1999年10月


10月

川合騎手落馬負傷で全治2ヵ月
 (10/3、阪神・未勝利)


 川合騎手騎乗のスキーミュージックは順まわりの7号障害で着地時に躓いて転倒。川合騎手は左鎖骨遠位端骨折と診断され、2ヵ月の加療を要するという診断を受けた。 これまで川合騎手は障害で6勝を挙げており、優秀障害騎手賞(障害10勝)の可能性も十分で期待されていたが、この負傷は非常に痛いものとなってしまった。


4歳馬メイショウデンセツ、負けなしの2連勝!!
 (10/10、東京・オープン)


着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手タイム着差人気
144メイショウデンセツ456△白浜雄造3:40.23
211グランドハヤブサ760出津 孝一3:40.3  1/21
333ジュピテリアン560成田 均3:41.14
466キングスロード657▲江田勇亮3:41.82
522エムジースナイパー660栗原 洋一3:42.57
655ケイティタイガー1163嘉堂 信雄3:42.71 .1/29
788アポンマイワード560浜野谷憲尚3:43.88
889ミデオンヨミヒト560大江原 隆3:44.43 .1/26
中止77シロヤマランディ660田中 剛競走中止5
単 (4) 390     複 (4) 180 (1) 140 (3) 230
枠 1−4  940     馬 1−4  920晴・良

 未勝利戦を圧勝したメイショウデンセツが昇級戦をもろともせず連勝を飾った。昨日の東京の未勝利戦を圧勝したダッシュホーラーに2秒以上離して勝った障害初戦が圧巻だったが、今回も見事な勝利だった。 序盤は先頭でレースを進めていて、やや斜めに飛んでいたが後半は飛越もスムーズで、一旦控えての競馬となった。最後は平地準オープンのグランドハヤブサとの叩き合いを制した。これで2連勝。 去勢して本格化した4歳馬が次に選ぶのは東京AJなのだろうか。4歳馬の障害重賞制覇はここ数年記憶にないので、ぜひとも達成してもらいたい。 グランドハヤブサは2着に敗れたが、前走とは行きっぷりが一変していた。4角で窮屈にならなければ間違いなく勝っていただろう。最後は叩き合いに敗れたものの、4kgの斤量差を考えれば仕方ないところか。 スタミナタイプの馬なので、長い距離のレースが組まれている秋の重賞競走&オープン競走でさらに力を発揮できるであろう。久々のジュピテリアンも最後までしぶとく食い下がっていた。最後は平地力の差に屈したが、 次走に期待を持たせる内容であった。キングスロードはスローペースになって展開が向かなかったのが敗因か。持ち味の末脚が生かせなかった。エムジースナイパーは何となく入着した感じ。 ケイティタイガーは叩き良化型なので、次走に期待したい。相変わらず飛越は安定しており、最後は休み明けのため息切れしてしまったが、まだ見限るのは早すぎる。距離の長い京都HJ、中山大障害ならば入着以上も可能性はある。 しかし、重賞2勝馬で、今春のG l 2着馬に対して9頭中の9番人気というのは・・・。アポンマイワードは頭打ちの感。ミデオンヨミヒトは飛越は文句なく巧いのだが、休み明けのため最後は息切れ。 惨敗のためここで見限ってしまいがちだが、安定した飛越が光る同馬がこのまま終わるはずはない。今回は度外視して次に期待したい。

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鈴木騎手、フランスで3着!

