1998年10月


10月

西谷騎手復帰!! (10/4・阪神5R 400万以下)

 久々に西谷騎手が復活した。7/12の福島の未勝利戦で落馬負傷して以来、約2ヵ月半ぶりの騎乗である。復帰緒戦は4着に敗れたものの、まずは無事に復帰してくれたことを喜ばしく思う。 現在、田中剛騎手が西谷騎手と並んで10勝しているとあって、今年の障害リーディング騎手争いもいよいよ面白くなってきた。


障害コースに注目!?

 今週から東京と京都の開催になるが、この秋から両競馬場の障害コースに変更点があるらしい。東京は3コーナーから1コーナーまでの路盤を改造し、 それに伴い第1号障害〜第4号障害も改造が施されているそうだ。京都は9ヵ所ある障害のすべての踏切板に保護ラバーが設置されているらしい。 とにかく、これが障害改革へのわずかな1歩であることには違いない。


三浦騎手、海外初勝利!!

 川合騎手とともにフランス遠征中の三浦堅治騎手は、10月6日のアンギャン競馬場の第6レース「シャラント賞」(ハードル障害・3500m)でポピーデューに騎乗。 20頭立ての同レースで終始3番手追走から直線で抜け出し、2着に4馬身差をつける快勝劇で、これが自身の海外障害初勝利となった。


東京の障害コースは?

 レースを見た人は気付かれたと思いますが、4角の最初に水濠障害が来ており、あとの正面の3つの障害もやや高くなっていたらしい。 また、一般競走と特別競走とでは障害の配置を変更、難易度を異なったものにするという情報もあり、東京障害特別ではまた違ったものとなるらしい。


レガシークレスト、逃げ切り3連勝!!
 (10/17・京都5R オープン)


着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手性・歳タイム着差人気
1着レガシークレスト59田中 剛牡・53:40.3
2着アワパラゴン61林 満明牡・83:41.5
3着シリウスランド59佐伯 清久牡・53:41.8
4着ポレール59▲白浜雄造牡・83:42.43 1/2
5着ケイティタイガー62嘉堂 信雄牡・103:43.7
6着フジヤマリジェント59出津 孝一牡・63:44.5
7着セフティオーシャン59合谷 喜壮牡・53:45.13 1/2
8着オンワードアトゥ59小林 徹弥牡・63:46.5
単 (1) 230     複 (1) 110 (3) 120 (2) 160
枠 1−3  380雨・不良

 豪華メンバーが集ったこのレースだったが、台風10号の影響で雨が降り続き、不良馬場のもとでレースは行われた。 積極的にハナを奪ったレガシークレストにアワパラゴンが競りかける形でレースは進んだ。スタート後からこの2頭が3番手以下を引き離す展開で、前2頭は全く譲らず、最初から最後まで2頭が並んで飛越するといったレースとなり、 直線に向くと、レガシークレストがアワパラゴンを突き離し、最後は7馬身差の圧勝となった。レガシークレストが道悪巧者であるといっても、最後突き離したのは実力の証。 前2走が恵まれた勝利だと言う人が多かったが、今回の勝利でこの馬が現障害界のトップレベルの馬であることを認識させたであろう。次はおそらく京都大障害(秋)だろうが、引き続き59kgで出走できるため、有力候補であることに違いない。 アワパラゴンはレガシークレストをぴったりマークして追走したが、飛越でスピードが落ち、最後までレガシークレストを交わすことができなかった。最後やや一杯になったのは休み明けということで仕方ないが、2着は確保した。 どうやら中山大障害(春)での落馬の影響はないようだ。一叩きされ、また良馬場になれば変わってくるはず。次で完全復活といきたい。シリウスランドは後方からのレースだったが、最後の末脚は素晴らしかった。 昇級戦、しかもこのメンバーでの3着は立派。オープンでも十分通用することをアピールした。ポレールは乗り込み不足で心配されたが、59kgにも恵まれ4着に入線した。飛越自体を見てもまだ本調子でないのが一目瞭然だったが、 それでいて4着なら問題ない。復帰が危ぶまれたぐらいの骨折から立ち直り、無事に復活してくれたことが我々ファンにとって一番喜ばしいことである。このまま順調に中山大障害(秋)に向けて仕上がれば、65kgでも大仕事することはできそうだと思う。 ケイティタイガーも仕上がり一息。道悪は空っ下手で、しかも62kgと他馬に比べて不利な条件だったが、よく食い下がって5着に入った。10歳馬、まだまだ元気である。フジヤマリジェントは飛越自体は巧かったが、 途中からついていけなくなった。一叩きされ、メンバー次第ではオープンでも何とかやれるかも知れない。セフティオーシャンは惨敗。来週の巻き返しには疑問としておく。オンワードアトゥは14kg減の馬体が響いた。

