが、1999年の総決算とも言える中山大障害を勝ったことが高く評価されたようだ。参考までに、記者投票の得票数は以下のとおり。

144   ゴッドスピード
  6   メジロファラオ
  2   ヒサコーボンバー
  1   ゴーカイ
 59   該当なし


チアズニューパワー、大差圧勝で2連勝!!
 (1/15、中山新春ジャンプS)


着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手性・歳タイム着差人気
1着チアズニューパワー60三浦 堅治牡・63:38.7
2着スプリングマーチ60田中 剛牡・83:40.4大差
3着10ドングリ59嘉堂 信雄牡・83:41.03. 1/2
4着エアファントム60鈴木 寿牡・83:41.1  3/4
5着11ダブルサンキュー60横山 義行牡・73:41.31. 1/2
6着キングスロード59江田 勇亮牡・73:41.72. 1/2
7着エムジースナイパー60栗原 洋一セ・73:41.8  1/2
8着カミノリファード59成田 均牡・93:41.8  クビ11
9着サンキングラッド59大江原 隆牡・53:47.1大差
中止ホッカイマーカム59山本 康志牡・6落 馬10
中止サンライトストーム62田口大二郎セ・8落 馬
単 (5) 1640     複 (5) 350 (2) 220 (10) 160
枠 2−5  2970     馬 2−5  2730晴・稍重
ワ 2−5  820    5−10  840    2−10  500
(レース)
 いつもどおりサンライトストームが単騎で飛ばす展開。しかし、そのサンライトストームが1周目の5号障害で落馬し、2番手の外にいたホッカイマーカムも落馬してしまい展開はガラっと変わった。 押し出されて先頭に立ったサンキングラッドはカラ馬につつかれて苦しくなり、2周目の2角で早々と脱落。これを交わして先頭に立ったチアズニューパワーがその後も無難に飛越をこなし、 最後の直線で2番手以降をちぎって圧勝した。2着には早めに動いたスプリングマーチが最後やや一杯になりながらもドングリらの追い込みを封じて粘りこんだ。

(結果分析)
 チアズニューパワーは2周目の2角で先頭に立つとあとは全く危なげなく快勝した。昇級戦でありながらこの馬の強さだけが際立った一戦となった。確かに流れが向いたのも好走の要因だが、 上がりタイムも早く、2着馬につけた1.7秒差は大きい。まだ底を見せておらず、これからが楽しみである。また、このレースで増沢師がJRA通算100勝目を飾った。 2着のスプリングマーチはチアズニューパワーと一緒に上がっていったが、最後の直線で突き放されて2着死守が精一杯だった。とは言え、昇級初戦でこれだけ走れたのは立派。 こちらも今後の活躍が期待できそうだ。ドングリは最後一気に突っ込んできたが3着が精一杯の内容だった。早目に動いた馬が残る展開はこの馬に向かなかった。 今後も展開次第のレースとなる同馬、末脚に安定性は出てきたが勝ち切るには課題の飛越を何とかしなければならないだろう。エアファントムは相変わらず詰めが甘い。 ようやくデキが戻ってきた感もあるが、もう一押しが必要となってくる。ダブルサンキューもソコソコは走るが、こちらももう一押しが足りない感がする。 キングスロードは休み明けでしかも展開が向かず末脚が不発に終わった。東京向きの感が強く、次走は狙い目かも。エムジースナイパー、カミノリファードはオープンでは力が一枚見劣る。これからも苦戦は続きそうだ。 サンキングラッドは押し出されて先頭に立ち、しかもカラ馬に絡まれる苦しい展開。2周目の2角でもう脚が上がってしまっていた。初コースの影響もあり、全く力が出せず最後は完全に一杯となっていた。 負け過ぎの感もあるが、平坦コースでの巻き返しに期待したい。ホッカイマーカムは行きっぷりは良かったが、1周目の5号障害で躓いて落馬。前の馬の落馬も少なからず影響していたようだ。 サンライトストームはいつもどおり単騎で飛ばしていたが、1周目向正面の竹柵障害の飛越がややおかしかったので心配していたところ、5号障害では踏み切らずに障害に突っ込んでしまい落馬してしまった。 右上腕骨々折で予後不良となってしまった。いつでも単騎で大逃げを打って沸かせた個性派がまた一頭、この世を後にしてしまった。心よりご冥福を祈りたい。

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ティエリー・マジョルクリック騎手日本初騎乗は7着

 今週から短期免許を取得したティエリー・マジョルクリック騎手は土日とも騎乗予定の馬が除外となる不運があったが、田口騎手が落馬負傷のために初騎乗のチャンスが巡ってきた。 騎乗馬はフサイチエムネット。フランスの一流騎手の腕前を注目するファンも多く2番人気に推されたが、結果は7着に終わった。いきなりの乗り替りと言うことを考えれば仕方がないところだろう。 しかし、飛越させるフォームが奇麗なのは印象に残った。


ティエリー・マジョルクリック騎手落馬負傷

 1/23、京都・障害未勝利で、短期免許取得により来日中のT.マジョルクリック騎手騎乗のナルクリミナルは、先に転倒したサンデーパラダイスに触れて躓いて落馬。 馬に異常はなかったが、マジョルクリック騎手は左第10肋骨々折、左背部打撲で全治3週間と診断された。これから本領発揮かと思われていただけに残念である。