 JRAに入った情報によると、10月11日のリヨン・パイイー競馬場で行われたモン・ヴェルダン賞(3800m、ハードル)でヴォルテックスに騎乗し、14頭中の3着に健闘したようだ。同馬は4番人気。 10月9日にもオートゥイユ競馬場のRTL賞(3900m、ハードル)に騎乗予定だったが、こちらは出走取消となっている。


北沢騎手、フランスで騎乗も・・・

 JRAに入った情報によると、10月13日のオートゥイユ競馬場で行われたベイ・アルシェ賞(3500m、ハードル)でラモノディエールに騎乗したが、 残念ながら結果は落馬競走中止とのこと。北沢騎手にケガはなかった。


ロードアトラス、差し切り勝ちで2連勝!!
 (10/16、洛南ジャンプS)


着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手性・歳タイム着差人気
1着ロードアトラス60熊沢 重文セ・53:31.4
2着ポリッシュボーイ60西谷 誠牡・53:31.4  クビ
3着リンクローレル59金折 知則牡・63:32.03. 1/2
4着ファンドリロバリー60出津 孝一牡・73:33.7大差
5着メイショウノジギク58林 満明牝・53:33.7  ハナ
6着シャンパンファイト62白浜 雄造牡・93:35.0
7着キタノワン60岡富 俊一牡・53:35.1  1/2
8着プレストロバリー59植野 貴也牡・53:38.0大差
単 (6) 250     複 (6) 130 (3) 110 (2) 240
枠 3−6  370曇・良
(レース)
 休み明けのリンクローレルがハナを奪い、ファンドリロバリーは2番手。メイショウノジギク、キタノワンと続き、ポリッシュボーイとロードアトラスの2頭は中団よりやや後ろの位置どりでレースを進めた。2周目に入ってポリッシュボーイが徐々に先団に上がっていったと同時にマークしていたロードアトラスも進出開始。 手応えはポリッシュボーイの方が良く、3コーナーでリンクローレルを捕らえて先頭に立ち押し切りを狙うも、4角で2番手に上がってきたロードアトラスが最終障害飛越後に差を詰め、ゴール前で計ったように差し切った。

(結果分析)
 ロードアトラスはポリッシュボーイをマークする形でレースを進めた。2周目に入ってポリッシュボーイとともに上がっていくが、飛越の差でなかなか差が詰まらなかった。それでも4角でリンクローレルとファンドリロバリーの間を割って2番手に上がり、最終障害で2馬身ほど前にいたポリッシュボーイをゴール前で差し切る力強いレースを見せた。 これで3戦2勝。差のない2着だった緒戦の相手が小倉SJの覇者・ロングイカロスだったことを考えれば、まだまだ底を見せていない。今後もこの馬の活躍は見逃せない。ポリッシュボーイは自分から動いていっての2着なので、評価できるものである。今回は2度の水濠障害も無難で、 さらに2周目の向正面では飛越のごとに差が詰まる巧飛の連続であった。今回はちょっと仕掛けが早かったかもしれないが、自在に立ち回れるようになれたのは今後の戦いにプラスになるだろう。次走に期待したい。 リンクローレルは休み明けだったが、序盤からハナを奪ってレースを引っ張り、3着に粘った。休み明けを考えれば好内容である。しかし、外へ外へと斜飛が目立ち、今後これを修正していければさらに活躍が期待できる。ファンドリロバリーは中途半端なレースとなってしまい、最後は一杯。4着を守り抜くのが精一杯だった。 やっぱりスンナリとハナに立つレースの方が合うのだろうか。それとも前走の影響があったのだろうか。今回は4着とは言え負け過ぎの感がある。メイショウノジギクは飛越が上達してきたが、オープンではこれ以上を望むのは難しいようだ。 シャンパンファイトは飛越が雑だった。成績的にもやはり阪神コースの方が向いているようだ。キタノワンは同型の多いここでは楽な競馬ができなかった。2周目に入ってからはついて行けなかった。連闘の疲れよりも力不足の感がした。 プレストロバリーは離れた後方からじっくりとレースを進めただけ。全く見どころがなく、未勝利でも通用するかは疑問である。

 今回はちょっとレベルの低い一戦だったように思う。上位3頭は次につながるレースをしたが、このメンバーで差をつけられた4着以降の馬は今後もオープンでは苦戦が強いられそうだ。

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実力馬ゴーカイ、見事な差し切り勝ちで重賞制覇!!
 (10/24、東京オータムJ)