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ノーザンレインボー、粘り勝ち!!
 (10/24・東京9R 東京障害特別(秋))


着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手性・歳タイム着差人気
1着ノーザンレインボー62田中 剛牡・93:42.3
2着ビクトリーアップ55横山 義行セ・63:42.3クビ
3着イブキハイシーザー58林 満明牡・73:42.93 1/2
4着トキオワイルド57出津 孝一牡・53:43.53 1/2
5着シャンパンファイト56金折 知則牡・83:44.2
6着11ゴッドスピード62西谷 誠牡・53:44.3  1/2
7着ヨイドレテンシ57嘉堂 信雄牡・73:44.4  3/4
8着エアファントム57鈴木 寿牡・63:45.1
9着タガノゲール57瀬古 正明牡・63:47.7大差10
10着10フジヤマリジェント56浜野谷憲尚牡・63:48.011
中止メジロバルカン57白浜 雄造牡・6落 馬
単 (8) 220     複 (8) 120 (4) 510 (2) 240
枠 4−7  5240     馬 4−8  5360小雨・稍重

 人気2頭が前半から並走する形でレースが進む。正面の大竹柵は無難に全頭が飛んでいったが、その次の生け垣障害でゴッドスピードがややバランスを崩し、メジロバルカンが落馬してしまった。 その後2周目の向正面ではイブキハイシーザーを加えた人気3頭が並走する形となり、最終障害前にノーザンレインボーがやや失速。最終障害後イブキハイシーザーが抜けだして、「勝ったかな?」と思いきや外へ膨れてアラアラ。 そんな中、一度失速したかに思われたノーザンレインボーが盛り返し、最後急追したビクトリーアップを振り切った。春と同じくハンデ頭の馬が最軽量の馬を振り切るレースとなった。 ノーザンレインボーは中山大障害(春)に次いで2つ目の重賞制覇。田中剛騎手は今年3つ目の障害重賞制覇。ノーザンレインボーは中山以外での競馬場では初勝利となるが、中山での強さを思うとやはり物足りなさを感じた。 しかし、ハンデ頭での勝利は真の強さを証明するもの。次走は64kgでも京都大障害(秋)? ビクトリーアップは55kgもあったが、末脚は光った。前走がフロックでないことを証明した。今年のハンデ重賞の2着馬はすべてがこのような軽量を生かした追い込みタイプである。 ビクトリーアップはこれからどのようなローテーションを取るのだろうか? イブキハイシーザーは最後苦しくなって外へ膨れてしまった。平地では短距離で戦っていた馬、距離延長はやはり歓迎ではなかったか。でもまともなら勝っていただけにもったいなかった。 力のあることは改めて感じたが、それとともに距離の不安も露呈してしまった。京都大障害(秋)はさらに距離が伸びるので、出走するのなら苦戦は免れない。トキオワイルドは初のオープン挑戦でこれだけやれれば立派。これまで2戦はスローペースからの上がりの競馬で、 激しい流れを経験していなかったが、このようなハイペースでのスタミナ比べでも崩れなかったことは評価できる。まだ5歳、これからもっと伸びる逸材であろう。シャンパンファイトは前走とは違って少し行き脚が出たが、+12kgが影響したか最後は伸び切れなかった。 しかし、ポレールの2着に入った2年前の阪神障害S(秋)の頃に比べると衰えが目立つ。それでも入着を果たしたのはさすがだが。ゴッドスピードは春とは別馬のようなレース。逃げ馬を視界に入れながらの余裕の追走から、平地力で突き離すといったレースをしていたが、 今回はハンデの関係もあるだろうが、余裕のない逃げで焦ってレースを進めているようだった。これでは最後までスタミナが持たず、失速してしまうのも無理のないことである。斤量が重いのならば、同じ62kgを背負うこととなる京都大障害(秋)でも不安がともなう。 まだ5歳と若く、これからも期待できる馬だけに、春のリズムを取り戻して、次走で巻き返してほしいところだ。ヨイドレテンシは外傷明けだったが、最後は伸びている。次は期待できる。 エアファントムも休み明けの影響が出たようだ。こんなに負ける馬ではない。タガノゲール、フジヤマリジェントは400万以下を勝った頃の勢いがない。メジロバルカンは生け垣障害で躓いて落馬。連戦の疲れが残っていたように思う。

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シャドウクリーク完勝! (10/31・東京5R 未勝利)

 今年のフェブラリーS(G l )3着馬シャドウクリークが障害入りした。平地ではバリバリのオープン馬で、福島の芝・1200mのレコードも所持している。 スタートが悪く、最初の障害の飛越が大きくてスピードが落ちたが、それ以外は問題なくこなし、最後はほとんど追わなかったものの、完勝した。 この馬なら重賞でも好勝負できる逸材だろう。山本騎手の初重賞制覇もこの馬とのコンビが続く限り現実的になってきた。



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