マキシマムプレイズ、ぎりぎり踏ん張り2勝目!!
 (1/29、京都5R・オープン)


着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手性・歳タイム着差人気
1着マキシマムプレイズ57▲高田 潤セ・63:34.1
2着11イブキハイシーザー60林 満明牡・93:34.2  クビ
3着ナリタハヤテ59藤井 正輝牡・63:34.62. 1/2
4着10ショウザンスカイ59嘉堂 信雄牡・53:35.23. 1/2
5着ファンドリロバリー61出津 孝一牡・83:36.9大差
6着シートラスト59植野 貴也牡・63:37.0  1/210
7着フィールドエフワン59北沢 伸也牡・93:37.1  1/2
8着トーワウイングス60高橋 康之牡・63:38.8大差
9着タガノゲール60小林 徹弥牡・83:40.111
10着スルーオグリーン60熊沢 重文牡・73:46.0大差
中止トラノデイトナ60菊地 昇吾牡・9落 馬
単 (9) 2420     複 (9) 520 (11) 220 (5) 630
枠 7−8  1470     馬 9−11  6040晴・良
ワ 9−11  1450    5−9  2020    5−11  1820
(レース)
 トラノデイトナがダッシュを利かせて行きかけるが、ファンドリロバリーも積極的に前に。しかし1コーナー過ぎでハナに立ったのはここ数走差しに徹したレースを続けていたマキシマムプレイズだった。 飛越も巧く、気分よく逃げるマキシマムプレイズを2番手で追走したのはファンドリロバリーとイブキハイシーザー。ついでトラノデイトナ、スルーオグリーンと続いた。1番人気のフィールドエフワンは離れた後方の位置どりだった。 2周目に入って2コーナー過ぎの4号障害でトラノデイトナが落馬。ここで落馬のあおりを受けたスルーオグリーンが失速。ここで前3頭が後続を離し、最終障害後にファンドリロバリーが一杯に。ここでマキシマムプレイズとイブキハイシーザーの2頭に絞られ、 直線の攻防に。残り200mで内粘るマキシマムプレイズを外からイブキハイシーザーが交わす勢いだったが、なかなか交わせずそのままマキシマムプレイズが抜かせずクビ差押し切った。 そのあとの3着には直線で鋭く伸びたナリタハヤテが突っ込んだ。

(結果分析)
 マキシマムプレイズは掛かりぎみにハナへ。それでも1周目の向正面で落ち着く。飛越がスムーズで単騎でレースを進められ、道中絡まれなかったのが勝因か。最後の叩き合いも2kg減の斤量が大きかった。 恵まれた面が否めず、この勝利を鵜呑みにすることはできないが、序盤から積極的なレースをした方が向いているようだ。次走が試金石。イブキハイシーザーはようやく復調気配。先行集団の馬が続々と脱落していったのも好走の要因ではあるが、 巧く立ち回り理想的なレースができた。スタミナにやや不安があるが、この距離ならばこれぐらい走って当然の馬。メンバーにも恵まれた感があり、こちらも次走れば本物。ナリタハヤテは休み明けでも3着と好走した。良馬場でこれほどやれるとは思わなかった。 馬体がしっかりしてきたのも好走の要因か。まだ半信半疑だが、良馬場でも勝負になることは示した。馬場が悪化したときや距離延長はプラスな馬であり、重賞戦線での大穴候補として密かに期待したい。ショウザンスカイは最後伸びてきたが4着まで。 上がりがかかったため伸びは目立ったが。ファンドリロバリーはやや中途半端なレースぶり。最後はプラス20kgがまともに響き一杯に。最終障害までの貯金があったため5着には入ったが、前とは大きく差をつけられた。 積極策で復活の活路を見出してほしい。シートラストは前走とそんなに変わらないタイムで駆けているが、メンバー弱化のためか6着と着順を上げた。フィールドエフワンは若干太めも響いたか飛越が全体的に雑。 道中離され過ぎで、勝負どころでも上がっていけず、さらに最後もいつもの伸びがなく惨敗。全くいいところがなかった。展開が向かなかっただけの敗因とは言い難く、はっきり言って分からない。 トーワウイングス、タガノゲールは後方から末を伸ばすレース。道中離され過ぎで、全くレースにならなかった。スルーオグリーンは行きっぷりがよく先行集団でレースを進めたが、飛越でややスピードが落ちるところがあり、さらに休み明けの影響から2周目に入るとやや息切れ。 また、落馬の際に不利を受け、さらに故障発症もあって大差負けは仕方がないところ。その故障が右前浅屈腱不全断裂を発症とのことで、復帰は難しいであろう。2走目の変わり身を期待していただけに残念である。

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高田騎手障害初勝利!!

 1/29、京都・障害オープンで、今年の年頭から障害騎乗をはじめた昨年デビューの新人・高田騎手がマキシマムプレイズに騎乗し、見事に障害初勝利を挙げた。1999年デビューの騎手の中で最初の障害勝利騎手となった。 今回も含めて上位人気馬の騎乗がなかったが、障害初騎乗から1ヵ月での勝利は立派であり、今後の活躍を期待させる騎手である。



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