着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手性・歳タイム着差人気
1着ゴーカイ60横山 義行牡・73:38.6
2着メイショウデンセツ57白浜 雄造セ・43:38.9
3着ファンドリロバリー57出津 孝一牡・73:39.0  クビ
4着アポンマイワード55江田 勇亮牡・53:39.21. 1/2
5着エムジースナイパー56栗原 洋一セ・63:39.51. 3/4
6着イチバンリュウ61金折 知則牡・63:39.5  ハナ
7着リンデンバウム60浜野谷憲尚牡・83:39.5  クビ
8着シャンパンファイト59大江原 隆牡・93:41.6大差
単 (6) 250     複 (6) 130 (3) 110 (2) 240
枠 3−6  370曇・良
(レース)
 押して先頭に出たファンドリロバリーが終始先頭で引っ張る展開。リンデンバウムが追いかける2番手、イチバンリュウは絶好の3番手をキープしていた。ゴーカイは中団、メイショウデンセツは後方の位置にいた。2周目の向正面でリードを広げにかかったファンドリロバリーを早目に追いかけたリンデンバウムの2頭が抜け出して直線に向くが、 最終障害でリンデンバウムが脱落。代わって中団からジワリと差を詰めていたゴーカイが逃げるファンドリロバリーを捕らえて差し切り勝ちを演じた。さらにメイショウデンセツが外から追い込み、ゴール寸前でファンドリロバリーを捕らえ2着に入った。

(結果分析)
 ゴーカイは中団からのレースで、向正面で徐々に進出。直線で外から差し切った。この馬の力を見事に引き出した横山義行騎手の完璧な騎乗ぶりが光った。展開利があったのは確かだが、60kgのハンデで勝ったのだから内容的には悪くない。重賞ウイナーとなった今後のこの馬の動向が楽しみになってきた。 メイショウデンセツは後方からのレース。前が崩れたのもあったが、最後の伸びは目を見張るものがあった。4歳馬でここまでやれれば立派である。これからまだまだ伸びる余地がありそうで、大物ジャンパー誕生を感じさせた。今後は斤量と距離が気になるが、克服できるだけの実力は十分ありそうだ。 ファンドリロバリーは積極的にハナへ。57kgのハンデも良く最後まで踏ん張った。連闘で馬体が絞れていたため、前走よりも行き脚がスムーズだった。だが反面、最後は連闘の疲れがあったようで、踏ん張り切れなかった。距離延長にも不安が残るので、重賞ではやや足りないような気がする。 アポンマイワード、エムジーハヤブサはともに軽ハンデに恵まれて入着を果たした。4、5着もハンデの差か。勝負どころで手応えの怪しくなったイチバンリュウは最後も伸びを欠き、ハンデ差もあって6着に敗れた。距離が足りなかったことよりも、左回りが合わないようだ。 次は良績を残している京都コース。右回りの周回コースというのも向いているのかも知れない。次走の巻き返しに期待したい。リンデンバウムは逃げるファンドリロバリーを深追いしたため、スタミナを消耗し最後は一杯になってしまった。前走のようにじっくり行ければ結果は変わっていたかもしれないが、 人気馬ということもあり、自分から動いてしまったことで自分自身を苦しめてしまい脆い面が出てしまった。シャンパンファイトは1頭だけ惨敗。このレース振りから、これからは阪神での一発を期待するしかあるまい。

 有力馬の回避などで8頭という少頭数となってしまった今回。レベル的には決して高いものではなかったが、直線の競り合いなど見応えのあるレースではあった。 さて、次の重賞は京都HJ。いよいよ秋の重賞も2レースを残すのみとなり、G ll 、G l と格も上がってくるので、春のようなレベルの高いメンバーでのレースを期待したい。

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順調に使われていたポリッシュボーイが快勝!!
 (10/30、京都・オープン)


着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手性・歳タイム着差人気
1着ポリッシュボーイ60西谷 誠牡・54:17.8
2着グランドハヤブサ60出津 孝一牡・74:18.01. 1/2
3着ノーザンレインボー63田中 剛牡・104:19.4
4着メジロファラオ63大江原 隆牡・74:19.7
5着ケイティタイガー61△白浜雄造牡・114:19.7  ハナ
6着フジノセイガイハ60林 満明牡・64:20.2
7着ドングリ60嘉堂 信雄牡・74:25.0大差
中止ヤスノテイオー60植野 貴也牡・5落 馬
単 (7) 300     複 (7) 110 (6) 130 (4) 130
枠 6−7  430晴・良
(レース)
 2つ目の障害でヤスノテイオーが落馬。そこでハナを奪ったグランドハヤブサが手応え良く単騎先頭で逃げる展開に。ノーザンレインボーは休み明けと言うことで無理せず2番手、メジロファラオが3番手でポリッシュボーイとケイティタイガーの2頭が続き、フジノセイガイハ、ドングリは後方から。 グランドハヤブサが後続を引き離して逃げ、2番手以下があまり差のない追走でレースは流れた。3周目に入るスタート地点あたりから徐々に後続も差を詰め、4角では差が縮まっていた。最終障害飛越後、グランドハヤブサが最後の力を振り絞って突き離しにかかるが、絶好の手応えでやってきたポリッシュボーイの伸び脚が鋭く、 差し切り勝ちを演じた。

(結果分析)
 ポリッシュボーイは前走の反省を踏まえ、仕掛けをぎりぎりまで遅らせた。これが功を奏し、持ち味の差し脚がフルに威力を発揮した。苦手としていた水濠障害も全く問題はなかった。それ以外の障害は実に無難で、抜群に巧い。そのためスタミナの消耗が少なく、最後の脚が発揮できる。 障害数が多い方が力を出せそうで、京都HJでも好戦が期待できる一頭だと思う。グランドハヤブサは前走あたりからようやく好調時のレースぶりに戻ってきた。持ち味のスタミナを存分に生かし、序盤から積極的に逃げて出ても最後までバテてはいなかった。目標にされた分差されはしたが、 力差は感じられなかった。京都HJはさらに距離が伸びるので、この馬にもチャンスの目は大きい。ノーザンレインボーは休み明けで、しかも距離を考慮して無理せず2番手からの競馬に徹した。3周目の3角で前との差が詰まったが、平地に入ると63kgの影響もあり前との差が広がってしまった。 それでも3着に粘るところは地力の差か。今回を使われて上向くことは間違いないだろう。次走は京都HJか直接中山大障害に向かうかは分からないが、まだ衰えは全く見られない。次は要注意だ。メジロファラオはやや水濠でトモを落としたが、すぐに立て直せた。休み明けと63kgの影響で最後は伸び切れなかったが、 まずまず走ってはいる。目標はもちろん春秋G l 制覇だろうが、やや飛越にばらつきがあるのが目に付いた。ケイティタイガーは距離が伸びた今回はジックリと構えていたが、最後は伸び切れなかった。まだ本調子とは行っていないようだった。しかし、京都HJ、中山大障害ともにコース、距離を得意としており、 まだまだ見限れないところだ。フジノセイガイハは休み明けにしてはまずまずの内容だが、最後は力の差が出た。ここまでが精一杯か。ドングリは行きっぷりがひと息。1頭だけ大きく離されての入線。春の良いころのデキになかった。 ヤスノテイオーは最初の障害で巧飛。勢いがつき過ぎて2つ目の障害で落馬。休み明けの分、行きたがっていただけに暴走一杯に終わっていた可能性は高い。太目だったことが影響したのかは疑問だが、あの行きっぷりと飛越を持ってすれば、まともに走ればそれだけ走るか分からない。 馬には全く問題ない落馬だったので影響は皆無に等しいだろう。ここで一気に評価を落とすのは危険な一頭である。

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